創造 (曲)

創造
星野源配信限定シングル
リリース2021年2月17日
規格デジタル・ダウンロード
ジャンル
レーベルSPEEDSTAR RECORDSVictor Entertainment
作詞者星野源
作曲者星野源
プロデュース星野源
その他収録アルバム
チャート順位
星野源 年表
折り合い
(2020年)
創造
(2021年)
不思議
(2021年)
ミュージックビデオ
「創造 (Official Video)」 - YouTube
「創造[Behind The Scenes]」 - YouTube

創造」(そうぞう、英語: Create)は日本のシンガーソングライター星野源の楽曲。2021年(令和3年)2月17日SPEEDSTAR RECORDSより配信限定シングルとしてリリースされた[8]。この他、同年6月23日に12thシングルとしてリリースされる4曲入りCD不思議/創造」にも収録されている[9]

背景[編集]

この曲は、任天堂のゲーム『スーパーマリオブラザーズ』の35周年テーマソングとして制作され、曲を使用した本人出演のテレビCMが2020年9月4日よりオンエアされていた[8][10][11]。星野は楽曲について「じっくりと時間をかけた楽曲制作は久しぶりです。音、そして詞に自分の〈ものづくり〉への想いをこれでもかとぶち込み、そこにマリオや任天堂へのリスペクトの気持ちを重ね合わせました。思いっ切り遊ばせてもらいました。ヤバいものが出来ました。」とコメントしている。

また、本人出演のテレビCMは山岸聖太監督が、配信に合わせて公開されたMVは奥山由之監督がそれぞれ手がけた[10][12]。奥山が星野のMVを手がけるのはこれが初めてである。

制作[編集]

楽曲は2020年2月にオファーがあり、楽曲内には任天堂の物作りの精神、職人たちへのリスペクトを込めて、星野自身が音が好きであると話したニンテンドーゲームキューブの起動音、『スーパーマリオブラザーズ』の地上ステージのBGMなどの音の再現や歌詞の中にも「Nintendo Direct」で任天堂の元社長である岩田聡が行っていた“直接”のポーズ、ゲームボーイの生みの親である横井軍平による“枯れた技術の水平思考”、任天堂の物づくりの根源とも言える“独創”、花札などを示唆する言葉が含まれている[13][14][15][16][17][18]

なお、本作の曲名は「独創」にしようかと考えていたが、それだと任天堂の社歌のようになってしまうため、もっと広い意味を持つ「創造」にしたということや「直接」を絶対に歌詞に入れたかったこと、ファミリーコンピュータのコントローラIIに搭載されているマイクで録音を行なった箇所があることを自身のラジオ番組やインタビューで語られている[16][19][20]

また、本作には、共同アレンジャーとしてmabanuaが参加している。

他にも、作曲場所は東京都港区にある超高層オフィスビル「神谷町トラストタワー」内にある東京エディション虎ノ門ホテルであるとLIGHTHOUSE(Netflix独占配信コンテンツ)で公表している。

音楽性[編集]

本楽曲は、前年の「うちで踊ろう」や「折り合い」のリラクシングなムードとは打って変わって、アップテンポでスリリングさを特徴としている[21]ロッキング・オンのライター・小川智之は、「壊れたメトロノームのような高速テンポのソウルミュージック」と説明している。他にも、『スーパーマリオブラザーズ』の8ビットサウンドも様々なところで取り入れられている[1]

評価[編集]

  • 作曲家/編曲家宮野弦士は、「クリエイティブにおいて最も重要視するべきが『愛とコンテクスト』だということを嫌と言うほど感じさせてくれる快作。」と本作を評した[22]
  • ミュージシャン高野寛は、「今まで星野くんはサウンドのスタイルを頻繁にアップデートしてきたけれど、この曲はサウンドだけではなくメロディも曲の展開も、今までとは違う次元に到達してる。」とコメントした[23]
  • 音楽家のTOMCは、「"良い曲"だと思うより先に"ヤバい・凄い"と感じたのは星野源の曲で初めてかもしれない」とコメントし、「ザッパ〜LAビート[注 1]なども連想される異様な情報量を全く"ポップス向けに抑制"するわけでもなく積み上げているのに、総体として多くの人に"いつもの味"と思わせる"プロデュース力"」を称賛した[25]
  • ロッキング・オンの杉浦美恵は、「まさにそのポップ的実践の原点を見つめるような楽曲」だとし、「時代におもねるのではなく、先回りしてもっと楽しい時代へと導いてくれるような、そんな『創作』を提示する星野源のようなアーティストこそ、ポップ先駆者と呼ぶにふさわしい。」と述べた[26]

