ラングハンス巨細胞

左中央に肉芽腫が形成されている肉芽形成組織。多核のラングハンス巨細胞が認められる。

ラングハンス巨細胞(ラングハンスきょさいぼう、英:Langhans giant cell)とは、肉芽腫性疾患に認められる巨細胞。

類上皮細胞マクロファージ)の融合により形成され、細胞周縁に馬蹄形の多数の核が存在する。このマクロファージの融合は、in vitro[1]ではインターフェロンγなどのサイトカインによって誘導される[2]。きわめて活発な免疫反応を示す肉芽腫でよく見られ、その存在は結核あるいは他のマイコバクテリア感染症を示唆する(乾酪性肉芽腫)。

ランゲルハンス細胞と混同してはならない。医学問題表題集(MeSH)によると、ラングハンス巨細胞はマクロファージの集合体であり、ランゲルハンス細胞とは異なる。

ラングハンス巨細胞の名称は、ドイツ病理学者であるテオドール・ラングハンス英語版(1839年 - 1915年)にちなむ[3]

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  1. ^ 直訳では「試験管内で」の意味、生体外での反応などについていう。
  2. ^ Möst, JH; Neumayer, HP; Dierich, MP (1990), “Cytokine-induced generation of multinucleate giant cells in vitro requires interferon-gamma and expression of LFA-1”, Eur J Immunol: 1661-1667, PMID 1976520 
  3. ^ J Pritchard, P Foley, H Wong. Langerhans and Langhans: what's misleading in a name? Lancet (2003): 362 (9387), 922.

参考文献[編集]

  • de:Theodor_Langhans (link to German Wikipedia)
  • Chensue, Stephen W.; Ward, Peter A. (1996), “Inflammation”, Anderson's pathology 10th ed., St. Louis: Mosby, pp. 396, ISBN 0801672368 

外部リンク[編集]