東笠山

東笠山
標高 1687 m
所在地 日本の旗 日本
富山県富山市
位置 北緯36度29分23秒 東経137度23分23秒 / 北緯36.48972度 東経137.38972度 / 36.48972; 137.38972座標: 北緯36度29分23秒 東経137度23分23秒 / 北緯36.48972度 東経137.38972度 / 36.48972; 137.38972
東笠山の位置(日本内)
東笠山
の位置
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東笠山(ひがしかさやま)は、富山県富山市の熊野川源流部にある山。標高は1687m。越中の百山の一つ。穏やかな山頂には高層湿原に分類される草原が広がり、高山植物が多く自生する。

概要[編集]

隣の西笠山(1697m)とほぼ同じ高さで向かいあっているが、西笠山と比べると富山平野からは見えにくい。

東笠山は森林限界でないにもかかわらず山頂に長径200m、約3haの広大な草原が広がる。これは強い季節風による作用(風衝草原)と有峰層という地層が植物が生長しにくい強酸性土壌(ポドゾル)による作用によると考えられてる。なお、隣の西笠山にも一部草原が見られるものの、大半はハイマツ帯であり、東笠山とは植生が異なる。

草原である山頂は展望に優れ、360度山を見渡せる。

東笠山と西笠山の間はかつての有峰街道のルートであり、一部その跡が残っている。

生態[編集]

広大な山頂草原に、ニッコウキスゲワタスゲモウセンゴケイワイチョウタテヤマリンドウチングルマなどの多様な高山植物が自生する。この植生は立山の弥陀ヶ原のものに似る。また、特異なのはヒメシャクナゲの群生が見られることで、この群生は弥陀ヶ原など近隣の湿原には見られない[1]

山の中腹の植生ははササが多いが、沢沿いにミズバショウが生えている。

山頂は有峰屈指のギフチョウ大群生地として知られている。

「原生林もしくはそれに近い自然林」かつ「特殊な立地に特有な植物群落」として、東笠山の湿性植物群落が富山県の特定植物群落に指定された。

主な高山植物[編集]

 地質 [編集]

山嶺部では安山岩類の普通輝石角閃石石英安山岩が貫入しており、山麓部は白亜紀の砂岩・頁岩の互層(和佐府互層)から成っている[2]

登山[編集]

登山道はなく、有峰林道小口川線から延祐ダム湖(延祐貯水池)から沢を詰めて登ると約1時間半で山頂に至る。一部藪漕ぎが必要なものの、無雪期でも十分登ることが出来る。

参考文献[編集]

  • 『富山県山名録』 桂書房
  • 『富山の百山』 北日本新聞社

脚注[編集]

  1. ^  『富山県山名録』 桂書房、2000年、179-180頁。
  2. ^ 5 萬分の1地質図幅説明書 東茂住 53頁 1958年 地質研究所

関連項目[編集]