ホンダ・アヴァンシア
アヴァンシア(Avancier、AVANCIER、冠道)は、本田技研工業がかつて日本市場向けに製造・販売していたステーションワゴン型自動車、および現在中国市場向けに製造・販売しているクロスオーバーSUV型自動車の商標である。
概要[編集]
初代は4ドアクラブデッキと称しステーションワゴンとして北米仕様アコードを基に開発された国内専売車種で、外観やコンセプトは、かつてのアコードエアロデッキを彷彿とさせるステーションワゴンとして1999年に発売された。
このスタイリングはアーチキャビンフォルムと呼ばれ、車種においてもステーションワゴンとは呼ばず4ドアクラブデッキと呼んでいた。
また、この独特なスタイルは、オペル・シグナムに影響を与えたといわれている。前席をウォークスルーとし、隣席や後席とのアクセスを容易にする一方、後席用にBピラーに専用の送風口や天井のボックスが装備された。
さらにはメーカーオプションの「Gパッケージ」を選択すると、リヤ座面格納式センターテーブル&リヤシートスライド(スライド量70mm)と同時に角度が変化するシートバック&リヤプライバシーガラスなどの装備が備わり、後席主体のリムジンライクなパッケージとなっていた。モノボリューム風ワゴンボディによる広い室内を、実用ではなく高級に振ったコンセプトは、発表当時 斬新だった。
全く新しい高級車像を作り上げるべく開発されたが、見た目からは高級感がわかりづらいこともあった。[1]
さらに4WD仕様は、大型化された前後バンパー&オーバーフェンダー、車高が上げられたサスペンション、大径タイヤ、ルーフレール等を装備してクロスオーバーSUVのような外観とし、エンブレムも4WDを強調する「Avancier4(数字のみ赤字)」となっていた。
エンジンは、オデッセイに搭載されていたF23A型とJ30A型で、FFと4WDがラインナップされた。
このデザインとIHCC(インテリジェントハイウェイクルーズコントロール)、ゲート式インパネシフト、5速ATの搭載など、ホンダ初の技術が搭載されていた。これらは、後に登場するホンダ車にも搭載されていった。
2003年で一度生産・販売を終了していたが、2016年に中国向けに開発されたクロスオーバーSUVとして復活。2代目が登場した。
初代 TA1/2/3/4型(1999年 - 2003年)[編集]
ホンダ・アヴァンシア(初代) TA1/2/3/4型 | |
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後期型 ヌーベルバーグ(フロント) | |
ヌーベルバーグ(リア) | |
概要 | |
製造国 | 日本 |
販売期間 | 1999年9月 - 2003年10月 |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ | 5ドア ステーションワゴン |
駆動方式 | FF/4WD |
パワートレイン | |
エンジン | F23A型:2.3L 直4 SOHC VTEC J30A型:3.0L V6 SOHC VTEC |
最高出力 | F23A型:150PS/5,800rpm J30A型:215PS/5,800rpm |
最大トルク | F23A型:21.0kgf·m/4,800rpm J30A型:27.7kgf·m/5,000rpm |
変速機 | 2.3L仕様:4速AT 3L仕様:5速AT |
前 | 前:ダブルウィッシュボーン 後:5リンク・ダブルウィッシュボーン |
後 | 前:ダブルウィッシュボーン 後:5リンク・ダブルウィッシュボーン |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,765mm |
全長 | FF:4,700mm 4WD:4,795mm |
全幅 | FF:1,790mm 4WD:1,810mm |
全高 | FF:1,500mm 4WD:1,545mm |
車両重量 | 1,500-1,690kg |
その他 | |
燃費 | 2.3L仕様(FF):11.8km/L 2.3L仕様(4WD):10.8km/L 3L仕様(FF):9.8km/L 3L仕様(4WD):9.4km/L 全て10・15モード |
新車登録台数の累計 | 2万3694台[1] |
系譜 | |
後継 | 3代目オデッセイに統合 |
- 1999年
- 9月13日に発表された(発売は9月15日 )。CMキャラクターはアンソニー・ホプキンス。当初はF23A型搭載のFF「L」/4WD「L-4」とJ30A型搭載のFF「V」との3バリエーションがクリオ店で発売された。
- 2001年
- 9月2日 にマイナーチェンジが行われ、プレステージ指向なコンセプトであったこれまでのアヴァンシアのイメージを180度転換させる2.3Lのスポーツグレード「ヌーベルバーグ(Nouvelle Vague )」が登場。
