田園のコンセール

田園のコンセール』(Concert champêtre)FP.49は、フランシス・プーランクが作曲したチェンバロ(クラヴサン)協奏曲。1927年に作曲された。

作曲の経緯[編集]

当時最高といわれたクラヴサン(チェンバロ)奏者のワンダ・ランドフスカの委嘱によってこの曲は生まれた。彼女のために最初に協奏曲を書いたのはマヌエル・デ・ファリャだったが、その2人目がプーランクだったという。

この曲を「コンセール」(concert)にしたのは、協奏曲というよりは合奏曲として、18世紀の精神をより生かそうとしたからであった。また、「田園の」(champêtre)としたのは、アンリ・エルの引用によれば「自由な足どり、気取りのなさ、壮麗さのないこと、また田園を思わせるソノリテ、ホルンの使用など、人には田園にいる気分になる。ただし『フランス風に』整えられた田園風に」ということであった。

楽器編成[編集]

クラヴサン(チェンバロ)またはピアノ

フルート2、ピッコロオーボエ2、コーラングレクラリネット2、ファゴット2、ホルン2、トランペット2、トロンボーンチューバティンパニ小太鼓(スネアありとなし)、タンバリントライアングル大太鼓シンバルシロフォン弦楽合奏(第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラチェロコントラバス

曲の構成[編集]

音楽・音声外部リンク
楽章毎に試聴する
第1楽章 アダージョ - アレグロ・モルト
第2楽章 アンダンテ
第3楽章 フィナーレ
Matthew Dirstの独奏、Edwin Outwater指揮Texas Festival Orchestraによる演奏。Round Top Festival Institute公式YouTube。

全3楽章からなっており、演奏時間は約24分である

第1楽章 アダージョ(序奏)-アレグロ・モルト
荘重な序奏と軽快な主部の対比は、18世紀のフランス風序曲を思わせる。
第2楽章 アンダンテ
牧歌的なシチリアーナ
第3楽章 フィナーレ
プレスト。ヘンデルの「調子の良い鍛冶屋」を思わせるクラヴサンのソロで始まり、第1楽章の様々な回想も行われる。

外部リンク[編集]