• フェルミ分布関数フェルミぶんぷかんすう、英: Fermi distribution function)とは、相互作用のないフェルミ粒子の系において、一つのエネルギー準位にある粒子の数(占有数)の分布を与える理論式である。フェルミ・ディラック分布とも呼ばれる。 理想フェルミ...
    5 KB (577 words) - 11:12, 30 August 2022
  • フェルミ (Enrico Fermi) に由来する。 場の量子論から、半整数スピンを持つ粒子2つを入れ替えたとき波動関数の符号が逆転する。すなわち、同種の複数のフェルミ粒子からなる系の全波動関数は、いずれかの2個の粒子の交換に関して反対称となる。これは系の全波動関数をψ、i番目の粒子の座標をxiとしたとき、...
    5 KB (550 words) - 09:07, 25 October 2023
  • はボルツマン定数、 μ は化学ポテンシャルである。分布のプロットを右図に示す。f が 1 に近づくほど、この状態が占有される確率は高くなる。f が 0 に近づくほど、この状態が空になる確率は高くなる。 絶対零度(基底状態)では、フェルミ分布は階段関数になり、その不連続点がフェルミエネルギーである。 lim T →...
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  • ボース分布関数(ボースぶんぷかんすう、英: Bose distribution function)は、相互作用のないボース粒子の系において、一つのエネルギー準位に入る粒子の数(占有数)を与える理論式である。ボース–アインシュタイン分布関数 (Bose–Einstein distribution function)...
    2 KB (204 words) - 12:18, 30 August 2022
  • 電子捕獲によりツリウムに、174Ybよりも重い同位体はベータ崩壊によりルテチウムに崩壊する。異なるイッテルビウムの同位体がそれぞれボース分布関数フェルミ分布関数に従うことが近年の量子光学で注目を集めている。 標準原子量は173.04(3) uである。 Isotope masses from Ame2003...
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  • 功し、「核時代の建設者」「原子爆弾の建設者」とも呼ばれた。 フェルミに由来する用語は数多く、熱力学・統計力学のフェルミ分布フェルミ準位、量子力学におけるフェルミ粒子、原子核物理学のフェルミウムの元素名の他、フェルミ推定の方法論やフェルミのパラドックスという問題にその名を残している。実験物理と理論...
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  • ^{-(E_{f}-E)/k_{B}T}} となる。Ef はフェルミ準位である。電子の分布関数において、E−Ef≫kBT{\displaystyle E-E_{f}\gg k_{B}T} であれば、フェルミ分布関数はボルツマン分布に近似できる。正孔の分布関数においても同様であり、その近似条件は Ef−E≫kBT{\displaystyle...
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  • 量子統計力学においては、占有数の分布フェルミ分布に従うフェルミ粒子と、ボース分布に従うボース粒子の二種類の粒子に大別できる。ボルツマン分布はこの二種類の粒子の違いが現れないような条件におけるフェルミ分布とボーズ分布の近似形(古典近似)である。ボルツマン分布に従う粒子は古典的粒子とも呼ばれる。...
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  • 電荷密度 (redirect from 電荷分布)
    運動量密度は、コンプトン散乱や電子‐陽電子消滅実験などの実験によって観測される量で、対象が金属(含む半金属)の場合、フェルミ面の情報を含んでいる。 自由電子の場合の運動量密度 ρ(P) は、自由電子の実空間(3次元)での波動関数 ψ が平面波 e−ik⋅r{\displaystyle e^{-i{\boldsymbol {k}}\cdot...
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  • {1}{e^{\beta (\epsilon _{j}-\mu )}-1}}} となる。これがボース分布関数である。 一粒子のエネルギー固有値εjをもつ固有状態jについて、フェルミオンの場合、粒子数njは0もしくは1のみをとるので大分配関数は、 Ξ ( j ) ( β , μ ) = ∑ n j = 0 1 e − β...
    8 KB (1,460 words) - 12:41, 21 June 2022
  • 関数と似た性質を持つς型の関数(累積正規分布関数、ゴンペルツ関数、グーデルマン関数など)を総称するのが普通である。 標準シグモイド関数はロジット (logit) の逆関数であり、これになぞらえて統計処理の数値計算ライブラリでは標準シグモイド関数を expit 関数と呼んでいるものもある。...
