グレーターロンドン (競走馬)

グレーターロンドン
2018年中京記念
欧字表記 Greater London[1]
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 2012年5月23日(12歳)
抹消日 2018年10月29日
ディープインパクト
ロンドンブリッジ
母の父 ドクターデヴィアス
生国 日本の旗 日本北海道日高町
生産者 下河辺牧場
馬主 窪田康志
窪田芳郎[注 1]
調教師 大竹正博美浦
競走成績
生涯成績 15戦7勝
獲得賞金 1億6779万4000円
勝ち鞍
GIII 中京記念 2018年
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グレーターロンドンGreater London[1])は、日本競走馬種牡馬。主な勝ち鞍は2018年中京記念(GIII)。馬名の意味は「大+母名の一部。母ロンドンブリッジをしのぐ活躍を願って」[3]

半姉に2004年優駿牝馬を制したダイワエルシエーロがいる。さらに、全姉ブリッツフィナーレの産駒には2017年菊花賞を制したキセキ2023年マーメイドステークスを制したビッグリボンがいる良血馬である[4]

戦績[編集]

2012年5月23日に北海道日高町下河辺牧場で誕生。姉のダイワエルシエーロと同様、遅生まれのため育成中は他の馬と比べて小柄であった[5]

美浦大竹正博厩舎に入厩。3歳2月のデビュー戦(東京芝1600m)を快勝。「遅れてきたダービー馬候補」との呼び声も上がったが、2戦目の山吹賞(500万下)は落鉄の影響もあって2着に敗れ、レース後にソエの症状も出たため休養に入る。秋に復帰し、500万下を勝利して2勝目を挙げるが、その後蹄葉炎を発症して1年間の長期休養を強いられる。関係者の努力により回復して復帰にこぎつけることができたが、以後蹄の慢性的な不安に引退まで悩まされることになる[6]

2016年11月の500万条件戦で復帰を果たしてからは鋭い末脚を武器に怒涛の5連勝を遂げ、「マイル界のニューヒーロー」「第二のモーリス」として競馬ファンの期待を集めた[7]ダービー卿チャレンジトロフィーをソエの影響で回避し[6]、ぶっつけでの挑戦となった2017年安田記念で4着に終わり連勝はストップしたものの、勝ち馬サトノアラジンからは0.1秒差であった。秋初戦の毎日王冠でも上がり3F最速タイの32秒6の末脚を繰り出してリアルスティール、サトノアラジンのGI馬2頭に次ぐ3着に入った。しかし、極度の不良馬場で行われた天皇賞(秋)では早め先頭の積極策に打って出たが最後の直線で失速して9着に沈んだ[8]

天皇賞後はしばらく不振が続いたが、2018年京王杯スプリングカップで上がり3F32秒5の末脚で僅差の4着に入り復活の兆しを示すと、次走の中京記念では直線で豪快に伸びて2着ロジクライを差し切り、1分32秒3のレコードタイムで待望の初重賞制覇を果たした[9]。秋は京成杯オータムハンデキャップから始動予定だったが、蹄の不安で回避。同年10月29日に現役引退と種牡馬入りが発表された[10]

競走成績[編集]

以下の内容は、netkeiba.comの情報[2]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
2015.02.14 東京 3歳新馬 芝1600m(良) 16 4 8 001.30(1人) 01着 R1:37.3(33.7) -0.4 0北村宏司 56 (ルールザユニバース) 460
0000.04.04 中山 山吹賞 500万下 芝2200m(良) 12 5 5 001.80(1人) 02着 R2:13.8(34.1) -0.0 0北村宏司 56 レッドライジェル 458
0000.10.31 東京 3歳上500万下 芝1800m(良) 18 8 16 002.40(1人) 01着 R1:47.8(33.5) -0.0 0横山典弘 55 (ディアコンチェルト) 468
2016.11.12 東京 3歳上500万下 芝1600m(稍) 17 6 11 003.60(1人) 01着 R1:34.8(33.4) -0.1 0田辺裕信 57 (エンジニア) 472
0000.12.03 中山 3歳上1000万下 芝1600m(良) 13 5 7 002.00(1人) 01着 R1:34.1(33.7) -0.0 0田辺裕信 57 (デルカイザー) 462
2017.01.29 東京 節分S 1600万下 芝1600m(良) 13 4 5 001.70(1人) 01着 R1:33.6(32.3) -0.2 0田辺裕信 56 (オートクレール) 468
0000.03.12 中山 東風S OP 芝1600m(良) 10 3 3 001.50(1人) 01着 R1:36.7(33.3) -0.2 0田辺裕信 56 (ダイワリベラル) 472
0000.06.04 東京 安田記念 GI 芝1600m(良) 18 4 7 011.80(6人) 04着 R1:31.6(33.9) -0.1 0福永祐一 58 サトノアラジン 474
0000.10.08 東京 毎日王冠 GII 芝1800m(良) 12 6 7 006.90(4人) 03着 R1:45.8(32.6) -0.2 0田辺裕信 56 リアルスティール 474
0000.10.29 東京 天皇賞(秋) GI 芝2000m(不) 18 7 13 015.40(6人) 09着 R2:10.4(40.8) -2.1 0田辺裕信 58 キタサンブラック 472
0000.12.17 中山 ディセンバーS OP 芝1800m(良) 12 8 11 001.60(1人) 03着 R1:48.1(34.3) -0.3 0田辺裕信 57 マイネルハニー 472
2018.02.04 東京 東京新聞杯 GIII 芝1600m(良) 16 8 16 004.20(1人) 09着 R1:34.5(34.4) -0.4 0川田将雅 56 リスグラシュー 474
0000.03.31 中山 ダービー卿CT GIII 芝1600m(良) 16 2 4 003.60(1人) 05着 R1:32.7(34.3) -0.5 0田辺裕信 56.5 ヒーズインラブ 470
0000.05.12 東京 京王杯SC GII 芝1400m(良) 18 3 6 005.50(3人) 04着 R1:19.6(32.5) -0.1 0田辺裕信 56 ムーンクエイク 468
0000.07.22 中京 中京記念 GII 芝1600m(良) 16 4 7 005.00(1人) 01着 R1:32.3(34.1) -0.1 0田辺裕信 56.5 ロジクライ 468
  • タイム欄のRはレコード勝ちを示す。

