スレッショルド・レコード

スレッショルド・レコード
Threshold Records
親会社デッカ・レコード
ロンドンレコード
設立者ムーディー・ブルース
イギリスの旗 イギリス
本社所在地イギリス

スレッショルド・レコード(Threshold Records)は、ロック・グループのムーディー・ブルースによって作られたレコード・レーベル。レーベル名は、1969年のアルバム『On the Threshold of a Dream』(邦題『夢幻』)のタイトルに由来する[1]

ムーディー・ブルースは、芸術的にパッケージ化されたゲートフォールド・カバーで自分たちのLPをリリースすることを可能にするため、また、バンド・メンバーのソロ作品をリリースするために、このレーベルを立ち上げることにした。スレッショルドは、英国ではデッカ・レコード[1]、米国ではロンドンレコードによって配給された。

このレーベルとサインした最初のバンドは、1972年、ウェストカントリー・ロッカーのアスガード (Asgard)で、アルバム『神国の王国 (In the Realm of Asgard)』からのシングル2枚をリリースした。マイク・ピンダーが推していたジェネシスも、1970年にレーベルとの契約を検討した。トニー・バンクスによると、彼らは後に2枚目のアルバム『侵入』で登場することになる「ルッキング・フォー・サムワン (Looking For Someone)」の1ヴァージョンをレコーディングしたが、やり直しの時間がないまま最後までパフォーマンスにミスがあったため、それを保留にしたのだという。バンクスは「茶色いメモが付いているもの(不備があるもの)を出すことはできません。それが、スレッショルドと契約しなかった理由のひとつです」と述べている。

ベーシストのジョン・ロッジはスレッショルド・レーベルのためにバンド、トラピーズをプロデュースした[1]。6人組ロック・バンドのプロヴィデンスもスレッショルドにてレコーディングを行った。1976年以降、ムーディー・ブルースは自らのアルバムの製造を、デッカ・レコード(そして後にポリグラムユニバーサル・レコード)に戻した。しかし、スレッショルドの社名とロゴは、自分たちのレコードをサリー州コブハムにある自身のレコード・ショップを通して売る手段として、長年にわたって維持されることとなった。1970年代後半にはジャスティン・ヘイワードの故郷であるスウィンドンにもスレッショルド・レコード・ショップが存在した。

その後の1999年のアルバム『ストレンジ・タイムズ』まで、ムーディー・ブルースのアルバムは「スレッショルド・レコードと紐づけて」ブランド化された。

レーベルのヴァリエーション[編集]

  • レーベル上部に「DISTRIBUTED BY LONDON」と表示されているボックスに、青いロゴの付いた白いレーベル
  • レーベルの上にマゼンタ(シングル)またはダークパープル(アルバム)のロゴが付いた白いレーベル
  • レーベルの内側の端から外側の端まで渦巻になっているマルチカラーロゴ付きのブルーレーベル
  • ポリドール・レーベルの下部にある黒いロゴ
  • カスタム・レーベルは、ムーディー・ブルースのアルバム『ボイジャー - 天海冥』のリリースなど、一部のリリースでも使用されていた。

スレッショルド・レコード・ショップは、2011年2月に一般公開されなくなった。

スレッショルド・レコード・ディスコグラフィ[編集]

アルバム[編集]

  • THS-1 ムーディー・ブルース: 『子供たちの子供たちの子供たちへ』 - To Our Children's Children's Children (1969年)
  • THS-2 トラピーズ: 『トラピーズ』 - Trapeze (1970年)
  • THS-3 ムーディー・ブルース: 『クエスチョン・オブ・バランス』 - A Question of Balance (1970年)
  • THS-4 トラピーズ: 『メデューサ』 - Medusa (1970年)
  • THS-5 ムーディー・ブルース: 『童夢』 - Every Good Boy Deserves Favour (1971年)
  • THS-6 アスガード: 『神国の王国』 - In the Realm of Asgard (1972年)
  • THS-7 ムーディー・ブルース: 『セヴンス・ソジャーン』 - Seventh Sojourn (1972年)
  • THS-8 トラピーズ: 『連動』 - You Are the Music...We're Just the Band (1972年)
  • THS-9 プロヴィデンス: 『心の夜明け』 - Ever Sense the Dawn (1972年)
  • THS-10 ニッキー・ジェイムス: Every Home Should Have One (1972年)
  • THS-11 トラピーズ: The Final Swing (1974年)
  • THS-12/13 ムーディー・ブルース: 『失われたロマンを求めて - ムーディー・ブルースの世界』 - This Is The Moody Blues (1974年)
  • THS-14 ジャスティン・ヘイワード & ジョン・ロッジ: 『ブルー・ジェイズ』 - Blue Jays (1975年)
  • THS-15 グレアム・エッジ・バンド: 『さすらいの騎士』 - Kick Off Your Muddy Boots (1975年)
  • THS-16 レイ・トーマス: 『樫の木のファンタジー』 - From Mighty Oaks (1975年)
  • THS-17 レイ・トーマス: 『希望、願い、そして夢』 - Hopes, Wishes and Dreams (1976年)
  • THS-18 マイク・ピンダー: 『プロミス』 - The Promise (1976年)
  • THS-19 ニッキー・ジェイムス: Thunderthroat (1976年)
  • TRL-1-2901 ムーディー・ブルース: 『ボイジャー - 天海冥』 - Long Distance Voyager (1981年)
  • TRL-1-2902 ムーディー・ブルース: 『プレゼント - 新世界への道程』 - The Present (1983年)
  • 820155 ムーディー・ブルース: Voices in The Sky: The Best of The Moody Blues (1984年)

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c Tobler, John (1992). NME Rock 'N' Roll Years (1st ed.). London: Reed International Books Ltd. p. 203. CN 5585