エフゲニー・キーシン

エフゲニー・イーゴレヴィチ・キーシン
Евгений Игоревич Кисин
エフゲニー・キーシン(2011年)
基本情報
生誕 (1971-10-10) 1971年10月10日(52歳)
出身地 ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦
ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国モスクワ
学歴 グネーシン音楽学校
ジャンル クラシック音楽
職業 ピアニスト
担当楽器 ピアノ
公式サイト エフゲニー・キーシン ジャパンアーツ

エフゲニー・キーシン(Evgeny Kissin, ロシア語: Евге́ний И́горевич Ки́син, 1971年10月10日 - )は、ロシアイギリスイスラエルの国籍を持つピアニスト作曲家。近年は原語読みのエフゲーニで記されることも多くなってきている[1]

略歴[編集]

モスクワでユダヤ系の家系に生まれる。わずか2歳でピアノを学び始める。のちグネーシン音楽学校に進んで、アンナ・パヴロフナ=カントルに今日まで師事する。10歳でモーツァルトピアノ協奏曲第20番(K.466)を弾いてデビュー、11歳で初リサイタルを開くなど、幼い頃から神童ぶりを発揮する。12歳の時、ドミトリー・キタエンコの指揮するモスクワ・フィルハーモニー管弦楽団で弾いたショパンピアノ協奏曲が発売され、世界中の注目を浴びることとなる。

以来、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団ロンドン交響楽団アバドカラヤン小澤など多くの著名オーケストラ指揮者と共演。

名教師に師事することもなく、コンクール入賞歴こそほとんどないが、国際的ピアニストとして世界各地で演奏、さらに録音活動を積極的に続けている。1986年、初来日し全国ツアーを行う[2]2003年再来日。いずれも好評である。1990年9月30日カーネギー・ホールにおいて、アメリカ・デビューを果たす。当日の演奏は絶賛され、CD化されて、世界的名声をいっそう確かなものとした。

少年時代にはピアノ小品を作曲し、演奏・録音した。2000年代から作曲活動を再開し、初めて出版した『4つのピアノ小品』作品1の「トッカータ」、「ドデカフォニック・タンゴ」を演奏会のレパートリーとしてよく演奏している。

ソ連時代には、世界各地の民謡をリサイタル後のアンコール・ピースとして編曲したこともあった。日本の文部省唱歌を編曲したものは、まとめてアルバムも作ったが現在は入手が困難である。

旧ソ連生まれだが、2002年に英国籍、2013年にイスラエル国籍も取得している多重国籍者である。

好きなピアニストとして、ラドゥ・ルプーマレイ・ペライアシフ・アンドラーシュ などを挙げている。

主なレパートリー[編集]

ショパンリストチャイコフスキーラフマニノフスクリャービンプロコフィエフベートーヴェンなど多岐に渡るレパートリーを誇っている。かつてはロマン派音楽ロシアソ連のピアノ音楽を中心に、超絶技巧を聴かせる曲目が多かったが、近年ではフランクブラームスメトネルなど、より内面的・瞑想的な性格の作曲家の作品にも意欲的にとりくみ、新境地を開拓している。

外部リンク[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

出典[編集]

  1. ^ パリのコンサート(1)フランス放送フィル(1)”. www.nhk.jp. www.nhk.jp. 2023年5月8日閲覧。
  2. ^ 吉澤ヴィルヘルム『ピアニストガイド』青弓社、印刷所・製本所厚徳所、2006年2月10日、28ページ、ISBN 4-7872-7208-X