春分の日

春分の日(しゅんぶんのひ)は、日本国民の祝日の一つであり、祝日法により天文観測による春分が起こる春分日が選定され休日とされる[1]。通例、3月20日から3月21日ごろのいずれか1日。

しばしば昼が長くなって「昼と夜の長さが等しくなる日」といわれるが、実際は昼の方が少し長い。詳細は春分を参照。 本項では「春分の日」と「春分日」を区別して記述する。

国民の祝日の趣旨[編集]

「春分の日」は、1948年(昭和23年)に公布・施行された国民の祝日に関する法律(「祝日法」、昭和23年法律第178号)によって制定された。同法第2条では「自然をたたえ、生物をいつくしむ。」ことを趣旨としている。

休日の扱い[編集]

休日としては、1878年(明治11年)改正の年中祭日祝日ノ休暇日ヲ定ム(明治11年太政官布告第23号)による春季皇霊祭から続くもので、1948年(昭和23年)に廃止される休日ニ關スル件(昭和2年勅令第25号)までこの名称だった。

日付[編集]

施行日は毎年3月20日から3月21日ごろのいずれか1日間に定められる。祝日法上で「春分日[注釈 1]としており、日付を指定していない。ただし、これまでのところ天文計算によって求められた「春分日」以外が「春分の日」とされたことはない。

「春分の日」と「春分日」の関係[編集]

毎年国立天文台が「春分日」を含め作成する翌年の『暦象年表』という小冊子に基づき、施行年の前年の2月第1平日付の官報の公告(特殊法人等)欄の「暦要項」において「春分の日」として公告される。『暦象年表』以降の将来も春分日は天文学で計算できるが、このような手続きを経るため正式な「春分の日」は公告でしか確定しない。なお、この暦要項は、閣議決定等はされず、閣議報告事項でもない[2]。 従って現行制度では、具体的にどの日付が「春分日」として「春分の日」となるかは前年の公告まで正式には確定しない。

近年の春分日と秋分日[編集]

国立天文台サイトより。将来の日付はあくまで計算に基づく予測であり、将来の天文学的観測により変わる事がありえる。)

暦年 春分日 曜日 秋分日 曜日
2000年平成12年) 3月20日 月曜日 9月23日 土曜日
2001年(平成13年) 3月20日 火曜日 9月23日 日曜日
2002年(平成14年) 3月21日 木曜日 9月23日 月曜日
2003年(平成15年) 3月21日 金曜日 9月23日 火曜日
2004年(平成16年) 3月20日 土曜日 9月23日 木曜日
2005年(平成17年) 3月20日 日曜日 9月23日 金曜日
2006年(平成18年) 3月21日 火曜日 9月23日 土曜日
2007年(平成19年) 3月21日 水曜日 9月23日 日曜日
2008年(平成20年) 3月20日 木曜日 9月23日 火曜日
2009年(平成21年) 3月20日 金曜日 9月23日 水曜日
2010年(平成22年) 3月21日 日曜日 9月23日 木曜日
2011年(平成23年) 3月21日 月曜日 9月23日 金曜日
2012年(平成24年) 3月20日 火曜日 9月22日 土曜日
2013年(平成25年) 3月20日 水曜日 9月23日 月曜日
2014年(平成26年) 3月21日 金曜日 9月23日 火曜日
2015年(平成27年) 3月21日 土曜日 9月23日 水曜日
2016年(平成28年) 3月20日 日曜日 9月22日 木曜日
2017年(平成29年) 3月20日 月曜日 9月23日 土曜日
2018年(平成30年) 3月21日 水曜日 9月23日 日曜日
2019年(平成31年/令和元年) 3月21日 木曜日 9月23日 月曜日
2020年(令和2年) 3月20日 金曜日 9月22日 火曜日
2021年(令和3年) 3月20日 土曜日 9月23日 木曜日
2022年(令和4年) 3月21日 月曜日 9月23日 金曜日
2023年(令和5年) 3月21日 火曜日 9月23日 土曜日
2024年(令和6年) 3月20日 水曜日 9月22日 日曜日
2025年(令和7年) 3月20日 木曜日 9月23日 火曜日
2026年(令和8年) 3月20日 金曜日 9月23日 水曜日
2027年(令和9年) 3月21日 日曜日 9月23日 木曜日
2028年(令和10年) 3月20日 月曜日 9月22日 金曜日
2029年(令和11年) 3月20日 火曜日 9月23日 日曜日
2030年(令和12年) 3月20日 水曜日 9月23日 月曜日
2031年(令和13年) 3月21日 金曜日 9月23日 火曜日
2032年(令和14年) 3月20日 土曜日 9月22日 水曜日
2033年(令和15年) 3月20日 日曜日 9月23日 金曜日
2034年(令和16年) 3月20日 月曜日 9月23日 土曜日
2035年(令和17年) 3月21日 水曜日 9月23日 日曜日
2036年(令和18年) 3月20日 木曜日 9月22日 月曜日

