キーラ・ナイトレイ

キーラ・ナイトレイ
Keira Knightley
OBE
Keira Knightley OBE
2011年
本名 Keira Christina Knightley
キーラ・クリスティーナ・ナイトレイ
生年月日 (1985-03-26) 1985年3月26日(39歳)
出生地 イングランドの旗 イングランドロンドン
国籍 イギリスの旗 イギリス
身長 170cm
職業 女優
活動期間 1993年 -
主な作品
スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス

ベッカムに恋して
パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ
ラブ・アクチュアリー
キング・アーサー
プライドと偏見
ドミノ
つぐない
ある公爵夫人の生涯
わたしを離さないで
危険なメソッド
エンド・オブ・ザ・ワールド
アンナ・カレーニナ
はじまりのうた
エージェント:ライアン
イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密
コレット
くるみ割り人形と秘密の王国
オフィシャル・シークレット
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キーラ・クリスティーナ・ナイトレイ(Keira Christina Knightley OBE, 1985年3月26日 - )は、イギリス女優。 「ナイトレイ」と日本語表記されていることが多いが正しい発音は(/ˈkɪərə ˈnaɪtli/[1]であり、「ナイトリー」の表記がより原音に忠実である。「ケーラ・ナイトリー」や「キーラ・ナイトレー」と表記されることもある。

生い立ち[編集]

イングランドロンドンのテディントンで生まれ、リッチモンドで育つ。父親は舞台役者のウィル・ナイトレイ (Will Knightley、母親はウェールズ人の血を引くスコットランド人劇作家のシャーマン・マクドナルド (Sharman Macdonald。1978年生まれの兄キャレブがいる。名前のキーラはゲール語で「黒い髪」という意味であり、元のつづりは「Kiera」である。幼い頃から役者志望であり、また両親だけにエージェントがいることに不満を持ち、自分にもエージェントが欲しいと両親にせがんだ。6歳の時に、母親と「学校が休みの時だけ演技の仕事をしてもいいわ」という約束をし、エージェントが付くようになる。

キーラは学習障害のひとつ、ディスレクシア(識字障害)のため、録音読書で学習したり、色付き眼鏡をかけて文章の文字が混じって見えないように工夫し読書している。10代の時にプロの助けを借りて克服した[2]

キャリア[編集]

『つぐない』のプレミアにて(2007年)

俳優活動[編集]

1993年にテレビドラマ『Ballykissangel』でデビュー。1995年に『A Village Affair』で映画初出演を果たす。1999年公開の『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』でナタリー・ポートマン演じるアミダラ女王の影武者役に抜擢され注目を集める(同作のエンドロールでは「KIERA KNIGHTLEY」と誤った表記がされている)。2001年に放送されたテレビ映画『レジェンド・オブ・アロー』で初主演を果たす。

2002年に『ベッカムに恋して』がアメリカでヒットし、アメリカでの人気が急上昇する。そして、2003年公開のハリウッド大作『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』のヒロインエリザベス・スワン役に抜擢され、同作品も記録的大ヒットを記録して、17歳にして一気にハリウッド・トップスターの仲間入りを果たした。この年の『Hello!』誌や『Entertainment Weekly』誌は「有望な10代のスター」、「今年最もブレイクしたムービー・スター」に選んだ。

2005年には3本の主演映画が公開されるが、『ジャケット』と『ドミノ』は期待されたほどの興行収入・評価が得られなかった。しかし、ジェーン・オースティン原作の『プライドと偏見』では主役のエリザベス役で、史上3番目(20歳と311日)の若さでアカデミー主演女優賞にノミネートされ、映画芸術科学アカデミーの会員へ招待された[3]

2007年は『プライドと偏見』の監督ジョー・ライトと再びタッグを組んだイアン・マキューアン原作の『つぐない』でゴールデングローブ賞 主演女優賞(ドラマ部門)にノミネートされた。翌年公開の『ある公爵夫人の生涯』ではデヴォンシャー公爵夫人を演じた。

2009年12月にモリエール作の現代版『人間嫌い』で舞台デビューし、ローレンス・オリヴィエ賞助演女優賞にノミネートされた。

2018年6月にはこれまでの女優としてのキャリアとチャリティー活動が評価され、大英帝国勲章第四位 OBEを叙勲した。

その他の活動[編集]

パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』のプレミアにて(2006年)

2003年から2年間ユニリーバ・ジャパンの「ラックス スーパーリッチ」のCMに出演。2007年からはシャネルの香水「ココ・マドモアゼル」の広告塔に起用されており、このCMでココ・シャネルを演じている。

