アダム・リンド

アダム・リンド
Adam Lind
トロント・ブルージェイズでの現役時代
(2012年4月24日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 インディアナ州デラウェア郡マンシー
生年月日 (1983-07-17) 1983年7月17日(40歳)
身長
体重
6' 2" =約188 cm
210 lb =約95.3 kg
選手情報
投球・打席 左投左打
ポジション 一塁手左翼手指名打者
プロ入り 2004年 MLBドラフト3巡目
初出場 2006年9月2日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

アダム・アラン・リンドAdam Alan Lind, 1983年7月17日 - )は、アメリカ合衆国インディアナ州デラウェア郡マンシー出身の元プロ野球選手一塁手)。左投左打。愛称はドニー[1]

経歴[編集]

プロ入り前[編集]

2002年MLBドラフト8巡目(全体242位)でミネソタ・ツインズから指名を受けたが契約せず、南アラバマ大学英語版に進学。

プロ入りとブルージェイズ時代[編集]

2004年MLBドラフト3巡目(全体83位)でトロント・ブルージェイズから指名を受け、プロ入り。

2006年9月2日ボストン・レッドソックス戦でメジャーデビューを果たした。この年はわずか18試合の出場ながら、.367という高打率を記録。その他の打撃部門でも軒並みハイレベルな成績を記録した。

2007年は右打ちのリード・ジョンソンとの併用で左翼を守り、89試合に出場。

2008年は左翼手の他、指名打者として16試合に出場した。

2009年は開幕戦に指名打者で先発出場し、ブルージェイズの開幕戦記録となる6打点を記録した。また、2001年カルロス・デルガドに並ぶ開幕5試合で11打点のチームタイを記録した。8月31日には自身初の満塁本塁打を打ち、自身最多の1試合8打点を記録。9月6日に週間MVPを受賞した。この年は指名打者で92試合、左翼手で55試合に先発出場し、打率.305、35本塁打、114打点を記録。ヤンキースの松井秀喜、ツインズのジェイソン・クベルらを抑え、指名打者部門でシルバースラッガー賞を受賞した。また、最優秀指名打者に贈られるエドガー・マルティネス賞も受賞した。

2010年は開幕直前の4月3日に4年総額1800万ドル、2014年から2016年までのオプションも含めると7年総額3850万ドルで契約を延長した[2]。チームの主砲として更なる飛躍を期待されたシーズンだったが、5月以降に深刻な打撃不振に陥り、打率は一時.203まで低下した。終盤はやや持ち直したものの、打率.237、23本塁打、72打点、OPS.712という成績に終わった。特に対左投手は打率.117、OPS.341と全く打てず、後半戦は相手先発が左投手の際には先発を外れることも増えた。この年限りで正一塁手ライル・オーバーベイの契約が満了することもあり、シーズン終盤に入ると翌年以降のコンバートを見込んで大学以来となる一塁守備に就くこともあった。

2011年からは一塁手として起用されている。シーズンとしては、前年比マイナス25試合の出場だったが、打撃3部門の成績はいずれも向上。

2012年は4年ぶりに規定打席到達を逃したシーズンとなった。出場機会減少の影響により、それまで3年連続で記録していた20本塁打・70打点の水準に、いずれも届かなかった。一方で選球眼が向上し、低打率の影響で.300未満の数値が続いていた出塁率は3年ぶりに.300以上の水準に戻った。

2013年は再び規定打席に到達した。打率は3年連続で上昇し、出塁率と長打率はいずれも規定打席に到達したシーズンとしては自己2番目の水準となる数値を記録した。

2014年7月11日に右足の負傷のため15日間の故障者リストに入った[3]。8月12日に故障者リストから外れた[4]。故障の影響もあり、出場試合数は100未満に終わった。一方で、規定打席未到達ながら打率.300以上を記録。得点圏でも打率.343、33打点とよく打ったものの、本塁打数は6年ぶりに2桁に届かずに終わった。

ブルワーズ時代[編集]

2015年

2014年11月1日にマルコ・エストラーダとのトレードで、ミルウォーキー・ブルワーズへ移籍した[5]

2015年、通算150本塁打を達成した。この年は149試合に出場して打率.277、20本塁打、87打点の成績を残した。

マリナーズ時代[編集]

2016年5月29日

2015年12月9日フレディ・ペラルタダニエル・ミサキカルロス・ヘレーラとのトレードで、シアトル・マリナーズへ移籍した[6]

2016年は126試合に出場して打率.239、20本塁打、58打点の成績を残した。オフの11月3日にFAとなった[7]

ナショナルズ時代[編集]

2017年2月15日にワシントン・ナショナルズと1年契約(2018年のオプション付き)を結んだ[8]

11月2日、ナショナルズは契約オプションを破棄して違約金50万ドルを支払い、FAとなった[9]

ヤンキース傘下時代[編集]

2018年3月2日にニューヨーク・ヤンキースとマイナー契約を結び、同年のスプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[10]。3月14日に一度FAとなった[11]が、4月18日に再びマイナー契約を結んだ[12]。ヤンキース傘下ではA+級タンパ・ターポンズとAAA級スクラントン・ウィルクスバリ・レイルライダースでプレーした。5月25日に FAとなった[13]

レッドソックス傘下時代[編集]

2018年6月2日にボストン・レッドソックスとマイナー契約を結び、傘下のAAA級ポータケット・レッドソックスへ配属された[7]。8月1日に FAとなった[14]

選手としての特徴[編集]

