ペドロ・アルバレス (内野手)

ペドロ・アルバレス
Pedro Álvarez
ボルチモア・オリオールズ時代
(2018年4月11日)
基本情報
国籍 ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
二重国籍
出身地 ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国
サントドミンゴ
生年月日 (1987-02-06) 1987年2月6日(37歳)
身長
体重
6' 3" =約190.5 cm
235 lb =約106.6 kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 一塁手三塁手指名打者
プロ入り 2008年 MLBドラフト1巡目
初出場 2010年6月16日
最終出場 2018年6月15日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
獲得メダル
男子 野球
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
パンアメリカン競技大会
2007 野球

ペドロ・マニュエル・アルバレス・ジュニアPedro Manuel Álvarez Jr. , 1987年2月6日 - )は、ドミニカ共和国サントドミンゴ出身の元プロ野球選手一塁手三塁手指名打者)。右投左打。

愛称はEl Toro(エル・トロ:スペイン語で「ウシ」の意)。代理人はスコット・ボラス

経歴[編集]

プロ入り前[編集]

ドミニカ共和国サントドミンゴに生まれたが、1歳の時に家族と共にドミニカ移民のコミュニティがあるニューヨークマンハッタンワシントンハイツ地区へ移り住む。2005年MLBドラフト14巡目(全体438位)でボストン・レッドソックスから指名されたが、契約せずにヴァンダービルト大学へ進学[1]2007年7月にはブラジルリオデジャネイロで行われた第15回パンアメリカン競技大会における野球競技アメリカ合衆国代表に選出され[2]、銀メダルを獲得した。

プロ入りとパイレーツ時代[編集]

ピッツバーグ・パイレーツ時代
(2014年4月24日)

2008年MLBドラフト1巡目(全体2位)でピッツバーグ・パイレーツから指名を受けたが、代理人のスコット・ボラスマーク・テシェイラと同額の950万ドルの契約金を要求したため、交渉は難航した。交渉期限の8月15日深夜になって、パイレーツはアルバレスと総額600万ドルのマイナー契約に合意したと発表。しかし、ボラスが「交渉期限を過ぎていた」と交渉のやり直しを強硬に主張したため、MLB機構はアルバレスを制限リストに置き、交渉期限の延長を認めた。結局、9月23日に4年総額640万ドルのメジャー契約で入団に合意した[3]

2009年、プロとしてのキャリアをスタートさせたアルバレスは、A+級リンチバーグ・ヒルキャッツとAA級アルトゥーナ・カーブ打率.288、27本塁打、95打点OPS.914を記録。特にAA級アルトゥーナに昇格後は打率.333、OPS1.009と活躍し、シーズン終了後には「ベースボール・アメリカ」誌の有望株ランキングで球団内1位、マイナー全体でも8位の高評価を受けた[4]

2010年はAAA級インディアナポリス・インディアンスからスタートし、6月16日のシカゴ・ホワイトソックス戦でメジャーデビューを果たした。アルバレスの枠を開ける形で、岩村明憲25人枠から外された[5]。6月19日のクリーブランド・インディアンス戦でメジャー初安打を記録したが、6月は46打数7安打で打率.207、0本塁打、22三振に終わった[6]。7月3日のフィラデルフィア・フィリーズ戦でカイル・ケンドリックからメジャー初本塁打を放つと[7]、7月20日-7月21日のミルウォーキー・ブルワーズ戦では2試合連続で2本塁打と5打点を記録するなど月間7本塁打を放った[8][9]。その後、シーズン終了まで三塁手のレギュラーとして出場し、最終的に95試合で打率.256、16本塁打、64打点という成績を残した。

2011年は絶不調で打率が2割に満たず、調整のため6月27日にルーキー級に降格されると、翌6月28日からA+級に配属。さらに7月4日にAAA級インディアナポリスへと移った。結局それ以降、9月にメジャー出場枠が拡張されるまでの間はAAA級で過ごすことになった。

2012年スプリングトレーニング中のオープン戦から物凄いペースで三振を量産し、ファンをやきもきさせたが、首脳陣はチームの鍵を握る存在として三塁の開幕レギュラーの座を与えた[10]。開幕後もしばらくは三振の山を築いていたが、次第に長打が増え、前半戦のパイレーツの躍進に貢献した。最終的に打率.244、180三振ながらも30本塁打を放った。

