ミナミアカヒレタビラ

ミナミアカヒレタビラ
	婚姻色を呈するミナミアカヒレタビラのオス産卵管の伸びたミナミアカヒレタビラのメス
保全状況評価
	絶滅危惧IA類（環境省レッドリスト）;
分類
学名
	Acheilognathus tabira jordani; R. Arai, Fujikawa & Nagata, 2007
和名
	ミナミアカヒレタビラ

タビラ > ミナミアカヒレタビラ

ミナミアカヒレタビラ（南赤鰭田平、Acheilognathus tabira jordani）は、コイ目コイ科タナゴ亜科タナゴ属に属する淡水魚で、タビラのうち山陰、北陸に生息する亜種である。亜種名は、日本で淡水魚研究を行ったデイビッド・スター・ジョーダンに由来する^[2]。

形態[編集]

遺伝的には2系統存在する^[3]。

繁殖期のオスは、アカヒレタビラの婚姻色とよく似ているが、臀鰭の赤は濃く出ない^[4]。成熟すると臀鰭の赤色、白色が鮮やかになる^[4]。

よく似た亜種として、アカヒレタビラ、キタノアカヒレタビラがいる。

比較的水量が多い水深50cm程度^[4]の流れが穏やかな河川、ため池、泥底の水路に生息する^[2]。他のタビラと違い、水底付近だけでなく、中層でも行動する^[4]。寿命は3年^[5]。

繁殖期は4-6月で、ドブガイのような止水域の淡水二枚貝に産卵する^[2]。本亜種は通常川の上流に棲むが、繁殖期に下流へ5km以上移動した記録がある^[5]。

生息地での改修・整備工事、産卵に利用する二枚貝の減少、外来種の侵入などにより大幅に数を減らしている^[6]。

富山県、島根県、鳥取県では本種の採取、譲渡などが条例により禁止となっている^[6]。

^ “ミナミアカヒレタビラ”. 日本のレッドデータ検索システム. 野生生物調査協会・Envision環境保全事務所. 2020年11月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月11日閲覧。
^ ^a ^b ^c ^d 佐土、松沢(2011), p. 23.
^ 北村、内山(2020), p. 112.
^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g 赤井ほか(2009), p. 47.
^ ^a ^b 北村、内山(2020), p. 111.
^ ^a ^b 中坊 2018.

赤井裕、秋山信彦、上野輝彌、葛島一美、鈴木信洋、増田修、藪本美孝『タナゴ大全』エムピージェー、2009年、42,46-47頁。ISBN 978-4-904837-08-5。
佐土哲也、松沢陽士『タナゴハンドブック』文一総合出版、2011年、21,23頁。ISBN 978-4-8299-8100-9。
北村淳一、内山りゅう『日本のタナゴ』山と渓谷社、2020年、111-112頁。ISBN 978-4-635-06289-3。
中坊徹次編『小学館の図鑑Z 日本魚類館』小学館、2018年、93頁。ISBN 978-4-09-208311-0。