山陰本線

山陰本線
余部橋梁を渡る特急「はまかぜ」 (2011年8月)
余部橋梁を渡る特急「はまかぜ
(2011年8月)
基本情報
通称 嵯峨野線(京都 - 園部間)
日本の旗 日本
所在地 京都府兵庫県鳥取県島根県山口県
種類 普通鉄道在来線幹線
起点 京都駅
終点 幡生駅
駅数 161駅(支線含む)
電報略号 サイホセ[1]
路線記号 E(京都駅 - 城崎温泉駅間)
A(城崎温泉駅 - 米子駅間)
V伯耆大山駅 - 米子駅間)
D(米子駅 - 益田駅間)
開業 1897年2月15日
全通 1933年2月24日
所有者 西日本旅客鉄道
運営者 西日本旅客鉄道(第一種鉄道事業者)
嵯峨野観光鉄道(第二種鉄道事業者)
使用車両 使用車両を参照
路線諸元
路線距離 673.8 km(京都 - 幡生駅間)
2.2 km長門市駅 - 仙崎駅間)
軌間 1,067 mm
線路数 複線(一部区間)、単線
電化方式 直流1,500 V 架空電車線方式
(京都駅 - 城崎温泉駅間、伯耆大山駅 - 西出雲駅間)
閉塞方式 自動閉塞式
(京都駅 - 西出雲駅間)
自動閉塞式(特殊)
(出雲市駅 - 幡生駅間、仙崎支線)
最高速度 130 km/h
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山陰本線(さんいんほんせん)は、京都府京都市下京区京都駅から中国地方日本海沿岸(山陰地方)を経由し、山口県下関市幡生駅に至る西日本旅客鉄道(JR西日本)の鉄道路線幹線)である。このほか、仙崎支線あるいは仙崎線と呼ばれる長門市駅 - 仙崎駅間の支線を持つ。

京都駅 - 園部駅間については、「嵯峨野線」も参照。

概要[編集]

京都市から京都府内を西北へ延び、兵庫県北部や鳥取県島根県山口県北部の山陰地方の各都市を経て下関市に至る。路線の終点は幡生駅であるが、幡生側の列車は隣駅の下関駅まで運転されている。竹野駅から幡生駅までは日本海沿いを通る区間が多い。関西から山口県まで中国地方を東西に結ぶ路線として他に瀬戸内海沿いを通る山陽本線が挙げられるが、山陽本線が全線複線電化区間なのに対して、本路線には単線非電化区間が多く含まれる。

支線を除く営業キロは673.8 kmで、新幹線を除くJR線(在来線)としては日本最長である[注 1]2002年までは東北本線 (739.2 km) の方が長かったが、東北新幹線の延伸に伴い東北本線の一部が第三セクターIGRいわて銀河鉄道および青い森鉄道へ経営移管されたことにより山陰本線の営業キロを下回った。

また、トンネルは全区間に大小176本(総延長60.3km)存在し、これはJRグループ全体では紀勢本線(180本)に次いで多く、1社完結路線としては最多である[注 2]

京都駅 - 園部駅間は旅客営業規則が定める大都市近郊区間のうち、大阪近郊区間に含まれており、この区間は沿線に嵯峨野嵐山という京都の主要な観光地が位置していることから「嵯峨野線」という愛称が付けられている。京都駅 - 城崎温泉駅胡麻駅 - 城崎温泉駅間は一部の駅のみ)と伯耆大山駅 - 出雲市駅間はIC乗車カードICOCA」の利用可能エリアに含まれている[2]。嵯峨野線区間を含めた京都駅 - 城崎温泉駅間は、E路線記号[3]、紫()のラインカラーが設定されている。これに加え、鳥取県を中心とした城崎温泉駅 - 米子駅間には、A の路線記号と、鳥取二十世紀梨をイメージした黄緑()のラインカラーが、島根県を中心とした米子駅 - 益田駅間には、D の路線記号と、日本海と宍道湖の夕日をイメージした朱()のラインカラーが、それぞれ2016年2月より導入されている(両区間の境界は米子駅となる)[4]。なお、伯耆大山駅 - 米子駅間は伯備線の列車が乗り入れるため、重複して V の路線記号と、)のラインカラーが設定されている。

近畿エリアの路線記号の適用対象でありながら、2015年3月14日ダイヤ改正時点での構内の旅客案内への反映は嵯峨野線内の各駅にとどまっていたが、2016年3月26日ダイヤ改正より前述の米子支社(現・山陰支社)ともども、福知山支社(現・福知山管理部)管内の各駅における旅客案内や一部の所属車両の方向幕でも、米子支社制定分を含めたラインカラーや路線記号の本格使用を開始した。これに際し、上川口駅 - 城崎温泉駅についても紫色にEの路線記号に包含され、当該各駅でもこの路線記号を使用するようになり、同年4月頃には公式サイトの路線図[5]にも反映された。

