• 心タンポナーデ(しんタンポナーデ、仏: tamponnade péricardique、英: cardiac tamponade、独: Perikardtamponade)とは、心臓と心臓を覆う心外膜の間に液体が大量に貯留することによって心臓の拍動が阻害された状態である。容易に心不全に移行して死に至るため、早期の解除が必須である。...
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  • 大動脈弁を壊したり(大動脈弁閉鎖不全症)、心臓を包む嚢という袋の中に出血を起こしたりすると、心タンポナーデを起こす。これらの合併症は死に至るものであり、大動脈解離が危険な病気である所以といえる。 また、急性大動脈解離においては破裂や心タンポナーデのみが危険というわけではない。解離によって偽腔が重要...
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  • 心タンポナーデより始まった破裂がブローアウト型かウージング型かを診断するのは必ずしも容易ではない。 破裂によりショック状態にある場合は、急激な停止に対処するための緊急対応として、まず嚢ドレナージを行い心タンポナーデ...
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  • 膜に炎症が生じると膜液の増量や膜の肥厚が生じ、超音波検査では膜液は無エコー領域として描写される。膜腔内に急速に液体が貯留すると、機能の低下を招く(心タンポナーデ)。内膜と区別して心外膜ということもある。 膜横洞 膜斜洞 胸膜膜靱帯 横隔膜靱帯 膜炎 漿液性膜炎 線維素性膜炎...
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  • エコー」(しんエコー)とも呼ばれる。体の様々な部分の超音波検査の中でも、心臓超音波検査は特に専門的な知識が必要である。 心臓機能の測定。 心筋梗塞、心臓弁膜症、収縮機能障害型の心不全、各種の心筋症、内膜炎、心外膜炎、心タンポナーデ、心臓腫瘍、先天性疾患の一部の診断。 肺高血圧症の間接的な診断。...
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  • 貯留液が多量の場合、心タンポナーデと同様に低電位を示す。 血液検査 炎症所見としてCRPや白血球数、また原因検索のために各種ウイルス抗体検査、免疫学的検査、生化学検査、腫瘍マーカーなどが行われる。 原疾患の治療が原則である。例えば化膿性膜炎の場合、ドレナー...
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  • の再建、血腫除去および合併損傷の修復を行なう。特に上腸間膜動脈の損傷においては、腸管虚血に注意が必要である。 また、上行大動脈破裂から心タンポナーデに至った場合は、嚢穿刺に続いて開胸手術を行なう。 小濱啓次『救急マニュアル 第3版』医学書院、2005年。ISBN 978-4-260-00040-6。 ...
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  • 一般に多く病院・診療所において診療されることの多い症候。 感染症(感染性内膜炎・筋炎) 心臓の感染は、急激な状態悪化と予後が極めて不良な疾患である。 肺血栓塞栓症 心タンポナーデ 深部静脈血栓症 脳卒中 一般の病院においては循環器内科では扱われず、神経内科・脳神経外科が診療に当たる領域。...
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  • 心タンポナーデによって即死となる場合が多く、助かることは難しい。ちなみに右心室と左心室の間に穴が開くことを心室中隔穿孔という。 心室瘤は、左冠動脈前下降枝 (LAD) 梗塞の結果として尖部に生じることが多い。心筋梗塞治療後も遷延する ST上昇の原因の一つである。破裂しやすく、心タンポナーデの原因となる。...
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  • 。起因菌に対し有効な抗生物質を投与し、大量輸液を要する。 心タンポナーデや心筋梗塞等で心臓から送り出される血液量が低下しているために、十分な血流を保てずショックに陥る。原因が鬱血性心不全である場合は利尿剤を投与する。ジギタリス等の強心剤は機能低下を一時的に改善できる可能性があるが、長期予後はむし...
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  • 害である。詳細はJATECの項を参照されたい。時間的に見て早期に死亡原因となるのは出血であるが、これは単に失血のみならず、心タンポナーデを始めとした各種の内出血によるタンポナーデによるものもあれば、肝臓・脾臓・大動脈が損傷すれば胸腔・腹腔に大量に出血して死に至る。目に見える外出血の有無にとらわれては重傷度の判断はできない。...
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  • 上記の高エネルギー外傷のほか、ショック状態、大量出血、あるいはその他の生命に危険のある損傷(緊張性気胸、開放性気胸、大量血胸、フレイルチェスト、心タンポナーデ、頚椎損傷)が考えられる傷病者に対しては全てロード&ゴーが適用される。 ロード&ゴーが宣言された傷病者に対しては、迅速な収容・搬送のほか、「頭...
