柳生一族の陰謀

柳生一族の陰謀』(やぎゅういちぞくのいんぼう)は、1978年日本映画、及び同年から1979年までテレビ映画として放送された時代劇

映画は主演萬屋錦之介[1][2][3]千葉真一[1][4][5]監督深作欣二製作東映カラー・ワイド・シネマスコープ。上映時間:130分。英語タイトルは『Shogun's Samurai 』。( ⇒ #映画

テレビ映画はKTVの開局20周年記念番組として制作され、千葉真一の主演は変わらず、FNSにて1978年10月3日から翌1979年6月26日までの毎週火曜日22:00 - 22:54に全39話が放映された。英語タイトルは『The Yagyu Conspiracy』。千葉にとってテレビ時代劇初出演作品となった。( ⇒ #テレビ映画

このころ、小説漫画の他メディアによる#派生作品も出版された。

30年後の2008年#テレビ朝日版2012年2013年には#演劇で二部作が上演され、2020年BSプレミアム#NHK版、などのリメイクがされている。

映画[編集]

柳生一族の陰謀
Shogun's Samurai
監督 深作欣二
脚本 野上龍雄
松田寛夫
深作欣二
ナレーター 鈴木瑞穂
出演者 萬屋錦之介
千葉真一
松方弘樹
西郷輝彦
大原麗子
原田芳雄
丹波哲郎
芦田伸介
山田五十鈴
三船敏郎
音楽 津島利章
撮影 中島徹
編集 市田勇
製作会社 東映
配給 日本の旗 東映
公開 日本の旗 1978年1月21日
上映時間 130分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
製作費 #予算
興行収入 日本の旗 30億円[6]
配給収入 16億2100万円[7]〜16億5000万円[8]
テンプレートを表示

映画・演劇・テレビ界の豪華スター陣を結集し[9]、東映が威信を賭けて時代劇復興を目指して12年ぶりに製作した巨篇[9][10]徳川幕府で発生した兄弟による三代将軍位争奪戦を基に[9]、実在した歴史上の人物と史実をフィクションで織り交ぜ[11]、権力に生きる柳生一族の存続を賭けた壮大なドラマは30億円の興行収入を上げ大ヒットした[6][12][13]配給収入では16億2100〜5000万円で同年の邦画配給収入3位になった[注釈 1]

公開翌年に開催された第2回日本アカデミー賞では、萬屋錦之介が優秀主演男優賞、千葉真一が優秀助演男優賞、野上龍雄松田寛夫深作欣二が優秀脚本賞、美術監督の井川徳道が優秀技術賞を受賞した。

ストーリー[編集]

元和9年(1623年)、ニ代将軍徳川秀忠が急死。公には「食あたり」とされた。三代将軍には普通なら長男・家光になるはずが、あざの風貌とどもりという体から、秀忠と妻・崇源院於江与に疎まれていた。両親は眉目秀麗な次男・駿河大納言忠長を愛し、後継に据えようと目論み、これを尾張大納言義直尾張紀伊水戸御三家と筆頭老中・土井大炊頭利勝ら老臣一派が期待・支持していた。この動きに対し、若手老中松平伊豆守信綱や家光の乳母で大奥に威勢を張る春日局ら一派は、家光を推してゆずらなかった。後継将軍争いには幕府の権威失墜を期待する京都宮中の一派らの思惑も絡み、大坂夏の陣以来十余年の安定に馴れた天下は、ここに再び動乱の兆を見せ始めていたのである。

大炊頭はお毒見役の死と併せ、秀忠の死に疑念を抱き、渡辺半蔵らに霊廟の遺体から証拠となる胃袋を取り出すよう命じたが、同様な疑いを持っていた家光の剣術指南役・柳生但馬守が、次男・左門、三男・又十郎、末娘・茜らを使い、証拠を奪い返されてしまう。胃から毒を検出した但馬は、伊豆守と春日局の謀と推し量り、来るべく暗闘に備え、武者修行で旅する長男・十兵衛を呼び戻し、所領回復を悲願とする根来左源太率いる根来衆にも加勢を要請する密書を送っていた。

登城すると但馬守は、伊豆守と春日局を問い詰め、その陰謀を聞き出す。その後、この場に呼び出された家光は「秀忠が家光を廃嫡し、忠長を将軍に据えようとしたので、守るために先手を打って毒殺した」と聞かされた。驚愕の真相に一旦は「将軍位には就けない」と拒み、但馬・伊豆・春日を罰しようとするが、将軍の権威と宿命を説く但馬に感化され、彼らと共にあらゆる手を使ってでも将軍になろうと決意する。

一方、忠長は兄を押しのけてまで将軍となることに消極的だった。しかし大炊頭から父の死の疑念を聞かされ、事の大きさと天下万民安寧のために、大炊頭と共に家光と面会し、秀忠の遺体を検めるべきだと具申する。これに対し家光と伊豆・春日は毒殺を取るに足らない噂と否定し、「御遺体を検めるのは嗣子として認めない」と言明。忠長と大炊頭は謀殺を確信し、家光と将軍争いすると決め、崇源院を連れ、駿府藩へ帰国。大炊頭も「病気保養」で暇を申請し、老中を退き、幕府を去った。家光は対抗策として伊豆を筆頭老中に、但馬を大目付に据えた。

伊豆守と春日局は十兵衛と左門を護衛につけてへ上り、家光への将軍宣下朝廷へ促すが、窓口の九条関白三条大納言烏丸少将らは「兄弟が仲直りすることが宣下の条件」と繰り返すばかり。朝廷は家光(江戸)と忠長(駿河)のどちらにも肩入れしないと表面上、装っていた。

兄弟の争いは世間に知れ渡り、駿河藩には仕官目的の浪人が集まり出す。その中には大坂の陣で活躍した天野刑部もおり、藩内には不穏な空気が漂い、潜入していた根来衆は柳生に逐一報告していた。藩番頭別木庄左衛門は江戸へ付け入る口実を与えぬよう、浪人たちを追い出そうとする。忠長は愛人でもある出雲の阿国の念仏踊りを観覧する会に義直、三条、烏丸を招待し、併せて江戸の動向と対策を練る。大炊頭は忠長と伊達政宗の息女・牟宇姫との組をまとめ、北の備えを万全にし、長州の毛利、加賀の前田を味方にしようと旅支度をする。忠長は大炊頭が戻ってきたら、江戸と勝負すると宣言。そして柳生と同門の小笠原玄信斎を雇い、将軍家剣法指南役を条件に家光と但馬の抹殺を命じた。

大炊頭暗殺を父から命令された左門と茜は根来衆と合流し、駿府城から出てきた大炊頭一行を襲撃。そこに居合わせた烏丸少将がさえぎり、左門は斬殺された。茜は兄の仇と大炊頭を討つ決意をし、遺髪を江戸へ送り、仔細を報告。十兵衛は烏丸が剣の達人であったことに驚きながら、茜ひとりでは負担が大きいと向かう準備をする。この時、玄信斎は柳生屋敷へ侵入。十兵衛と斬り合い、その左目を失明させるが、自身も左腕に重傷を負い、退却した。玄信斎は役者になっていた義理の息子・雪之丞を自分に代わり、家光の暗殺をさせようと大奥へ潜入させる。侍女に化けた雪之丞は家光を襲うが、護衛についていた根来衆のくノ一・マンが阻み、但馬が討ち取った。

左目に眼帯をした十兵衛は但馬と又十郎に家光の警護をまかせ、茜の救援に向かう。十兵衛、茜、左源太、ハヤテら根来衆は身延道を行く大炊頭一行を待ち伏せ、襲う。茜が大炊頭と刺し違えて討ち取るが、この戦いでは左源太が半蔵に斬られ、死亡した。家光は左門と茜の死を但馬に詫びるが、但馬は「将軍として未熟」と逆に叱責する。家光は更に非情となっていく。

但馬は京都(朝廷)が将軍宣下を遅らせているので、十兵衛を京都に遣わす。京都では九条関白・三条大納言・烏丸少将が帝に、江戸と駿河とつかず離れずの関係を装いながら、兄弟対立を煽り、徳川幕府の弱体化と王政復古を果たすと報告。宮中一の切れ者の烏丸自身が不満を抱く薩摩・長州など西国諸藩をまとめようと詔勅を持って下向。これを十兵衛は待ち伏せし、烏丸と一騎打ちをして討ち取り、左門の仇討ちも果たした。

武士恐るべしと動揺した朝廷は、江戸へ下らせた三条大納言に「兄弟対立を煽ったり、西国諸藩に錦旗を掲げさせ、幕府転覆を図っている」という風評は、根も葉もない噂と弁明させる。これに付け込んだ但馬は、家光自ら帝に謝罪し、その上で将軍宣下を承ると三条の言質を取ってしまった。これを知った忠長は、地の利を活かし、家光より先に上洛し、主上の前で理非を正すと家臣に説明。別木庄左衛門は供揃えなど諸事万端整えてあり、いつでも出立できると具申する。

駿府城下に集まっていた浪人集団には、名護屋山三郎の姿もあった。出雲のお国が忠長を諦めきれないのを見て、今一度立身出世を目指し、お国と別れたのだ。ところが忠長は戦をしないという風聞が流れ、浪人たちは出世の道が開けないとイライラしだす。そんな状況を狙って、忠長の家来に化けた又十郎と根来衆が、天野刑部と浪人たちに五十丁の鉄砲を手渡していた。そして忠長の命と称し、表立って兵は出せないが、家光・三条の行列を襲うよう、伝える。手柄を立て、仕官を夢見る浪人たちの心理を煽る但馬の謀略であった。

家光・三条一行が三島を出立した同時刻、忠長一行も駿府城を出発していた。家光・三条一行が駿河国・黄瀬川に足を踏み入れると、血気盛んな天野隊が襲撃。家光の籠に襲い掛かる山三郎と浪人たちだが、中に家光は乗っておらず、罠と気づく。その時、又十郎が指揮する鉄砲隊が天野隊を次々と返り討ちにしていた。三条大納言は護衛されず放置され、天野隊の浪人に刺殺されていた。但馬は襲撃者が一人も生きていないか、念入りに又十郎に確認させる。京都へ向かう忠長一行はこの暴挙を知り、駿府へあわてて引き返す。小田原城に居た家光は「忠長の暴挙による勅使殺害は、天人ともに許し難く、忠長と一戦も辞さず」と諸大名へ檄を飛ばし、自分へ味方するよう要請するが、全て但馬の献策によるものである。

