沖積錐

沖積錐(ちゅうせきすい、alluvial cone)とは、急勾配の谷の出口で、土石流堆積がくり返されてできた扇形の堆積地形である。土石流扇状地ともよばれる[1]。集動地形(mass-movement landform)(マスムーブメントによる地形)の一種。

形態[編集]

谷口を頂点として扇形の平面形を示す。半径は扇状地よりも小さい(一般に半径1km未満)。[2]扇状地との違いは、傾斜、微地形、堆積物河川などの性質である。しかし、沖積錐と超小型の扇状地の区分は難しい[2]

Burr(1977)は沖積錐の定義について「小さい錐で、勾配が20°以上」としているが[1]、より緩いものも沖積錐に含まれる。鈴木(2000)は沖積錐の平均勾配を15°以下としている[2]

微地形[編集]

沖積錐の表面には、土石流堆(debris-flow lobe)とよばれるローブ状の微高地が分布する[2]

河川[編集]

沖積錐には一般に河川が存在せず、稀に水無川がみられる[2]

地下水[編集]

沖積錐の地下水位は深い[2]

土地利用[編集]

沖積錐の土地利用は、林、桑畑果樹園荒地などがみられる[2]。古い集落は末端部に部分する場合がある。

出典[編集]

  1. ^ a b 鈴木ほか. 地形の辞典. 朝倉書店 
  2. ^ a b c d e f g 鈴木隆介. 建設技術者のための地形図読図入門 第3巻 段丘・丘陵・山地. 古今書院 

外部リンク[編集]