サンコウチョウ

サンコウチョウ
サンコウチョウ
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: スズメ目 Passeriformes
: カササギヒタキ科 Monarchidae
: サンコウチョウ属 Terpsiphone
: サンコウチョウ T. atrocaudata
学名
Terpsiphone atrocaudata
(Edwards[2]1839)
英名
Japanese Paradise Flycatcher

サンコウチョウ(三光鳥、学名:Terpsiphone atrocaudata)はスズメ目カササギヒタキ科に分類される鳥類[3]日本へは夏鳥として渡来する。静岡県の鳥に指定されている。

分布[編集]

日本、台湾フィリピンバタン島ミンダナオ島に分布する。日本には、渡来し繁殖する。日本で繁殖した個体の多くは、冬季中国南部からスマトラへ渡り越冬する。

形態[編集]

全長は雄が約45cm(繁殖期)、雌が約18cm[4]繁殖期のオスは、体長の3倍ぐらいの長い尾羽をもつ。羽色は、顔面部が黒紫色、腹部は濁白色、背面はやや赤みのある黒紫色、その他の部分は暗黒紫色で、アイリングと嘴は明るい水色である。 メスは、オスの色彩とほぼ同色であるが、オスと比較してアイリングと嘴の水色は不明瞭であり、更に、背部と尾部はかなり赤みの強い赤褐色をしている。尾羽は体長と同じくらいの長さにしか伸長しない。

生態[編集]

平地から低山にかけての暗い林に生息する。繁殖期には縄張りを形成する。

食性は昆虫食で、林内で飛翔中の昆虫を捕食する。

樹上の細枝にスギヒノキの樹皮を用いたカップ型の巣を作り、外側にウメノキゴケをクモの糸で張り付ける。巣の中に入ってくるくる回りながら営巣を行うため、身体にフィットする綺麗な椀型になる[4]。産卵期は5-7月。抱卵日数は12-14日で、雌雄ともに抱卵する。雛は孵化後、8-12日で巣立つ。

地鳴きは、「ギィギィ」と地味だが、囀声は、「ツキヒーホシ、ホイホイホイ」、と聞えることから、三光鳥と呼ばれている[5]。また、他にも三光鳥と呼ばれる鳥としてイカルがいる。

亜種[編集]

3亜種に分類されている。

人間との関係[編集]

静岡県の県鳥であり、ジュビロ磐田エンブレムにも月・日・星と共に描かれている。同クラブのマスコットであるジュビロくん、及びジュビィちゃんはサンコウチョウがモデルとなっている。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ BirdLife International. 2023. Terpsiphone atrocaudata. The IUCN Red List of Threatened Species 2023: e.T22707151A154681084. https://dx.doi.org/10.2305/IUCN.UK.2023-1.RLTS.T22707151A154681084.en. Accessed on 06 February 2024.
  2. ^ William Henry Edwards or シデナム・エドワーズ
  3. ^ 山形則男・吉野俊幸・五百澤日丸=写真、五百澤日丸・山形則男=解説『新訂 日本の鳥550 山野の鳥』文一総合出版、2014年、140頁。ISBN 978-4829984000 
  4. ^ a b 鈴木まもる『身近な鳥のすごい巣』イースト・プレス、2023年、68-69頁。ISBN 978-4-7816-8090-3
  5. ^ サンコウチョウ”. 日本の鳥百科. SUNTORY HOLDINGS LIMITED. 2022年2月23日閲覧。

参考文献[編集]

  • 黒田長久監修 C.M.ペリンズ、A.L.A.ミドルトン編 『動物大百科9 鳥III』、平凡社1986年、158頁。
  • 高野伸二編 『山溪カラー名鑑 日本の野鳥 2版』 山と溪谷社、1993年、478頁。
  • 黒田長久編監修 『改訂新版 世界文化生物大図鑑 鳥類』 世界文化社、2004年、240頁。
  • 『山溪ハンディ図鑑7 日本の野鳥』、山と溪谷社、2001年、518頁。