打つ手がない忠長は籠城を余儀なくされていたが、密かに訪れた尾張義直は忠長に味方する大名はいないとを説明し、開城を促した。忠長は家臣2万のために無条件開城を受け入れるが、この不条理に納得がいかない別木は、忠長と主従の縁を切り、単身で包囲隊に立ち向かい、討ち死にした。

忠長は上州高崎に配流され、そのころ役割を終えた根来衆は柳生の庄・黒谷へ戻り、十兵衛は亡くなった根来衆を弔った後、奉公を拒み、武者修行と称し、再び旅立っていく。家光の天下に帰したかに見えたが、天野隊で唯一生き残り、盲目となった山三郎は阿国に付き添われ、名古屋城へ行った。忠長の助命嘆願で義直を訪ねた阿国は、山三郎に黄瀬川の襲撃は忠長を陥れる陰謀と直訴させた。山三郎は鉄砲を配った者たちに根来佐源太の下人がいて、不審に思い、調べると、かつて駿河藩に根来衆が雇われた形跡は全く無いと言上した。

義直は紀伊水戸御三家と共にに伊豆・但馬を呼び出し、山三郎から訴えられた陰謀を追及するが、但馬は「根来衆と関りはない」と全否定。この説明に納得がいかぬ義直は、今一度調べ、忠長が無実と判明した暁には御三家の威信をかけ、事の理非を正すと宣言。不安に駆られる伊豆を押しとどめ、但馬は全てを闇に葬るため、又十郎に生き残りの根来衆を虐殺するよう命じる。但馬自身は高崎へ向かい、忠長へ切腹を申し渡す使者となっていた。忠長が死ぬと、愛人の阿国も殉死、山三郎は見届けた但馬を罵る。この時、玄信斎が現れ、場を替えて但馬と対決。但馬は一刀両断で玄信斎を倒した。

又十郎は門人を引き連れて根来衆が住む山あいへ向かい、女子供も含め容赦なく殲滅する。放浪の旅から戻ってきた十兵衛は、根来衆が住んでいた場の惨劇に驚いて落涙し、生き残ったハヤテやマンから又十郎らに襲われた顛末を泣きながら訴えられる。根来衆と家族同様に接してきた十兵衛にとって、父・但馬守の所業は許せぬものだった。家光は宣下を受け、将軍に就任。式後、家光はこれまでの私情無用の所業を後悔をしていないと、父・秀忠の仏前に独り語りかけていた。その居室に十兵衛が推参する。

但馬は城内の道場で家光が三代将軍に就いた感慨に浸っていた矢先、十兵衛が現れる、訝しがる但馬に十兵衛は「こんなもののために左門や茜、根来衆は死なねばならなかったのか!?」と父の所業を詰問。そして「おれもあなたの、父上の、大切な夢をぶち壊したぁ!」と言い放つやいなや、編笠に隠していた家光の首を放り投げる。「おのれぇー!」と怒り心頭に発した但馬は、十兵衛を叩き斬ろうと刀を掴む。が、いち早く十兵衛は宗矩の右手首を一刀両断。何事もなかったかのように去っていく十兵衛。但馬はまだ信じられず、家光の首に「上様ぁ~!三代将軍様ぁ~!」と錯乱しながら呼びかける。ほどなく家光を探しに来た伊豆守や春日局ら家臣らは、残った左手で御首を抱きかかえる但馬をみて、驚愕し泣き叫びだす。ふらふらと歩き出した但馬は「お騒ぎあるな。何事も起こってはおらん。これは夢でござる。かかる悪夢に惑わされてはならん。今日(こんにち)、この日、この只今、徳川の天下(てんが)は大盤石の重きについた。斯様なことのあり得ようはずがござらん。夢だ、夢だ、夢だ夢だ夢だ〜、夢でござ〜る!」と叫び、一同を静まらせようとしていた。

「家光の首が落ちた」と、徳川公式文書には記されていない。しかし支配者への反逆は、歴史には記載されないことが多いのである。

出演[編集]

クレジットタイトル

主演
助演(クレジットで役名表記あり)
助演(クレジットで役名表記の無い出演者)
ノンクレジット

スタッフ[編集]

受賞[編集]

第2回日本アカデミー賞

製作[編集]

経緯[編集]

1970年半ば、邦画では東宝角川映画の大作が成功しており、東映も後追いするが失敗[15][16][17]ヤクザ映画もネタ切れし、万事休すとなっていた[16][17]東映京都撮影所(以下、京撮)で久しぶりに時代劇を復活させたいと目論んでいた高岩淡[16]、『浪人街』の製作に頓挫[注釈 3]。別の時代劇を検討している矢先[18]千葉真一は「時代劇をやりたい」と柳生十兵衛三厳を演じ[18][19][20][21]、本作のベースとなる企画『裏柳生』を[21][22][23][24]深作欣二へ提出していた[18][20][21][22][23][24]。深作はテレビ時代劇『必殺仕掛人』を既に演出していたが、映画でこれまで手掛けていない時代劇を撮りたいと想いがあり[25]日下部五朗と共に新しい時代劇映画を模索していた[18]

そんな折、高岩・日下部・深作は岡田茂から「久々に時代劇をやろう。ヤクザ映画も行き詰ったしな。山本薩夫の『忍びの者』みたいな忍者映画を考えたらどうや?[18]」と渡りに舟の提案をされる[17][18]。このときのやりとりを日下部は岡田や深作とパーディーで立ち話をしていたら、「久しぶりに時代劇はどうやろ。千葉真一で忍者ものなんかどうかなあ」「単発で現代ものをやるより可能性があるかもしれない」「いっそ『仁義なき戦い』を時代劇にしてしまえばいい」という話になり、「あれこれ企画を煮詰めていくうちに忍者ものより幅が広がり、『柳生一族の陰謀』になって動き出した」と述べている[26]。高岩は1977年3月に岡田から「いよいよ時代劇をやろうか。『柳生十兵衛』とか、忍者ものなんかいいんじゃないか」と言われ、「白土三平の『カムイ伝』なんか面白いんじゃないかと考えていたが、とにかく時代の背景を大きくしようということで本作は進んだ」と答えている[27]

骨子[編集]

高岩淡・深作欣二・日下部五朗に松平乗道が加わり、企画会議が開かれた[18][19]。彼らは岡田茂の言う忍者映画を今更やるのはおもしろくないと考え、日下部から時代劇で『仁義なき戦い』のような陰謀と裏切りが錯綜する抗争を繰り広げる、松平からは徳川三代将軍の兄弟争いとそれぞれ提案された[19][28][29]。家光を将軍にするために暗躍する柳生但馬守宗矩を悪の主人公に、父の下で働きながらその非情さに怒って最後には裏切る柳生十兵衛三厳を善の主人公にしながら、その頃の歴史上の人物が入り乱れる構成にしようと決定[28]。ラストをどうするかで紛糾したが[30]、日下部は「悪い奴には死んでもらうしかない[6][30]」、「父に怒った十兵衛が、将軍となった家光の首を飛ばす[28]」とアイデアを出した。こうして前代未聞の大どんでん返しの結末が出来上がり[6][28][30]、本作の骨格が固まる[31]。『ゴッドファーザー』の「マフィアが言うことを聞かない相手の愛馬の首を斬り、彼が起床するとベッドにその首が血まみれで包まれてる」という内容が日下部は大好きで、前年の『日本の首領』で取り入れていたものの、そのシーンを物足りなく思っていた[28]。「(宗矩にとって)最も大切なもの(家光)の首が飛ぶからおもしろい。これくらいのことをやらないと、今の客は驚かない[28]」と日下部は主張し、言われた深作も「あれだけ魑魅魍魎が出てくると、それぐらいのエンディングでないと収まりがつかない」と述べている[32]

本作に乗り気満々の深作欣二は劇画ドーベルマン刑事』の映画化中、千葉真一(同作主演)と深作を表敬訪問した作者の平松伸二に「『ドーベルマン刑事』もいいんだが、この後に撮る『柳生一族の陰謀』ってのが、これまた面白くなりそうでねえ~!」と話しており、平松は「『ドーベルマン刑事』より、(本作ばかりを)熱く語っていた」と証言している[33]。一緒に脚本を手掛けた野上龍雄松田寛夫とも、「スムーズに執筆が進んだ」と深作は回想していた[29]徳川家光吃音というキャラクターにしたのは、「自身が吃音である野上のアイデア」と井上淳一は紹介しているが[34]松方弘樹は「弟の徳川忠長はいい男で、家光は人望がなく、風貌もよくないという設定なので、『顔に痣があり、吃音でやりたい』と深作欣二監督に言うと、『おお、いいな』と乗ってくれた」と語っている[35]。本作タイトルは岡田がつけた[36]

キャスティング[編集]

主演[編集]

柳生十兵衛三厳を千葉真一に配役することは、早々に決まった[19][37]。深作欣二はかねてから戦後の娯楽時代劇に否定的で、いつの日か、東映調のチャンバラ映画ではなく、黒澤リアリズムとも違う、もっとテンポのあるアクション時代劇を作りたいという強い願望から「その期待に応えられる俳優は千葉真一、ただ一人しかない」と見定めていた[38]。後年、深作は千葉の柳生十兵衛を「いきなり時代劇をやったが[注釈 4]、成果を上げて、良かった」と評している[39]。千葉にとって十兵衛は十八番の一つになり[40][41]、同作の#連続ドラマやテレビ時代劇『柳生あばれ旅シリーズ』、映画『魔界転生』、演劇柳生十兵衛 魔界転生』と演じていく[42][43][44][45]

もう一人の主人公である柳生但馬守宗矩は「時代劇を復活させるためにも、(東映時代劇)黄金期のスターである萬屋錦之介にしたい」と日下部五朗は望んでいた[37][46]。高岩淡も久々の時代劇であることから萬屋の出演を切望[10][19]。深作欣二は脚本を作り始めてしばらくしてから、岡田茂に宗矩の配役を相談した際に「歌舞伎の流れを汲んでいるし、後援会がしっかりしている」と萬屋を推薦されたと述べている[47]。岡田は中村プロがうまくいかない萬屋から出演を迫られ、そのとき本作を当てがったと証言している[48][49]。日下部は萬屋と面識がなかったので、萬屋の『一心太助』から付き合いのある高岩が交渉[19][37]。東映時代に絶対的なヒーローばかり演じてきた萬屋が、ダーティーな役を引き受けてくれるか不安だった日下部は、断られた時の代役に仲代達矢、仲代がダメなら鶴田浩二を想定していた[37]。しかし萬屋は東映を離れてから他の重役が冷たかったのに対し、高岩の以前と変わらず暖かく接してきた態度に感謝し、高岩のオファーなら喜んで受けると快諾[19][38][50]。12年ぶりに復帰する萬屋を京撮は喜んで迎え入れた[38]。萬屋が宗矩を演じるのは1971年の大河ドラマ春の坂道』に続く二度目で、1982年のテレビ時代劇『柳生新陰流』でも演じた。

