大相撲平成29年1月場所

大相撲平成29年1月場所(おおずもうへいせい29ねん1がつばしょ)は、2017年1月8日から1月22日まで両国国技館で開催された大相撲本場所

幕内最高優勝は、大関稀勢の里寛(14勝1敗・初)

場所前の話題など[編集]

番付発表は2016年(平成28年)12月26日

番付・星取表[編集]

番付 西
四股名 成績 結果 四股名 成績 結果
鶴竜 5勝6敗4休 横綱 日馬富士 4勝3敗8休
白鵬 11勝4敗 横綱
稀勢の里 14勝1敗 優勝 大関 豪栄道 8勝5敗2休
照ノ富士 4勝11敗 大関 琴奨菊 5勝10敗
玉鷲 9勝6敗 関脇 正代 7勝8敗
髙安 11勝4敗 敢闘賞 小結 栃ノ心 0勝6敗9休
宝富士 6勝9敗 前頭1 御嶽海 11勝4敗 技能賞
松鳳山 7勝8敗 前頭2 荒鷲 6勝9敗
隠岐の海 4勝11敗 前頭3 8勝7敗
栃煌山 3勝12敗 前頭4 遠藤 7勝8敗
豪風 10勝5敗 前頭5 嘉風 8勝7敗
千代翔馬 7勝8敗 前頭6 琴勇輝 6勝9敗
妙義龍 4勝11敗 前頭7 碧山 8勝7敗
北勝富士 9勝6敗 前頭8 千代の国 9勝6敗
魁聖 8勝7敗 前頭9 石浦 6勝9敗
貴ノ岩 11勝4敗 殊勲賞 前頭10 蒼国来 12勝3敗 技能賞、優勝次点
8勝7敗 前頭11 錦木 5勝10敗
貴景勝 7勝8敗 前頭12 大翔丸 7勝8敗
臥牙丸 5勝10敗 前頭13 逸ノ城 11勝4敗
千代鳳 6勝9敗 前頭14 千代大龍 6勝9敗
千代皇 7勝8敗 前頭15 佐田の海 8勝7敗
大砂嵐 4勝11敗 前頭16

優勝争い[編集]

先場所優勝の鶴竜と、日馬富士の2横綱が休場したこの場所は、初日から白鵬稀勢の里の二人が7連勝で場所を引っ張る。しかし8日目、稀勢の里は隠岐の海を土俵際の逆転で破って全勝をキープしたものの、白鵬は初顔の荒鷲にまさかの不覚を取り1敗に後退。続く9日目は稀勢の里がカド番で2勝6敗と絶不調の琴奨菊に敗れて全勝が消えたものの、白鵬もその弟弟子である高安にあっさりと押し出され2敗に後退。この時点で2敗だった貴ノ岩逸ノ城、蒼国来に並んだ。その後二人が白星を積み重ねたのに対し、蒼国来は12日目に、貴ノ岩と逸ノ城は13日目に3敗目を喫した。そして14日目、稀勢の里が逸ノ城を破ったことで3敗勢の優勝可能性が消滅。そしてその後の取り組みで白鵬がまたしても初顔の貴ノ岩に敗れ3敗となったことで、稀勢の里の初優勝が決定した。稀勢の里は千秋楽の白鵬戦でも土俵際のすくい投げで勝利し、優勝に花を添えた。

各段優勝 ・三賞[編集]

タイトル 四股名 地位 成績 部屋 出身 回数・備考
幕内最高優勝 稀勢の里寛 東大関 14勝1敗 田子ノ浦部屋 茨城県牛久市 初優勝
三賞 殊勲賞 貴ノ岩義司 東前頭10枚目 11勝4敗 貴乃花部屋 モンゴル国ウランバートル 初受賞
敢闘賞 髙安晃 東小結 11勝4敗 田子ノ浦部屋 茨城県土浦市 2場所ぶり4回目
技能賞 御嶽海久司 西前頭筆頭 11勝4敗 出羽海部屋 長野県木曽郡上松町 初受賞
蒼国来栄吉 西前頭10枚目 12勝3敗 荒汐部屋 中華人民共和国内モンゴル自治区 初受賞
十両優勝 大栄翔勇人 西十両2枚目 12勝3敗 追手風部屋 埼玉県朝霞市 初優勝
幕下優勝 石橋広暉 西幕下7枚目 7戦全勝 高砂部屋 富山県富山市
三段目優勝 武政進之介 西三段目16枚目 7戦全勝 阿武松部屋 高知県土佐清水市
序二段優勝 錦富士隆聖 東序二段10枚目 7戦全勝 伊勢ヶ濱部屋 青森県十和田市 翠富士との同部屋優勝決定戦に勝利
序ノ口優勝 若山聡 西序ノ口16枚目 6勝1敗 阿武松部屋 千葉県勝浦市 鳴滝との優勝決定戦に勝利

トピック[編集]

  • 7日目から横綱日馬富士が、右足の負傷のため途中休場。日馬富士の休場は横綱昇進以降では5回目。
  • 7日目で横綱白鵬の横綱としての出場回数が819回となり、北の湖の記録を抜いて歴代単独1位となる。
  • 11日目、前日までに5敗を喫していた横綱鶴竜が、2日目の松鳳山戦で左肩と首を痛め、頸椎の筋損傷と左肩鎖関節の脱臼で全治約1か月と診断されたとしてこの日から休場。鶴竜の休場は2016年名古屋場所以来3場所ぶり、2横綱同時休場となるのは2015年秋場所以来8場所ぶり。
  • 12日目、角番の大関琴奨菊が関脇玉鷲に敗れ4勝8敗となり、2場所連続の負け越し、大関在位史上10位タイの32場所で関脇への降格が決定。大関からの降格は、2013年九州場所の琴欧洲以来16人(19例)目。
  • 14日目、大関稀勢の里逸ノ城を破り13勝1敗、唯一2敗だった横綱白鵬が貴ノ岩に敗れ11勝3敗となったため、稀勢の里の幕内最高優勝が決定。稀勢の里は初優勝で、大関在位31場所での初優勝は昭和以降では最も遅い。一方横綱白鵬は、横綱昇進後初めて4場所連続で優勝を逃した。
  • 幕内最高優勝の稀勢の里は、場所後の1月23日に開かれた横綱審議委員会において全会一致で横綱に推挙され、それを受けて1月25日の番付編成会議・臨時理事会にて正式に横綱昇進が決定した。これにより日本出身力士として19年ぶりの新横綱となった。
  • 御嶽海が技能賞受賞。出羽海部屋からの三賞および技能賞は、平成17年7月場所の普天王以来。
  • 元十両飛翔富士が引退。

参考文献[編集]

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平成29年
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