中日新聞東海本社

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中日新聞東海本社(ちゅうにちしんぶん とうかいほんしゃ)は、静岡県浜松市中央区に本社を置く日本新聞社中日新聞社の地域本社である。対象地域は静岡県のうち、富士川以東の県東部・伊豆地方を除く地域。

概要[編集]

1912年(明治45年)、中日新聞の前身紙のひとつである『新愛知』が浜松市で同紙の付録紙『駿遠日報』(すんえんにっぽう)を現地印刷・発行したのが始まりで、新愛知は1923年(大正12年)に静岡市で『駿河新聞』(するがしんぶん)の現地印刷を開始。1942年(昭和17年)の新聞統制(一県一紙令)で「駿遠」「駿河」は静岡県下の新聞数紙と合同して『静岡新聞』を創刊する。

中日新聞(静岡県版)
種類 日刊紙
サイズ ブランケット判

事業者 株式会社中日新聞社東海本社
〒435-8555静岡県浜松市中央区薬新町45
代表者 大島宇一郎
言語 日本語
価格 1部 朝刊140円、夕刊50円
月極 朝夕刊セット4,400円
朝刊のみ3,300円
ウェブサイト https://www.chunichi.co.jp/tokai/
設立 1981年4月28日
特記事項:
1981年4月28日、これまで名古屋で発行されていた静岡県版の発行を引き継ぐ形で発足。
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1981年(昭和56年)4月28日、中日新聞の静岡県内での発行部数拡大のため、これまで愛知県名古屋市の本社(以下単に「本社」と表記する)で発行されていた静岡県版の印刷・発行を目的に、浜松支局を改組・昇格して「中日新聞東海本社」を設立し、静岡県向け紙面の発行を開始した。東海本社の社屋は1980年(昭和55年)9月1日に完成し、1981年3月16日付から浜松での現地印刷を開始し、4月28日付からは紙面の編集も東海本社によって行われている。中日新聞社全体でコンピュータによる写真植字システム(CTS)をいち早く導入したのも東海本社である。

静岡県内では静岡新聞が県内全域で高いシェアを誇っているが、中日新聞は浜松市など遠州地方(特に浜松都市圏)で購読者が多い。愛知県と隣接している湖西市では静岡新聞より中日新聞の方が人気が高く、湖西市の飲食店等では中日新聞しか置いていない店舗も多い。一方で、静岡市を中心とした県中部では、各世帯単位での購読は少ないものの、ブロック紙の位置づけとして企業や役所での購読、図書館などでの配置はみられる。

日本ABC協会発表のデータによると、中日新聞遠州版・静岡新聞西部版発行エリア(同一地域)では、静岡新聞西部版の発行部数が約19.4万部に対して、中日新聞遠州版の発行部数は約13.6万部となっている。

月ぎめ購読料金(2021年現在)は、朝夕刊セットの場合4,400円だが、朝刊単独購読の場合は3,300円でとなっており、静岡新聞(朝夕刊セット)と同額。静岡県以外で中日新聞の朝刊単独購読をする場合は月ぎめ3,400円となっており、他地域とは異なる購読料金設定となっている。

中日新聞のキャッチコピーは他地域では「新聞は中日」だが、静岡県内では「読みたい中日 読まれる中日」としている。静岡新聞は専売店を置かず、全国紙販売店網に委託して販売されているが、中日新聞は静岡県内でも一部を除いて専売店を置いている。そのため、一部地域では夕刊が翌日の朝刊と同時配達となる場合がある(特に専売店が少ない県中部に該当地域が多い)。中日スポーツの静岡県内販売分は、番組表を静岡向けに差し替えた上で東海本社にて印刷されている。東海本社発行版は1面などの広告が本社発行版と共通となっているため、東海3県内に本社・本店を置く企業(スズケン西濃運輸井村屋グループといった全国的に事業を展開する企業のほか、名鉄百貨店近藤産興下呂温泉水明館など東海3県内を中心に事業を営む企業のものも載せられている)によるものやACジャパンの東海・北陸向け広告、在名マスコミの番組告知、名古屋市や愛知県内での催事の広告もそのまま掲載されるものがある。

一面題字の地紋は、稲穂富士山ピアノ浜名湖静岡茶オートバイ、四輪乗用車みかんなど静岡県の名所・特産品が刻まれている。また朝夕刊とも、発行所住所クレジットの下記に「しずおか(富士山のイラスト)」と表記されている。

2017年10月に、新聞を刷る大きな巻紙から生まれたとされるキャラクター「ロールちゃん」が登場したが[1]、2019年10月に「ふーちゃん」に交代した。変更理由は「企業秘密」とされている[2]。それ以降、ロールちゃんは都田工場見学ツアーの際に登場している。