萬屋錦之介と千葉真一が上記主演した作品以外でも、彼らは宗矩と十兵衛で出演している( ⇒ #関連項目)。

助演[編集]

深作欣二は時代劇でも現代劇的な要素を持ったトーンを狙い[51]、新感覚の時代劇とするため[52]金子信雄高橋悦史芦田伸介西郷輝彦[52]、現代劇を中心に活躍する俳優を多くキャスティングした[52][53]

日下部五朗は東映にとって久々の時代劇映画だから、オールスターキャストで超大作という目論見があり、山田五十鈴帝国劇場に訪ねて出演依頼をすると、「東映には昔、随分と世話になったし、出番は少なめで」という条件で受けてもらった[54]出雲の阿国には、初め吉永小百合へオファーしていた[54]。しかし吉永から三浦友和を相手役に要求され、三浦が所属していた東宝と交渉するものの、東宝の了解を得られず、吉永の出演は流れた[54]

製作発表前に読売新聞は、坂東玉三郎には『雪之丞変化』のような忍者を演じてもらう、他には大川橋蔵片岡千恵蔵北大路欣也京マチ子佐久間良子三田佳子らにオファーしていると報道していた[55]。実際の製作発表会見では、貼り出された出演者一覧に三國連太郎大滝秀治山城新伍もあった[46]。結果的にこれらの俳優は出演していないが、日下部は「ほぼ狙い通りの大キャスティングができた[54]」と述べている。

撮影[編集]

かつて「時代劇の東映」と云われた、黄金期の京撮さながらに豪華なセットがしつらわれて、衣裳なども取って置きの物が用意された[11][56]。膨大な製作費の捻出のため東映太秦映画村との共同で製作された[57][58][59]。京都の時代劇を残していきたい、復興させたいという活動屋たちの情熱の全てが、この作品に注がれていた[10]

殺陣を担当する東映剣会は12年ぶりの時代劇ということもあり、上野隆三三好郁夫土井淳之祐菅原俊夫で場面場面の殺陣を競い合うことを提案[60]。深作欣二も賛成したが予算の兼ね合いで、菅原が柳生十兵衛の殺陣を、上野が大掛かりな乱闘シーンを担当することになった[60]。千葉真一と空手映画から付き合いが深かった菅原は千葉の身体能力を活かしながらも、政治抗争劇の主軸から外れぬ範囲の殺陣を基本とした[61]。十兵衛はオリンピック選手を超越したような忍者の動きや戦いをするものの、剣の鋭さをあくまでも主とし、これらはワイヤーアクショントランポリンを使って作り上げていく[61]。千葉は本作で20mからへ飛び込むスタントをしているが、アクション監督として参画した1989年の映画『将軍家光の乱心 激突』ではこのスタントをアレンジして再現している[62]。一方の上野は『仁義なき戦い』以来続いてきた深作とのコンビで、集団の戦闘である戦(いくさ)を激しい絵で仕上げていった[63]

入念に演出する深作欣二は「萬屋錦之介がひとりで廊下を歩くだけのシーン」を7回リテイクし萬屋と衝突[11]歌舞伎さながらの時代がかかった萬屋の台詞回しは、松平伊豆守の高橋悦史が肩の力を抜く現代的なセリフ回しをしていたのと対照的に、萬屋の作り込み具合は浮いていた[64][65]録音技師溝口正義が深作に「これでいいんですか?」と耳打ちをし[30][53]、深作は「もっと現代劇に近づけるやり方はないでしょうか」と萬屋に伝えたが[52]、「他の方は知りませんが、私はこれでやらせていただきます」と返答される[30][52][53]。時代劇経験が豊富な萬屋には、本作の無慈悲な陰謀劇は面白くもあれ滑稽でもあり、普通に演じたら映画全体が失敗すると感じており、監督に逆らい、陰惨な所業を司る自分を笑い飛ばしてくれと言わんばかりの過剰すぎる一世一代の大見得芝居を貫き通した[66]。深作は日下部五朗に「萬屋を降ろしたい」と相談するが、「これまで巨匠と云われた田坂具隆内田吐夢伊藤大輔が萬屋を使いこなしてきた。現在の巨匠である深作欣二にもできる」と逆に諭された[67]。これ以降、深作は萬屋の演技を言及することはなく、どう活かすか切り換えていく[52]。萬屋の演技はラストの「夢でござ〜る!」への逆算で、このシーンだけ歌舞伎さながらの台詞は観客の心を動かさないと考えての布石だった[68]。その狂気の熱演に深作も「OK!」と叫び、返す刀で日下部に謝意を示していた[67]。この台詞は当時流行語になったが[69]、2007年現在では萬屋の台詞回しはさほど違和感を感じない[3]

予算[編集]

当初は京撮から1億円と東映太秦映画村の二周年記念事業として1億円の計2億円を準備したが[10]、『週刊文春』と『ロードショー』は7億円[70][71]、『キネマ旬報』では製作総原価7億5000万円[注釈 5]中川右介は製作総原価(製作費+P&A費)を9億7000万円[8]、と文献により金額は異なるが、最終的に7億円以上を費やされた。

京撮はテレビ時代劇を量産していた装置を活用するつもりだったが、映画とテレビでの画幅の違いで流用できなかった[73]。2年前の映画村開村の際に倉庫にしまってあった時代劇の装置(トラック16台分)を破棄しており、衣装・美術品もほとんど処分されていたため[71][73]、柱から畳一枚に至るまで新調した[73]江戸城大広間400畳の座敷を再現するのは現代のとサイズが違い全て特注、一枚8万円[71][73]。武士の服装は草鞋を含み、カツラ合わせて一人約35万円[71]。江戸城にふさわしいヒノキを使ったセットも必要で、ロケもかつてのように太秦近辺で撮れないので、滋賀県の山奥で撮影[71]。馬を集めるのも難しく、借り賃は時代劇全盛期の10倍かかり、出費がかさんだ[71][73]。俳優のギャラは約1億円[74]。「馬一頭借りるのに一日5万円」、「時代劇は金がかかる。だからこそ、予算のチェックは厳重にやらなあかん」と連日、岡田茂はそろばんで計算し。京撮の製作部長に戻ったような小心翼々ぶりだった[75]。人気スターはほとんど東京に居を構えていたため[74]、京撮までの新幹線交通費と宿泊代がうち3000万円[74]。節約の対象はスター俳優以外の人件費に向けられた[73]

興行[編集]

国内では初日に銀座で雪が降っていたものの、東映会館を囲む観客の列は三回りに達していた[76]。前夜から眠れなかった岡田茂は「時代劇は当たらないという映画界のタブーを破ることができた」と喜んでいた[75]。沈滞ムードだった京撮にも活気が蘇った[77]。時代劇はリスクが高いため、太秦映画村で当たった利益の半分を製作費に注ぎ込み税金対策とするつもりが、ヒットしすぎて税金対策にならなかった[78]

ネット配信ではYouTube「東映時代劇YouTube」の登録者15万人を記念して、2022年4月10日から同年同月17日まで期間限定無料配信が行われた。

影響[編集]

サミュエル・L・ジャクソン2012年アベンジャーズ』で扮した片目にアイパッチの役柄について、「キャラクターの名前は忘れてしまったんだけれど、ソニー千葉(千葉真一)が昔演じたアイパッチのサムライは少し参考にしたね。彼は親しい友人だし、タフガイを演じる時にはいつも彼の演技を参考にさせてもらっているんだ。カリスマ的な存在感のある、最高にクールな俳優だと思うよ」と答えている[79]秋山幸二は「あなたにとってサムライとは?」という問いに「千葉真一の柳生十兵衛だな。生きるか死ぬか究極の真剣勝負というイメージがいいな」と話した[80]

深作健太は「僕が初めて太秦の東映京都撮影所に行ったのは5歳ぐらいのときで、柳生十兵衛の格好をした千葉真一さんや大部屋の俳優さんたちにお会いした。撮影所はなんて楽しいところなんだと子ども心に感じ、大人になったらこの世界で仕事をしたいと初めて思った。完成した『柳生一族の陰謀』は初めて観た親父の映画で、撮影所で遊んでくれていた千葉さんや真田広之さんたちがスクリーンの中で輝いていることに感動した。親父にとっても初めての本格的な時代劇映画で、ものすごい意気込みで臨んでいたと思う。今、観ても俳優さんの層が信じられないほど厚い」と振り返っている[81]

アン・ホイは大きな影響を受けた映画に『ワイルドバンチ』、『七人の侍』とともに本作を挙げている[82]

エピソード[編集]

製作発表は主演の萬屋錦之介・千葉真一、助演のキャスト、監督の深作欣二、社長の岡田茂らが出席し、東映本社で1977年9月に開かれたが、通常の記者会見と比べ、芸能リポーターやカメラマンが多かった[70]。これは出演者の松方弘樹が仁科明子との不倫を取り沙汰されて以来、公の場に現れたためである[70]。質疑応答が松方の番になると、本作より仁科との関係を尋ねる質問が相次いだ[70]。会見が終わると松方は一目散にエレベーターに飛び乗るが、取材陣も殺到し、8階から1階までの降下中、松方を質問攻めにした[70]。東映は萬屋の特別会見場を用意していると繰り返し呼びかけたが、松方を追いまわす芸能リポーターには届かず、用意した部屋は閑散としていた[70]

国内公開初日を大入りで迎えることができ[46]、打ち上げの宴席で萬屋は席を外し、自分の母へ泣きながら電話をしていた[46][59][76]。その場に岡田もいて、萬屋と岡田は抱き合っていた[76]。かつて組合闘争で敵味方となり、袂を分かった関係だったが、映画の大成功により二人は恩讐の彼方であった[76]

2001年の正月、所用でロサンゼルスに滞在していた深作はクエンティン・タランティーノの自宅に招待され、ニュープリントとドルビーに修正して映写されている本作を観賞し、「手間味噌ながら、(本作の)迫力と面白さを再認識した」と述べている[83]

サウンドトラック[編集]