チャート成績[編集]

配信初日の2021年2月17日付のオリコンデイリーデジタルシングル(単曲)ランキングでは、25,305DLで初登場1位を獲得し、GfK Japanによるストリーミング再生回数は69.2万回再生を記録し、MVのYouTubeでの再生回数は公開から24時間で100万回再生を突破した[27][28][29]

2021年3月1日付のオリコン週間デジタルシングル(単曲)ランキングでは43,632DLで初登場1位を獲得し[6]、オリコン週間合算シングルランキングでは27,226ptで初登場10位を獲得した[7]

2021年3月1日付のBillboard Japan Hot 100ではダウンロードが45,557DL(1位)、ストリーミングが293万8,176再生(38位)、動画再生が120万8,435再生(14位)となり、他指標でもTwitter 8位、ラジオ1位と高ランクをマークし、初登場7位を獲得した[30][31]

クレジット[編集]

  • 参加ミュージシャン
  • スタッフ
    • Co-Arrangement:mabanua
    • Chorus Arrangement:長岡亮介, 星野源
    • English Translation:SUNNY BOY
    • Analog Synthesizer Manipulator:本澤尚之
    • Recorded by 渡辺省二郎, 中内茂治
    • Assisted by 斎田崇, 飯村大貴
    • Mixed by 渡辺省二郎
    • Mastered by 内田孝弘 at FLAIR MASTERING WORKS, TOKYO 2021

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ アンダーグラウンド・ヒップホップを軸にエレクトリックな音楽を昇華させた、実験的でフレッシュな音楽。フライング・ロータスの設立した音楽レーベル「Brainfeeder」が牽引している[24]

出典[編集]