    5 KB (744 words) - 08:32, 5 May 2023
  • (s)} 多重対数関数フェルミ分布関数およびボース分布関数の積分を閉じた式で書くときに必要になり、そのような場合にはフェルミ=ディラック積分およびボース=アインシュタイン積分と呼ばれることもある。 多重対数関数(polylogarithm)をen:polylogarithmicな関数...
    5 KB (669 words) - 20:57, 19 January 2024
  • た素励起が重要となり、スピン波と呼ばれ、ボース粒子のように振る舞う。 [脚注の使い方] ^ デイヴィッド・J・サウレス著『多体系の量子力学』松原武生・米沢富美子訳、吉岡書店、1965年[要ページ番号] 統計力学 フェルミ粒子 標準模型 ボース=アインシュタイン凝縮 ボース分布関数 ボソン星 フォノン...
    6 KB (715 words) - 09:07, 25 October 2023
  • 「裸の」粒子のグリーン関数は、(準粒子とは対照的に)フェルミ気体のグリーン関数(この場合、与えられた運動量での周波数空間のグリーン関数は、それぞれの1粒子エネルギーでのデルタ関数である)と似ている。 状態密度でのデルタ関数は幅を持ち、その幅は準粒子の寿命で与えられる。 また準粒子のグリーン関数...
    20 KB (2,942 words) - 06:15, 4 April 2023
  • フェルミ理論により表現された運動エネルギーは、オービタルフリー密度汎関数理論のようなより洗練された密度近似運動エネルギーの一つとしても使われている。 1927年にトーマスとフェルミは独立に、この統計的モデルを用いて原子中の電子分布を近似した。実際の電子は原子中で不均一に分布しているが、近似的に電子は微小体積要素...
    11 KB (1,756 words) - 06:40, 29 May 2023
  • デバイ模型において、デバイ温度より十分低温の領域では比熱容量は温度の3乗に比例する。 一方、金属中の伝導電子の挙動を考慮する場合、第二項としてフェルミ分布関数などを必要とする。 単位物質量当たりの熱容量をモル熱容量と呼ぶ。モル熱容量と比熱容量は、体積や分子数といった示量変数ではなく系の内部自由度に依...
    21 KB (3,218 words) - 05:31, 21 January 2024
  • 原子、分子レベルにおける温度の意味については、ジェームズ・クラーク・マクスウェルの気体分子運動論によって初めて明らかとなった。気体分子の並進運動の速度分布はマクスウェル分布に従い、この分布関数の形状は温度に依存している。特に気体分子の並進運動エネルギーの平均値は3/2...
    25 KB (3,891 words) - 15:44, 5 March 2024
  • ( E ) d E {\displaystyle A=\int _{-\infty }^{\infty }{\mathcal {A}}(E)f(E)D_{1}(E)\,dE} となる。このときの f(E) がフェルミ分布関数である。 統計力学 分配関数(状態和) 量子力学 フェルミ・ディラック統計...
    6 KB (1,042 words) - 16:52, 12 February 2023
  • \left({\frac {E-\mu }{k_{B}T}}\right)-1}}} これら二つの分布関数から、内部エネルギー U、粒子数 n、比熱容量 C、熱伝導率 k を計算することができる。 これらの物性値と、密度関数分布関数との関係式は、状態密度を D(E) ではなく g(E) と書くと、以下のようになる。...
    27 KB (4,402 words) - 00:51, 9 October 2023
  • ポール・ディラック (category 王立協会フェロー)
    ウィキメディア・コモンズには、ポール・ディラックに関連するメディアおよびカテゴリがあります。 大数仮説 ルーカス教授職 反物質 ブラ-ケット記法 ディラック定数 ディラック賞 ディラックのデルタ関数 ディラック方程式 フェルミ=ディラック分布 ディラック・スピノル ディラック場 ディラックの海 ディラック共役 カピッツァ・ディラック効果...
    21 KB (2,716 words) - 09:25, 18 March 2024
  • プラズマ周波数以下では誘電関数は負であり、到来した電磁波は試料の表面で全反射される。一方で、プラズマ周波数以上の電磁波はサンプルを貫くことができる。 電子はフェルミ粒子なので同じ状態に1つ(スピン自由度を含めると2つ)しか入ることができず、エネルギー最低の状態から順に詰まっていく。エネルギーの最大値をフェルミ...
