ライバッハ (バンド)

ライバッハ
Laibach
ライバッハ(2010年)
基本情報
出身地 ユーゴスラビア社会主義連邦共和国の旗 ユーゴスラビア
スロベニアの旗 スロベニア
ジャンル 電子音楽アヴァンギャルドインダストリアル
活動期間 1980年 -
レーベル ミュート・レコード
共同作業者 300.000 V.K.
公式サイト www.laibach.org

ライバッハ[1]Laibach)は、1980年ユーゴスラビア(現在:スロベニア)の旧炭鉱町トルボヴリェで結成された実験音楽バンド。ライバッハとはスロベニアの首都リュブリャナドイツ語名である。

概要[編集]

1980年、トマシュ・ホストニクとデヤン・クネツを中心に結成。Eber、Saliger、Dachauer、Kellerによって構成されている。1982年にホストニクは自殺、その後、ミラン・フラスが、ボーカルを担当。メンバーは、匿名であるが『Spectre』(2014年)では、作詞者やパフォーマーとしてメンバー名が記載された。

初期の作品は、インダストリアル・ミュージックの傾向が強く、前衛音楽的とも言える。『オーパス・ディ』でハンマー・ビートを用いるようになった。1990年代からは300,000V.K.が手がけていたエレクトロニック・ミュージックの要素を多く取り入れている。『WAT』では、テクノDJユーメック(Umek)らがアルバムをプロデュースしている。グループは活動を新スロベニア芸術という芸術運動の一部に位置づけて、制服の着用などの全体主義を想起させるモチーフの多用していた。グループ名も、スロベニア各地を占領しドイツ化を推し進めたナチス・ドイツを連想させるとして、第二次世界大戦以降は使用が控えられてきたものである。これらの表現は、ファシズムに対するパロディの一環であると主張しているが、誤解されたり、右翼左翼の双方から攻撃される原因となり、ユーゴスラビア時代には政府から監視される原因となった。

日本では、1986年にバップから『ノヴァ・アクロポラ』が、1987年にアルファレコードから『オーパス・ディ』がLP盤で発売され、2018年に映画『北朝鮮をロックした日 ライバッハ・デイ』が、劇場公開された。 

ディスコグラフィ[編集]

アルバム[編集]

  • Laibach (1985年、ŠKUC)
  • 『ノヴァ・アクロポラ』 - Nova Akropola (1986年、Cherry Red)
  • 『オーパス・ディ』 - Opus Dei (1987年、Mute)
  • 『レット・イット・ビー』 - Let It Be (1988年、Mute)
  • Sympathy for the Devil (1989年、Mute)
  • 『キャピタル』 - Kapital (1992年、Mute)
  • 『NATO (北大西洋条約機構)』 - NATO (1994年、Mute)
  • Jesus Christ Superstars (1996年、Mute)
  • WAT (2003年、Mute)
  • Volk (2006年、Mute) ※世界各国の国歌をアレンジしたもの
  • Laibachkunstderfuge (2008年、Dallas) ※バッハの『フーガの技法』をアレンジしたもの
  • Spectre (2014年、Mute)
  • 『サウンド・オブ・ミュージック』 - The Sound of Music (2018年、Mute)
  • Party Songs (2019年、Mute) ※EP
  • Laibach Revisited (2020年、Mute)
  • Wir sind das Volk (2022年、Mute)
  • Sketches of the Red Districts (2023年、God)
  • Love Is Still Alive (2023年、Mute) ※EP

サウンドトラック[編集]

  • Krst pod Triglavom – Baptism/Klangniederschrift einer Taufe (1986年、Walter Ulbricht Schallfolien / Sub Rosa) ※通称『Baptism』。ノイエ・スロヴェニッシュ・クンストによる舞台のサウンドトラック
  • Macbeth (1990年、Mute) ※舞台『マクベス』サウンドトラック
  • Iron Sky – The Original Soundtrack (2012年、Mute) ※映画『アイアン・スカイサウンドトラック
  • Also Sprach Zarathustra (2017年、Mute) ※ニーチェの『ツァラトゥストラはこう語った』をテーマにした舞台のサウンドトラック

ライブ・アルバム[編集]

  • Neu Konservatiw (1985年)
  • The Occupied Europe Tour 83-85 (1990年、The Grey Area)
  • Ljubljana-Zagreb-Beograd (1993年、The Grey Area)
  • M.B. 21 December 1984 (1997年、The Grey Area)
  • The John Peel Sessions (2002年、Strange Fruit)
  • Volk Tour London CC Club 16 April 2007 (2007年、Live Here Now)
  • Monumental Retro-Avant-Garde – Live at London Tate Modern 14 April 2012 (2012年、Abbey Road Live Here Now)
  • We forge the future (2021年、God)

コンピレーション・アルバム[編集]

  • Rekapitulacija 1980–1984 (1985年)
  • Slovenska Akropola (1987年、ŠKUC)
  • Anthems (2004年、Mute)
  • Gesamtkunstwerk – Dokument 81–86 (2011年、Vinyl-on-demand)
  • An Introduction to... Laibach (2012年、Mute)

映画出演[編集]

脚注[編集]

  1. ^ レイバッハ」の表記もある。

外部リンク[編集]