1900年から2299年までの春分日[編集]

日付は日本標準時に基づく。 1999年と2000年の間に段差が生じないのは、2000年が400年毎の世紀末閏年のためである。

西暦年 西暦年を4で割った余り
0 1 2 3
1900年 - 1923年 21日 21日 21日 22日
1924年 - 1959年 21日 21日 21日 21日
1960年 - 1991年 20日 21日 21日 21日
1992年 - 2023年 20日 20日 21日 21日
2024年 - 2055年 20日 20日 20日 21日
2056年 - 2091年 20日 20日 20日 20日
2092年 - 2099年 19日 20日 20日 20日
2100年 - 2123年 20日 21日 21日 21日
2124年 - 2155年 20日 20日 21日 21日
2156年 - 2187年 20日 20日 20日 21日
2188年 - 2199年 20日 20日 20日 20日
2200年 - 2223年 21日 21日 21日 21日
2224年 - 2255年 20日 21日 21日 21日
2256年 - 2287年 20日 20日 21日 21日
2288年 - 2299年 20日 20日 20日 21日

潮位の基準[編集]

海岸法(昭和31年法律第101号)第3条第3項は、海岸保全区域の指定における満潮時・干潮時は、指定の日の属する年の春分の日の満潮時・干潮時を基準とすると定めている。

行事[編集]

仏教各派ではこの日「春季彼岸会」が行われ、宗派問わず墓参りをする人も多い。

ノウルーズ[編集]

ノウルーズペルシア語: نوروز、nowrūz‎)は、イラン暦の元日。太陽春分点を通過する春分の日に当たり、農事暦上重要であることから、イランを中心に、かつてペルシア帝国の文化的影響下にあった中央アジアからアフリカまでに及ぶ広い地域で祝われる祭日である。国際連合総会は、2010年2月23日にこの日を「ノウルーズ国際デー」として正式に承認している[3]。 日本の例では在日クルド人埼玉県蕨市(2016年まで)[4][5]川口市(2017年から)[6] でノウルーズを祝うために集まる。

関連する慣用句など[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 「春分日」とは、太陽が春分点(黄経0度)に位置する瞬間を含む日を指す。

出典[編集]

  1. ^ 『祝日法』第3条台1項。
  2. ^ 閣議案件は、首相官邸HP 閣議 で公表されている。
  3. ^ 国際連合総会 (2010年2月23日). “General Assembly Recognizes 21 March as International Day of Nowruz”. 2013年5月7日閲覧。
  4. ^ 【Newroz】これがワラビスタンの新年祭だ! - YouTube
  5. ^ Newroz at Warabi Citizen Park in 2016 (Part 1) - YouTube
  6. ^ Newroz 2017 at Cupola Plaza in Kawaguchi City - YouTube

関連項目[編集]

外部リンク[編集]