北海道立江差高等看護学院
北海道立江差高等看護学院 (ほっかいどうりつえさしこうとうかんごがくいん)とは、北海道檜山郡江差町字伏木戸町483番地にある道立の専修学校。
概要[編集]
- 通常の入試に加え、渡島、檜山地方出身者を対象とする推薦入試を導入しており、渡島・檜山地方の看護師の育成に寄与しているとされる。また、遠方の学生用の定員80名で女子のみの寄宿舎を併設している。臨床実習は隣接する北海道立江差病院や八雲総合病院、JA北海道厚生連倶知安厚生病院で行われる。
設置学科[編集]
- 看護学科 (3年制・昼間)
- 学年定員40名、総定員120名
取得できる資格・免許状[編集]
- 看護学科
不祥事[編集]
2021年4月6日、同学院の教師から「あんたを指導する価値がない」[1][2]、「顔も見たくないし、授業にも出てほしくない」[3]、「頭がおかしいのか」[3]、「お前みたいなバカは死ね」[4]、「始末書が完成しないと強制退学になる。どうせ留年するのだから、取得した単位を持って他の学校に移ったら?」[5]などの誹謗中傷や強圧的な態度で休学を薦めたほか[5]、意味不明な文字による添削で課題の再提出を要求し[5]、30枚以上の反省文を提出させるなどの生徒に対するパワーハラスメントが常態化していることが問題となった[1][2][3][5]。保護者らは「父母の会」を結成し、学院を管轄する道に説明を求めたが[1][6]、翌7日の説明会でパワハラを認定しない方針を示した[7]。同団体は4月中に情報開示請求したが[8]、休退学者数を非開示する旨を示した[7]。非開示部分に関して、道医務薬務課は北海道情報公開条例第10条を根拠としている[8]。
しかし、2021年10月12日に第三者調査委員会は、2015年から2020年度までに同学院で34件のハラスメントがあったと認定し、11人の教員が関与し[3][9]、調査対象となった学生24人の内の14人がパワーハラスメントを受けたと認定された[4]。2022年3月29日付で加害教員11人の内、2018年3月に退職した1人を除く10人を懲戒処分とした[10]。元副学院長は停職6か月、9人の教員に対しては減給となり[10]、同月末に元副学院長は依願退職するとした[11]。
なお、2019年に高圧的な指導が原因とする男子学生が自殺する事件が発生しており[1][12]、2022年2月23日に北海道議会保健福祉委員会はこれを公表した[12]。また、2011年度から2020年度までの入学者が235人に対し、1学年の在学者数は272人と増加しているが[13]、同学院は入学者数や卒業者数などの詳細を公表していない[13]。
アクセス[編集]
- 函館バスにて江差病院前下車(約15分)
脚注[編集]
出典[編集]
- ^ a b c d “教師から「指導する価値ない」 看護学生らパワハラ訴え”. 朝日新聞デジタル (2021年4月6日). 2021年10月13日閲覧。
- ^ a b “八代英輝氏 パワハラ疑惑の江差高等看護学院に「民事だけでなく刑事でも立件の視野に入る問題」”. スポーツ日本新聞社 (2021年4月6日). 2021年10月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年10月13日閲覧。
- ^ a b c d “顔も見たくない・頭おかしいのか…密室で1時間暴言、学生「死にたい」と訴え休学”. 読売新聞オンライン (2021年10月13日). 2021年10月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年10月13日閲覧。
- ^ a b “「お前みたいなバカは死ね」 看護学院パワハラ52件 北海道が謝罪”. 朝日新聞デジタル (2021年10月10日). 2022年3月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年3月25日閲覧。
- ^ a b c d “反省文など30枚以上要求 看護学院パワハラ「陰湿」”. 朝日新聞デジタル (2021年4月14日). 2021年10月13日閲覧。
- ^ “道の対応を保護者ら批判 江差の看護学院問題”. 朝日新聞デジタル (2021年4月9日). 2021年10月13日閲覧。
- ^ a b “看護学院側、パワハラは認めず 学生・保護者ら反発”. 朝日新聞デジタル (2021年4月7日). 2021年10月13日閲覧。
- ^ a b “休退学者数を非開示 道「個人情報」 看護学院パワハラ”. 朝日新聞デジタル (2021年8月14日). 2021年10月13日閲覧。
- ^ “江差高等看護学院などのパワハラ問題 第三者委員会が101事案中52件をパワハラと認定 北海道函館市”. 北海道放送 (2021年10月13日). 2021年10月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年10月13日閲覧。
- ^ a b “高等看護学院で「殴る」暴言や授業受けさせないパワハラ53件…"教員10人"処分 副学院長は停職6か月”. FNNプライムオンライン (2022年3月30日). 2022年3月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月2日閲覧。
- ^ “副学院長や教員によるパワハラ 北海道立高等看護学校で10人を「停職6か月」などの処分に”. 札幌テレビ放送 (2022年3月29日). 2022年4月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月2日閲覧。
- ^ a b 『毎日新聞』2022年3月24日北海道版29頁「江差のパワハラ:調査外の学生が19年9月に自殺 江差・パワハラ /北海道」(毎日新聞北海道支社)
- ^ a b “入学19人で10人退学・留年 パワハラ問題の看護学院”. 朝日新聞デジタル (2021年4月21日). 2021年10月13日閲覧。