一方、広島支社管内の戸田小浜駅 - 幡生駅間には路線記号はないが、広島エリアの路線図[6]や当該各駅の駅掲示時刻表のシンボルとして、オリーブ色()が使用されている。広島支社管内の駅ならびに博多南駅の運賃表でもこのカラーで表現されているが、米子支社管内の駅では2019年10月の運賃表への路線記号反映以降も、益田駅以西のみ従来通りコーポレートカラー(仙崎支線は灰色)で表記されている。

なお、支社および鉄道部の管轄は以下のように分かれている[7]

路線データ[編集]

  • 管轄・路線距離(営業キロ):全長676.0 km(支線含む)
    • 西日本旅客鉄道(第一種鉄道事業者):
      • 京都駅 - 幡生駅間 673.8 km
      • 長門市駅 - 仙崎駅間 2.2 km
    • 嵯峨野観光鉄道(第二種鉄道事業者):
      • トロッコ嵯峨駅 - トロッコ亀岡駅間 (7.3 km)
  • 軌間:1067mm
  • 駅数:161(起終点駅含む。嵯峨野観光鉄道の駅は除く)
    • 山陰本線所属駅に限定した場合、東海道本線所属の京都駅と山陽本線所属の幡生駅[8] が除外され、159駅となる。
  • 複線区間:
  • 電化区間:
    • 京都駅 - 城崎温泉駅間、伯耆大山駅 - 西出雲駅間(直流1500 V
  • 閉塞方式
    • 京都駅 - 西出雲駅間:自動閉塞式
    • 西出雲駅 - 幡生駅間、仙崎支線:自動閉塞式(特殊)
  • 保安装置:
    • 京都駅 - 園部駅間:ATS-PおよびATS-SW(拠点P方式)
    • 嵯峨嵐山駅 - 馬堀駅間(旧線)、園部駅 - 幡生駅間、長門市駅 - 仙崎駅間:ATS-SW
  • 最高速度:
    • 嵯峨嵐山駅 - 馬堀駅間、綾部駅 - 福知山駅間:130 km/h
    • 京都駅 - 嵯峨嵐山駅間、馬堀駅 - 綾部駅間:120 km/h
    • 鳥取駅 - 出雲市駅間:120 km/h(キハ187系及びHOT7000系等の振り子機能搭載列車)、100 km/h(その他の列車)
    • 出雲市駅 - 益田駅間:110 km/h(キハ187系運用列車)、90 km/h(その他の列車)
    • 福知山駅 - 鳥取駅間、益田駅 - 幡生駅間:95 km/h
    • 長門市駅 - 仙崎駅間:85 km/h
    • 嵯峨嵐山駅 - 馬堀駅間(旧線):35 km/h
  • 運転指令所
    • 京都駅 - 園部駅間:近畿総合指令所大阪指令所
    • 園部駅 - 東浜駅間:近畿総合指令所福知山指令所
    • 東浜駅 - 益田駅間:中国総合司令所米子指令所
    • 益田駅 - 幡生駅間:中国総合司令所広島指令所
  • 大都市近郊区間:京都駅-園部駅(大阪近郊区間)
  • IC乗車カード対応区間:

沿線概況[編集]

在来線としての営業キロは日本最長の路線であるが、起点から終点までを通して走る優等列車の設定が史上一度もない本線の一つとなっている。区間によって乗客の流動に大きな偏りがあり、東西方向の交流が必ずしも盛んでないことや、かつての日本国有鉄道(国鉄)や現在のJR西日本が、山陽新幹線開業以降、山陰本線沿いの各都市から山陽新幹線各駅を含む山陽地方主要都市に至る鉄道路線(陰陽連絡路線)を強化してきた結果である。

山陰と瀬戸内海側を結ぶ線には福知山線伯備線などの電化された路線や智頭急行線のような高速新線があるが、山陰の横同士の連絡は最近まであまり考慮されず、電化もそれらの延長的存在で、つぎはぎ状態で行われた。後年の高速化工事も同様で、高速化された区間とそうでない区間がつぎはぎ状態になっている。それでも民営化後は鳥取駅 - 倉吉駅 - 米子駅 - 松江駅 - 出雲市駅の都市間輸送に力を入れるなど、以前に比べれば改善がみられる。

幹線扱いの長大路線でありながら近代化が遅れたことや、ローカル色あふれる風光明媚な車窓風景とあいまって、鉄道ファンであった作家の宮脇俊三は「偉大なるローカル線」と山陰本線を評した[9]。この表現は山陰本線の実情をよく表したものとして、大方の鉄道ファンから賛同を得ている。特に出雲市駅以西の区間の輸送実態は地方交通線とほとんど変わらないといってもよいほどである。このほか、2010年に鉄橋からコンクリート橋に架け替えられた余部橋梁や、日本で3か所に現存するラチス式桁を持つ竹野川橋梁、浜坂駅手前にはラチス桁が残る田君川橋梁があるほか、須佐駅 - 宇田郷駅間にかかる惣郷川橋梁は日本海に注ぐ白須川河口にあるため、鉄道の撮影ポイントとしても有名である。

