ラミー (企業)

C. Josef Lamy GmbH
種類 GmbH
略称 Lamy, ラミー
本社所在地 ドイツの旗 ドイツ
69123
Grenzhöfer Weg 32, Heidelberg
設立 1930年
業種 その他製品
事業内容 筆記具
代表者 Beate Oblau, Thomas Trapp, Peter Utsch
売上高 50百万ユーロ
主要株主 Vera Lamy (50%)
Markus Lamy (50%)
関係する人物 C. Josef Lamy
外部リンク http://www.lamy.com
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サファリ シリーズ 万年筆のカラーバリエーション。

ラミーLamy)はドイツハイデルベルクに本社を構える筆記具メーカー。製品のブランド名は「LAMY」。現在の社長は、創業者カール・ヨーゼフ・ラミー(Carl Josef Lamy)の息子であるマンフレート・ラミー(Manfred Lamy)。

2024年2月に三菱鉛筆による全株取得と連結子会社化の合意を結んだ。

歴史[編集]

1930年 パーカー社の営業担当をしていたカール・ヨーゼフ・ラミーが、Orthos社を買収しドイツのハイデルベルクにラミー社を設立。

1952年、ラミー製品の販売を開始。この当時は、パーカー製品の影響を色濃く残していた。

1962年、創業者C.J.ラミーの息子であるマンフレート・ラミーが2代目社長としてラミー社に入る。新社長は同業他社との差別化をはかり、「機能によってかたち作られるデザイン」という"バウハウス"のコンセプトを掲げ、革新的な筆記具メーカーとしての道を歩みだした。

1966年、LAMY 2000シリーズの販売を開始。同製品は、「西暦2000年になっても通用するデザイン」をコンセプトにして、ゲルト・アルフレート・ミュラー[1]によってデザインされた。現に、販売開始50年を経てなお、そのままのデザインで販売されている。

2024年、創業家は三菱鉛筆による全株取得と連結子会社化に合意した[2]

特徴[編集]

デザイナーの豊かな創造性の実現を重視する製品づくりを進める。ラミー社の有する製作技術がこれを可能にしている。例えば「LAMY 2000」シリーズは、ボディのつなぎ目が一見してわからないほど表面加工の工作精度が優れており、デザイナーの細部にまで及ぶ美意識を満足させている。 ラミー社は、技術力の維持・強化のために、ドイツ国内における自社生産にこだわっており、部品の製造の大部分とすべての製品の組み立てを、社外に委託せずにハイデルベルク市内の自社工場で行う。途上国の安い労働力を使うことが不可能になるが、そこは徹底した生産ラインのオートメーション化で補っている。

主な製品[編集]

LAMY 2000 万年筆

万年筆ローラーボールシャープペンシル・ボールペンが揃っているシリーズ

  • LAMY 2000 (ラミー・2000)- 1966年にリリースされて以来、この会社のロングセラー及びフラッグシップモデルとなっている。ゲルト・アルフレッド・ミュラーによるデザイン。
  • LAMY ACCENT AL (ラミー・アクセントAL)-ラミーアクセントを元にボディをアルミにしたもので、シャープペン、ボールペン、ローラーボール、万年筆が存在する。先代のアクセントと同様に付け替えが可能なグリップであり、初期設定ではラバーかウッドグリップである。ただ、このウッドグリップは木に似せたものである。
  • LAMY studio (ラミー・ステュディオ)- プロペラのような形をしたクリップが、デザインのアクセントになっている。
  • LAMY safari (ラミー・サファリ)- 多色展開のカラフルなペン軸が特徴で、年ごとの限定色が展開される。スケルトンタイプもある。このシリーズの万年筆は、ドイツ本国の学生に高く支持されており、ラミーの主力製品という位置づけである。
  • LAMY AL-star (ラミー・アルスター)- "safari"の上位モデル。ペン軸はアルミニウム合金であるため,safariよりもやや太くて重い。

その他のシリーズ

  • LAMY scribble (ラミー・ スクリブル)- ペン軸が太くて短い。きままに走り書きするための筆記具というコンセプト。デッサンの邪魔にならないように、クリップの取り外しが簡単にできる。油性ボールペン、シャープペンシル(0.7mm)、芯ホルダー(3.15mm)が揃っている。
  • LAMY pico (ラミー・ピコ)- コンパクトなボールペン。ギミックでペン軸が伸び縮みする。
  • LAMY spirit (ラミー・スピリット)- 1枚のステンレス板を折りたたんで形成するという独創的な加工法によって製造される、マニアックなボールペン。薄い手帳と併せて使うというコンセプトで、ペン軸が細長いシャープなデザイン。
  • LAMY noto (ラミー・ノト)- シンプルな流線形デザインのボールペンで、遠目にはありふれたデザインだが、ペン軸が三角断面形状になっている。深沢直人によるデザイン。
  • LAMY swift(ラミー・スイフト)- 映画マトリックス・リローデッドに登場した、ノック式のローラーボール。ノックするとクリップが収納される世界特許の機構が特徴。
  • LAMY dialog(ラミー・ダイアログ) - 想像力と個性を際立たせる、をコンセプトにしたシリーズ。1から3まである。
  • dialog1 三角軸を両端にカットしたような未来的なフォルムが特徴のボールペン。合理的なデザインが美しい。
  • dialog2 ライティング機材のスヌートを彷彿とさせるデザインが特徴のデザイン。ツイスト式のキャップレスのローラーボールで、ツイストするとクリップがボディと一体化する。
  • dialog3 LAMY picoのような両端が丸いデザイン。ツイスト式のキャップレス万年筆で、ペン先は14k。スプリングが搭載されたクリップは筆記時には固定され、スプリングも動作しなくなる事により、筆記時に指を当てて使うことができる。

脚注[編集]

  1. ^ ゲルト・アルフレート・ミュラーは、バウハウスの影響を受けた著名なデザイナー。ブラウン社電気シェーバーのデザインなどで知られる。
  2. ^ 三菱鉛筆、高級筆記具の独ラミーを買収 海外展開を加速”. 日本経済新聞 (2024年2月29日). 2024年2月29日閲覧。

外部リンク[編集]

参考文献[編集]

  • 「ラミーのすべて」製作プロジェクト編 『ラミーのすべて デザインプロダクトとしての筆記具』 ISBN 4-86212-026-1 (株)ロコモーションパブリッシング 2005年
  • 石川光則「ラミーにくびったけ!」(『机上空間』エイムック979;pp.8-19) ISBN 4-7779-0265-X 枻出版社 2005年