- ヌーベルバーグは、専用チューニングのサスペンションにより車高を15mm下げサーキット走行にも対応できるほどハンドリングとコーナリング性能を大幅に進化させかつ、専用16インチアルミやブラックインテリアなどを装備した「ユーロスポーツ・コンセプト」なグレード。車両価格は215万円で、専用色として「ミラノレッド」と「レイズンモーブ・パール」も選択可能だった。このヌーベルバーグがモデル後半の販売の中心となる。
同時に、シリーズ全体にリアシートに読書灯を追加。なお、「ヌーベルバーグ」以外のFFモデルにも同様のアンダースカートが装着され、空力性能が向上している。CM曲はショッキング・ブルー「ヴィーナス」。
2代目 TG1/2/3/4/5/6型(2016年 - )[編集]
ホンダ・アヴァンシア(2代目) TG1/2/3/4/5/6型 | |
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370TURBO フロント | |
370TURBO リア | |
概要 | |
別名 | 中国 : ホンダ・UR-V |
製造国 | 中国 |
販売期間 | 2016年 - |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ | クロスオーバーSUV |
駆動方式 | FF/AWD |
パワートレイン | |
エンジン | L15B型 1.5L 直4 DOHC VTECターボ K20C3型 2.0L 直4 DOHC VTECターボ |
変速機 | 240T:CVT 370T:9速AT |
前 | 前:マクファーソン式 後:マルチリンク式 |
後 | 前:マクファーソン式 後:マルチリンク式 |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,820mm |
全長 | 4,816mm |
全幅 | 1,942mm |
全高 | 1,669mm |
車両重量 | 1,708-1,881kg |
2015年の上海モーターショーで世界初出品された「コンセプトD」を源流とし[3]、それを市販向けにアレンジした大型クロスオーバーSUVに「アヴァンシア」(車名中国語表記:冠道)の名があてがわれて2016年の北京モーターショーでお披露目、同年11月より販売を開始した。同車はクロスツアーの後継車種としての役割を担うと同時に、広汽本田汽車のラインナップの頂点に位置付けられる。
エンジンはステップワゴンやシビックで採用済の1.5Lターボ(240ターボ系、193PS)に加え、メーカー自身が「スポーツターボ」と呼ぶ新規開発の2.0Lターボ(370ターボ系、272PS)の2種を用意し、前者にはCVTを、後者には9速ATを組み合わせ、さらに後者にはAWD仕様も設定される。
安全装備に抜かりはなく、ABS、エアバッグ等はもちろん、各エンジンのトップグレードには安全運転支援システム「Honda SENSING」までもを採用する。
- 兄弟車 UR-V
搭載エンジン[編集]
初代
- エンジン種類:水冷直列4気筒横置き
- 弁機構:SOHCベルト駆動 吸気2 排気2 VTEC
- 最高出力:110kW(150PS)/ 5,800rpm
- 最大トルク:206N·m(21.0kgf·m)/ 4,800rpm
- 総排気量:2,253cc
- 内径×行程:86.0mm × 97.0mm
- 圧縮比:9.5
- 燃料供給装置形式:電子制御燃料噴射式(ホンダPGM-FI)
- 使用燃料種類:無鉛レギュラーガソリン
- 燃料タンク容量(FF):65L
- 燃料タンク容量(4WD):60L
- エンジン種類:水冷V型6気筒横置き
- 弁機構:SOHCベルト駆動 吸気2 排気2 VTEC
- 最高出力:158kW(215PS)/5,800rpm
- 最大トルク:272N·m(27.7kgf·m)/5,000rpm
- 総排気量:2,997cc
- 内径×行程:86.0mm × 86.0mm
- 圧縮比:10.0
- 燃料供給装置形式:電子制御燃料噴射式(ホンダPGM-FI)
- 使用燃料種類:無鉛レギュラーガソリン
- 燃料タンク容量(FF):65L
- 燃料タンク容量(4WD):61L
車名の由来[編集]
- アヴァンシア - フランス語で「前進する」という意味を持った「avancer」からの造語である。なおトヨタ・アベンシスも同じ「avancer」に由来している。
- ヌーベルバーグ - フランス語で「新しい波」という意味である。
キャッチコピー[編集]
- 初代前期 ‐ 「エゴイストの資格」「4ドアクラブデッキ」
- 初代後期 ‐ 「Hondaはワゴンに何をしたか。」