種牡馬時代[編集]

現役時代にはビッグタイトルに手が届かなかったものの、良血が買われて種牡馬入りが決まり、2019年からブリーダーズ・スタリオン・ステーションで供用される。同ステーション事務局は「近親に綺羅星のごとく活躍馬がおり、大変活力のある母系がバックボーンにあります。マイル前後で披露したスピードと瞬発力は間違いなく一流馬のものでした。本来の実力を完全に出し切ることなく、このたび引退を余儀なくされましたが、今後は種牡馬として、自身の卓越したスピードと良血を産駒に伝えてほしいです」と期待を込めた[4]

初年度の種付け料は受胎条件50万円、出生条件80万円に設定された[11]

2022年6月29日、園田競馬2Rをアズグレーターが勝利して産駒の初勝利を挙げた[12]。7月3日には小倉6Rをロンドンプランが勝利してJRAにおける初勝利を挙げた[13]

2022年9月4日、ロンドンプラン小倉2歳ステークスを制し、産駒の重賞初勝利となった。

主な産駒[編集]

グレード制重賞優勝馬[編集]

血統表[編集]

グレーターロンドン血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 サンデーサイレンス系
[§ 2]

ディープインパクト
2002 鹿毛
父の父
*サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986 青鹿毛
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
父の母
*ウインドインハーヘア
Wind in Her Hair
1991 鹿毛
Alzao Lyphard
Lady Rebecca
Burghclere Busted
Highclere

ロンドンブリッジ
1995 栗毛
* ドクターデヴィアス
Dr Devious
1989 栗毛
Ahonoora Lorenzaccio
Helen Nichols
Rose of Jericho Alleged
Rose Red
母の母
* オールフォーロンドン
All for London
1982 鹿毛
Danzig Northern Dancer
Pas de Nom
Full Card Damascus
Belle of the Ball
母系(F-No.) 22号族(FN:22-b) [§ 3]
5代内の近親交配 Northern Dancer5×5×4=12.50% [§ 4]
出典
  1. ^ グレーターロンドン 5代血統表2019年1月24日閲覧
  2. ^ グレーターロンドン 5代血統表2019年1月24日閲覧
  3. ^ グレーターロンドン 5代血統表2019年1月24日閲覧
  4. ^ グレーターロンドン 5代血統表2019年1月24日閲覧

ロンドンブリッジ1997年ファンタジーステークスの勝ち馬で、1998年桜花賞でも2着に入っている[15]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 2018年東京新聞杯より窪田康志から窪田芳郎へ所有者が変更された[2]

出典[編集]

  1. ^ a b グレーターロンドン|JBISサーチ(JBIS-Search)
  2. ^ a b グレーターロンドン”. netkeiba.com. Net Dreamers co.LTD. 2019年1月24日閲覧。
  3. ^ 競走馬登録馬名簿・馬名意味. 2019年1月24日閲覧
  4. ^ a b グレーターロンドンがブリーダーズ・スタリオン・ステーションにスタッドイン. 競走馬のふるさと案内所(2018年11月5日付). 2019年1月24日閲覧
  5. ^ 2018年07月22日 中京記念 G3. 競走馬のふるさと案内所. 2019年1月24日閲覧
  6. ^ a b 土屋真光. 安田記念は難病を克服した驚異の生命力、グレーターロンドンに注目. Sportiva(2017年6月2日付). 2019年1月24日閲覧
  7. ^ ロンドンブリッジへの夢. 一般社団法人 中山馬主協会(2017年3月13日付). 2019年1月24日閲覧
  8. ^ 【天皇賞・秋】レースを終えて…関係者談話. サンケイスポーツ(2017年10月30日付). 2019年1月24日閲覧
  9. ^ 【中京記念】グレーターロンドンがレコードで待望の重賞初制覇!. netkeiba.com(2018年7月22日付). 2019年1月24日閲覧
  10. ^ 今年の中京記念覇者グレーターロンドンが引退、種牡馬へ. サンケイスポーツ(2018年10月29日付). 2019年1月24日閲覧
  11. ^ 【ブリーダーズ・スタリオンステーション】の「2019年度ラインアップと種付料」が発表!. 馬市.com(2018年11月28日付). 2019年1月24日閲覧
  12. ^ 新種牡馬グレーターロンドンの産駒が初勝利 単勝1.1倍の圧倒的人気に応えて7馬身差圧勝 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2022年6月29日閲覧。
  13. ^ グレーターロンドン産駒がJRA初出走初勝利 小倉6Rでロンドンプランが新馬勝ち | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2022年7月3日閲覧。
  14. ^ ロンドンプラン|JBISサーチ(JBIS-Search)”. www.jbis.or.jp. 2022年9月4日閲覧。
  15. ^ ロンドンブリッジの血統表 | 競走馬データ. netkeiba.com. 2019年1月24日閲覧

外部リンク[編集]