2013年は、4月4日に打率が.100台に突入すると、そこから5月10日まで打率2割すら超えない状態が続く[11]。打率.200丁度で5月を終えたが、6月に4試合連続本塁打を含み、26試合で打率.309、10本塁打、24打点を記録[11]。その後、本塁打を放ち、アリゾナ・ダイヤモンドバックスポール・ゴールドシュミットとタイで自身初の本塁打王(36本塁打)を獲得した。打点は100(リーグ5位)だった。一方でリーグ最多の186三振を喫した。

2014年1月17日にパイレーツと425万ドルの1年契約に合意した[12][13]。レギュラーシーズンでは、メジャーに昇格してから自身初となる、三振を出場試合数以下に抑えた。一方、打撃三部門では打率.231、18本塁打、56打点に終わり、ここ3年で自己最低で、3年ぶりに30本塁打未満に終わった。

2015年一塁手へコンバートされた[14]。打撃では本塁打王に輝いた2013年シーズンに近い打棒を発揮した。OPSはレギュラー定着後では自己最高だった。12月2日、パイレーツから契約提示がなく、ノンテンダーFAとなった。

オリオールズ時代[編集]

2016年3月10日にボルチモア・オリオールズと1年575万ドルで契約を結んだ[15]。この年は、ここ5シーズンでは最小の109試合の出場に留まったが、それに比例して三振も大幅に減らし、97三振と5年連続で続いていた110三振以上を回避した。また、22本塁打を放ち、通算150本塁打を達成した。守備に就く機会は少なく、ほとんどが指名打者としての出場だった。オフの11月3日にFAとなった。

2017年3月13日にマイナー契約で再契約した[16]。シーズン開幕後は8月末まで傘下のAAA級ノーフォーク・タイズでプレーした。9月1日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[17]。オフの11月2日にFAとなった[18]

2018年2月26日にマイナー契約で再契約した[19]。3月29日にメジャー契約を結んで開幕25人枠入りした[20]。6月19日にDFAとなり[21]、翌20日にマイナー契約でAAA級ノーフォークへ配属された[16]

マーリンズ傘下時代[編集]

2018年12月3日にマイアミ・マーリンズとマイナー契約を結んだ[22]。3月25日にオプトアウトを行使し契約を破棄した[23]

現役引退後[編集]

2022年2月6日、ミルウォーキー・ブルワーズの野球運営部門と育成部門のアシスタントに就任することが発表された[24]

詳細情報[編集]

年度別打撃成績[編集]

















































O
P
S
2010 PIT 95 386 347 42 89 21 1 16 160 64 0 0 0 2 37 1 0 119 8 .256 .326 .461 .788
2011 74 262 235 18 45 9 1 4 68 19 1 0 1 0 24 1 2 80 11 .191 .272 .289 .561
2012 149 586 525 64 128 25 1 30 245 85 1 0 0 3 57 6 1 180 10 .244 .317 .467 .784
2013 152 614 558 70 130 22 2 36 264 100 2 0 0 4 48 7 4 186 16 .233 .296 .473 .770
2014 122 445 398 46 92 13 1 18 161 56 8 3 0 0 45 6 2 113 12 .231 .312 .405 .717
2015 150 491 437 60 106 18 0 27 205 77 2 0 0 4 48 9 2 131 6 .243 .318 .469 .787
2016 BAL 109 376 337 43 84 20 0 22 170 49 1 0 0 2 37 1 0 97 6 .249 .322 .504 .826
2017 14 34 32 4 10 1 0 1 14 4 0 0 0 0 2 0 0 10 0 .313 .353 .438 .790
2018 45 127 111 18 20 2 0 8 46 18 0 0 0 0 16 0 0 36 2 .180 .283 .414 .698
MLB:9年 910 3321 2980 365 704 131 6 162 1333 472 15 3 1 15 314 31 11 952 71 .236 .310 .447 .757
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績[編集]



三塁(3B) 一塁(1B)
























2010 PIT 94 61 198 17 17 .938 -
2011 66 55 145 14 15 .935 -
2012 145 73 264 27 23 .926 -
2013 150 72 359 27 27 .941 -
2014 99 69 233 25 25 .924 5 31 1 0 4 1.000
2015 - 124 966 68 23 98 .978
2016 BAL 12 0 5 4 0 .556 -
2017 - 2 11 1 0 2 1.000
2018 8 5 11 1 1 .941 1 9 0 0 1 1.000
MLB 574 335 1215 115 108 .931 132 1017 70 23 105 .979
  • 各年度の太字はリーグ最高

タイトル[編集]

