大門実紀史

大門 実紀史
だいもん みきし
生年月日 (1956-01-10) 1956年1月10日(68歳)
出生地 日本の旗 日本 京都府京都市
出身校 京都市立日吉ヶ丘高等学校
神戸大学(中退)
前職

東京土建一般労働組合書記長

建設労働組合首都圏共闘会議初代議長
所属政党 日本共産党

選挙区 比例区
当選回数 4回
在任期間 2001年1月 - 2022年7月25日
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大門 実紀史(だいもん みきし、1956年昭和31年〉1月10日 - )は、日本政治家日本共産党所属の元参議院議員(4期)。政治選挙活動では大門 みきし平仮名の名前を用いる。

略歴[編集]

京都府京都市生まれ。現在は東京都在住、京都市立日吉ヶ丘高等学校卒業、神戸大学中退。

かつては国会議員にもかかわらず党中央委員ではない時期があったが、2010年の25回党大会で中央委員に選出された。

政治的主張[編集]

  • 選択的夫婦別姓制度導入に賛成[1]。大門らが提出した国会請願では、「夫婦同姓を法律で強制しているのはほぼ日本のみとなり、さらに、日本のほかに婚外子相続差別をしている国は、フィリピンのみと言われ、ユニセフも日本の婚外子相続差別を指摘している。国際的に見ても、立ち後れている状況を変えていく必要がある」といった理由をのべている[2]
  • 2003年静岡空港建設反対の国会議員署名活動で署名者に加わっている[3]
  • 2007年11月、国会審議において防衛省軍需利権や日米平和・文化交流協会などについて追及した。また、この影響かどうかは不明だが時を同じくして日米平和・文化交流協会に所属する複数の国会議員が協会の理事を辞任したり、退会する動きが見られた。
  • 「党を憎んで人を憎まず」を信条としており、「おかしな政治的主張をする他党の人も、そう考えるまでには事情もあったのだろうから、その党の主張は憎んでも、主張する人そのものまで憎んではいけない」と考えている[4]
  • 受動喫煙防止を目的に飲食店などの建物内を原則禁煙とする健康増進法改正に賛成。2016年参院選に先駆けて行われた受動喫煙防止についての公開アンケートにおいて、レストランバーを含む一般市民が出入りする場所は、2020年までに「罰則付きの禁煙とするべきである」と回答している[5]

経済問題[編集]

「国会きっての経済通」とも評される[6]。出版されている著書はいずれも経済関連のものであり、一連の著書の中で大門は一貫して新自由主義グローバリズムを批判し、「社会的公正(社会正義)Social justice」の必要性を説いている。

  • 初当選直後の2001年11月の参議院予算委員会において、経済財政政策担当大臣だった竹中平蔵に対し、「国全体の経済がどうなるかトータルで示す必要がある」「経済学者ですよね。理論的に説明してください」などと、いわゆる聖域なき構造改革に伴う雇用の不安定化などを強く追及し、話題となった[6]
  • 副総理財務大臣を長く務めた麻生太郎との国会での論戦も話題となった。2021年3月には参議院予算委員会での企業の生産性に関する大門の質問に対し、麻生が「生産性を上げようということで(過剰人員を)切るとか、そんな簡単なことではない」と答弁し、大門が「麻生さん、ときどき良いこと言う」と応じる場面もあった[7]

消費者行政[編集]

消費者行政・消費者問題に詳しく、政治家と業界団体との癒着の問題などをしばしば国会で取り上げ追及している。消費者問題に関する特別委員会に所属。

愛国心について[編集]

大門は、大逆事件幸徳事件)において処刑された社会主義者幸徳秋水から、次の言葉、「わたくしは、いわゆる愛国心が、純粋な同情・惻隠の心でないことをかなしむ。なんとなれば愛国心が愛するところは、自分の国土にかぎられているからである。自己の国民にかぎられているからである。他国を愛さないで、ただ自国を愛する者は、他人を愛さずして、ただ自己の一身を愛するものである。うわついた名誉を愛するのである。利益の独占を愛するのである。公正といえるであろうか。私ではない、といえるだろうか」(『廿世紀之怪物帝国主義』神埼清訳)という文章を引用し、「を愛さない人はいない。しかし、ほんとうに国を愛するとはどういうことなのか、ふたたび真剣に考えなければならない時代にきています」と述べている[17]。また大門は、ナショナリスト石原慎太郎を揶揄しつつ、筒井康隆の『アホの壁』を引用し、愛国心の持つ、「過剰反応を起こしやすいという弱点」を指摘している[18]