1978年にLPレコードで発売された。

2018年に本編使用楽曲の全曲収録に加え、1978年のTVドラマ版の音源を加えた2枚組の最終盤として商品化。ベテランエンジニアによる、マスターテープを使用した初の全曲デジタルリマスタリング。未発表曲も追加収録した、公開40周年記念・最終盤としてCD化された。

収録曲(1978年版)[編集]

柳生一族の陰謀
津島利章サウンドトラック
リリース
レーベル 東宝レコード
AX-5023
テンプレートを表示
  • Side:A
  1. 柳生一族のテーマ
  2. 暗雲
  3. 暗殺
  4. 白刃一閃
  5. 陰謀
  • SIde:B
  1. 家光と忠長
  2. 根来一族
  3. 城下の襲撃
  4. 大奥雪之丞
  5. ハヤテとマンのテーマ
  6. 黄瀬川の策略
  7. 開城
  8. 悪夢

収録曲(2018年版)[編集]

柳生一族の陰謀サウンドトラック
津島利章サウンドトラック
リリース
レーベル CINEMA-KAN Label
CINK60
テンプレートを表示
  • Disc1
  1. メイン・タイトル (M1)
  2. 暗雲~霊廟に躍る影 (M2、M3)
  3. 家光と但馬守 (M4)
  4. 柳生ノ庄~ハヤテとマン (M5、M6)
  5. 家光と忠長 (M8)
  6. 根来一族~ハヤテとマン (M9、M10A)
  7. 駿府城下、浪人の群れ~襲撃・烏丸少将文麿~茜の決意 (M12、M13、M14)
  8. 玄信斎の挑戦~大奥雪之丞~ハヤテとマン (M15T5、M16T2、M17)
  9. 身延道~茜の死 (M17AT2、M17BT2)
  10. 御所の烏丸少将文麿~十兵衛恐るべし~家光上洛 (M18、M19、M20AT2)
  11. 黄瀬川の策略 (M21)
  12. 謀ったな家光!~忠臣の最期~配流されし忠長 (M22T2、M23)
  13. 根来衆惨殺~虚無 (M24、M25T4)
  14. 但馬守と玄信斎の対決~三代将軍の座 (M26T2、M27)
  15. 悪夢 (M28)
  16. ボーナストラック - 未使用曲集 (M10T2、M11、M27)
  17. 柳生一族のテーマ
  18. 暗殺
  19. 白刃一閃
  20. 家光と忠長
  21. 根来一族
  22. 城下の襲撃
  23. 大奥雪之丞
  24. ハヤテとマンのテーマ
  25. 悪夢

※17から25は『柳生一族の陰謀』オリジナル・サウンドトラックレコードより抜粋

  • Disc2
  1. オープニング (オープニング)
  2. メインテーマ (M1テーマ95秒)
  3. 柳生一族 (M7、M14、M16)
  4. 旅路 (M51T2、M23)
  5. 包囲陣 (M5、M6)
  6. 権力者 (M22、M37)
  7. 忍びの衆 (M63、M33、M27)
  8. 刺客 (M21、M15)
  9. 攻防 (M13、M53)
  10. 悲しみ深く (M67、M28)
  11. 安らぎと喜び (M12、M8)
  12. 陰謀 (M52、M29、M17)
  13. 呪詛 (M60、M65)
  14. 罠 (M57、M58)
  15. 掟 (M35、M25)
  16. 幻惑 (M59、M38)
  17. 苦渋 (M24、M26T2)
  18. 静寂 (M56)
  19. 荒野を渉る (M55、M39)
  20. 悲哀 (M54、M62)
  21. 激戦の嵐 (M2、M4)
  22. 対決 (M3T2、M11)
  23. 戦いのあと (M30T2、M31)
  24. メインテーマ (クロージング) (M1テーマ)

テレビ映画[編集]

柳生一族の陰謀
The Yagyu Conspiracy
ジャンル 時代劇
脚本 エピソードリスト参照
監督 エピソードリスト参照
出演者 千葉真一
山村聡
オープニング 作曲:津島利章
「柳生一族の陰謀 メインテーマ」
エンディング 同上
時代設定 江戸時代寛永年間
製作
プロデューサー スタッフ参照
制作 KTV東映
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1978年10月3日 - 1979年6月26日
放送時間火曜日 22:00 - 22:54
放送枠関西テレビ制作火曜夜10時枠の連続ドラマ
放送分54分
回数39
柳生一族の陰謀

特記事項:
制作協力:ソニーチバ エンタープライズ[注釈 6]
テンプレートを表示

主演千葉真一制作KTV東映。千葉の他、志穂美悦子成田三樹夫高橋悦史が同じ役柄で引き続き出演。それ以外のキャスティングは大幅に入れ換え、矢吹二朗真田広之萬屋錦之介梅津栄金子信雄丹波哲郎工藤堅太郎らは異なる役柄で出演した。

ストーリー(テレビ映画)[編集]

二代将軍徳川秀忠の死後、息子たち・徳川家光(兄)と徳川忠長(弟)は跡継ぎを巡って血肉の争いをし始める。家光の剣法指南をしていた柳生但馬守宗矩は長男・柳生十兵衛三厳を呼び寄せ、江戸の柳生一族は家光側に加勢。彼らの体を張った奮闘もあり、家光は三代将軍に就任した。その功労者である十兵衛や宗矩らの力を恐れた松平伊豆守信綱は保身のため、あくまでも剣法指南役のみに留めて幕閣へ参政させない。一方、家光・忠長の争いで徳川幕府の分断を図った烏丸少将文麿は、今だ幕府を倒すことをあきらめておらず、暗躍し続ける。

烏丸少将以外にも幕府転覆を画策する豊臣の遺臣や、取り潰しされた大名の家臣から反幕府勢力となった浪人衆など次々と現れ、幕府に戦いを挑んできた。伊豆守は閑職に追いやっていた十兵衛や宗矩を再び利用し、反幕府勢力の殲滅を目論む。十兵衛とその配下である裏柳生衆たちは、命ぜられるままに立ちはだかる敵を次々と倒していくが、十兵衛は徐々に幕府のまつりごとに疑問を抱いていた。これはそれまで強い信頼で結ばれていた十兵衛と宗矩の関係にも歪が生じていくこととなり、やがて事件により十兵衛と宗矩は対立するようになる。一人娘の茜はその関係に悩み、板ばさみになるが、同時に茜は十兵衛に恋心が芽生え始めていた。

荒木又右衛門の一件以降、十兵衛は柳生家を出て行ってしまう。それでも宗矩は十兵衛の心情を理解し、放任していた。しかし伊豆守が、幕府の闇の仕事を一手に引き受けていた十兵衛を危険人物とみなし、「抹殺しろ」と宗矩に命じたことから、柳生一族の存亡を懸けて十兵衛と宗矩は望まぬ対決に向かっていくこととなる。

キャスト[編集]

※ ( ) の数字は登場話数で、無しは全話出演

レギュラー(セミレギュラー含)[編集]

柳生家[注釈 7]
根来衆
裏柳生
徳川幕府
京都公家
ナレーター

複数話ゲスト[編集]

エピソードリスト[編集]

