沖縄アリーナ

沖縄アリーナ
OKINAWA ARENA

地図
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施設情報
正式名称 沖縄アリーナ
用途 多目的アリーナ(プロスポーツ、コンサート、展示会など各種イベント)[1]
収容人数 8,500人(スポーツイベント時)
10,000人(コンサート時)
設計者 梓設計[1][2]、創建設計[1][2]、アトリエ海風共同企業体[1][2]
施工 2018年9月
建築主 鹿島[2]、仲本工業[2]、太田建設[2]、富建共同企業体[2]
管理運営 沖縄アリーナ株式会社
階数 6階[1]
竣工 2021年3月
所在地 904-0034
沖縄県沖縄市山内1-16-1
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2023年FIBAバスケットボール・ワールドカップ

沖縄アリーナ(おきなわアリーナ)は、沖縄県沖縄市のコザ運動公園(沖縄市総合運動場)にある多目的アリーナ。

概要[編集]

アリーナが建設する以前は闘牛場があり[3]、2017年10月の「ORANGE RANGE presents テレビズナイト017 in 闘牛場 FINAL」をもって閉場。同地に1万人規模の全天候型アリーナの建設を進めることとなった[1]

概算事業費は、概算で本体(地上5階、鉄筋コンクリート造・一部鉄骨造・延べ面積約2万6,200平方メートル)の工事費が約135億7200万円、外構工や駐車場整備などを含むその他工事費を22億8,500万円と算出(什器備品、設計費、消費税を除く)。事業収入は年間3億3,000万円、支出も同額と想定。健全な経営が行われれば、年間4,000万円程度の指定管理料で維持できると試算している。また、経済波及効果は建設時約267億円、単年度運用時で約133億円と試算している[4]

琉球ゴールデンキングスのスポーツ興業を中心に、コンサートや展示会などにも対応できるようにする。また、バスや駐車場を含む交通面の整備、周辺地域や飲食・宿泊業などの付帯産業と連携を進め、経済波及効果の最大化、防災拠点としての役割も持たせる[4][5][6][1]

なお、2023年にフィリピン・インドネシアとの共催で開催される「2023年FIBAバスケットボール・ワールドカップ」の会場となった[7]

施設[編集]

構造[編集]

屋根架構は、67mのボックストラスを柱で支持し、そのボックストラスをトラスで支持する構造である。また、トラスの軽量化も図りつつ、天井架構に特殊照明、総重量30tにもなる大型映像装置などの演出機構の構築を可能としている[1]

メインアリーナ[編集]

メインアリーナは可動席を収納した場合、最長48.35m×61.35m、八角形で約2,600㎡のスペースを確保できる[1]

コンクリート床仕上げのイベントフロアは、県内最大の床面積を誇る。アリーナの天井から510インチの大型映像装置(幅11.25m、高さ6.25m、奥行5.5m)が吊り下げており、試合や音楽コンサートなど、多種多様なイベントでの演出に活用できる設計になっている[8][2][9]

それ以外にも全長約228mのリボンビジョンを設置[9]。また、縦型ビジョンを2箇所設置している[10]

また、アリーナの照明は、国際バスケットボール連盟の基準を満たす照明になっている[1]

座席[編集]

多種多様なイベントに対応するため、観客からの近さや角度を含め、観戦環境の向上にこだわった設計になっており、八角形の外形、すり鉢状に配置されたスタンドは、沖縄アリーナのポイントになっている[1][2]

3階には「スイートルーム」、テーブル付きの観客席「テーブルシート」のほか、4階には「シアターシート」、5階にはアリーナ会場の内部と外部を見渡せる「パノラマラウンジ」を備えている[11]

観客席以外にも子供が遊べる「ファミリーコンコース」、そして1階、3階、4階、5階には「ロビー&ラウンジ」を設けている[12]

付帯施設[編集]

2021年4月11日、アリーナのビルディングゾーンに、琉球ゴールデンキングスのグッズなどを扱う「沖縄アリーナショップ」をオープン[13]。2023年5月3日には、同じくビルディングゾーンに、キングスの歴史やアリーナの魅力を感じられる「沖縄アリーナカフェ」をオープンした[14]

このほかにも床面積約860㎡のサブアリーナやコンコースも配置しており、災害時にはアリーナ全体で県の広域物資拠点(一次拠点)の役割も果たすことになる[1][4][15]

沿革[編集]

沖縄アリーナの建設予定地

2016年9月15日、沖縄市は「(仮称)沖縄市多目的アリーナ施設等整備全体計画調査業務報告書」を公表。同地に1万人規模のアリーナ施設の建設を進めることになった。2016年度中に実施設計を終え、当初は17年末に本体工事に着工し、2020年度にオープンする予定であった[16]

