政府標準利用規約

政府標準利用規約
作者 日本国政府内閣官房
バージョン 2.0
リリース日 2015年12月24日 (8年前) (2015-12-24)
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ウェブサイト 政府標準利用規約(第2.0版)
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政府標準利用規約第2.0版の規約により首相官邸ウェブサイトからウィキメディア・コモンズで二次利用されている画像の例(第2次岸田改造内閣記念撮影写真

政府標準利用規約(せいふひょうじゅんりようきやく、Government of Japan Standard Terms of Use)は、2014年に作成された日本政府府省ホームページのコンテンツの利用ルールの雛形である[1]。各府省のホームページのコンテンツのうち法律の規定等による制限の他は自由に複製公衆送信翻訳・変形等を行えるようにするもの[2]。府省サイトのコンテンツの二次利用を促進するために[3]内閣官房IT総合戦略室が第1.0版を2014年に作成した[1]

各府省庁ホームページへの適用率は2014年時点で76%だった[4]

2015年にはさらに改定が加えられ、同年12月に第2.0版が決定され翌2016年1月から適用されることになった[5][6]。第2.0版より「クリエイティブ・コモンズ 表示 4.0 国際」(CC-BY 4.0)との互換性がある旨が記載されている。

沿革[編集]

バージョン[編集]

第1.0版[編集]

第1.0版は、利用の際に出典を記載すること、国以外の第三者が著作権を有しているコンテンツについては利用者が自らの責任で許諾を得ること、一定の利用形態が禁止されることを基本的な利用ルールとして定める[3]

内閣官房情報通信技術総合戦略室の依頼でオープンデータ流通推進コンソーシアムがとりまとめた「オープンデータに対応した各府省ホームページ利用ルールの見直し案」がこの規約のベースとなっている[7]。コンソーシアムは2013年11月に依頼され、関係府省のヒアリングを経て2013年12月から2014年1月に案を作成した[8]。第1.0版は電子行政オープンデータ実務者会議による検討を経て2014年6月19日に各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議で決定された[9][10]。これにより『各府省は、速やかに、ホームページにおけるコンテンツ利用に関するルール(「著作権について」、「免責事項」等)を「政府標準利用規約(第 1.0 版)」に変更する』ことになった[11]。第1.0版は平成27年度に見直しをする予定とされた[12]

第1.1版[編集]

第1.1版では、地方公共団体のデータに適用されることを想定して「国」という表現が「公表者」に変更された[13]。利用条件は変更されていない[13]

第2.0版[編集]

2015年12月の電子行政オープンデータ実務者会議の議論で、国際的にオープンライセンスとして通用させられるよう「法令条例又は公序良俗に反する利用」を禁止する規定などを削除しCC BY 4.0との互換性を明示する第2.0版案が示され[14][12]、12月24日の各府省CIO連絡会議において決定された[5]。この改定で内閣官房情報通信技術総合戦略室はオープン&ビッグデータ活用・地方創生推進機構の「2015年度のオープンデータに関する優れた取り組み」優秀賞を受賞した[15]

評価[編集]

第1.0版について、オープンナレッジファウンデーションジャパンは政府サイトのコンテンツを「特別な手続きなしに自由に利用できる」ようにした点で「大きな進歩」としたが[16]公序良俗や国家・国民の安全に関する規定や国際的な整合性について懸念を表明した[17]政府CIO補佐官平本健二は課題を認識しながらも「まずは政府のオープンデータの取り組みをスタートさせることが重要」と理解を求めた[18]

出典[編集]

  1. ^ a b 三菱総合研究所 平成26年度文部科学省委託調査「科学技術イノベーション政策における「政策のための科学」推進に関する政策課題 の調査分析」報告書 4) イノベーション政策に係る「オープンデータ」に関する調査分析
  2. ^ 野村総合研究所 渡辺信一 国のオープンデータ政策と自治体のオープンガバメントに向けた取り組み -オープンデータの活用による自治体行政の展開に向けて- NRI パブリックマネジメントレビュー June 2014 vol.131
  3. ^ a b 政府標準利用規約(第1.0版)の概要
  4. ^ 各府省ホームページにおける「政府標準利用規約(第1.0版)」の適用の状況
  5. ^ a b 「政府標準利用規約(第2.0版 )」の解説。内閣官房IT総合戦略室、平成27年12月24日
  6. ^ IT総合戦略本部が「政府標準利用規約」を改訂 食品成分表の無償化など 2015/12/07 日経コンピュータ
  7. ^ 総務省|平成26年版 情報通信白書|我が国政府におけるオープンデータの取組
  8. ^ オープンデータガイド第1版 p35 2014年7月31日
  9. ^ 今岡直子 「行政情報化とオープンデータ」 2015-3 doi:10.11501/9104303
  10. ^ 企業内 ITC・IT ガバナンス研究会 - 1 -オープンデータ活用に関する研究オープンデータ活用に関する研究~ ITコーディネータにとってのオープンデータビジネスの可能性(基本編) ~ 2015年3月31日
  11. ^ 「二次利用の促進のための府省のデータ公開に関する基本的考え方(ガイドライン)」 平成25年6月25日各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議決定 平成26年6月19日改定
  12. ^ a b 第11回電子行政オープンデータ実務者会議 議事次第 【資料1】政府標準利用規約の見直しについて
  13. ^ a b 利用規約に関するQ&A - DATA GO JP 別添の政府標準利用規約(第1.1版;コンテンツ公表者拡大版)は、政府標準利用規約(第1.0版)と何が違うのですか?
  14. ^ 大豆生田 崇志 IT総合戦略本部が「政府標準利用規約」を改訂 食品成分表の無償化など 2015/12/07
  15. ^ 政務活動費・衆院議員資産のデジタル公開に賞 2016年3月11日18時29分
  16. ^ 政府オープンデータは利用者参加型で進めましょう:OKFJから日本政府への提案 2014年4月24日
  17. ^ 政府オープンデータをもっと利用者フレンドリーに:OKFJの懸念と日本政府へのお願い 2014年4月10日
  18. ^ 「政府に期待して欲しい」--オープンデータカタログサイトの今後 ZDNet Japan 山田竜司 2014年04月28日 13時32分

外部リンク[編集]