エルフ (ブランド)

株式会社エルフ
ELF Co.,Ltd.
種類 株式会社
本社所在地 日本の旗 日本
164-0001
東京都中野区中野4丁目3番1号
設立 1989年4月
業種 情報・通信業
法人番号 5011201000931 ウィキデータを編集
事業内容 アダルトゲーム企画開発販売
代表者 下田篤(代表取締役
関係する人物 #主な元スタッフを参照
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エルフ
ジャンル ゲーム
企業名 株式会社エルフ
関連ブランド シルキーズ
イエローピッグ
BANANA shu-shu
代表者 下田篤
審査 ソフ倫
デビュー作 ドキドキ!シャッターチャンス!!
1988年12月8日
最終作 麻呂の患者はガテン系3 完結編
2015年10月15日
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エルフ: élf)及び株式会社エルフは、かつて存在した東京都中野区に拠点を置いていたアダルトゲームブランド及び制作会社である。

代表作は『ドラゴンナイト』シリーズ、『同級生』シリーズ、『下級生』シリーズ、『伊頭家』シリーズなど。

沿革・概要[編集]

1989年4月に、有限会社キララ(現・株式会社F&C)のブランド・フェアリーテールからシナリオ蛭田昌人原画の阿比留壽浩、プログラマの金尾淳が独立する形となり、東京都世田谷区で創業した。ただし、ブランドとしてはそれ以前から活動しており、デビュー作の『ドキドキ!シャッターチャンス!!』は1988年12月に発売されている。

“エルフ”という社名については、代表取締役に就任した蛭田氏による「長命の妖精族(エルフ)にあやかって」(『パソコンパラダイス』1992年12月号)というインタビューでの発言が知られているが、実際には立ち上げ前の宴席で、語感がいいということで金尾氏が提案したものらしい。

同業他社と比べて殊更チラリズムに力を入れた作品が非常に多く、むやみに「あれれ」と叫ぶキャラクターや明るくスケベな主人公、美形だが嫌味な金持ち御曹司のライバルキャラなどを頻繁に登場させるといった特徴がある。

ドラゴンナイト』でジャンルに囚われない作風と、グラフィックの流麗さで業界外からも注目を受けた。『同級生』の大ヒットで業界トップクラスのブランドとなり、当時は「東のエルフ、西のアリス」と謳われた。1992年には姉妹ブランドのシルキーズ (SILKY'S) を発足し、エルフとはやや毛色の異なる作品を次々と発表していく。

『同級生』以降、竹井正樹横田守といったアニメーター経験者や門井亜矢らなど外注原画家指向により活躍の場を失った阿比留は退社し、ミンクを起ち上げる。また、横田も『遺作』を最後に袂を分かち、Teriosを発足させる。

同時期、シーズウェアで『DESIRE』や『EVE burst error』を発表し、人気を得ていた剣乃ゆきひろ(菅野ひろゆき)を内部スタッフとして招致し、取締役に迎える。剣乃による『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』もまた、ユーザーからの評価や売上で共に大きな実績を残した。

1990年代後半には、ライセンス許諾の形でコンシューマ市場に参入。NECアベニューバンプレストなどにより移植された代表作数本は、計約40万本を売り上げる。また、2006年には、バンプレストからiモード用のゲームアプリ『エルフオールスター雀』がリリースされた。

また、18歳未満購入禁止の制限枠(18禁枠)を設けてアダルトゲームからの移植を容認する方針を示したセガサターン(以降、「SS」と記述)へは自社移植の形でも参入した。その発売作品の多くがあまり間を置かずにほぼ同じ内容のWindows 95版も発売されていることから、逆移植を参入当初より視野に入れたものだったことが窺える。後にセガが18禁枠を撤廃した時を境に、SSへの自社移植からは撤退した。

剣乃は諸事情から『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』のSSへの自社移植完了を待たずに退社。ペンネームを菅野ひろゆきに戻して株式会社アーベルを起ち上げている。

2000年夏には、看板ソフトのほとんどをディレクションしてきた蛭田が代表取締役の座を下田篤に譲って引退。なお、エルフ設立当初から蛭田は3期12年で退任する予定だったという[1]

以後は企画や開発の中心を、外部ライターとのコラボレーションに移行していくこととなる。

あかほりさとるとのコラボによる『らいむいろ戦奇譚』。
河野一二三が代表を務めるゲームディベロッパー・ヌードメーカーとの提携による『新・御神楽少女探偵団』、『AVキング』。
下級生2』における原田宇陀児へのシナリオ依頼。なお、原田は途中で降板した。
団鬼六原作の小説『花と蛇』を原作とする同名ゲームの発表。