※ゲストはクレジットタイトルに役名表記された出演者のみ記載。複数話を同じ配役で出演した場合は#複数話ゲストを参照。

No. 放映日 サブタイトル 監督 脚本 ゲスト
1 1978年
10月3日
将軍毒殺 深作欣二 野上龍雄 真田広之[注釈 14](服部兵馬)、萬屋錦之介徳川義直
2 10月10日 美女のいけにえ 松尾昭典 野上龍雄
志村正浩
片桐夕子(尼寺の庵主)、北上弥太朗(阿部正次
3 10月17日 駿府の黒い影 池広一夫 野上龍雄
志村正浩
天津敏(天野刑部)、小田部通麿(片禿)、伊吹吾郎別木庄左衛門
4 10月24日 大奥の妖女 池広一夫 志村正浩 早川絵美(千早)、島田歌穂(ぬい)、原ひさ子(照月尼)、阿井美千子(滝川)、睦五郎(鬼火竜軒)
5 10月31日 人質救出指令 鷹森立一 志村正浩 小林稔侍(赤井半四郎)、力石考(村雨陣十郎)、青木義朗(大野木弾正)、遠藤太津朗(三浦志摩守)
6 11月7日 根来忍者は死なず 池広一夫 山田隆之 山科ゆり(峯丸)、久永智子和子[注釈 16])、梅津栄(中院通村)、石橋雅史(大密寺黒玄)
7 11月14日 悪霊の城 松尾昭典 中村努 中村光輝保科正之)、遠藤真理子(薫)、原口剛(角倉主馬)、中丸忠雄(柳生新十郎)
8 11月21日 女豹の肌 松尾昭典 下飯坂菊馬 野平ゆき(美里)、内田稔(司長舟)、本山可久子(松島)、西尾美栄子(須磨)、川村真樹(美津)、滝沢双(相模次郎)、伊達三郎(脇坂修理)、志乃原良子(越路)
9 11月28日 旗本の首領ドン 池広一夫 中村勝行 早川雄三(大野主膳)、小林芳宏(加藤光正)、加藤和夫(中井半兵衛)、山岡徹也堀田加賀守)、小池三四郎[注釈 17]琉球武芸者)、鈴木瑞穂徳川頼宣)、金子信雄大久保彦左衛門忠教
10 12月5日 血ぬられた婚礼 池広一夫 山田隆之 峰岸徹(秋山高之進)、市毛良枝(千春)、川合伸旺(土田播磨守)、北村英三(秋山三左衛門)、平泉征(稲垣竹次郎)、北原義郎(秋山忠良)、北川めぐみ(雪江)、本山可久子(松島局)
11 12月12日 幻の混血美女 松尾昭典 山本英明 和崎俊哉(高力岩鬼)、サビーネ金子(コルネリア)、近藤宏(岩瀬将監)、稲葉義男(今井宗呑)
12 12月19日 赤い花が死を呼んだ 黒田義之 中村努 大門正明(正木源四郎)
13 12月26日 南海の女狐 黒田義之 野波静雄 江崎英子(お紺)、新海百合子(しのぶ)、橘麻紀(おつや)、森秋子(お万の方)、永野達雄(新納武蔵守)、牧冬吉(太吉)、唐沢民賢(白波屋彦右衛門)、国一太郎(加世田)、水島道太郎(伊集院頼母)
14 1979年
1月2日
魔性の館 松尾昭典 中村努 西沢利明(阿闍梨)、酒井靖乃(ふく)、白井滋郎(小杉威一郎)、野際陽子(松坂の局)、酒井和歌子千姫
15 1月9日 不倫の妖刀 牧口雄二 山田隆之 石橋蓮司柳生連也斎厳包)、奈三恭子(遊女菊橋)、守屋俊志(炭屋清兵衛)、原健策[注釈 9](柳生厳勝)、五十嵐義弘(徳川信康
16 1月16日 夜霧に鬼女が笛を吹く 松尾昭典 山田隆之 なべおさみ(鍋御門定春)、弓恵子(大御台依子)、清水めぐみ(お梅)、木村元万里小路充房)、大泉滉(洞院実平)、人見きよし(一条頼房)、伊達三郎(出石南條)、藤巻潤板倉周防守重宗
17 1月23日 白い毒蜘蛛 牧口雄二 山田隆之 山本由香利(琴姫)、八木孝子(お勢以の方)、佐藤蛾次郎[注釈 15](弓削作之助)、永井秀明(土屋吉延)、井上真由美(遊女)、菅貫太郎松平忠直)、香山武彦(清水房三郎)
18 1月30日 沈丁花は殺しの匂い[注釈 18] 鷹森立一 大津一郎
志村正浩
中島ゆたか(稲富あや)、神太郎(音羽伝介)、田口計(輪海)、安藤一人(稲富雷蔵)、小田部通麿(喜兵衛)
19 2月6日 髪のわな 松尾昭典 志村正浩 田中浩(二階堂刑部)、小林かおり(小夜姫)、岩尾正隆(工藤市之進)、加藤嘉伊達政宗
20 2月13日 花の吉原で何かが起こる? 工藤栄一 田中陽造 河原崎建三丹後守正勝)、鹿内孝(今出川公冬)、清水彰(庄司甚内)、千うらら(誰が袖)、金沢碧(薫太夫)
21 2月20日 夕焼けに恨みが残った 工藤栄一 志村正浩 川上夏代(落合徳)、荒砂ユキ(お紋)、天津敏(相良源之進)、丹波哲郎(落合丈之介)
22 2月27日 地獄を見た女 鷹森立一 下飯坂菊馬
志村正浩
紀比呂子(おもん)、寺田農(神保小四郎)、深江章喜(神尾備前守)、汐路章(源造)、野口貴史(田所)、片桐竜次(佐伯)、小林稔侍(大戸池)
23 3月6日 宮本武蔵の首を取れ! 黒田義之 中村努 工藤堅太郎(林外記)、藤岡重慶(堺屋太兵衛)、宮口二郎(町田)、溝田繁(鹿子木監物)、古見則彦(椿吉郎)、中尾ミエ(おえん)、天知茂宮本武蔵
24 3月13日 赤い薔薇ばらには手を出すな 牧口雄二 大久保昌一良
志村正浩
中島葵(熊野太夫)、藤間文彦(小次郎)
25 3月20日 禁じられた殺意 黒田義之 村尾昭 笑福亭仁鶴(仁平)、二宮さよ子(みね)、高野眞二(安藤弥九郎)、大木実荒木又右衛門
26 3月27日 幽霊船と消えた三十人 松尾昭典 飛鳥ひろし 石橋雅史(中城真武仁)、田中綾(おしの)、千葉敏郎(伊村頼母)、丘みつ子(真鶴)
27 4月3日 美女と野獣 牧口雄二 山田隆之 北村英三(徳兵衛)、ガッツ石松(藤倉真澄)
28 4月10日 闇に光る眼 松尾昭典 山本英明 京春上(天秀尼)、岐邑美沙子(初音)、天本英世(風魔鬼藤太)、鳳啓助(小助)、中村竹弥(秦式部)
29 4月17日 女忍の密書 牧口雄二 山田隆之 小野川公三郎(宇陀の烏)、桂三枝(三条兼枝)
30 4月24日 生きていた影武者 黒田義之 結束信二 有吉ひとみ(弥生)、草薙幸二郎(石山主計)、霧島八千代(栄照尼)、須賀不二男(岩田半兵衛)、桑原征平(征兵衛)、江見俊太郎(能美佐左衛門)、舟木一夫木下延由
31 5月1日 呪いの藁人形 黒田義之 山田隆之 絵沢萠子(雲奇)、川辺久造(板倉周防守)、大泉滉(洞院実平)、谷川みゆき(お菊)、松尾嘉代(蓮台さま)
32 5月8日 姿なき敵 志村正浩 飛鳥ひろし 佐野厚子(奈津)、日向明子(お澄)、北原義郎(米倉安芸守)、丘路千(満月重太夫)、ピーター(霞童子)
33 5月15日 黒猫の恐怖 志村正浩 志村正浩 千田孝之(丑松)、西山辰夫(大西典膳)、唐沢民賢(三宅徳之進)、筑波健(野崎重蔵)、桜むつ子(おとら)、池玲子(おれん)
34 5月22日 やわ肌の秘密 松尾昭典 山田隆之 加山麗子(お仙)、山科ゆり(お久)、かわいのどか(お紺)、藤真琴(お千香)、広京子(お門)、石田信之松下長綱)、伊沢一郎(西尾六角)、川合伸旺(奈垣の黒杖)、吉田豊明(多吉)、岩尾正隆(浪人 蜘蛛)、深作欣二(深海欣十郎)
35 5月29日 亡霊は深夜にすすり泣く 松尾昭典 筒井ともみ 細川俊夫(土岐左近)、町田祥子(滝江)、原泉(柏木)、吉田義夫(長雲)、早川絵美(きく)、富山真沙子(美代の方)、有川正治(田坂喜三郎)、宮城幸生(祈祷師)、中村錦司(笹井)、志垣太郎(土岐頼政)、山本みどり(春乃)
36 6月5日 烏丸少将の最期 黒田義之 山田隆之 水島彩子(お与津御寮人)、志賀勝(亀小路勝房)、早川雄三(牧野佐渡守)、根岸一正(赤螢ノ法眼)、山口恵子(広沢局)、福田善晴(公家
37 6月12日 柳生家最大の危機 黒田義之 村尾昭 加藤和夫(中津将監)、増田順司酒井山城守)、山村弘三(阿波屋清兵衛)、成瀬正(友田源三郎)、志茂山高也(須藤昌之進)、秋山勝俊(合力)、夏純子(おりょう)
38 6月19日 十兵衛を殺せ! 牧口雄二 志村正浩 田中浩松倉重治)、鈴木康弘(多賀主水)、林寛子天草四郎
39 6月26日 さらば!柳生 牧口雄二 山田隆之 宮内洋(宮坂藤九郎)、永野達雄酒井忠勝)、弘松三郎(井上政重)、青木義朗(柳生折堂)

テレビ時代劇として[編集]

劇場映画の大筋は第3話で終えるが、

に盛り込まれている。

登場人物の設定・役割は

などが変更された。

第4話以降、出雲阿国・家光・柳生左門友矩・柳生茜・根来衆烏丸少将文麿らも引き続き登場し、「裏柳生」の十兵衛・根来衆と「表柳生」の父・宗矩、次男・左門、三男・又十郎宗冬、長女・茜らが反幕府勢力を倒していく物語は千葉真一の企画が反映されている[84]脚本家の一人である山田隆之は十兵衛を深く研究して執筆しており[84]、原則一話完結だが、次に繋がる展開や反幕府勢力の正義も描かれた。

劇場映画では凄惨な権力抗争とそれに巻き込まれるようにぶつかり合う十兵衛・但馬守親子の相克が描かれているものの、テレビ映画である本作では父と子の温かい信頼関係に包まれている[85]。映画では権謀術数に長け、マキャベリストの父も、萬屋錦之介ではなく山村聡が演じたため、優しく息子の活躍を見守る好々爺という風情になっていた[85]。この変更に千葉真一は当初賛同しなかったが、アクションシーンを千葉の思い通りにするという交換条件で折り合いをつけた[86]。テレビ時代劇と映画両方に参画しているプロデューサーの松平乗道は「全39話の長丁場を持たすため、アットホームな雰囲気が必要だった」と説明している[87]

オープニングでは十兵衛が裏柳生の生き様を語る『裏柳生口伝』が流れる。

裏柳生口伝に曰く、戦えば必ず勝つ。此れ兵法の第一義なり。人としての情けを断ちて、神に逢うては神を斬り、仏に逢うては仏を斬り、然る後、初めて極意を得ん。斯くの如くんば、行く手を阻む者、悪鬼羅刹の化身なりとも、豈に遅れを取る可けんや。

2003年アメリカ映画キルビル』ではこの口伝が使われている。

スタッフ(テレビ映画)[編集]