「静岡特報」・「静岡経済」・「静岡スポーツ」など、地元密着の特集企画も掲載し、1面の天気予報欄も上から順に浜松・静岡・沼津の天気を掲載しており、名古屋から始まる本社版と掲載順が異なっている。また、静岡新聞と同様「茶況」欄も設けている。

2016年12月、新たな印刷工場が北区(現:浜名区新都田(都田テクノポリス内)に完成し、東海本社版の朝夕刊と中日スポーツおよび本社発行の愛知県東三河地方向けの朝刊の印刷を開始した。新工場は2万7000平方メートルの敷地に、3階建ての工場棟などがあり、日本初となる自動版着脱装置を備えた輪転機や、廃液を出さない無処理刷版などの設備を導入し、災害時の際にも新聞印刷ができる免震構造で建設され、自家発電機や大型用紙倉庫などを備えている。また、中日新聞の工場では初となる見学者コースを設けている[3]

東京新聞静岡版[編集]

伊豆地方(熱海市伊東市三島市など)ならびに駿河地方のうち県東部の全域(富士市富士宮市沼津市御殿場市など)および同じく富士川以西の都市部(静岡市中心部など)では、中日新聞東京本社が発行する東京新聞の配布エリアとなっている。中日新聞と重なるエリアでは、一部を除き東京新聞と併売されている。富士川以東の県東部のうち富士川流域の富士市富士宮市などはかつて中日新聞のエリアでもあったが、2020年12月31日付を以て中日新聞の配送・販売を休止し、東京新聞のみの販売に移行した。ただし、東京新聞は朝刊のみの統合版となっている。また、県中部では専売店を通じた宅配が中心で、キヨスクコンビニでの即売はほとんど行われていない。大井川以西の遠州では中日新聞のみの販売エリアである。

なお、東京新聞の静岡県版も東海本社が編集している。主として伊豆地方・県東部の話題・ニュースをメインとしたダイジェスト的なページとなる。また、東京キー局の連続ドラマなどの広告もまれに掲載している。

中日新聞系のスポーツ新聞[編集]

中日新聞系発行のスポーツ新聞については、以下の棲み分けがなされている。

  • 伊豆:JR東日本熱海駅および伊東駅にて東京中日スポーツのみ駅の売店で販売
    • 県東部ではJR東海沼津駅および三島駅の売店で2020年12月まで中日スポーツのみ販売していた。
    • また、県東部・伊豆地方のコンビニでは両紙ともに現在は一切販売されていない。
  • 遠州・県中部:中日スポーツのみ販売

キヨスクやコンビニでの即売も上述の棲み分けとなっているが、一部取扱の異なる場所がある。

放送番組表[編集]

テレビ[編集]

ラジオ[編集]

東京新聞静岡版[編集]

  • 2018年9月までは、静岡県域民放テレビ4局・民放ラジオ2局の番組表を県域面でハーフサイズ掲載していた。NHK静岡局の番組表はテレビ・ラジオともに非掲載だった(中面掲載の関東地方向け番組表で補完)。
  • 2018年10月から、静岡県域民放テレビ4局は中面でフルサイズ掲載されるようになった。同時にNHKテレビも東京局の番組表から、静岡局の番組表となった。あわせて、東京新聞サンデー版の「週間テレビガイド」も、静岡県内向けに限り中日新聞東海本社版と同一内容になった。変更の理由は、県内CATV局で行われていた在京キー局(日本テレビ、TBSテレビ、フジテレビ、テレビ朝日)の区域外再放送完全終了である[4]。なお、ラジオ番組表はNHK・民放ともに従来どおりとなっている。

本社[編集]

印刷工場[編集]

取材網[編集]

東海本社(浜松)、掛川支局、袋井通信部、菊川・御前崎通信部、湖西支局、細江通信部(浜松)、磐田通信局、浜北情報係(浜松)、天竜通信部(浜松)、静岡総局、沼津支局、島田通信局、富士通信部、藤枝通信部、牧之原通信部に構えている[5]

脚注[編集]

  1. ^ 中日新聞しずおか(@chunichi_tokai) (2017年10月5日). “うちに仲間ができました。”. twitter. 2017年11月1日閲覧。 “新聞を刷る大きな巻紙から生まれたキャラクター「ロールちゃん」です。”
  2. ^ 中日新聞しずおか(ふーちゃん)(@chunichi_tokai ) (2019年10月2日). “こんにちは。”. twitter. 2019年11月1日閲覧。 “今日からロールちゃんはお役御免で、私「ふーちゃん」が新たなTwitterの顔になりました。交代理由は企業秘密です。”
  3. ^ 中日新聞社 浜松都田工場見学のご案内
  4. ^ 2018年9月、東京新聞静岡版宅配購読者へ折込配布された「ご案内」による。
  5. ^ 東海本社地域の通信網

関連放送事業者[編集]

外部リンク[編集]