2006年2月にスカーレット・ヨハンソンと共に表紙を飾った『ヴァニティ・フェア』誌でセミヌード姿を披露し、話題となった。また、同年の『FHM』誌では「世界で最もセクシーな女性100人」の1位となった(この時21歳で同ランキングの最年少1位)。2007年の「最も稼ぐ25歳以下の有名人」ランキングでは10位に[4]、「最も稼いだハリウッド女優トップ10」では7位にランクインした[5]

チャリティー活動も積極的に行っており、2006年4月に自身がアカデミー賞で着用したヴェラ・ウォンのドレスをオークションにかけ、落札金をオックスファムオックスフォード大学の飢餓救済委員会)を通じて東アフリカの救援活動に寄付した[6][7]。また、アムネスティ・インターナショナルの人権を支持するキャンペーンの一環として短編映画や[8]2009年4月にはウィメンズ・エイドによる家庭内暴力反対のCM(監督はジョー・ライト)に出演[9]

容姿[編集]

ハリウッドスター屈指のクラシックな美貌はデビュー時から米ピープル誌などから注目され、「絶世の美女」とも呼ばれるなど[10]女性人気も高い。

本人によるとバストサイズは10代から全く変わっておらず、現在でも当時のブラジャーを持っているほどである[11]。そのため作品によっては胸を豊満に見せるために色々工夫がされている。『パイレーツ』シリーズでは胴着でウエストを締めあげる、ラフな衣装の場面では上げ底ブラで胸を盛っている。シャネルの広告に起用されたときはシャネル側からCGで胸にふくらみを出したいという申し出があり、許可した。また、『キング・アーサー』でもポスターでは胸に膨らみがあるようにCG処理がなされている。映画でヌードになったことは何度もあり、初めて脱いだのは2001年公開の『穴』である。上半身ヌードには抵抗はないが、ボリュームがないという理由でおのヌードには抵抗があり、代役を使用している[2]。2020年には、男性視点で描かれることを理由に男性監督の作品ではヌードはやらないと発言した[12]

非常に細身の体型であることから拒食症摂食障害と噂されることが多いが、キーラ自身は単なる体質であり、拒食症ではないと否定している[13][2]。2007年にデイリー・メールが「拒食症で死亡した少女の記事」と一緒にキーラの写真を掲載し、少女の死に責任があるように記事を書いたことを訴え、3000ポンド(約72万円)の賠償金を勝ち取り、摂食障害のための基金に寄付した[14]

人物・私生活[編集]

2003年12月にジェイミー・ドーナンと交際を始めた[15]。2005年から2010年まで『プライドと偏見』で共演したルパート・フレンドと交際していた[16]。2011年3月からイギリスのロックバンドクラクソンズのジェイムズ・ライトンと交際し、2013年5月に結婚。結婚式は南フランスのマザンの公民館で家族、友人など11人の前で、カジュアルな装いで行われた。

当時3歳の自身の娘に対して、『シンデレラ』や『リトル・マーメイド』といった「男性に尽くす女性」を描く古いディズニー映画を観せるのは禁止していると語っている[17]

ウェストハム・ユナイテッドのサポーター[18]。愛読書はトルストイの『戦争と平和[19]。好きな映画は『ゴッドファーザー[20]イギリスソープオペラEmmerdale』のファン[21]

資産[編集]

2004年6月、『Hollywood News Wire』によれば、ロンドンに200万ポンド(日本円で約2億円)でアパートを購入した。

2010年11月、英『ヒート・マガジン』が「最もリッチな30歳未満のイギリス人スター」のランキングを発表し、推定総資産額が約3010万ポンド(日本円で約39億3300万円)で2位にランクインした[22]

2010年11月、『ザ・サン』紙によると、ロンドンの自宅アパートが空き巣被害に遭っていたことが明らかになった。キーラ自身は映画のプロモーションでローマに行っていたために無事だったが、ノートパソコンと身の回りの品が盗まれたという。被害額は20万円程度だったが、ノートパソコンに個人情報の他、プライベートな写真も保存されていたため、今後これらがネット上に流れる可能性があるという[23][24]

2011年5月、BANG Media Internationalによると、イギリスの30歳未満の億万長者リストが発表され、総資産3,000万ポンド(日本円で約39億6,000万円)で10位にランクインしている[25]

著書[編集]

寄稿[編集]

  • Feminists Don't Wear Pink (and other lies): Amazing women on what the F-word means to them, (2018年) Penguin. ISBN 978-0241357187

主な出演作品[編集]

映画[編集]

公開年 邦題
原題
役名 備考 吹き替え
1995 イノセント・ライズ
Innocent Lies
少女時代のセリア 無し
1999 スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス
Star Wars: Episode I - The Phantom Menace
侍女サーベ 坂本真綾
2001 Deflation ジョガー 無し