※ ( ) の数字は担当話数で無しは全話担当。監督脚本エピソードリストを参照。

  • 企画 - 伊藤敏彦関西テレビ)・翁長孝雄東映
  • プロデューサー - 岩崎義〈関西テレビ〉・松平乗道・杉本直幸 (1 - 17, 19) ・牧口雄二・奈村協 (18, 20 - 39)〈東映〉
  • 音楽 - 津島利章
  • 撮影 - 中島徹 (1 - 2, 5 - 6, 26, 28) ・森常次 (3 - 4) ・羽田辰治 (7 - 8, 30 - 31) ・藤原三郎 (9 - 10, 14, 16) ・赤塚滋 (11 - 13, 18 - 19, 22 - 23, 25) ・増田敏雄 (15, 17, 32 - 33) ・安達重穂 (20 - 21) ・北坂清 (24)・坂根省三 (27, 29, 34 - 35, 38 - 39) ・脇武夫 (36 - 37)
  • 照明 - 中山治雄 (1 - 4, 26 - 29) ・若木得二 (5) ・増田悦章 (6, 12 - 14, 16) ・椹木儀一 (7 - 8, 20 - 21) ・林晴海 (9 - 10) ・金子凱美 (11, 15, 17 - 19, 22, 32 - 35, 38 - 39) ・前田満 (23, 25) ・狩野敬一 (24) ・岡田耕二 (30 - 31) ・加藤平作 (36 - 37)
  • 録音 - 伊藤宏一 (1) ・野津裕男 (2 - 6, 11 - 14, 16, 19, 24, 26 - 29, 32 - 39) ・中沢光喜 (7 - 8, 20 - 21, 23, 25) ・矢部吉三 (9 - 10) ・荒川輝彦 (15, 17) ・溝口正義 (18, 22) ・渡部芳丈 (30 - 31)
  • 美術 - 園田一佳 (1 - 2) ・井川徳道 (3 - 6, 9 - 17, 19, 30 - 35) ・宇佐美亮 (7 - 8) ・佐野義和 (18, 20 - 23, 25) ・山下謙爾 (24, 26 - 29) ・吉村晟 (36 - 39)
  • 編集 - 矢島稔之 (1 - 6, 11 - 19, 22, 24, 26 - 29, 32 - 39) ・鳥居勉 (7 - 10, 20 - 21, 23, 25, 30 - 31)
  • 記録 - 田中美佐江 (1, 15, 17 - 18, 22) ・森村幸子 (2, 6, 14, 16, 20 - 21, 32 - 33) ・木村雪恵 (3 - 4) ・石田芳子 (5) ・野口多喜子 (7 - 8, 12 - 13) ・野崎八重子 (9 - 10) ・梅津泰子 (11, 19, 24, 26, 28) ・中野保子 (23, 25, 27, 29, 36 - 37) ・辻敬子 (30 - 31, 34 - 35, 38 - 39)
  • 装置 - 野尻裕 (1 - 8, 11, 15, 17 - 19, 22, 24, 26 - 29, 32 - 35, 38 - 39) ・磯谷幸一 (9 - 10, 30 - 31, 36 - 37) ・稲田源兵衛 (12 - 14, 16) ・吉岡茂一 (20 - 21, 23, 25)
  • 装飾 - 関西美工
  • 助監督 - 斉藤一重 (1, 5) ・河村満和 (2, 6, 12 - 13) ・鈴木秀雄 (3 - 4, 24) ・古市真也 (7 - 8, 15, 17, 20 - 21) ・内沢豊 (9 - 10) ・藤原敏之 (11, 19, 32 - 33) ・土橋亨 (16, 38 - 39) ・五大院将貴 (18, 22) ・西垣吉春 (23, 25, 30 - 31) ・俵坂昭康 (26, 28) ・依田智臣 (27, 29, 34 - 35) ・萩原将司 (36 - 37)
  • 衣裳 - 佐々木常久 (1, 6 - 8) ・高安彦司 (2 - 5, 9 - 11, 18 - 19, 22, 24, 26, 28) ・森護 (12 - 14, 16) ・豊中健 (15, 17, 20 - 21, 23, 25, 27, 29, 32 - 37) ・岩逧保 (30 - 31, 38 - 39)
  • 美粧結髪 - 東和美粧
  • 和楽監修 - 中本敏生 (1 - 22, 24, 26, 27 - 29, 30 - 39)
  • 舞踊振付 - 藤間勘眞次 (1 - 2, 4, 7 - 8) ・藤間紋蔵 (15, 20 - 21, 24, 34 - 35) ・普久原朝喜 (26) ・掛川季之輔 (32, 37)
  • 小道具 - 高津商会
  • 擬斗 - 菅原俊夫東映剣会〉(1 - 11, 15, 17 - 39) ・土井淳之祐〈東映剣会〉(12 - 14, 16)
  • 演技事務 - 森村英次 (1 - 4) ・西秋節生 (5 - 8) ・寺内文夫 (9 - 11, 15, 17 - 29, 38 - 39) ・藤原勝 (12 - 14, 16, 30 - 37)
  • 進行主任 - 俵坂孝宏 (1 - 2, 24, 27, 29) ・管田浩 (3 - 5) ・野口忠志 (6, 12 - 13, 33) ・北村良一 (7 - 8, 23, 25) ・藤井雅朗 (9 - 10) ・山本吉應 (11, 14, 16, 19, 38 - 39) ・宇治本進 (15, 17) ・豊島泉 (18, 22, 26, 28) ・喜多外志之 (20 - 21) ・河野荘一 (30 - 31) ・西秋節生 (34 - 37)
  • 現像 - 東洋現像所
  • 武芸考証 - 初見良昭
  • 題字 - 益川進
  • 資料提供 - 後藤武夫 (30)
  • 協力 - ソニーチバ エンタープライズ[注釈 6]京都大覚寺 (2 - 3, 5, 7 - 11, 18, 20 - 22, 24, 27, 30 - 31, 34 - 37, 39) ・白浜御苑 (26) ・三段壁洞窟 (26) ・御殿場コザック乗馬会 (27) ・長崎 ささき企画 (38 - 39) ・ハーバーイン長崎 (38 - 39) ・ひぐち (38 - 39) ・雲仙観光協会 (38 - 39) ・島原市観光課 (38 - 39)
  • 制作 - KTV東映

制作[編集]

当初の予定話数だった全26話の総製作費は8億円[88]

初見良昭武芸考証による柳生一族と根来衆ら集団戦闘を、千葉真一とジャパンアクションクラブ (JAC) がダイナミックかつアクロバティックに演じ、主人公が大勢の敵を斬る勧善懲悪のみの従来時代劇とは一線を画した作品になっており、千葉が演じた第11話「幻の混血美女」で竹をしならせての飛び降りや第27話「美女と野獣」での脇腹に隠れての乗馬は、アクション監督として参画した1989年の映画『将軍家光の乱心 激突』でアレンジして再現されている[62]

第1話の監督に映画版を演出した深作欣二を起用し、制作費に3000万円以上を投じており、関西広域圏では20%前後の視聴率でトップクラスの人気を誇る裏番組『プロポーズ大作戦』を一気に追い抜いて、25.6%の視聴率を稼ぐ人気番組に躍り出た[88][注釈 19]。関西テレビのプロデューサー・岩崎義は「関西好みの泥臭いドラマを避けて、東京向きの洗練されたアクションで魅せる番組」を目指していたが、第1話が25.6%だった関西の視聴率に対し[注釈 19]、関東では15.1%と[注釈 19]、西高東低の結果となった[88]

松平乗道は本作に携わっている頃がプロデューサーとして最も充実した時期と振り返っており、松平を取材した春日太一は「このテレビ映画の完成度は高い」と評している[87]

ネット配信[編集]

2022年3月1日から、YouTube「東映時代劇YouTube」で第1話と第2話が常時無料配信されている。

スペシャルドラマ[編集]

テレビ朝日版[編集]

ドラマスペシャル
柳生一族の陰謀
ジャンル 時代劇
原案 野上龍雄
松田寛夫
深作欣二
脚本 岡本さとる
監督 山下智彦
出演者 上川隆也
内山理名
高橋和也
石垣佑磨
寺島進
金児憲史
山口紗弥加
佐藤藍子
佐野史郎
高知東生
長門裕之
火野正平
藤真利子
かたせ梨乃
松方弘樹
ナレーター 石田太郎
音楽 大島ミチル
国・地域 日本の旗 日本
言語 日本語
製作
プロデューサー 田中芳之(テレビ朝日
山川秀樹(テレビ朝日)
小林由幸(東映
撮影監督 浜名彰
編集 山本浩史
制作 テレビ朝日
東映
放送
放送チャンネルテレビ朝日
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間2008年9月28日
放送時間日曜 21:00 - 23:14
放送枠日曜洋画劇場
放送分134分
回数1
柳生一族の陰謀
テンプレートを表示

2008年9月28日に30年ぶりに2時間のスペシャルドラマとしてリメークされ、ANN日曜洋画劇場』で放送された(視聴率は11.1%)。

キャスト(テレビ朝日)[編集]

スタッフ(テレビ朝日)[編集]

  • プロデューサー - 田中芳之・山川秀樹・小林由幸
  • 原案 - 野上龍雄・松田寛夫・深作欣二
  • 脚本 - 岡本さとる
  • 監督 - 山下智彦
  • 音楽 - 大島ミチル
  • ワイヤーアクション - 夏山剛一
  • 技斗 - 清家三彦
  • VFX - 佐藤敦紀 (Motor/lieZ)、キルアフィルム

NHK版[編集]

柳生一族の陰謀
ジャンル 時代劇
原作 野上龍雄
松田寛夫
深作欣二
脚本 大石哲也
演出 西片友樹
出演者 吉田鋼太郎
溝端淳平
岡山天音
飯豊まりえ
森田望智
山田純大
波岡一喜
荒井敦史
佐野岳
高橋克実
美村里江
榎木孝明
宅麻伸
斉藤由貴
ナレーター 西郷輝彦
音楽 中村康隆
国・地域 日本の旗 日本
言語 日本語
製作
制作統括 海辺潔(NHK
榎本美華(東映
プロデューサー 目黒正之(東映)
製作 NHK、東映
放送
放送チャンネルNHK BSプレミアム
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間2020年4月11日
放送時間土曜 21:00 - 22:29
放送枠スーパープレミアム
放送分89分
回数1
柳生一族の陰謀

特記事項:
NHK BS4Kにて2020年4月25日の19:30 - 20:59に放送[90]
テンプレートを表示

NHK BSプレミアムの「スーパープレミアム」枠で映画を原案としてテレビドラマ化され、2020年4月11日の21時から22時29分に放送。主演は吉田鋼太郎[90][91]

キャスト(NHK)[編集]

スタッフ(NHK)[編集]

演劇[編集]

裏YAGYU〜奇説・柳生一族の陰謀〜[編集]

『裏YAGYU〜奇説・柳生一族の陰謀〜』のタイトルで2012年4月11日 - 4月15日にで開催された。千葉真一 Presents 裏YAGYU。本作は映画にオマージュを捧げ、世の中にある真実と虚構、表と裏、光と影に焦点を当て、人間の持つ心の強さを描いている[24]

キャスト(演劇)[編集]

  • 柳生但馬守宗矩 - 大谷朗
  • 大納言徳川家光 - 真島公平
  • 駿河宰相徳川忠長 - 三浦孝太
  • 出雲阿国 - 内田衣津子
  • 柳生十兵衛 - 新井剣史
  • 烏丸少将 - 小林大介
  • 松平伊豆守 - 大島つかさ
  • 三条大納言実条 - 松木威人
  • フチカリ - 阿部朋矢
  • 土井大炊頭 - 町田光
  • 左源太 - 永田剛志
  • 春日局 - 藤浪靖子
  • 渡辺半蔵 - 長尾一広
  • 崇源院 - 内野はとり
  • 尾張中納言徳川義直 - 福井晋
  • 柳生茜 - 佐々木美和
  • 別木庄左衛門 - 小菅博之
  • 柳生又十郎 - 合田賢治
  • マン - 深華
  • 柳生左門 - 木部哲
  • 闇千代 - 神野千奈
  • ハヤテ - 小山鉄平
  • 柳生左門 - 尾上正宏
  • 菊 - 東里
  • 浪人 - 牧本泰山
  • 雪路 - 天水朝子
  • 万千代 - 白(ハク)
  • ヒラクチ - 大槻祐介