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  • C:circulation 循環評価および蘇生と止血。正常な循環を妨げる病態。ショック、心タンポナーデ、緊張性気胸に留意する。この際、腹腔内出血および胸腔内液体貯留・嚢液貯留の検出のため、FAST検査が行なわれる。 D:dysfunction of CNS...
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  • 考慮する必要がある。逆にドレーンの排液が少ない時でも凝血塊でドレーンが閉塞して心タンポナーデに陥ることがあり、頻脈・低血圧・SvO2の低下などが見られタンポナーデと判断されたら躊躇せず速やかに再開胸止血術を行う。 術後に機能の抑制が見られる時には心臓の収縮力を高めるために各種の循環作動薬を使用する...
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  • 率30%以上、NYHAⅢ以上の心不全、大動脈弁疾患(特に重度の大動脈弁狭窄症)、腎不全例である。 低血圧の原因としては血管迷走神経反射、脱水、心タンポナーデがあげられる。特に造影剤を用いると血管拡張作用、浸透圧利尿によって脱水も起こりやすい。十分な輸液で対処する。血管迷走神経反射では生理食塩水全開...
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  • 心タンポナーデ、右心不全、カニューレのサッキングの3点である。 心タンポナーデ ドレーン排液の出血が落ち着いた後に、中心静脈圧(英語版)が十分であるにもかかわらずVADのポンプ流量が低下してきた場合は心タンポナーデの合併をまず疑う。エコーでタンポナーデを確認したら、躊躇せずに血腫除去手術を決断する必要がある。...
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  • ぶ。通常、患者が頭を観察者から45度回転させることによって確認される。いくつかの症状で上昇が認められる。 右心不全 三尖弁狭窄症 三尖弁逆流 心タンポナーデ また、肝臓に圧力をかけることで人工的にJVPを上昇させることができる。(肝頸静脈逆流)これはJVPの場所を見つけ、頸動脈波との区別を行うのに...
    6 KB (845 words) - 06:33, 13 December 2023
  • に異常に貯留した状態は心嚢液貯留(心嚢水貯留、英: Pericardial effusion)と呼ばれ、心タンポナーデの原因となるなど臨床上問題となる。 感染性疾患(ウイルスなど) 鬱血性心不全 腎不全 癌性膜炎 膜液・嚢水・嚢液の表現の使い分けについて(大阪府臨床検査技師会) 表示 編集...
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  • 穿刺 (redirect from 嚢穿刺)
    胸水を採取し、診断に用いる。多量の胸水がある場合には、ドレナージを行い、呼吸を改善させることもある。 嚢液を採取する。心タンポナーデでは、嚢液による圧迫が取れ、機能が改善する。 腹水を採取する。多量の腹水に対してはドレナージを行うこともある。 脳脊髄液を採取する。穿刺ルートを通じて、造...
    3 KB (313 words) - 01:39, 11 December 2023
  • 胸痛患者では致死的疾患へのアプローチを優先しなければならない。具体的には下記の6つの疾患がある。 急性冠症候群(不安定狭心症と急性心筋梗塞) 解離性大動脈瘤 心タンポナーデのう内出血や膜炎) 緊張性気胸・血胸 肺塞栓 特発性食道破裂 他にもTieze病や肋間神経痛、胸膜炎などがある。...
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  • 血管症状 漿膜炎としての心外膜炎や、リーブマン・サックス内膜炎、筋炎を発症することがある。心外膜炎は、重症であれば心タンポナーデの原因となる。 近年は、ステロイドの副作用の影響を除外してもなお、本症そのものが虚血性疾患の増悪因子であることが明らかとなっている。...
    36 KB (4,891 words) - 13:24, 25 February 2024
  • 心タンポナーデ、アナフィラキシー、間質性肺炎、パニック発作、肺高血圧症がある。また、女性の約2/3が正常な妊娠の症状の一部として息切れを経験する。 心タンポナーデは、呼吸困難、頻脈、頸静脈圧上昇、奇脈(吸気時の収縮期血圧低下が10mmHg以上となる)(英語版)を呈する。診断のゴールドスタンダードは心臓超音波検査である。...