また、沿線には城崎温泉玉造温泉温泉津温泉など古くから知られた温泉が数多く湧出しており、観光客輸送の役割も果たしている。

運行形態[編集]

優等列車[編集]

以前は、京都・大阪あるいは東京方面と鳥取地区とを結ぶ列車は山陰本線の和田山駅 - 鳥取駅間を経由するか、東京方面の場合は新幹線連絡で津山線因美線を経由した岡山駅経由がメインルートであったが、智頭急行が開業してからは智頭急行線を使うルートに取って代わられた。また、対米子地区についても山陽新幹線開業以降は山陰本線経由から伯備線経由にメインルートが移っている。現在、京都・大阪からの特急はほとんどが電車であり城崎温泉駅までの運転である。そのうち福知山駅は北近畿ビッグXネットワークの中心部分にあたる。 山陰本線線内のみ走行する特急列車は「きのさき」「スーパーまつかぜ」のみとなっている。

現行の定期列車[編集]

京都駅 - 鳥取駅間には下記の列車が走っている(定期列車・山陰本線経由分のみ記載。夜行列車は後述)。

陰陽連絡特急として、下記の列車が運転されている。これらの列車は、京都駅・新大阪駅で東海道新幹線姫路駅・岡山駅で山陽新幹線と接続している。

鳥取駅 - 益田駅間は近年の高速化工事などにより、新型車両の特急を登場させるまでに至ったが、その一方で益田駅 - 幡生駅間は「いそかぜ」廃止以降、優等列車はなくなった。鳥取駅以西については、鳥取駅・米子駅・益田駅などを結ぶ都市間連絡特急として下記の列車が運転されている。鳥取駅 - 出雲市駅間で120km/h、出雲市駅 - 益田駅間で110km/h運転を行っている。

このほか、夜行列車として下記の列車が運転されている。大阪駅からの急行「だいせん」(大阪駅 - 米子駅)が2004年10月16日に、また東京駅からの寝台特急「出雲」(東京駅 - 出雲市駅)が2006年3月18日のダイヤ改正で廃止されてからは、伯備線経由の列車のみの運転となっている。

  • 6. 伯備線経由の列車

現行の定期列車の過去の運転区間[編集]

運転区間に普通列車区間を含む。複数区間が存在する場合、同時期に運転されていたとは限らない。現行区間の駅名は運転取り止め区間との接続駅以外省略。

  • 定期運転区間
    • 特急「はまかぜ」(新大阪駅 - 大阪駅 - 〈現行区間〉 - 鳥取駅 - 米子駅)
    • 特急「やくも」(〈現行区間〉 - 出雲市駅 - 西出雲駅

過去の定期列車[編集]