表彰[編集]

記録[編集]

MiLB
MLB

背番号[編集]

  • 17(2010年)
  • 24(2011年 - 2018年)

代表歴[編集]

  • 2007年パンアメリカン競技大会野球アメリカ合衆国代表

脚注[編集]

  1. ^ Amy K. Nelson (2008年6月3日). “Alvarez following in some famous footsteps” (英語). ESPN. http://sports.espn.go.com/mlb/draft2008/news/story?id=3423039 2016年3月11日閲覧。 
  2. ^ 2007 Pan American Team Roster USABaseball.com: The Official Site of USA Baseball (英語) (2010年9月21日) 2017年7月2日閲覧
  3. ^ Deajan Kovacevic (2008年9月23日). “Pirates, Alvarez agree to revised contract” (英語). Pittsburgh Post-Gazette. 2016年3月11日閲覧。
  4. ^ Top 100 Prospects: No. 1-20” (英語). BaseballAmerica. 2016年3月11日閲覧。
  5. ^ Jenifer Langosch (2010年6月15日). “Pirates promote top prospect Alvarez” (英語). MLB.com. 2016年3月11日閲覧。
  6. ^ Pedro Alvarez Game By Game Stats and Performance” (英語). ESPN. 2016年3月11日閲覧。
  7. ^ “Howard drives in three as Phillies power past Pirates” (英語). Associated Press. ESPN. (2010年7月3日). http://espn.go.com/mlb/recap?gameId=300703123 2016年3月11日閲覧。 
  8. ^ “Prized rookie Alvarez key as Pirates blast Brewers” (英語). Associated Press. ESPN. (2010年7月21日). http://espn.go.com/mlb/recap?gameId=300721123 2016年3月11日閲覧。 
  9. ^ パイレーツの選手が2試合連続で5打点を記録したのは、1973年5月3日 - 4日のアル・オリバー以来37年ぶり。[要出典]
  10. ^ Pat Lackey (2012年7月12日). “Pedro Alvarez at the halfway point | July 2012 | Pittsburgh Pirates” (英語). 2016年3月11日閲覧。
  11. ^ a b Pedro Alvarez Game Log 2013” (英語). Baseball-References. Sports Reference LLC.. 2016年3月11日閲覧。
  12. ^ "Pirates agree to terms with all six arbitration eligible players" (Press release) (英語). MLB.com (Pittsburgh Pirates). 7 January 2014. 2016年3月11日閲覧
  13. ^ Tom Singer (2014年1月17日). “Cases closed: Bucs finalize all arbitration-eligible deals” (英語). MLB.com. 2016年3月11日閲覧。
  14. ^ 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2015』廣済堂出版、2015年、360頁。ISBN 978-4-331-51921-9 
  15. ^ Brittany Ghiroli (2016年3月10日). “Alvarez takes physical, signs deal with Orioles” (英語). MLB.com. 2016年3月11日閲覧。
  16. ^ a b MLB公式プロフィール参照。2018年6月22日閲覧。
  17. ^ Ben Raby (2017年9月1日). “O's top prospect Sisco joins big league club” (英語). MLB.com. 2017年9月2日閲覧。
  18. ^ Key free agents for all 30 MLB teams MLB.com (英語) (2017年11月5日) 2017年12月30日閲覧
  19. ^ Brittany Ghiroli (2018年2月26日). “Alvarez arrives at camp after inking 1-year deal” (英語). MLB.com. 2018年3月6日閲覧。
  20. ^ Orioles add 4 to complete Opening Day roster” (英語). MLB.com (2018年3月29日). 2018年4月5日閲覧。
  21. ^ Brittany Ghiroli (2018年6月19日). “Alvarez designated for assignment by Orioles” (英語). MLB.com. 2018年6月20日閲覧。
  22. ^ “元本塁打王のアルバレス、マーリンズとマイナー契約”. 日刊スポーツ. (2018年12月4日). https://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/201812040000400.html 2018年12月4日閲覧。 
  23. ^ Byrne, Connor (2019年3月25日). “Bryan Holaday, Pedro Alvarez Opt Out of Marlins Deals”. mlbtraderumors.com. 2019年3月25日閲覧。
  24. ^ “元ブルワーズのリッキー・ウィークス氏が育成部門アシスタントで古巣復帰”. 日刊スポーツ. (2022年2月6日). https://www.nikkansports.com/m/baseball/mlb/news/202202060000279_m.html 2022年6月30日閲覧。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]