高校時代にはウエイトリフティングもしていたパワーヒッター[15]。広角に長打を放てる打撃が最大の持ち味。2009年は35本塁打のうち17本を中堅から左方向に放った[16]。弱点は選球眼と左投手である。

外野の守備力は低く、UZR/150は通算で-10.9となっている。近年は外野での出場機会が減少しており、指名打者での出場が増えている。2007年には89試合中80試合で守備に就いていたが、2010年は一塁と合わせても150試合中24試合しか守備に就かなかった[17]

私生活[編集]

2010年にトロント在住の女性と結婚し[18]、現在は一男一女の父親である。第一子(長女)が2011年9月に、第二子(長男)が2013年4月に誕生した[19]

詳細情報[編集]

年度別打撃成績[編集]

















































O
P
S
2006 TOR 18 65 60 8 22 8 0 2 36 8 0 0 0 0 5 0 0 12 0 .367 .415 .600 1.015
2007 89 311 290 34 69 14 0 11 116 46 1 2 2 2 16 0 1 65 7 .238 .278 .400 .678
2008 88 349 326 48 92 16 4 9 143 40 2 0 1 4 16 3 2 59 8 .282 .316 .439 .755
2009 151 654 587 93 179 46 0 35 330 114 1 1 0 4 58 7 5 110 15 .305 .370 .562 .932
2010 150 613 569 57 135 32 3 23 242 72 0 0 0 3 38 3 3 144 10 .237 .287 .425 .712
2011 125 542 499 56 125 16 0 26 219 87 1 1 0 8 32 4 3 107 12 .251 .295 .439 .734
2012 93 353 321 28 82 14 2 11 133 45 0 0 0 3 29 1 0 61 10 .255 .314 .414 .729
2013 143 521 465 67 134 26 1 23 231 67 1 0 0 4 51 5 1 103 20 .288 .357 .497 .854
2014 96 318 290 38 93 24 2 6 139 40 0 0 0 0 28 3 0 48 8 .321 .381 .479 .860
2015 MIL 149 572 502 72 139 32 0 20 231 87 0 0 0 3 66 11 1 100 7 .277 .360 .460 .820
2016 SEA 126 430 401 48 96 17 0 20 173 58 0 1 0 2 26 3 1 89 14 .239 .286 .431 .717
2017 WSH 116 301 267 39 81 14 0 14 137 59 1 0 0 6 28 5 0 47 6 .303 .362 .513 .875
MLB:12年 1344 5029 4577 588 1247 259 12 200 2130 723 7 5 3 39 393 45 17 945 117 .272 .330 .465 .795

年度別守備成績[編集]



左翼(LF) 一塁(1B)
























表彰[編集]

背番号[編集]

  • 26(2006年 - 2014年、2016年 - 2017年)
  • 24(2015年)

脚注[編集]

  1. ^ Jamal Collier (2017年8月25日). “Explaining Nats Players Weekend nicknames” (英語). MLB.com. 2018年3月3日閲覧。
  2. ^ Jordan Bastian(2010-04-03), Lind, Jays reach four-year deal, MLB.com(英語), 2010年12月11日閲覧
  3. ^ David Adler (2014年7月12日). “Lind to DL, prognosis good after visit to doctor/ Non-displaced foot fracture expected to sideline Blue Jays first baseman 2-3 weeks”. MLB.com. 2014年10月26日閲覧。
  4. ^ Gregor Chisholm (2014年8月12日). “Lind set for return; Encarnacion not far behind”. MLB.com. 2014年10月26日閲覧。
  5. ^ Brewers trade for Lind to fill void at first base
  6. ^ [1]
  7. ^ a b MLB公式プロフィール参照。2018年8月19日閲覧。
  8. ^ Nationals agree to terms with 1B/OF Adam Lind” (英語). mlblogs.com (2017年2月15日). 2017年2月16日閲覧。
  9. ^ Ben Weinrib (2017年11月3日). “Lind joins ranks of Nationals' free agents” (英語). MLB.com. 2018年3月3日閲覧。
  10. ^ Bryan Hoch (2018年3月2日). “Yankees strike Minor League deal with Lind” (英語). MLB.com. 2018年3月3日閲覧。
  11. ^ Maureen Mullen (2018年3月14日). “Yankees release Lind from Minors contract” (英語). MLB.com. 2018年3月15日閲覧。
  12. ^ Jaylon Thompson (2018年4月18日). “Yankees sign Lind to Minor League contract” (英語). MLB.com. 2018年4月19日閲覧。
  13. ^ Dan Martin (2018年5月25日). “Yankees trade catcher to Brewers” (英語). NY Post. 2018年8月19日閲覧。
  14. ^ Ricky Doyle (2018年8月1日). “Red Sox Release Veteran Slugger Adam Lind From Minor League Contract” (英語). NESN. 2018年8月19日閲覧。
  15. ^ Bob Elliot(2010-09-02), It's no longer raining on Adam Lind's RBI parade, Toronto Sun(英語), 2010年12月11日閲覧
  16. ^ Ian Hunter(2010-01-04), Hill, Lind, and Snider: Toronto Blue Jays' Young Guns at the Rogers Centre, Bleacher Report(英語), 2010年12月11日閲覧
  17. ^ Adam Lind » Statistics » Batting | FanGraphs Baseball
  18. ^ Adam Bomb the more strong, silent type”. TheStar.com (2013年5月9日). 2014年8月25日閲覧。
  19. ^ Ken Fidlin (2013年4月25日). “Special delivery for Blue Jays' Lind”. TorontoSun.com. 2014年8月25日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]