運転区間は過去最長のもの。 詳細は各列車の記事参照。

  • 特急(昼行)
    • 1. 山陰本線(園部)経由
      • あさしお」(京都駅 - 米子駅・東舞鶴駅) …一部は舞鶴線宮津線経由、及び東舞鶴駅発着 1972年 - 1996年
      • たんば」(京都駅 - 福知山駅) …1996年 - 2011年(「きのさき」に編入)
      • タンゴディスカバリー」(京都駅 - 城崎駅・東舞鶴駅)…舞鶴線・北近畿タンゴ鉄道宮津線経由 1999年 - 2011年(「はしだて」「まいづる」に統合)
      • タンゴエクスプローラー」(京都駅 - 豊岡駅)…舞鶴線・北近畿タンゴ鉄道宮津線経由。一部、北近畿タンゴ鉄道宮福線・同宮津線経由 1990年 - 1999年(「タンゴディスカバリー」に改称。「タンゴエクスプローラー」の名称は新大阪駅発着福知山線・北近畿タンゴ鉄道宮福線経由の列車に使用)
    • 2. 福知山線経由
      • まつかぜ」(京都駅 - 博多駅) …1961年 - 1986年
      • やくも」(新大阪駅 - 浜田駅) …1965年 - 1972年(「まつかぜ」に編入)
      • エーデル鳥取」(大阪駅 - 倉吉駅、のちに新大阪駅 - 鳥取駅) …1989年 - 1999年
      • エーデル北近畿」(新大阪駅 - 浜坂駅・東舞鶴駅) …1990年 - 1999年
    • 3. 播但線経由
      • 廃止となった山陰本線直通定期特急は存在しない。
    • 4. 小浜線宮津線経由
      • 同線経由で豊岡駅にて山陰本線と直通運転した定期特急は存在しない。
    • 5. 智頭急行線・因美線経由
      • はくと」(京都駅 - 倉吉駅) …1994年 - 1997年(「スーパーはくと」に編入)
    • 6. 伯備線経由
      • おき」(新大阪駅 - 出雲市駅) …1971年 - 1972年
      • スーパーやくも」(岡山駅 - 出雲市駅) …1994年 - 2006年(「やくも」に統一)
    • 7. 木次線経由
      • 同線経由で運転された定期特急は存在しない。
    • 8. 鳥取駅・米子駅以西の列車
      • おき」(鳥取駅 - 小郡駅間、米子駅 - 下関駅) …山口線経由 1975年 - 2001年(「スーパーおき」に改称)
      • くにびき」(鳥取駅 - 益田駅) …1988年 - 2001年(「スーパーくにびき」に改称)
      • スーパーくにびき」(鳥取駅 - 益田駅) …2001年 - 2003年(「スーパーまつかぜ」に改称)
      • いなば」(鳥取駅 - 米子駅) …1996年 - 1997年(「くにびき」に編入)
      • いそかぜ」(米子駅 - 博多駅) …1985年 - 2005年
  • 寝台特急
    • 1. 山陰本線(園部)経由
      • 出雲」(東京駅 - 浜田駅)…1972年 - 2006年
      • いなば」(東京駅 - 米子駅)…1975年 - 1978年(「出雲」に編入)
  • 急行(主要列車・運転区間に普通列車区間を含む・運転期間は急行時代)
    • 1. 山陰本線(園部)経由
      • 出雲」(東京駅 - 浜田駅)…1961年 - 1972年(寝台特急へ格上げ)
      • 白兎」(京都駅 - 出雲市駅・大社駅) …1961年 - 1986年(1961年 - 1968年に大阪駅 - 松江駅間編成併結)
      • 丹後」(京都駅 - 福知山駅・豊岡駅・城崎駅・網野駅・東舞鶴駅・敦賀駅) …当初、舞鶴線・宮津線経由。「きのさき」を統合以後、豊岡発着の列車には山陰本線(和田山)経由と舞鶴線・宮津線経由とが存在、前者は元「きのさき」。1966年 - 1996年
      • きのさき」(京都駅 - 城崎駅) …1966年 - 1968年(「丹後」に統合)
      • 美保」(1966年急行化当初 鳥取駅 - 境港駅、1969年 境線乗り入れ取り止め、1972年 福知山駅 - 出雲市駅) … 1966年 - 1982年 (※便宜的にこちらに分類、園部は経由せず)
    • 2. 福知山線経由
      • いずも→出雲」(東京駅 - 浜田駅・大社駅)…1951年 - 1961年(山陰本線(園部)経由に変更)
      • 三瓶」(大阪駅 - 益田駅・大社駅) …1961年 - 1968年(「だいせん」に統合。「さんべ」の名称は米子駅 - 九州間の急行に使用)
      • だいせん」(大阪駅 - 益田駅・大社駅) …1968年 - 2004年
      • しまね」(大阪駅 - 大社駅) …1964年 - 1965年(「おき」に改称。「しまね」の名称は米子駅 - 博多駅間の急行に使用)
      • おき」(大阪駅 - 大社駅) …1965年 - 1968年(「だいせん」に統合。「おき」の名称は京都駅 - 大社駅間(伯備線経由)の急行に使用)
      • 白兎」(大阪駅 - 松江駅) …福知山駅 - 松江駅間は京都発着山陰本線(園部)経由の編成に併結 1961年 - 1968年