スタッフ(演劇)[編集]

  • 演出 - 山谷亨
  • 脚本 - 春井環二
  • 潤色 - 上野臆山
  • 脚本協力 - 小林雄次
  • 監修 - 西田真吾
  • プロデューサー - 藤田宏
  • キャスティングプロデューサー - 安藤実
  • 協力プロデューサー - 阿部宏司
  • 音楽 - KAZZ遠藤
  • 音響 - 山本音響
  • 照明 - 村山寛和 (MERCURY)
  • 舞台監督 - 松木威人
  • ダンス振付 - 結華レイナ
  • 殺陣 - 新井剣史、工藤雅人
  • 制作 - 藤浪靖子
  • 宣伝美術 - 宮澤ななえ
  • 製作 - JAX

新 柳生一族の陰謀[編集]

千葉真一 Presents 『新 柳生一族の陰謀』、2013年9月11日 - 9月16日[92]

キャスト(演劇2)[編集]

  • 柳生十兵衛三厳 - 椿欣也
  • 大納言徳川家光 - 長尾一広
  • 松平伊豆守信綱 - 大島つかさ
  • 春日局 - 本倉さつき
  • 駿河宰相徳川忠長 - 合田賢治
  • 土井大炊頭利勝 - 町田光
  • 崇源院於江与 - 藤浪靖子
  • 左源太 - 永友イサム
  • ハヤテ - 藤本竜典
  • マン - 天水朝子
  • ハヤシ - 朝倉将人
  • トン - 吉田玲子
  • 紅之丞 - 武井希未
  • 渡辺半蔵 - 小管博之
  • 半蔵配下 - 秀山勝利
  • 半蔵配下 - 長田有美
  • 半蔵配下 - 佐々木翼
  • 半蔵配下 - 小島美穂
  • 烏丸少将文麿 - 徳留英人
  • 九条関白道房 - 小宮凛子
  • 三条大納言実条 - 白
  • 安楽庵策伝 - 立川志らく
  • 木村助九郎友重 - 山田清崇
  • 柳生又十郎宗冬 - 松村正浩
  • 柳生茜 - 春奈
  • 柳生但馬守宗矩 - 新井剣史

スタッフ(演劇2)[編集]

  • 脚本 / 演出 - 徳留英人
  • 舞台監督 - 大石郁美
  • 照明 - 龍野禎和(Lightshop Neo)
  • 音響 - 山本美智子
  • 宣伝美術 - 宮澤ななえ
  • エグゼクティブプロデューサー - 藤田宏
  • プロデューサー - 新井兼二
  • 製作 - 株式会社JAX

派生作品[編集]

小説[編集]

映画公開と同時に、松永義弘による同名のノベライズ版が出版された。細かな人物設定に小説の独自色が表れているものの、大筋は映画と同じである。松永による続編『斬る 続 柳生一族の陰謀』も出版されたが2011年現在、この続編は映像化されていない。ノベライズ版を出版した版元はすでに倒産しており、入手が困難になっている。

バラエティ[編集]

1979年1月1日フジテレビ新春かくし芸大会 第16回』の出し物で本作が放送された[93]

キャスト(バラエティ)[編集]

スタッフ(バラエティ)[編集]

漫画[編集]

柳生一族の陰謀1979年5月15日に植木金矢の作画によるコミカライズ作品が、芳文社より出版された。全1巻。

コンピュータゲーム[編集]

パチンコ[編集]

  • CR (2011年) - 千葉真一が柳生十兵衛三厳に扮している。

関連項目[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 文献により配給収入は異なっており、『角川映画 1976‐1986 日本を変えた10年』では16億5000万円[8]、『キネマ旬報ベスト・テン全史: 1946-2002』では16億2100万円と掲載されている[14]
  2. ^ 宍戸は村田与三役で出演。
  3. ^ 竹中労の「『浪人街』をリメイクしよう」という案に高岩淡が乗り、竹中・日下部五朗深作欣二笠原和夫で進めていくものの、映画作り素人の竹中が入っていることでなかなか脚本作りが進まず、業を煮やした竹中が連載を持ってる『キネマ旬報』で東映を批判[18]。高岩は新たに松平乗道中島貞夫を加えるものの、竹中は自分が外されていると怒り、東映に無断で『キネマ旬報』に脚本を載せてしまい、両者は決裂した[18]
  4. ^ 千葉真一時代劇映画は、1963年の『八州遊侠伝 男の盃』(主演:片岡千恵蔵監督マキノ雅弘)以来である。
  5. ^ 内訳を直接費2億円、間接費2億円、配給経費1億円、プリント費4500万円、一般諸経費4000万円、宣伝費が1億5000万程度[72]
  6. ^ a b 第12話より表記はサニ・千葉エンタープライズとなっている。
  7. ^ 江戸に在住する柳生一族のみ。
  8. ^ a b ノンクレジットだが出演している。
  9. ^ a b 第15話にゲスト出演し、第34, 36話では別役で再出演した。
  10. ^ a b 回想シーンで登場。
  11. ^ 異なる役でセミレギュラー出演している。
  12. ^ 第1話は服部兵馬の配下、第2 - 3, 13, 16話はジャパンアクションクラブ (JAC) メンバーとして斬られ役で出演。
  13. ^ 第1 - 3, 35, 37話はジャパンアクションクラブ (JAC) メンバーとして斬られ役で出演。
  14. ^ a b 第1話にゲスト出演しているが、第27話から別役でレギュラーになった。
  15. ^ a b 第17話にゲスト出演しているが、第27話から別役で出演した。
  16. ^ a b 第6話に嫁ぐ前の徳川和子が登場し、演者は久永智子。第29, 31話には中宮として再登場するが、演者は三浦リカである。
  17. ^ 日本天道宗家
  18. ^ BGM映画赤穂城断絶』のオープニングテーマが使用されている。
  19. ^ a b c 視聴率ニールセン調べ。
  20. ^ 第2作目の「十兵衛五十人斬り」(1990年)のみ、山村聰が宗矩を演じている。

出典[編集]