    48 KB (5,216 words) - 23:28, 2 February 2024
  • 胸部大動脈瘤で激しい胸痛やショックを来たした場合で、胸部X線写真による縦隔拡大、血胸等を認めたときは破裂もしくは切迫破裂を強く疑う。嚢(膜腔)への破裂もしくは切迫破裂では血性滲出液の貯留により心タンポナーデを来たし、血行動態は非常に不安定になる。その場合CT検査室に運ぶこともリスクは高いが、緊急手術の可能性を考慮するならばCTの情報が必須となる。...
    18 KB (2,795 words) - 14:18, 21 February 2024
  • ドセタキセル (category オキセタン)
    皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)、中毒性表皮壊死症(ライエル症候群)、多形紅斑(< 0.1%)、重篤な口内炎等の粘膜炎、 心タンポナーデ、肺水腫(< 0.1%)、浮腫・体液貯留(0.7%)、心筋梗塞(< 0.1%)、心不全(< 0.1%)、静脈血栓塞栓症、感染症(2.5%)...
    8 KB (1,011 words) - 13:57, 5 February 2024
  • カバジタキセル (category オキセタン)
    0%)、心不全、心筋梗塞、 消化管出血(1.0%)、消化管穿孔、イレウス(0.2%)、重篤な腸炎(0.5%)、重篤な下痢(5.1%)、 心タンポナーデ、浮腫(3.9%)、体液貯留、アナフィラキシーショック、 末梢神経障害、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、間質性肺疾患(肺臓炎、急性呼吸窮迫症候群など)...
    8 KB (791 words) - 01:13, 13 October 2023
  • 連絡した際に葬儀業者が偽名ではないかとして警察に相談し、改めて指紋の照合をしたところ指名手配犯であることが判明した。司法解剖の結果、男の死因は心タンポナーデであった。同居女性は「2005年頃から偽名とは分かっていたが、殺人事件の指名手配犯とは知らなかった。職には就いていなかった」と説明している。男...
    6 KB (932 words) - 08:31, 26 January 2024
  • 胸痛:心筋梗塞、大動脈解離、気胸、肋骨骨折 呼吸困難:喘息、鬱血性心不全、肺炎、胸膜炎 頸静脈怒張や血圧低下:心タンポナーデ、肺高血圧症、縦隔内占拠性病変(悪性腫瘍など) まず臨床症状から本症を疑うことが重要である。同様の症状では虚血性疾患を疑うのが通常であるが、常に本症を念頭に置く必要がある。...
    29 KB (4,281 words) - 03:37, 3 February 2024
  • ニロチニブ (category チロシンキナーゼ阻害薬)
    ているのは「過敏症の既往歴のある患者」と「妊婦または妊娠している可能性のある婦人」のみである。 日本で警告欄に表記されている項目は血管障害(QT間隔延長と心タンポナーデ)と一般的な事項(緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投...
    16 KB (1,588 words) - 11:25, 22 October 2023
  • 強い衝撃は頸髄損傷により麻痺などの症状が起きる。 ボクシングでは後頭部を含めて「ラビットパンチ」という反則となる。 僧帽筋 僧帽筋の血管が大動脈と繋がっているため、刺された場合、心タンポナーデを引き起こし死亡する。 心臓 胸骨で守られているが、その間から刺されれば即死する。 肋骨(肺) 肋骨が折れると肺に突き刺さる危険性がある。 肝臓...
    5 KB (819 words) - 23:43, 16 April 2024
  • 聴診 (section 雑音)
    心筋梗塞、虚血性疾患 そのた エコーフリースペース - 嚢液貯留 頻脈(100以上) ショック(出血性、敗血症性)、機能亢進時 徐脈(60以下) 甲状腺機能低下症、神経原性ショック、閉塞性黄疸 大脈(脈圧大) AR、PDA、A-Vシャント、バセドゥ病 小脈(脈圧小) AS、心タンポナーデ、VSD 速脈...
    39 KB (7,274 words) - 07:19, 25 March 2021
  • 椎骨脳底動脈不全などが考えられる。 意識障害にショックが合併する時 急性大動脈解離が考えられる。特に内頚動脈の解離が、脳梗塞と間違えやすい。左右の腕の血圧や縦隔拡大、エコーで心タンポナーデの確認などをする。脳梗塞と誤診し血栓溶解療法を行うと悲惨なこととなる。低血糖で脳梗塞様の症状をきたすこともある。 ^ カラー図解 薬理学の基本がわかる事典...
    16 KB (2,465 words) - 00:38, 28 March 2024