      • いなば」(大阪駅 - 鳥取駅) …1972年 - 1975年(「いでゆ」に改称。「いなば」の名称は東京駅 - 米子駅間の寝台特急に使用)
      • いでゆ」(大阪駅 - 鳥取駅) …1975年 - 1978年(「だいせん」に統合)
      • 丹波」(大阪駅 - 浜坂駅・城崎駅・天橋立駅)…浜坂発は山陰本線(和田山)経由、天橋立発着は山陰本線(綾部)・舞鶴線・宮津線経由、城崎発着・豊岡発着は両経由が存在。天橋立発着は元「はしだて」1966年 - 1986年
      • はしだて」(大阪駅 - 天橋立駅) …山陰本線(綾部)・舞鶴線・宮津線経由 1966年 - 1968年(「丹波」に編入)
    • 3. 播但線経由
      • 但馬」(大阪駅 - 鳥取駅) …1966年 - 1996年
    • 4. 小浜線・宮津線経由
      • あさしお」(金沢駅 - 出雲市駅) …1964年 - 1968年(併結相手の「大社」に統合)
      • 大社」(金沢駅 - 米子駅・名古屋駅 - 大社駅) …1966年 - 1982年(山陰本線直通期間。金沢編成は元「あさしお」)
    • 5. 因美線経由
      • みささ」(大阪駅 - 倉吉駅) …姫新線経由 1966年 - 1968年,1975年 - 1985年(山陰本線定期直通期間。廃止は1989年。1968年「伯耆」に改称、1975年「みささ」に再改称)
      • かいけ」(大阪駅 - 米子駅) …姫新線経由 1961年 - 1968年(「伯耆」に改称)
      • 伯耆」(大阪駅・岡山駅 - 米子駅) …姫新線経由 1968年 - 1975年(「みささ」に改称。「伯耆」の名称は岡山駅 - 米子駅間急行に使用。岡山発編成は元「ひるぜん」、1972年「砂丘」に編入)
      • 砂丘」(宇野駅 - 上井駅、のちに岡山駅 - 米子駅) …1968年 - 1991年(山陰本線定期直通期間。廃止は1997年)
      • ひるぜん」(岡山駅 - 上井駅) …山陰本線の列車としては岡山駅→上井駅方向のみ運転。岡山駅 - 津山駅間は月田行き編成併結、津山駅 - 上井駅間は「みささ」に併結。1966年 - 1968年(山陰本線定期直通期間。1968年上井行き編成は「伯耆」に編入。「ひるぜん」廃止は1973年)
    • 6. 伯備線経由
      • だいせん」(京都駅 - 大社駅) …1958年 - 1968年(「おき」に改称。「だいせん」の名称は大阪駅 - 益田駅・大社駅間(福知山線経由)の急行に使用。1963年 - 1968年赤穂線経由)
      • おき」(京都駅 - 大社駅) …1968年 - 1971年(特急格上げ。1968年 - 1969年赤穂線経由)
      • しんじ」(宇野駅 - 小郡駅) …宇野線・伯備線・山陰本線・山口線経由 1966年 - 1975年
      • たまつくり」(宇野駅 - 出雲市駅) …1966年 - 1968年(「しんじ」に統合)
      • 伯耆」(岡山駅 - 米子駅) …1975年 - 1982年(特急「やくも」に統合)
      • しらぎり」(広島駅 - 米子駅) …芸備線・伯備線経由 1966年 - 1968年(「ちどり」に統合)
      • ちどり」(広島駅 - 米子駅) …芸備線・伯備線経由(木次線経由と併存) 1968年 - 1972年
    • 7. 木次線経由
      • いなば」(鳥取駅 - 広島駅) …1966年 - 1968年(「ちどり」に統合)
      • ちどり」(当初 米子駅 - 広島駅、1968年から鳥取駅 - 広島駅) …1966年 - 1990年(山陰本線直通期間。廃止は2002年)
    • 8. 鳥取駅・米子駅以西の列車
      • さんべ」(鳥取駅 - 熊本駅・小郡駅) …一部美祢線・山陽本線経由。小郡発着は山口線経由。1968年 - 1997年
      • 石見」(鳥取駅 - 益田駅) … 1966年 - 1985年
      • しまね」(米子駅 - 博多駅) …1965年 - 1968年(「さんべ」に統合)
      • やえがき」(米子駅 - 熊本駅) …一部美祢線・山陽本線経由 1965年 - 1968年(「さんべ」に統合)
      • なかうみ」(米子駅 - 小倉駅) …1966年 - 1968年(「さんべ」に統合)
      • はぎ」(米子駅 - 長門市駅) …1972年 - 1975年(「ながと」に改称)
      • ながと」(米子駅 - 長門市駅) …1975年 - 1985年
      • あきよし」(1966年急行化当初 浜田駅 - 東唐津駅天ヶ瀬駅(1967年 東唐津発着は博多へ短縮)、1970年 江津駅 - 博多駅・天ヶ瀬駅) …東唐津発着は山口線・山陽本線・鹿児島本線・筑肥線経由、天ヶ瀬発着は美祢線・山陽本線・鹿児島本線・日豊本線・日田彦山線・久大本線経由。1966年 - 1985年
      • つわの」(江津駅 - 小郡駅) …1975年 - 1980年
      • ながと」(浜田駅 - 小倉駅) …1985年 - 1992年