  1. ^ a b 何か創り出そうぜ”. rockin'on.com (2021年2月). 2021年6月12日閲覧。
  2. ^ 星野源の「創造 - Single」”. Apple Music. 2021年2月21日閲覧。
  3. ^ Billboard Japan Hot 100 2021年3月1日付”. Billboard JAPAN. 2021年2月26日閲覧。
  4. ^ Billboard Japan Top Download Songs 2021年3月1日付”. Billboard JAPAN. 2021年2月26日閲覧。
  5. ^ Streaming Songs”. Billboard Japan (2021年2月24日). 2021年6月12日閲覧。
  6. ^ a b オリコン週間 デジタルシングル(単曲)ランキング 2021年3月1日付”. ORICON NEWS. オリコン. 2021年2月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年2月26日閲覧。
  7. ^ a b オリコン週間 デジタルシングル(単曲)ランキング 2021年3月1日付”. ORICON NEWS. オリコン. 2021年2月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年2月26日閲覧。
  8. ^ a b “星野源、ものづくりへの思い込めた「マリオ」35周年テーマソング配信「ヤバいものが出来ました」”. 音楽ナタリー. (2021年2月12日). https://natalie.mu/music/news/416028 2021年2月17日閲覧。 
  9. ^ 星野源が「不思議 / 創造」発売、シングルのフィジカルリリースは3年4カ月ぶり”. 音楽ナタリー (2021年5月11日). 2021年5月11日閲覧。
  10. ^ a b “星野源が「スーパーマリオブラザーズ」CMで新曲「創造」演奏”. 音楽ナタリー. (2020年9月4日). https://natalie.mu/music/news/394958 2021年2月17日閲覧。 
  11. ^ “星野源さんが出演するスーパーマリオブラザーズ35周年の記念CMが公開。新曲“創造”も披露!”. ファミ通.com. (2020年9月4日). https://www.famitsu.com/news/202009/04205241.html 2021年2月17日閲覧。 
  12. ^ “星野源、マリオ35周年テーマソング「創造」のMVをプレミア公開”. 音楽ナタリー. (2021年2月15日). https://natalie.mu/music/news/416417 2021年2月17日閲覧。 
  13. ^ “星野源の新曲「創造」スーパーマリオブラザーズ35周年テーマソング”. FASHION PRESS. (2021年2月12日). https://www.fashion-press.net/news/69848 2021年2月17日閲覧。 
  14. ^ 星野源 スーパーマリオ35周年CM楽曲『創造』を語る”. みやーんZZ (2020年9月16日). 2021年2月17日閲覧。
  15. ^ 星野源『創造』に込めた思いを語る”. みやーんZZ (2021年2月17日). 2021年2月17日閲覧。
  16. ^ a b “星野源、新曲『創造』に込めた任天堂への無数のオマージュ。「“直接”は、絶対に歌詞に入れたかった」”. ファミ通.com. (2021年2月17日). https://www.famitsu.com/news/202102/17214538.html 2021年2月17日閲覧。 
  17. ^ “星野源「生まれ変われるのは生きてる間だけ」 病で倒れた経験から想う“生かされた意味””. ORICON NEWS. (2021年2月17日). https://www.oricon.co.jp/special/55895/ 2021年2月17日閲覧。 
  18. ^ “星野源が明かす、「創造」の背景にある創作へのスタンス「自分と他者との間に流れる川に橋をかける行為」”. リアルサウンド. (2021年2月17日). https://realsound.jp/2021/02/post-708039.html 2021年2月17日閲覧。 
  19. ^ Nintendo Magazine 2020 Winter”. 任天堂. 2021年2月17日閲覧。
  20. ^ 星野源『創造』MV撮影とファミコン・2コンマイクでの録音を語る”. みやーんZZ (2021年2月24日). 2021年2月25日閲覧。
  21. ^ 星野源 “創造” 暗闇が覆う世界、それでも星野源は遊ぼうぜ、何か創り出そうぜと歌う”. Mikiki (2021年2月17日). 2021年6月12日閲覧。
  22. ^ GentoMiyanoのツイート(1361850449536512002)
  23. ^ 2021.2.17(水)生まれ変わ”. Hiroshi TAKANO OFFIcial SITE (2021年6月14日). 2021年6月12日閲覧。
  24. ^ 西海岸がつくる新しいサウンド“LAビート”──フライング・ロータスとサンダーキャット”. QQ Japan (2018年9月29日). 2021年6月12日閲覧。
  25. ^ tstomcのツイート(1361711691080167429)
  26. ^ “不思議”と“創造”が「音楽の楽しみ方」を今再び、更新する! 10周年を経た現在地――その最新モードを新たな傑作からひもとく”. rockin'on.com (2021年7月). 2022年1月9日閲覧。
  27. ^ オリコンデイリー デジタルシングル(単曲)ランキング 2021年2月17日付”. ORICON NEWS. オリコン. 2021年2月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年2月21日閲覧。
  28. ^ “【先ヨミ・デジタル】優里「ドライフラワー」ストリーミング首位5週目へ 星野源、和ぬか、adoの新曲がトップ100に”. Billboard JAPAN. (2021年2月19日). https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/97247/2 2021年2月21日閲覧。 
  29. ^ “星野源「創造」MVが24時間で100万再生突破 遊び心いっぱいの“ヤバい曲“が席巻”. KAI-YOU. (2021年2月18日). https://kai-you.net/article/79605 2021年2月21日閲覧。 
  30. ^ “【ビルボード】SixTONES「僕が僕じゃないみたいだ」436,911枚を売り上げ総合首位に 星野源「創造」総合7位に初登場”. Billboard JAPAN. (2021年2月24日). https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/97364/2 2021年2月26日閲覧。 
  31. ^ “【ビルボード】星野源「創造」DLソング初登場1位、NiziU/あいみょん/からあげ姉妹がトップ10入り”. Billboard JAPAN. (2021年2月24日). https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/97358/2 2021年2月26日閲覧。 

外部リンク[編集]