The Hole
フランシス・“フランキー”・オルモンド・スミス 柳沢真由美
2002 サンダーパンツ!
Thunderpants
音楽学校の生徒 クレジット表記なし 不明
PURE ピュア
Pure
ルイーズ 弓場沙織
ベッカムに恋して
Bend It Like Beckham
ジュリエット・“ジュールズ”・パクストン 本田貴子
New Year's Eve レア 無し
The Seasons Alter ヘレナ 無し
2003 パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち
Pirates of the Caribbean: The Curse of the Black Pearl
エリザベス・スワン 弓場沙織
ラブ・アクチュアリー
Love Actually
ジュリエット
2004 キング・アーサー
King Arthur
グウィネヴィア
2005 ジャケット
The Jacket
ジャッキー・プライス 園崎未恵
ドミノ
Domino
ドミノ・ハーヴェイ 眞鍋かをり
プライドと偏見
Pride & Prejudice
エリザベス・ベネット アカデミー主演女優賞ノミネート
ゴールデングローブ賞 主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)ノミネート
弓場沙織
2006 パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト
Pirates of the Caribbean: Dead Man's Chest
エリザベス・スワン
2007 パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド
Pirates of the Caribbean: At World's End
シルク
Silk
エレーヌ・ジョンクール
つぐない
Atonement
セシーリア・タリス ゴールデングローブ賞 主演女優賞(ドラマ部門)ノミネート
英国アカデミー賞 主演女優賞ノミネート
2008 ザ・エッジ・オブ・ウォー 戦火の愛
The Edge of Love
ヴェラ・フィリップス 無し
ある公爵夫人の生涯
The Duchess
デヴォンシャー公爵夫人ジョージアナ 弓場沙織
2009 The Continuing and Lamentable Saga of the Suicide Brothers 妖精 短編映画 無し
2010 ロンドン・ブルバード -LAST BODYGUARD-
London Boulevard
シャーロット 弓場沙織
わたしを離さないで
Never Let Me Go
ルース
恋と愛の測り方
Last Night
ジョアンナ・リード
Steve 女性 短編映画 無し
2011 危険なメソッド
A Dangerous Method
ザビーナ・シュピールライン 無し
2012 エンド・オブ・ザ・ワールド
Seeking a Friend for the End of the World
ペニー 弓場沙織
アンナ・カレーニナ
Anna Karenina
アンナ
2013 Once Upon a Time... ガブリエル・シャネル 短編映画 無し
はじまりのうた
Begin Again
グレッタ・ジェームス 弓場沙織
2014 エージェント:ライアン
Jack Ryan: Shadow Recruit
キャシー 渋谷はるか
アラサー女子の恋愛事情
Laggies
メーガン 無し
イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密
The Imitation Game
ジョーン・クラーク アカデミー助演女優賞ノミネート
英国アカデミー賞 助演女優賞ノミネート
ゴールデングローブ賞 助演女優賞ノミネート
全米映画俳優組合賞助演女優賞ノミネート
放送映画批評家協会賞助演女優賞ノミネート
フェニックス映画批評家協会賞助演女優賞受賞
ハリウッド・フィルム・アワード助演女優賞受賞
佐古真弓
2015 エベレスト 3D
Everest
ジャン・アーノルド 弓場沙織
2016 素晴らしきかな、人生
Collateral Beauty
エイミー・ムーア 渋谷はるか
2017 レッド・ノーズ・デイ・アクチュアリー
Red Nose Day Actually
ジュリエット テレビ映画 無し
パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊
Pirates of the Caribbean: Dead Men Tell No Tales
エリザベス・スワン 弓場沙織
2018 コレット
Colette
ガブリエル・コレット
くるみ割り人形と秘密の王国
The Nutcracker and the Four Realms
シュガー・プラム 坂本真綾
2019 オフィシャル・シークレット
Official Secrets
キャサリン・ガン 無し
モーガン夫人の秘密

The Aftermath

レイチェル・モーガン 園崎未恵
グリード ファストファッション帝国の真実
Greed
本人 無し
2020 彼女たちの革命前夜
Misbehaviour
サリー・アレクサンダー
2021 サイレント・ナイト
Silent Night
ネル 弓場沙織
2023 ボストン・キラー 消えた絞殺魔
Boston Strangler
ロレッタ・マクラフリン

テレビ[編集]