地域輸送[編集]

国鉄時代は、ほぼ全線を通して運転されるような長距離列車が多く見られ、京都駅発の普通客車列車の行先だけでも園部駅や福知山駅のみならず、豊岡駅・浜坂駅・鳥取駅・米子駅・出雲市駅・浜田駅などもあったが、現在はおおむね下記の区間に細かく運転系統が分かれている。

主に中距離・都市間の速達輸送を担う快速列車が京都駅 - 福知山駅間(快速運転区間は京都駅 - 亀岡駅間)・鳥取駅 - 米子駅間(快速運転区間は鳥取駅 - 米子駅間)で運転されている。一方、園部駅 - 浜坂駅間でも2013年から一部の定期普通列車が快速列車に変更されているが、こちらは利用者の少ない駅を通過運転するものである。快速列車へ変更となった列車も引き続き他の普通列車と一体的な運行がなされている。また、2022年3月のダイヤ改正までは、出雲市駅 - 益田駅間で快速運転を行う列車も存在した。(詳しくはアクアライナーを参照。)

なお、一部列車を除き、ほとんどの区間の普通や快速列車でワンマン運転を行っている。

京都駅 - 園部駅間[編集]

嵯峨野線の愛称がある。アーバンネットワーク圏内のため旅客数・列車本数とも多く、朝ラッシュ時の輸送力は飽和状態に近い。2010年3月7日に京都駅 - 園部駅間の複線化(京都駅構内は単線)が完成した。京都駅 - 園部方面への直通列車のほか、京都駅 - 嵯峨嵐山駅亀岡駅間の区間列車が設定されている。

園部駅 - 福知山駅間[編集]

電化および高速化工事が行われ、特急の所要時間は短縮されたが、普通列車は対向列車との行き違いや特急の追い抜きのための停車時間が長くなった。また、区間内では大部分が単線でカーブが多く、速度制限があるため、所要時間はあまり短縮されていない。普通列車は1時間に1 - 2本程度の運転(日中は半数が園部駅 - 胡麻駅間の折り返し列車)である。一部を除きワンマン運転が実施されている。なお、2021年3月まではごく少数ながら安栖里駅・立木駅・山家駅を通過する快速が運転されていた。ほとんどの列車が園部駅 - 福知山駅間のみの運行を行っており、園部駅で嵯峨野線列車との接続は良好である。朝夕の一部列車は京都駅と直通するほか、2023年3月のダイヤ改正で福知山駅を越えて豊岡駅・城崎温泉駅まで直通する列車が設定された。嵯峨野線およびこの区間においては特急優先度が高く、途中駅で追い抜かれることが多い(一例として胡麻駅では、日中の下り列車を中心に特急の通過待ちが行われている)。ただ上り列車の場合、日中を中心に福知山駅を特急の約10分後に出発し、かつ園部駅で嵯峨野線快速との接続がある列車に関しては、京都駅まで先行する(反対方向に対しても、京都駅を朝夕に出発する列車を中心に、福知山駅まで先行する)。

単線部の複線化については、京都府は2022年度を目標とする奈良線複線化事業後の着手を考えたいとしている[10]

綾部駅 - 福知山駅間は舞鶴線と直通する列車も乗り入れて列車本数が多くなり、この区間は複線となっている。また、当路線の特急「きのさき」・福知山線の特急「こうのとり」と接続する舞鶴線直通の普通は「リレー号」として運転されていた。

福知山駅 - 豊岡駅・城崎温泉駅間[編集]

福知山線の延長的存在として京都駅 - 園部駅間よりも早く電化されて、大阪・京都方面からの特急が多く運行されているが、高速化工事はされておらず、おもに福知山駅 - 上夜久野駅間では急曲線も連続することから特急も速度を落として運転している。この区間には対向列車待ち合わせのための宿南信号場がある。1996年3月15日までは大阪駅から福知山線経由で直通していた長距離普通列車も運転されていた。また、2013年3月から2021年3月までは玄武洞駅を通過する快速が早朝深夜帯に運転されていた。ほとんどの普通列車が福知山駅での折り返しで、一部列車は園部駅まで直通するが、大阪・篠山口方面への直通運転は行なっていない。和田山駅 - 城崎温泉駅間では播但線の特急も乗り入れている関係や、観光シーズンになると臨時列車の運行や乗降に時間を要し、遅延が発生することが多い。

1 - 2時間に1本程度が運行されている。普通列車は一部を除きワンマン運転を実施している。朝5時台に豊岡駅 - 城崎温泉駅間の区間列車がある。福知山駅 - 豊岡駅間の普通列車は基本的に電車が使われているが、和田山駅 - 豊岡駅間では、播但線と直通する気動車列車が朝に1往復設定されている。

豊岡駅・城崎温泉駅 - 浜坂駅間[編集]

城崎温泉駅から先は非電化となり、本数も1 - 2時間に1本程度とローカル色がより濃くなる。この区間には対向列車待ち合わせのための相谷信号場があった。普通列車は一部を除きワンマン運転を実施している。この区間の普通列車は基本的に豊岡駅発着となるが、一部列車は城崎温泉駅発着となる。一部の列車は香住駅で城崎温泉方面へ折り返す。この区間では2002年度の上半期に月一回の保守運休(代替バスなし)を行っていた。

かつてはこの区間にも特急「北近畿」との接続を目的として快速列車が運行されていた時期もあった。2011年4月からは、臨時快速として、豊岡駅 - 鳥取駅間に「山陰海岸ジオライナー」が土休日などに運行されている[11][12][13][14]。2012年春のダイヤ改正で玄武洞駅・鎧駅・久谷駅を通過する普通列車が設定され、2013年春のダイヤ改正でそれらの列車を快速列車としていた。2021年春のダイヤ改正で全ての列車が各駅に停車する普通列車となった[15]

浜坂駅 - 鳥取駅間[編集]

兵庫・鳥取県境を挟むこともあり、特急「はまかぜ」(1往復)を除けば、1・2両編成の普通列車が走るのみである(前節の臨時快速「山陰海岸ジオライナー」は、この区間では途中で岩美駅のみ停車)。