  1. ^ a b 元東映社長の高岩淡さんお別れ会 めい檀ふみ、三田佳子、北大路欣也ら600人参列”. 日刊スポーツ. 芸能ニュース. 日刊スポーツ新聞社 (2022年3月4日). 2022年3月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年3月5日閲覧。
  2. ^ キネマ旬報、1978年1月上旬新年特別号、グラビア:柳生一族の陰謀。
  3. ^ a b 深作欣二 深作時代劇はカオスそのものだ!“壮大な見世物”に進化した時代劇” (PDF). 東映キネマ旬報. 東映. p. 10 (2007年冬号 Vol.05). 2015年4月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年4月16日閲覧。
  4. ^ 萬屋錦之介千葉真一『柳生一族の陰謀』(Color)(VHS東映ビデオ、1995年10月21日。 
  5. ^ 【特集】深作欣二 「柳生一族の陰謀」から大作ヒットメーカーへの道” (PDF). 東映キネマ旬報. 東映. p. 3 (2010年冬号 Vol.16). 2015年4月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年4月16日閲覧。
  6. ^ a b c d 西郷輝彦、深作欣二作品の萬屋錦之介に身震い”. アサ芸+. 徳間書店 (2012年12月12日). 2012年12月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年1月1日閲覧。
  7. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924 - 2011』(2012年、キネマ旬報社)370頁。
  8. ^ a b c 中川右介『角川映画 1976‐1986 日本を変えた10年』角川マガジンズ、2014年3月、85 - 86頁。ISBN 4047319058 
  9. ^ a b c 柳生一族の陰謀 - 日本映画製作者連盟
  10. ^ a b c d 「証言 製作現場から 『柳生一族の陰謀』 企画 高岩淡」『クロニクル東映:1947-1991』 1巻、東映、1992年、282 - 283頁。 
  11. ^ a b c 西郷輝彦「現場が凍った萬屋錦之介と深作欣二の衝突」”. アサ芸+. 徳間書店 (2012年12月7日). 2012年12月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年1月1日閲覧。
  12. ^ 柳生一族の陰謀 (2008)”. 東映チャンネル. 2014年10月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年12月31日閲覧。
  13. ^ 関根忠郎山根貞男山田宏一『惹句術:映画のこころ』講談社、1986年、90頁。ISBN 406202005X 
  14. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン全史: 1946-2002』キネマ旬報社、2003年、230 - 231頁。ISBN 4-87376-595-1 
  15. ^ 「第十一章 迷走する大作映画」『大作路線の失敗』、350 - 351頁。
  16. ^ a b c 「第十一章 迷走する大作映画」『柳生一族の陰謀』、357頁。
  17. ^ a b c 「第四章 東映の転身」『十二年ぶりの時代劇映画』、234頁。
  18. ^ a b c d e f g h i 「第十一章 迷走する大作映画」『柳生一族の陰謀』、358頁
  19. ^ a b c d e f g 「第四章 東映の転身」『十二年ぶりの時代劇映画』、235頁。
  20. ^ a b 「千葉真一 柳生十兵衛の殺陣」、45 - 46頁。
  21. ^ a b c 千葉流 サムライへの道、59 - 61頁。
  22. ^ a b 田島隆久、編集部「千葉真一インタビュー アメリカの俳優のように、理想的な仕事ができた」『キネマ旬報』第1590巻第776号、キネマ旬報社、1979年12月15日、76頁。 
  23. ^ a b 千葉真一、深作欣二の初時代劇の教えに感謝”. アサ芸+. 徳間書店 (2012年11月28日). 2013年1月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年1月1日閲覧。
  24. ^ a b c 裏YAGYU”. 第1回公演. Project JAX. 2013年12月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年4月16日閲覧。
  25. ^ 「第十章 時代劇への挑戦」『柳生一族の陰謀』、352頁。
  26. ^ 「夢でござる!!」、117 - 118頁。
  27. ^ 「東映ゼロ年の体制転換 高岩淡インタビュー 『時代劇二作目は中身で勝負 夢のある映画作りに突き進みたい』」『映画時報』1978年2月号、映画時報社、12 - 13頁。 
  28. ^ a b c d e f 「第十一章 迷走する大作映画」『柳生一族の陰謀』、359頁。
  29. ^ a b 「第十章 時代劇への挑戦」『柳生一族の陰謀』、352 - 353頁。
  30. ^ a b c d e 千葉流 サムライへの道、65 - 66頁。
  31. ^ 「第十一章 迷走する大作映画」『柳生一族の陰謀』、359 - 360頁。
  32. ^ 「第十章 時代劇への挑戦」『時代劇復興というお祭り』、358 - 359頁。
  33. ^ 平松伸二「結婚してください!」『そしてボクは外道マンになる』 2 第7話(初版)、集英社(原著2017-9-19)。ISBN 4088907574 
  34. ^ 井上淳一「追悼・野上龍雄」『シナリオ』2013年11月号、日本シナリオ作家協会、85頁。 
  35. ^ 「松方弘樹 時代劇の現状」、148頁。
  36. ^ 岡田茂『波瀾万丈の映画人生:岡田茂自伝』角川書店、2004年、227頁。ISBN 4048838717 
  37. ^ a b c d 「第十一章 迷走する大作映画」『柳生一族の陰謀』、360頁。
  38. ^ a b c 能村庸一「不確実性の時代劇」『実録テレビ時代劇史』(二刷)東京新聞出版局(原著1999-2-10)、245頁。ISBN 4808306549 
  39. ^ 「第十章 時代劇への挑戦」『時代劇復興というお祭り』、358頁。
  40. ^ 的田也寸志. “商品の説明「Amazonレビュー」”. 柳生一族の陰謀 (DVD). Amazon.co.jp. 2017年6月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年6月27日閲覧。
  41. ^ 『ぴあシネマクラブ 邦画編 1998-1999』ぴあ、1998年、662頁。ISBN 4892159042 
  42. ^ 佐藤雅夫「プロダクション・ノート 魔界に祟られたスタジオ」(パンフレット)『魔界転生』、東映、1981年6月6日、24 - 25頁。 
  43. ^ ペリー荻野 (2008年5月30日). “『柳生十兵衛あばれ旅』 JJサニー千葉、十八番の十兵衛が大暴れ! 志穂美悦子、真田広之など充実の顔ぶれ。”. ペリーのちょんまげ. 時代劇専門チャンネル. 2012年3月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年3月30日閲覧。
  44. ^ ペリー荻野 (2009年7月31日). “『徳川無頼帳』 西城秀樹の十兵衛とJJサニー千葉が握手! 強力コンビが吉原を根城に大暴れ。”. ペリーのちょんまげ. 時代劇専門チャンネル. 2012年3月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年3月31日閲覧。
  45. ^ 柳生十兵衛七番勝負”. 放送作品一覧. 時代劇専門チャンネル. 2012年6月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年3月31日閲覧。
  46. ^ a b c d 金澤誠「高岩淡『柳生一族の陰謀』で見せた、錦之介さんとの涙」『キネマ旬報 7月上旬号 2011』第2401巻第1587号、キネマ旬報社、2011年7月1日、62 - 63頁、ISSN 1342-5412 
  47. ^ 「第十章 時代劇への挑戦」『柳生一族の陰謀』、353 - 354頁。
  48. ^ 細野憲昭 (1998年5月11日). “【話の肖像画】 東映会長 岡田茂さん(4) 変わった時代劇を作りたい”. 産経新聞夕刊 (産業経済新聞社): p. 1 
  49. ^ 「岡田茂インタビュー 『俺は"映画の錦之助"として死にたいと晩年の彼は言っていた』 文・金澤誠」『キネマ旬報臨時増刊 晴れ!時代劇』、キネマ旬報社、1997年、20頁。 
  50. ^ 「第十一章 迷走する大作映画」『柳生一族の陰謀』、360 - 361頁。
  51. ^ 「第十章 時代劇への挑戦」『萬屋錦之介と時代劇の伝統』、356頁。
  52. ^ a b c d e f 西郷輝彦、深作監督に挨拶したら「アテにしてないよ」”. アサ芸+. 徳間書店 (2012年12月11日). 2012年12月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年1月1日閲覧。
  53. ^ a b c 「第十章 時代劇への挑戦」『萬屋錦之介と時代劇の伝統』、357頁。
  54. ^ a b c d 「夢でござる!!」、118頁。
  55. ^ “娯楽 本格時代劇で夢よもう一度 〈東映〉 "柳生一族の陰謀" 年末には公開”. 読売新聞夕刊 (読売新聞社): p. 7. (1977年7月25日) 
  56. ^ 千葉流 サムライへの道、66頁。
  57. ^ キネマ旬報、1978年1月上旬新年特別号、「柳生一族の陰謀」特集2 「柳生一族の陰謀」に賭ける東映京都の情熱 東映京都撮影所長高岩淡氏に聞く、72 - 75頁。
  58. ^ 山根貞男、米原尚志『「仁義なき戦い」をつくった男たち 深作欣二と笠原和夫』日本放送出版協会、2005年、236 - 237頁。ISBN 4140808543 
  59. ^ a b 高岩淡『銀幕おもいで話』双葉社、2013年、65 - 68頁。ISBN 9784575714012 
  60. ^ a b 「第十一章 迷走する大作映画」『柳生一族の陰謀』、361 - 362頁。
  61. ^ a b 「第十一章 迷走する大作映画」『柳生一族の陰謀』、362 - 363頁。
  62. ^ a b 田沼雄一「映画の夢に情熱を燃やす男たちが作るアクション正統派時代劇『激突』の魅力」(パンフレット)『将軍家光の乱心 激突』、東映、1989年1月14日、14 - 19頁。 
  63. ^ 「第十一章 迷走する大作映画」『柳生一族の陰謀』、363頁。
  64. ^ 「第十一章 迷走する大作映画」『柳生一族の陰謀』、364 - 365頁。
  65. ^ 「第十章 時代劇への挑戦」『萬屋錦之介と時代劇の伝統』、356 - 357頁。
  66. ^ 映画監督 深作欣二の軌跡、179頁。
  67. ^ a b 「第十一章 迷走する大作映画」『柳生一族の陰謀』、365頁。
  68. ^ 「第十一章 迷走する大作映画」『柳生一族の陰謀』、365 - 366頁。
  69. ^ 「第十章 時代劇への挑戦」『萬屋錦之介と時代劇の伝統』、358頁。
  70. ^ a b c d e f 「東映の人気者"きつーい一発屋"」『週刊文春』1977年10月27日号、文藝春秋、24頁。 
  71. ^ a b c d e f 河原一邦「邦画マンスリー 大作時代劇復興ののろしとなるか!? 『柳生一族の陰謀』製作の舞台裏」『ロードショー』1978年1月号、集英社、180頁。 
  72. ^ 高橋英一・土橋寿男・西沢正史・斎藤修・嶋地孝麿「映画・トピック・ジャーナル 『柳生一族の陰謀』の大ヒット」『キネマ旬報』、キネマ旬報社、1978年3月上旬号、184–185。 
  73. ^ a b c d e f “〈土曜レポート〉 本格的な時代劇が帰ってくる豪華セット、一から作り直し”. 毎日新聞夕刊 (毎日新聞社): p. 5. (1977年11月5日) 
  74. ^ a b c 竹中労「竹中労の芸能界深層レポート 『東映一族の陰謀 いま東映に何が起こっているか』 我につくも、敵にまわるも心して決めい!」『週刊文春』1978年3月2日号、文藝春秋、40 - 41頁。 
  75. ^ a b 「〈This Week〉 当たれば官軍の東映"岡田ラッパ"」『週刊文春』1978年2月2日号、文藝春秋、22頁。 
  76. ^ a b c d 『柳生一族の陰謀』、366頁。
  77. ^ “【活動屋商法 映画村25年の軌跡】(12) 時代劇王国の復活”. 産経新聞大阪夕刊 (産経新聞大阪本社): p. メディア. (2000年8月3日) 
  78. ^ 「日本映画界'78新動向 =大作一本立て興行へ急速に傾斜=」『映画時報』1974年3月号、映画時報社、5 – 6, 13, 15頁。 
  79. ^ 「アベンジャーズ」サミュエル・L.ジャクソン、役作りの参考はソニー千葉(千葉真一)”. クランクイン. ハリウッドチャンネル (2012年4月26日). 2015年9月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年4月14日閲覧。
  80. ^ “「千葉真一の柳生十兵衛だな」/秋山監督” (紙面). 日刊スポーツ (nikkansports.com). (2013年2月16日). オリジナルの2013年2月16日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20130216064343/http://www.nikkansports.com/baseball/news/p-bb-tp1-20130216-1085854.html 2013年2月16日閲覧。 
  81. ^ 深作健太監督インタビュー / 第1回”. 東映チャンネル特別企画 没後10年メモリアル【総特集 映画監督 深作欣二】. 東映チャンネル (2013年). 2013年1月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年1月9日閲覧。
  82. ^ 樋口尚文『「砂の器」と「日本沈没」70年代日本の超大作映画』筑摩書房、2004年、182頁。ISBN 4480873430 
  83. ^ 「第十章 時代劇への挑戦」『時代劇復興というお祭り』、359 - 360頁。
  84. ^ a b 千葉流 サムライへの道、66 - 67頁。
  85. ^ a b 「第四章 東映の転身」『テレビ時代劇をスタジオで』、240頁。
  86. ^ 「第四章 東映の転身」『テレビ時代劇をスタジオで』、240 - 241頁。
  87. ^ a b 「第四章 東映の転身」『テレビ時代劇をスタジオで』、241頁。
  88. ^ a b c 1978年10月5日 日刊スポーツ 『テレビ新番組 光と影』3「破れない"西高東低"のカベ」
  89. ^ “内山理名が出雲の阿国の悲恋を熱演”. ORICON NEWS (oricon ME). (2008年9月28日). https://www.oricon.co.jp/news/58280/full/ 2020年4月7日閲覧。 
  90. ^ a b 吉田鋼太郎さん主演『柳生一族の陰謀』制作開始!”. NHKドラマ. ドラマトピックス. 日本放送協会 (2019年11月29日). 2020年2月29日閲覧。
  91. ^ 吉田鋼太郎『柳生一族の陰謀』主演”. 朝日新聞 (2019年12月2日). 2019年12月2日閲覧。[リンク切れ]
  92. ^ 新 柳生一族の陰謀”. Project JAX. 2015年4月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年4月16日閲覧。
  93. ^ 柳生十兵衛 画像乱れ有り”. YouTube. 2019年10月9日閲覧。

参考文献[編集]

※異なる頁を複数参照をしている文献のみ。発表年順。

外部リンク[編集]

フジテレビ 火曜22時台(関西テレビの制作枠。一部地域を除く)
前番組 番組名 次番組
柳生一族の陰謀