うらにし

うらにしは、京都府北部の丹後地方周辺に特有の気象からにかけて瞬間的に丹後半島の近海を通ると、この影響で生じる不安定な気候のことを指す[1]

概要[編集]

うらにしは、全国的な気象予報には一切関係なく、経ヶ岬付近の海岸にそって、10月から11月末にかけて発生する湿気を含んだ南西の風を指す[1]。一時的に西風になることもある。多くはを伴う[2]。うらにしは「ひくにし」とも呼ばれ、山陰地方で秋にふく西風や、但馬地方で晩秋にふく北西の風も「うらにし」(裏西、浦西)と呼ばれる[3]

特徴[編集]

一日の気象の変化が激しく、朝は晴れているかと思えば突然暗雲が垂れ込め、雨や雪を交えた湿度の高い風が吹き荒れたかと思えば、束の間の晴天に恵まれたりする。このため丹後地方では、古来から「弁当忘れても傘忘れるな」と言い継がれている[1][2]。この季節風により、丹後地方の空気は気温の低い冬でも湿気を多く含んでおり、古来から、乾燥すると糸が切れやすくなる絹織物の製織に適していた[4]

脚注[編集]

  1. ^ a b c 「たんご通信27号」丹後リゾート推進連絡協議会、丹後リゾート総合企画株式会社、2002年、10-11頁。
  2. ^ a b 北野裕子『生き続ける300年の織りモノづくり』新評社、2013年、20頁。
  3. ^ 三省堂weblio辞書”. 2018年7月1日閲覧。
  4. ^ 日本繊維製品消費科学会「繊維製品 消費科学」vol.58、2017年12月号、新治昌弘「丹後の織物-丹後ちりめん-」10頁。

参考文献[編集]

  • 「たんご通信27号」丹後リゾート推進連絡協議会、丹後リゾート総合企画株式会社、2002年。
  • 北野裕子『生き続ける300年の織りモノづくり』新評社、2013年。
  • 八木 康敞『丹後ちりめん物語 「うらにし」の風土と人間』三省堂、1970年。
  • 日本繊維製品消費科学会「繊維製品 消費科学」vol.58、2017年12月号、新治昌弘「丹後の織物-丹後ちりめん-」

関連項目[編集]