普通列車にはキハ47形気動車キハ121系気動車が使用される。2018年3月17日ダイヤ改正時点で普通列車はすべての列車がワンマン運転を実施している。ほとんどの列車が浜坂駅 - 鳥取駅間の運転であるが、日中の2往復は城崎温泉方面と直通する。この区間にはスイッチバック式停車場となっている滝山信号場があるが、現在では対向列車待ち合わせの用途には使用されていない。

鳥取駅 - 米子駅間[編集]

末恒駅 - 倉吉駅間以外はトンネルが存在しない海沿いのなだらかな区間を通る。高速化工事により所要時間が短縮されたこの区間には、鳥取県内・山陰両県の都市間輸送を担う特急やこれを補完する鳥取駅 - 米子駅間の快速「とっとりライナー」が運行されており、再び幹線鉄道の様相を呈する。また京阪神発着の特急も智頭急行経由で乗り入れることから、特に鳥取駅 - 倉吉駅間で列車本数が多く、普通列車は行き違いや追い抜きのための停車時間が長い。普通列車は倉吉駅で乗り換えとなるものもある。普通列車はこの区間内で完結する列車のほかに、他の路線や区間との直通運転を行う列車として、伯耆大山駅から米子駅まで(一部列車は米子駅を越えて出雲市駅・西出雲駅まで)伯備線直通列車が多数乗り入れており、それ以外には鳥取発境線直通境港行き(平日のみ)や松江発鳥取行き、因美線智頭発米子行きが設定されている。途中の伯耆大山駅から電化区間となり、伯備線の列車の乗り入れにより運行本数も多くなり、米子駅を経て安来駅まで複線化されている。

また、鳥取駅 - 出雲市駅間では、観光列車として臨時快速「あめつち」が運転されている。

米子駅 - 出雲市駅間[編集]

伯備線と同時に山陰本線で最も早く電化された区間であるが、2022年3月12日ダイヤ改正時点で普通列車は115系電車が使用されている2往復を除き気動車で運転されており、1時間に1本程度運行されている。一方、快速列車は全て気動車である。電車で運行される普通列車の一部は伯備線に直通し、特急「やくも」や寝台特急「サンライズ出雲」も乗り入れる。宍道駅からは木次線からの直通列車として、朝に木次松江行きが1本乗り入れており、平日のみ山陰本線内で快速運転を行う(途中の停車駅は乃木駅のみ)。

また、1996年3月16日から2019年3月15日まで平日ダイヤの朝ラッシュ時に出雲市発(2003年10月1日から2010年3月12日までは西出雲発)米子行きで「通勤ライナー」が1本運転されていた。快速運転区間は宍道駅から松江駅までで、通過するのは来待駅玉造温泉駅乃木駅のみだった。運転開始から2001年7月6日まではキハ181系気動車が、2008年3月14日までは381系電車特急形車両間合い運用として使用され、2008年3月17日からは113系電車が、2010年3月15日から廃止時まではキハ126系気動車が使用されていた。

この区間は特急を含めると列車の運行本数がかなり多く、伯耆大山駅 - 安来駅間、東松江駅 - 松江駅間、玉造温泉駅 - 来待駅間は複線化がなされているが、この区間全線が複線化されている訳ではないので、対向列車の待ち合わせに10分以上要する場合もある。なお、揖屋駅から米子方約2kmの複線化がなされているが、1982年の伯耆大山駅 - 知井宮駅(現・西出雲駅)間の電化の時に用地は確保されていたにもかかわらず、施工されていなかった。

出雲市駅 - 益田駅間[編集]

この区間は、西出雲駅から先は再び非電化区間となり、ローカル色が強くなるが、2001年7月7日に高速化工事が完成し、特急が島根県東西の都市間輸送を担っている。出雲市側の普通列車はほとんどが出雲市駅発着となり、西出雲駅・大田市駅で折り返す区間列車が設定されている。浜田側では江津駅折り返し列車が存在するほか、浜田駅で乗り換えとなるものが多く、浜田駅 - 益田駅間は運行本数が少なくなる。かつては三江線直通の普通列車も浜田行きが2本、浜原行きが1本設定されていたが、三江線は2018年4月1日に廃止され、当該列車は江津駅発着となった。また、2022年3月11日までは快速「アクアライナー」が運行されていた。

益田駅 - 長門市駅間[編集]

島根・山口県境を挟むこの区間は、山陰本線の中でもとりわけ乗客・本数ともに少なく、1日10往復未満で、日中は4 - 5時間以上運転がない時間帯がある。全列車が1 - 2両編成のワンマン運転による普通列車である。多くの列車が益田駅 - 長門市駅間の運転となるが、益田駅 - 下関駅間を直通する列車や益田駅 - 東萩駅間および木与駅東萩駅 - 長門市駅間、登校日の長門三隅発長門市行きの区間列車が運行され、上り1本のみ厚狭発東萩行きの美祢線との直通列車も運行されている。

