コードル

コードル
Coddle
にんじんを使ったコードル。伝統的なレシピには使わない野菜
別名 ダブリンコードル
Dublin coddle
発祥地 アイルランドの旗 アイルランド
主な材料 じゃがいも、豚肉のソーセージ、ラッシャー、玉ねぎ
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コードル (コドル[1]Coddle) はアイルランド料理で、食べ残した肉を使ったことから、特に定まったレシピはない。それでも食材は大まかに決まっており、厚めに切ったソーセージ類 (豚肉のソーセージ) やベーコン[2]に小粒のじゃがいも、刻んだ玉ねぎ、塩と胡椒とハーブ (パセリまたはチャイブ) を使う。伝統的なレシピではオオムギを加える。

コードルはとりわけダブリンの郷土食として語られることが多い[3][4][5]。小説家の中でもショーン・オケーシージョナサン・スウィフトの好物だったことが知られ[6]、またジェイムズ・ジョイスの著作のように、ダブリンに関する記述にコードルの名前を見つけることがある[7]

この料理はベーコンとソーセージの切れ端を煮てとったスープストック蒸し煮にする。深鍋にぴたりと合うふたが必要で、食材がスープストックに浸りきらなくても蒸すことで加熱をするためである[3]。味は胡椒でととのえると、好みでパセリを加える。アイルランドのおふくろの味であり、また高価な食材も使わず手間を省けて調理時間も短い。一年のうちに喜ばれる。またカトリック信徒は金曜日に肉食を避けていることから、その前夜の木曜日の夕食に供されたといい、残りもののソーセージやベーコンの切れ端を使い切っていた。

名前の起源[編集]

コードルという名前の語源はフランス語の caudle (フランス語)にさかのぼり、「ゆっくり煮る、沸かす、煮込む」という意味である[4]。それが動詞 coddle(英語)に変化して、食材を弱火でことこと煮込む (半熟卵など)(英語) という意味を引き継いで名詞形が発生した。

関連項目[編集]

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ 美味しいヨーロッパ アウトバウンド促進協議会、2021年12月10日閲覧。
  2. ^ 豚ロース肉のバックベーコンをアイルランドやイギリスでラッシャーと呼ぶ。
  3. ^ a b A Little Irish Cookbook. Appletree. (1986). ISBN 0-86281-166-X 
  4. ^ a b A traditional Irish cold weather treat Dublin coddle recipe”. Irishcentral.com (2017年4月24日). 2018年1月15日閲覧。
  5. ^ From Bacon and Cabbage to Coddle: What is Ireland's national dish?”. Independent.ie. 2018年1月15日閲覧。
  6. ^ O'Connor, Derek (2008年9月21日). “Food that Only The Irish Eat (Apparently)”. Sunday Tribune. オリジナルの2009年4月21日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20090421080838/http://www.tribune.ie/article/2008/sep/21/food-that-only-the-irish-eat-apparently/ 閲覧は自由
  7. ^ Veronica Jane O'Mara & Fionnuala O'Reilly. (1993). A Trifle, a Coddle, a Fry: An Irish Literary Cookbook. Wakefield: Moyer Bell. ISBN 1-55921-081-8