一点一画

一点一画(いってんいっかく、一點一畫)は、一つの点、一つの画をあらわす四字熟語で、中国北斉の古典籍『顔氏家訓』「書証」に由来する。

訳語としてキリスト教成句でもある。

日本語[編集]

漢字の一点一画をさす。四文字熟語としては、漢字の一つ点、一つといった細かなところまで気を配って丁寧に字を書くという意味[1]。わずかではあっても、欠かせないもの、おろそかに出来ないものの例え。

夏目漱石の『虞美人草』、菊池寛の『名君』、白居易-素屏謡にこの語がある。[2]

キリスト教[編集]

聖書の語句であり、聖書学、神学の用語である。聖書にイエス・キリストのことばとして次のように書かれている。

「はっきり言っておく。すべてのことが実現し、天地が消えうせるまで、律法の文字から一点一画も消え去ることはない。」

— マタイ 5:18 、新共同訳聖書

ギリシャ語の原文で「一点一画」は「1つのイオタまたは1つのケライア」(ἰῶτα ἓν ἢ μία κεραία)となっている。ケライア(原義は角(つの))については諸説あってよくわからないが(en:Matthew 5:18を参照)、イオタはヘブライ文字のもっとも小さな文字であるי(ヨッド)を意味すると考えられている。イエス・キリストはこの語で律法旧約聖書)の恒久性と預言の成就[3]、聖書全体の権威と誤りがないことを示しているとされる[4]

脚注[編集]

  1. ^ 『新明解四字熟語辞典』三省堂
  2. ^ 日本国語大辞典』2巻
  3. ^ 新聖書辞典いのちのことば社、1985年、141頁。ISBN 4264007062 
  4. ^ 『聖書の権威』日本プロテスタント聖書信仰同盟

参考文献[編集]

  • 『日本国語大辞典』
  • 『新聖書辞典』いのちのことば社
  • 『聖書語句大辞典』教文館