2005年2月末に特急「いそかぜ」が廃止されて以降、益田駅 - 下関駅間は仙崎支線を除けば山陰本線で唯一特急列車が運行されていない区間となっている[注 3]。さらに快速列車の定期運行も行われず、完全にローカル輸送のみの区間である。

この区間にはJR西日本管内の地方交通線で見られるような20 - 30 km/h程度に速度を落として通過する曲線箇所が存在する(飯浦駅 - 江崎駅間など)。

長門市駅 - 下関駅間[編集]

山陰本線は幡生駅までであるが、列車は下関駅まで運転される。この区間は輸送力が低いとされ、かつては急行「あきよし」「さんべ」などのように長門市駅で分割し、美祢線経由で運転されるものもあった。

2023年3月18日より全列車が終日ワンマン運転を実施している。それ以前は日中を中心にワンマン運転を実施しており、奈古駅・長門市駅・滝部駅 - 下関駅間を直通する列車の場合、奈古駅・長門市駅・滝部駅 - 小串駅間までがワンマン運転で、小串駅 - 下関駅間は車掌が乗務する列車もあった[16]。ただ、下関市域、特に小串駅 - 下関駅間は、関門都市圏の都市圏輸送を担っていることもあって、日中の場合1時間に1本程度は運行されている。輸送力調整のため、小串駅で乗り継ぎとなる列車も多く、小串駅 - 下関駅間では3・4両編成になることもある。一部列車は小串駅ではなく滝部駅で乗り継ぎとなる。

2005年9月30日までは、関門トンネルを抜けて、JR西日本管内小串・長門市方面と、門司駅小倉駅などJR九州北九州市内の駅を結ぶ直通列車が運転されていたが、2005年10月1日のダイヤ改正以後は、全列車が下関駅折り返しとなっている。

この区間では、2017年8月5日からは観光列車「○○のはなし」が土日祝日に運行されている。2007年7月1日から2017年1月29日まで、観光列車「みすゞ潮彩」が運転されていた(土日祝日のみ快速運転。ただし運行上、2回通る幡生駅を1回通過するのみで、あとは各駅停車であった)。2021年7月13日からは「○○のはなし」の車両を利用する観光客向け臨時列車「ゆずきち号」の運行が新下関駅 - 長門市駅で始まった[17]

2017年3月4日のダイヤ改正では、下関駅発上りの最終列車が23時台に引き下げられた。

長門市駅 - 仙崎駅間(仙崎支線)[編集]

美祢線を走行するキハ120系充当の仙崎行

1日6往復のみの運行となっている。週末などに普通列車の代わりに運行される観光列車「○○のはなし」(下関方面直通)を除く全列車がワンマン運転で、一部の線内折り返し列車と日中の下関駅発着の1往復(「○○のはなし」運転日の充当列車)を除き美祢線と直通運転する系統が基本である。これは仙崎支線が元々は美祢線の貨物支線として開業した経緯によるものである。1往復のみ2両編成である。

貨物列車[編集]

餘部橋梁を渡る貨物列車(1978年)

2014年3月改正時点で伯耆大山駅 - 米子駅間に3往復運行されていた高速貨物列車[18]、2015年3月14日のダイヤ改正において、伯耆大山駅のコンテナホームが供用を開始し、同駅に米子駅の機能を統合したため、全て伯備線内折返しとなったのを最後に、山陰本線内を通過する定期貨物列車が全廃された[19]日本貨物鉄道(JR貨物)における山陰本線の第二種鉄道事業免許についても、2015年4月1日付で廃止された[20][21]

2018年迂回貨物[編集]

平成30年7月豪雨は西日本を中心の広い範囲に被害をもたらした。鉄道輸送も例外ではなく、山陽本線三原駅 - 海田市駅間、柳井駅 - 徳山駅間)では土砂流入や変電所水没、斜面崩壊など甚大な被害が発生しており[22]関東関西九州を結ぶ鉄道の大動脈の長期不通が予想された。7月13日より船舶やトラックによる代行輸送が開始されたが、輸送力は最大で平常時の27%となった[23]

7月17日にJR貨物とJR西日本(以下JR両社)が日本海側に貨物列車を迂回運転を実施することに関しての打ち合わせが行われた[23]。この段階では伯備線が運転再開をしておらず、関西側は福知山線を経由することも想定された[23]。その後、伯備線が8月1日に運転再開することが決まったことを受けて、迂回貨物のルートとして伯備線・山陰本線・山口線を経由することが確定し[23]、8月3日にJR両社から迂回貨物列車実現に向けて検討を進めていることが発表された[24][25]。8月22日、JR貨物に対して山陰本線・山口線(米子駅 - 新山口駅間)の第二種鉄道事業許可が出され[26]、8月24日には迂回貨物を8月29日から(下り列車、岡山タ基準。上り列車は幡生操基準で8月31日より)運転開始することがJR両社から発表された[27][28]