過去に販売した作品のリメイクや最新のOSへの移植にも取り組んでおり、2004年から2007年にかけて『ワーズ・ワース』や『SHANGRLIA』、『ドラゴンナイト4』などがリメイクされている。2008年からは、DMMによる過去作のダウンロード販売も実施し、『同級生』や『下級生』などのDOS時代オリジナルの復刻版も発売されている。

2006年に新ブランド「BANANA Shu-Shu」を設立し、同年8月25日に『たまたま 〜となりの彼女は声優のたまご。たまたま生まれた恋のたまごが…』を発売した。同ブランドは2008年1月31日に解散している。

2008年以降の作品は、土天冥海のシナリオによる寝取り・寝取られ物が中心となった。

2014年1月、『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』の権利をMAGES.へ譲渡[2]

2014年6月には、シルキーズの『愛姉妹IV 悔しくて気持ち良かったなんて言えない』を最後にエルフとシルキーズのスタッフほぼ全員が独立し、シルキーズプラスを設立した[3]

2016年3月1日、同月末日をもって公式サイトを閉鎖する旨を発表し、4月1日付でユーザーサポートと問い合わせのページを残してサイトが閉鎖された。それ以降、『同級生』や『ドラゴンナイト』などのシリーズタイトルを引き継いだ新作や『同級生〜Another World〜』『ドラゴンナイト5』等それらに関係するブラウザゲームについては、DMM GAMESが権利を有している。

2017年3月1日、同年3月25日を以てユーザーサポートと問い合わせのページを終了すると発表し、3月25日に公式サイトを完全に閉鎖した。

エルフ・シルキーズの多くの作品の販売は、DMM GAMESにより継続されている。ただし、MAGES.に譲渡されている『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』など権利がDMM以外が保有している物はDMMでは販売されていない。

作品一覧[編集]

パソコンゲーム[編集]

※印は成人向けと局部に修正を入れるなどした一般向けの2種類が発売された。

シリーズもの[編集]

その他のタイトル[編集]

コンシューマーゲーム[編集]

ライセンス許諾[編集]

括弧内は許諾先。

自社移植[編集]

  • 野々村病院の人々
  • 下級生
  • この世の果てで恋を唄う少女YU-NO
  • 雀級生 〜コスプレ★パラダイス〜
    • 2001年4月27日- ゲームボーイへの自社参入作品第1弾。厳密には移植ではなく、『同級生』と『下級生』から選抜されたヒロイン達を麻雀で負かし、コスプレさせるというオリジナル作品。
      • 任天堂のゲーム機では、バンプレストなどの移植担当の会社を介さずにエルフ直々リリースするという珍しいケース。
      • 柴田亜美ファミ通の連載漫画『ドキばぐ』のエルフ取材回でこのソフトを取り上げた際、「アダルトゲームメーカーがお子様もやってるゲームボーイにリリースするな!」と冗談を交えたツッコミを入れている。
  • らいむいろ戦奇譚☆純

他ブランド[編集]

イエローピッグ
  • 2005年2月25日 - 若妻万華鏡 〜奥さん、ちょっとバッグの中を見せてもらいますよ 〜
  • 2006年7月28日 - 夫の前で犯されて…
BANANA shu-shu
SILKY'S
シルキーズを参照。

主な元スタッフ[編集]

外注として参加した人物や退社した人物も含む。

  • 代表取締役社長
    • 下田篤
  • シナリオ
    • モーニング息子、
    • 米倉懺悔
    • 土天冥海

退社したスタッフ[編集]

  • シナリオ
  • キャラクターデザイン・原画
    • 阿比留壽浩 - 創業スタッフ。現『ミンク』代表。

外注スタッフ[編集]

脚注[編集]

  1. ^ PC Angel2000年6月号掲載の下田へのインタビュー記事による。
  2. ^ 『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』“フルリメイク”の真相とは? 浅田誠プロデューサーを直撃! - ファミ通.com 2014年12月29日閲覧
  3. ^ 独立に関するお問い合わせについて - シルキーズプラス公式ホームページ 2014年7月12日閲覧

参考文献[編集]

  • Bi_List - 美少女ゲームの20世紀

外部リンク[編集]