実生

単子葉植物(左)と双子葉植物(右)の実生

実生(みしょう)とは、種子から発芽したばかりの植物のこと。子葉や第一葉のある時期を指し、一般にいう芽生えのこと。転じて種子から発芽させて新しい植物体(苗)を得ることをいい、また広義にはそうして得られる成長した植物体をも指す。

ヒマワリパンジーなどの一年草二年草は、すべて実生から生長する。多年草木本は、栄養繁殖で増やす場合が多いが、比較的短命なハーブ類や、種子から1、2年で開花するアネモネシクラメン、挿し木や株分けなどの栄養繁殖が難しいコーヒーノキイチョウソテツなどは、実生からの繁殖が行われている。

多年生草本で、日本原産のケシ科の野草、タケニグサは、欧米で羽毛ケシ(プルームポピー)の英名で、園芸植物として栽培されている。たくさんの小さな罌粟坊主(けしぼうず)から細かい種子を実らせて、種についているエライオソームというアミノ酸糖分脂肪酸などのアリが好む餌になる物質を種子につけているので、アリが収穫に来るが、不要な種子は廃棄するために、播種されることになる。その場所が生育に適している場合は発芽し生長する。夏には2m以上の高さに育ち、大きな葉もつけるが、実生の苗のときの大きさは、糸状の茎が4mmくらいで双葉は長さ4mmくらい、幅1mmくらいで、も糸状で4 - 5mmくらい。1枚目の本葉は、糸状の葉柄が長さ3 - 4mmに直径3mm位の星形の葉身の本葉を出す。半月位で、かなり大きく生長して、普通に見られる芽生えの状態になる。

関連項目[編集]