放送年 邦題
原題
役名 備考 吹き替え
1993 Screen One 少女 無し
1995 A Village Affair ナターシャ・ジョーダン 無し
The Bill シャーナ・ローズ 無し
1996 The Treasure Seekers プリンセス 無し
1998 Coming Home 少女時代のジュディス 無し
1999 オリバー・ツイスト
Oliver Twist
ローズ・フレミング 岡寛恵
2001 レジェンド・オブ・アロー
Princess of Thieves
グウィン 園崎未恵
2002 ドクトル・ジバゴ
Doctor Zhibago
ララ・アンティポワ 玉川紗己子
2003 Gaijin ケイト 声の出演 無し
2007 Robbie the Reindeer in Close Encounters of the Herd Kind エム 声の出演 無し

舞台[編集]

公演年 邦題
原題
役名 備考
2009 - 2010 人間嫌い
The Misanthrope
ジェニファー (セリメンヌ)
2011 噂の二人
The Children's Hour
カレン・ライト

主な受賞[編集]

英国アカデミー賞にて(2008年)

関連書籍[編集]

日本語吹き替え[編集]

PURE ピュア』以降、弓場沙織が専属として大半の作品で声を担当している。

他にも園崎未恵坂本真綾なども吹き替えを担当している。

脚注[編集]

  1. ^ Pronunciation of Keira Knightley
  2. ^ a b c 「ポートレート&インタビュー 未来を担うふたりのミューズ キーラ・ナイトレー&スカーレット・ヨハンソン」『ロードショー』2009年1月号(最終号) p.84 - 87
  3. ^ http://www.oscars.org/press/pressreleases/2006/06.07.01a.html
  4. ^ eiga.com (2007年12月10日). “「ハリポタ」ラドクリフ君のギャラは、キャメロン・ディアスと同等!”. 2007年12月25日閲覧。
  5. ^ eiga.com (2008年8月14日). “昨年最も稼いだ女優は、ソフトバンク携帯のあの女優!”. 2008年8月22日閲覧。
  6. ^ シネマトゥデイ (2006年4月12日). “キーラ・ナイトレイ、オスカーで着たドレスをチャリティへ”. 2008年5月2日閲覧。
  7. ^ BBC News (2006年5月1日). “Oxfam gets £4,300 for Oscar dress”. 2008年5月2日閲覧。
  8. ^ WENN (2008年12月10日). “Knightley Joins Human Rights Campaign”. 2008年12月13日閲覧。
  9. ^ シネマトゥデイ (2009年4月6日). “キーラ・ナイトレイボコボコに…家庭内暴力反対のCM映像が公開”. 2009年4月6日閲覧。
  10. ^ SCREEN2010年9月号
  11. ^ 大人用のブラジャーはどれもサイズが合わないという。そのため成長期になっても母親に大人用のブラジャーは買ってもらえず、二十歳になるまでジュニア用スポーツブラを使用していた。このエピソードは『ベッカムに恋して』で流用されている。
  12. ^ 女優キーラ・ナイトリーさん、「男性監督の映画でセックスシーンはやらない」”. BBC (2021年1月26日). 2021年1月26日閲覧。
  13. ^ シネマトゥデイ (2006年7月7日). “キーラ・ナイトレイ、拒食症を否定”. 2007年8月3日閲覧。
  14. ^ シネマトゥデイ (2007年5月31日). “キーラ・ナイトレイ、大衆紙から賠償金を勝ち取る”. 2007年8月3日閲覧。
  15. ^ Belfast Telegraph (2006年2月27日). “Jamie felt 'second-rate' to former lover Keira”. 2008年9月14日閲覧。
  16. ^ Hello! Mgazine. “David joined by young co-stars and Dustin at 'Pyjamas' premiere”. 2008年10月1日閲覧。
  17. ^ 女優キーラ・ナイトリーさん、娘に一部のディズニー映画を禁止”. キネマ旬報 (2018年10月19日). 2021年1月26日閲覧。
  18. ^ The Daily Telegraph (2006年10月5日). “Every girl is looking for her Mr Darcy”. 2008年1月25日閲覧。
  19. ^ Los Angeles Times (2006年2月12日). “Transcript: Our Chat with Oscar nominee Keira Knightley”. 2008年1月25日閲覧。
  20. ^ Flare (2007年9月). “Shining Knightley”. 2008年1月25日閲覧。
  21. ^ Digital Spy. (2007年12月29日). “Keira Knightley praises 'Emmerdale'”. 2008年1月25日閲覧。
  22. ^ https://moviewalker.jp/news/article/18826/
  23. ^ https://moviewalker.jp/news/article/18183/
  24. ^ https://www.cinematoday.jp/news/N0028128
  25. ^ https://www.cinematoday.jp/news/N0032157

外部リンク[編集]