2018年[編集]

9月25日起工。施設は、米軍再編事業の進展に応じて支給される「再編推進事業補助金」などを活用する。メインアリーナとサブアリーナ、多目的室を設け、2020年9月の工事完了を目指している。天候に左右されない沖縄県内初の「全天候型大規模アリーナ」として、スポーツやコンサートなどのエンターテイメント事業の開催を見込む[17][18]

2019年[編集]

7月10日、琉球ゴールデンキングスを運営する、沖縄バスケットボール株式会社のグループ会社「沖縄アリーナ株式会社」が、アリーナの指定管理者の候補者として決定[18][19]。また同日、琉球ゴールデンキングスエイベックスとの業務提携の合意を発表。アリーナエンタテインメントにおける取り組みが進められることになる[20][21]

9月6日、2021年のB.LEAGUE ALL-STAR GAMEの開催を発表した[22]

2020年[編集]

2月18日、沖縄市から、自然災害の発生による工期延長により、実施予定日までの竣工の確約が難しいことから、2021年に予定していたオールスターゲームの開催を、2022年に延期することを発表した[23][24]。着工した2018年8月ごろには廃棄物混じり土が見つかり、2019年1月には環境基準値の5倍を上回る六価クロムが検出。さらに同年に発生した台風の影響により、アリーナ建設が遅延されていた[25]

5月11日、FIBA(国際バスケットボール連盟)は「2023年FIBAバスケットボール・ワールドカップ」の日程を発表した[26]。アリーナでは、8カ国で構成される1グループの予選ラウンドなどが行われる[27]

8月7日、沖縄市議会で建設工事の請負契約変更議案を全会一致で可決。総事業費は予定金額より約2億8000万円増額し、約162億3000万円となった。また、台風に伴う建設資材の遅れなどを踏まえ、2021年3月までの完成が決まった[28][29]

2021年[編集]

4月10日から5月末まで「プレオープニングイベント」を開催。6月からの本格稼働開始前に、B.LEAGUE 2020-21シーズンにおける、琉球ゴールデンキングスのホームゲームを実施。さらにチャンピオンシップに関し、ホーム開催権を獲得した場合には、沖縄アリーナで開催することになっている[30]

その後、4月10日、11日のBリーグ公式戦の開催中止を4月1日に発表。試合に代わる代替イベントとして、4月11日に「Our First Games」を開催した[31]

使用チーム[編集]

主な大会・イベント実績[編集]

スポーツ[編集]