TV出演[編集]

著書[編集]

  • 『「属国ニッポン」経済版──アメリカン・グローバリズムと日本』新日本出版社、2003年6月。ISBN 4-406-03007-7 
  • 『新自由主義の犯罪──「属国ニッポン」経済版2』新日本出版社、2007年10月。ISBN 978-4-406-05066-1 
  • 『ルールある経済って、なに?──社会的公正(ソーシャル・ジャスティス)と日本国憲法』新日本出版社、2010年4月。ISBN 978-4-406-05347-1 
  • 『カジノミクス──「カジノ解禁」「アベ銀行」「年金積立金バクチ」の秘密』新日本出版社、2018年12月。ISBN 978-4-406-06296-1 
  • 『やさしく強い経済学──逆転の成長戦略』新日本出版社、2022年5月。ISBN 978-4-406-06654-9 

人物[編集]

  • 趣味は、山歩き、読書、絵本収集など[21]
  • 喜劇作家を目指していた[22]

脚注[編集]

  1. ^ 選択夫婦別姓アンケート、mネット、2014年
  2. ^ 第169回国会 法務委員会請願689号
  3. ^ 国会議員署名これまでと今後の展望 - 空港はいらない静岡県民の会(2009年3月7日時点のアーカイブ
  4. ^ 党を憎んで人を憎まず
  5. ^ 参議院議員選挙のタバコ対策の政党・候補者アンケート201607”. 日本禁煙学会 (2016年6月16日). 2018年8月18日閲覧。
  6. ^ a b “竹中平蔵氏と分かり合った?共産・大門実紀史氏とは”. 毎日新聞. (2020年10月23日). https://mainichi.jp/premier/business/articles/20201022/biz/00m/020/005000c 2021年10月7日閲覧。 
  7. ^ “「麻生さん、ときどき良いこと言う」共産議員が持ち上げ 参院予算委”. 産経新聞. (2021年3月8日). https://www.sankei.com/article/20210308-QWKGC5IQEVILNACKQMO4BTO4AU/ 2021年10月7日閲覧。 
  8. ^ 2008年10月17日(金)「しんぶん赤旗」
  9. ^ “野田聖子氏:マルチ擁護の質問した…「告白」で審議迷走”. 毎日jp (毎日新聞社). (2008年10月16日). オリジナルの2008年10月19日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20081019042529/http://mainichi.jp/select/seiji/news/20081017k0000m010109000c.html 
  10. ^ 大門実紀史 (2012年2月3日). “パチンコ業界から届いた「挑戦状」”. 大門みきし ブログ 「忙中遊あり」. 2012年2月17日閲覧。
  11. ^ 日本共産党中央委員会 (2011年10月29日). “パチンコ合法換金狙い 山岡消費者担当相ら助言役 大門氏が追及”. しんぶん赤旗. 2012年2月17日閲覧。
  12. ^ 大門実紀史 (2011年11月28日). “カジノ(賭博場)解禁-被災地にしのびよる魔の手①”. 大門みきし ブログ 「忙中遊あり」. 2012年2月17日閲覧。
  13. ^ 大門実紀史 (2011年11月29日). “カジノ(賭博場)解禁-被災地にしのびよる魔の手②”. 大門みきし ブログ 「忙中遊あり」. 2012年2月17日閲覧。
  14. ^ 大門実紀史 (2011年12月6日). “カジノ(賭博場)解禁-被災地にしのびよる魔の手③”. 大門みきし ブログ 「忙中遊あり」. 2012年2月17日閲覧。
  15. ^ 大門実紀史 (2011年12月8日). “カジノ(賭博場)解禁-被災地にしのびよる魔の手④質問動画付き”. 大門みきし ブログ 「忙中遊あり」. 2012年2月17日閲覧。
  16. ^ 大門実紀史 (2011年12月9日). “カジノ(賭博場)解禁-被災地にしのびよる魔の手⑤”. 大門みきし ブログ 「忙中遊あり」. 2012年2月17日閲覧。
  17. ^ 「それでも日本人か」
  18. ^ 乱読のすすめ70-ナショナリズムは「アホの壁」
  19. ^ 大門実紀史”. 西部邁ゼミナール 放送アーカイブ. 2017年3月8日閲覧。
  20. ^ 乱読のすすめ54-「テレビ型」政治家
  21. ^ 公式プロフィール
  22. ^ 田村智子Facebook

外部リンク[編集]