ファイルフォーマット

ファイルフォーマット: file formatファイル形式)は情報をファイルへ収納する形式である[1]

概要[編集]

コンピュータにおいてメディア文書音声画像動画)やプログラムファイルとして保存される。統一された順序・構造でこれらの情報がファイルとして保存されていれば、OSアプリケーションは一貫した方法でファイルにアクセスし情報を利用できる。これを可能にする、ファイルへの情報格納規格がファイルフォーマット(ファイル形式)である。

通常「ファイルフォーマット」と呼ばれるが、MS-DOSMicrosoft WindowsUNIXUnix系などのオペレーティングシステムにおけるファイルはストリーミングデータ(データストリーム)形式であり、正確には「各ファイルに格納されたデータのフォーマット」の事である。

通常ファイルに格納されたデータは、テキストまたはバイナリファイルなので、ファイルの内容だけからはそのファイルフォーマットを知ることが困難な場合がある。このため、ファイル名に拡張子をつけて識別したり、ネットワークでの転送時にはMIMEヘッダ(メディアタイプ)等をあわせて送ったり、といった方法が採られる。このようなメタデータを付与する方法はファイルの内容自体に影響を与えず、またファイルを開くことなく種別を判定できる、という利点がある。しかし、拡張子は簡単に、しかも自由に編集できるため、信頼性は極めて低い。またMIMEタイプはIANAによって正式に登録・標準化されていない独自の文字列をアプリケーションやシステムが勝手に付与することもありうる。そのため、多くのファイルフォーマットは、ファイルの先頭にマジックナンバーと呼ばれる、より確実にファイル形式を識別するための情報を付加する。

さまざまなアプリケーションで扱える標準的なフォーマットもあるが、オペレーティングシステムやアプリケーションによりそのデータ形式は様々である。特定のアプリケーションで扱えるデータ形式に変換するためのファイルコンバータを利用できることがある。

データの区切りの単位に注目した分類[編集]

  • bit(ビット)をデータの区切りの単位とするデータ。例:圧縮されたデータ
  • byte(バイト、1byte = 8bit)を単位とするデータ。例:各種アプリケーションのデータファイル
  • 文字を単位とするデータ。例:テキストファイル

テキストもバイナリの一種であるが、実際のビット列はエンコーディング時に採用する文字セットに左右される。テキストのデータストリームをデコードする際のヒントとして、ファイル先頭付近にバイト順マークや文字セット名を記載するフォーマットもある。

各種プログラミング言語ソースファイルも、構造化されたプレーンテキストファイルの一種である。

汎用性に注目した分類[編集]

標準化されたフォーマット
国際的な機関で制定されたフォーマット。ファイルフォーマットの例としては、JPEG、MPEGなどがある。標準化機関の例としては、国際標準化機構 (ISO)、日本産業規格 (JIS)、World Wide Web Consortium (W3C) などがある。
事実上、業界標準となっているフォーマット
後述する「特定のオペレーティングシステム (OS) やアプリケーションに依存するフォーマット」に含まれるが、広く使用され事実上標準(デファクトスタンダード)となっているもの。例としては、GIFFBXPDF(米Adobe社、後にISO標準化)などがある。
特定のオペレーティングシステム (OS) やアプリケーションに依存するフォーマット
各種OSやアプリケーションのデータファイル。例としては、BMP、RTF(Microsoft Windows)など多数ある。

よく知られたファイルフォーマット一覧[編集]

テキスト、ハイパーテキスト、ドキュメント[編集]

オフィススイート 用のフォーマット[編集]

主なオフィススイート用のフォーマットには以下がある。

データ記述フォーマット[編集]

画像・図形[編集]

3D[編集]

ラスターイメージ[編集]

ベクターイメージ[編集]

音声[編集]

楽曲[編集]

動画[編集]

時間軸を持つもの[編集]

  • アニメーションGIF
  • MNG (Multiple-image Network Graphics)
  • SWF (Macromedia Shockwave Flash)
  • SMIL (Synchronized Multimedia Integration Language)

ファイルアーカイブ(圧縮など)[編集]

オブジェクトファイル[編集]

通信関連[編集]

その他[編集]

  • EDIF (Electronic Design Interchange Format) - 電子設計データ

ファイルフォーマットと関連づけ[編集]

特定のファイルフォーマットと、それを開くアプリケーションソフトウェアを登録しておき、操作を行いたいファイルを選択した際にアプリケーションソフトウェアを選ぶ手間を省くための動作を関連づけ (association) という。関連づける手法はオペレーティングシステムなどの環境により異なる。例えばWindowsOS/2では拡張子によって対応するアプリケーションを選択する(Windowsではレジストリに登録する。OS/2ではWPSの.INIファイルに情報が格納される)。

Mac OSでは、ファイルのメタデータとしてクリエータとタイプというデータがある。ファイルシステムのHFSHFS+、ファイル転送プロトコルのAFPではこれらは保持されるが、FTPHTTP、電子メール等を介してファイルをやりとりする場合は、クリエータとタイプを保持するフォーマット(MacバイナリAppleSingleAppleDoubleBinHex等)に変換するか、Mac OS用のアーカイブフォーマット(StuffItMacLHA等)を用いる必要がある。 macOSではクリエータとタイプがあればそれを優先するが、なければ拡張子による対応づけが利用される。

脚注[編集]

  1. ^ "ファイルは、その中身が意味する内容や目的によって、情報の記録の仕方が変わります。これを「ファイルフォーマット」(file format) と言います。" ファイルとディレクトリの概念. 京都産業大学 - コンピュータ・リテラシ. 2022-12-27閲覧.

関連項目[編集]

外部リンク[編集]