音楽ライブ[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l 沖縄から世界へ1万人の熱狂を届ける (仮称)沖縄市多目的アリーナ建設工事』鹿島建設公式サイトhttps://www.kajima.co.jp/news/digest/nov_2020/site/index.html2023年6月6日閲覧 
  2. ^ a b c d e f g h i 本格エンタメアリーナが沖縄で完成、可動式メガビジョンで国内初の常設4Dリプレイも』日経クロステック、2021年3月30日https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00585/032700086/2023年6月6日閲覧 
  3. ^ キングス本拠地が決定 沖縄市の闘牛場にアリーナ建設 - 沖縄タイムス社
  4. ^ a b c http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/tk/PPP/news/091900020/
  5. ^ 23年バスケW杯開催へ 沖縄市「1万人アリーナ」に託す夢 沖縄市上田副市長インタビュー(上)』(プレスリリース)スポーツイノベイターズ公式サイト、2017年12月18日https://tech.nikkeibp.co.jp/dm/atcl/feature/15/092100040/121200025/2019年7月17日閲覧 
  6. ^ 沖縄市「1万人アリーナ」、試合・人・街つなげるICT 沖縄市上田副市長インタビュー(下)』(プレスリリース)スポーツイノベイターズ公式サイト、2017年12月20日https://tech.nikkeibp.co.jp/dm/atcl/feature/15/092100040/121300026/2019年7月17日閲覧 
  7. ^ 2023年バスケW杯は沖縄市 3カ国共催、沖縄で8カ国が予選』(プレスリリース)沖縄タイムス公式サイト、2017年12月10日https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1818692019年7月17日閲覧 
  8. ^ 施設特長』(プレスリリース)沖縄アリーナ公式サイトhttps://www.okinawa-arena.jp/features/2019年12月23日閲覧 
  9. ^ a b 沖縄市様 沖縄アリーナ総合演出システム』パナソニック コネクト公式サイトhttps://connect.panasonic.com/jp-ja/case-studies/okinawa-arena2023年6月7日閲覧 
  10. ^ 映像・照明・音響 | 沖縄アリーナ公式サイト-主催者用 | OKINAWA ARENA”. okinawa-arena.jp. 2023年9月3日閲覧。
  11. ^ スイートラウンジ | 沖縄アリーナ公式サイト | OKINAWA ARENA”. okinawa-arena.jp. 2023年9月3日閲覧。
  12. ^ エンタテインメント体験ができる「沖縄アリーナ」のご紹介!』おきなわ物語公式サイト、2021年5月24日https://www.okinawastory.jp/mahaeblog/?p=193412023年6月7日閲覧 
  13. ^ 沖縄アリーナショップ、いよいよオープン!!』琉球ゴールデンキングス公式サイトhttps://goldenkings.jp/other/id=156772023年6月6日閲覧 
  14. ^ 「街と共に元気に」沖縄アリーナにキングス仕様のカフェ、3日オープン』HUB沖縄、2023年5月2日https://hubokinawa.jp/archives/229922023年6月6日閲覧 
  15. ^ 令和4年度沖縄県総合防災訓練 実施のご報告』沖縄アリーナ公式サイト、2023年1月21日https://okinawa-arena.jp/news/5kkhwj3fsfjs/2023年6月7日閲覧 
  16. ^ http://ryukyushimpo.jp/news/entry-358910.html
  17. ^ 全天候で1万人収容 「沖縄市多目的アリーナ」起工』(プレスリリース)琉球新報公式サイト、2018年10月4日https://ryukyushimpo.jp/news/entry-813661.html2019年1月22日閲覧 
  18. ^ a b 沖縄アリーナ指定管理者決定』(プレスリリース)公式サイト、2019年7月10日https://goldenkings.jp/news/detail/id=140102019年7月16日閲覧 
  19. ^ キングス子会社、指定管理者可決/沖縄市アリーナ』(プレスリリース)沖縄タイムス公式サイト、2019年7月9日https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/4431972019年7月16日閲覧 
  20. ^ 琉球ゴールデンキングスとエイベックスが業務提携』(プレスリリース)公式サイト、2019年7月10日https://goldenkings.jp/news/detail/id=140122019年7月16日閲覧 
  21. ^ キングス、エイベックスと業務提携/沖縄』(プレスリリース)毎日新聞公式サイト、2019年7月12日https://mainichi.jp/articles/20190712/rky/00m/020/006000c2019年7月16日閲覧 
  22. ^ Bリーグオールスターゲーム、2021年に沖縄で開催決定』(プレスリリース)琉球新報公式サイト、2019年7月12日https://ryukyushimpo.jp/news/entry-996687.html2019年12月23日閲覧 
  23. ^ Bリーグオールスター戦、沖縄開催は2022年に延期 沖縄市「試合日までにアリーナ完成を確約できない」』(プレスリリース)琉球新報公式サイト、2020年2月18日https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1076256.html2020年3月1日閲覧 
  24. ^ Bリーグオールスターゲーム2021の開催地が変更、沖縄市新アリーナの建設が昨年の台風の影響で遅れる』(プレスリリース)バスケットボールカウント、2020年2月18日https://basket-count.com/article/detail/370482020年3月1日閲覧 
  25. ^ バスケBリーグ 沖縄での2021年オールスター戦延期 アリーナ建設間に合わず』(プレスリリース)沖縄タイムス公式サイト、2020年2月18日https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/5365042020年3月1日閲覧 
  26. ^ 「FIBAワールドカップ2023」の日程が発表…沖縄アリーナで予選ラウンドを開催』(プレスリリース)バスケットボールキング、2020年5月12日https://basketballking.jp/news/world/wc/20200512/229620.html2020年6月16日閲覧 
  27. ^ 23年バスケW杯 「沖縄らしいもてなしを」大会成功へシンポジウム』(プレスリリース)琉球新報、2020年8月26日https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1180012.html2020年9月8日閲覧 
  28. ^ 沖縄市の多目的アリーナ、年度内完成へ 市議会で工事契約可決』(プレスリリース)琉球新報、2020年8月7日https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1170253.html2020年9月8日閲覧 
  29. ^ 新たなエンタテインメントを提供する『沖縄アリーナ』は来年3月オープン予定、沖縄のバスケ熱の発信地に』(プレスリリース)バスケットカウント、2020年9月4日https://basket-count.com/article/detail/502332020年9月8日閲覧 
  30. ^ プレオープニングイベントとは』(プレスリリース)沖縄アリーナ プレオープニングイベント特設サイトhttps://pre-opening.goldenkings.jp/2021年1月5日閲覧 
  31. ^ 「Our First Games」4/11(日)開催決定』琉球ゴールデンキングス公式サイト、2021年4月11日https://goldenkings.jp/news/detail/id=156712023年6月6日閲覧 

外部リンク[編集]

座標: 北緯26度19分58.5秒 東経127度47分1.1秒 / 北緯26.332917度 東経127.783639度 / 26.332917; 127.783639