    9 KB (1,433 words) - 19:29, 26 December 2023
  • ファンデルワールス力 フィッツジェラルド=ローレンツ収縮 フェリ磁性 フェロ磁性 フェルマーの原理 フェルミ フェルミエネルギー フェルミ縮退 フェルミ=ディラック統計 フェルミ分布関数 フェルミ面 (フェルミ速度) フェルミ粒子 (フェルミオン) フォトン (光子) フォノン フォノンバンド 不確定性原理...
    32 KB (3,211 words) - 14:33, 2 May 2024
  • が異なることを示した。この凝縮はボース=アインシュタイン凝縮と呼ばれる。 理想ボース気体の熱力学は、グランドカノニカル分布によって計算される。ボース気体のグランドカノニカル分布関数は次のように与えられる。 Z ( z , β , V ) = ∏ i ( 1 − z e − β ϵ i ) − g i...
    14 KB (1,947 words) - 05:30, 28 June 2023
  • ーの自由度を、クォークに対してはスピン、粒子・反粒子、カラー、フレーバーの自由度を足し上げている。クォークの自由度に掛けられている因子7/8はフェルミ分布関数から来る因子である。さらに、パラメータB>0はMITバッグ模型において導入されたバッグ定数と同じものであり、2つの異なる真空の構造の差を決定す...
    13 KB (1,897 words) - 21:04, 29 August 2023
  • 関数はゼロ」の場合にのみ成立する。これは、フェルミ=ディラック統計において、2つ以上の粒子が同一の状態をとらないことを示す。これはパウリの排他原理と呼ばれる。 半整数スピンを持つ粒子(フェルミ粒子)はフェルミ=ディラック統計に従う。フェルミ粒子の例は、電子、陽子、およびヘリウム-3などがある。...
    4 KB (624 words) - 23:35, 17 January 2022
  • ついでジェームズ・クラーク・マクスウェルは気体中の分子は衝突するたびに速度が変化するが、定常な気体中では多数の衝突の結果、運動エネルギーは分子間に規則的に分配され、定常な速度分布関数が存在するとして、ある関数方程式を解いて、マクスウェル分布を導いた(1860年)。また同時に粘性係数の式を...
    10 KB (1,589 words) - 13:41, 3 August 2023
  • }(-\xi )=n_{\eta }(\xi )+2\xi c_{\eta }(0,\xi )} しかしこれらの導関数は決まったパリティを持つ。 ボース分布関数フェルミ分布関数は、フェルミオン振動数による変数のシフトの下で変質する。 n η ( i ω m + ξ ) = − n − η ( ξ )...
    19 KB (3,839 words) - 08:40, 22 February 2024
  • フェルミ粒子に分けられる。このうちのボース粒子はボース統計にしたがい、同種粒子は位置以外の区別がなく、複数の粒子が同じエネルギー状態をとりうる。ボース気体でボース=アインシュタイン凝縮(BEC)が生じる機構は次のように説明される。室温ではマクスウェル=ボルツマン分布...
    41 KB (5,977 words) - 09:56, 30 October 2023
  • ブロッホの定理によると、結晶中の電子の波動関数(結晶中の電子の電子状態)は、波数と呼ばれる量子数によって指定される。このことが、エネルギーと波数の関係式が原理的に書き下せることを保障している。 エネルギーバンドの特徴は、絶縁体と金属の違いを説明することができる。絶縁体や半導体では、フェルミ...
    4 KB (523 words) - 18:15, 22 June 2021
  • important). 絶対零度においても、粒子の運動量分布関数は鋭い増加を見せない。これはフェルミ液体と対照的である。フェルミ液体でのこの急増はフェルミ面を示唆する。 運動量依存のスペクトル関数に準粒子ピークが表れない。言い換えると、フェルミ液体のように、フェルミ準位より上では励起エネルギーよりも幅が狭いピ...
    10 KB (1,418 words) - 00:02, 24 November 2023
  • エントロピーは、熱力学における断熱過程の不可逆性を特徴付ける量として位置付けられる。熱力学では、系のすべての熱力学的な性質が、一つの関数によってまとめて表現される。そのような関数は完全な熱力学関数と呼ばれる。エントロピーは完全な熱力学関数の一つでもある。 エントロピーの定義の方法には、いくつかのスタイルがある。 熱を用いてエントロピーを定義する方法。...
    39 KB (6,113 words) - 19:44, 29 December 2023