第51回都市対抗野球大会

第51回都市対抗野球大会（だい51かいとしたいこうやきゅうたいかい）は、1980年（昭和55年）11月1日から11月12日まで後楽園球場で開かれた都市対抗野球大会である。

概要

後楽園球場など4球場で8月22日から14日間、世界アマチュア野球選手権（のちのIBAFワールドカップ）が開催されたことから、「真夏の球宴」が「晩秋の球宴」となって都市対抗が開催された。都市対抗が10月以降に開催されたのは初めて^[1] で、その代わり第7回日本選手権大会が5月に繰り上げられた。
初出場は札幌市・札幌トヨペット、千葉市・川崎製鉄千葉、東京都・プリンスホテルの3チーム。
前回大会から導入された金属バットの旋風はやむことなく、57本のホームランが量産される投手泣かせの大会となった。中でも大昭和製紙北海道は12本を記録し、チーム大会最多本塁打を更新した。（第62回大会で東芝が17本を放ち、更新した。）
北海道予選の決勝リーグで本大会常連の電電北海道と新日鉄室蘭を破って初出場を果たした札幌トヨペットは王子製紙苫小牧から補強した樋口投手の活躍により、接戦を次々に制して決勝進出し、台風の目になった。その札幌トヨペットを制して優勝を果たしたのは富士市・大昭和製紙。29回目出場の古豪としての意地を見せつけ、決勝では2回に一挙6得点の先制パンチを決め、10年ぶり3度目の黒獅子旗を手にした。

出場チーム

白老町・大昭和製紙北海道（2年ぶり9回目）
札幌市・札幌トヨペット（初出場）
釜石市・新日本製鐵釜石（2年ぶり13回目）
郡山市・ヨークベニマル（2年連続2回目）
日立市・日立製作所（2年連続12回目）
浦和市・日本通運（4年連続14回目）
千葉市・川崎製鉄千葉（初出場）
東京都・プリンスホテル（初出場）
東京都・東京ガス（2年ぶり7回目）
府中市・東芝府中（2年連続3回目）
川崎市・三菱自動車川崎（8年ぶり4回目）
川崎市・日本鋼管（8年連続15回目）
川崎市・東芝（4年連続8回目）
長野市・電電信越（2年連続4回目）
浜松市・河合楽器（3年ぶり12回目）
富士市・大昭和製紙（8年連続29回目）

東海市・新日本製鐵名古屋（2年ぶり5回目）
豊田市・トヨタ自動車（11年ぶり3回目）
鈴鹿市・本田技研鈴鹿（2年ぶり4回目）
京都市・日本新薬（2年連続10回目）
大阪市・日本生命（15年連続26回目）
大阪市・電電近畿（5年ぶり13回目）
門真市・松下電器（4年連続22回目）
神戸市・神戸製鋼（4年連続5回目）
神戸市・川崎重工（6年ぶり13回目）
広島市・三菱重工広島（推薦／2年連続2回目）
福山市・日本鋼管福山（6年連続7回目）
光市・新日本製鐵光（2年ぶり2回目）
松山市・丸善石油（2年ぶり12回目）
松山市・電電四国（2年ぶり8回目）
熊本市・九州産交（4年ぶり4回目）
熊本市・電電九州（5年ぶり9回目）

大会

1回戦

第1試合

	1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
河合楽器	0	1	0	0	0	0	0	0	0	1
三菱重工広島	0	0	3	0	0	1	0	2	X	6

勝：一元　敗：根本　本：佐々木（広島）

第2試合

	1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
大昭和製紙北海道	0	1	1	0	0	1	0	0	2	5
松下電器	0	0	0	1	1	0	0	0	2	4

勝：竹本　敗：長谷部　本：藤村（松下）

第3試合－延長10回

	1	2	3	4	5	6	7	8	9	10	計
東芝府中	0	0	0	1	0	0	0	0	1	1	3
日本鋼管福山	0	0	0	0	0	0	1	1	0	0	2

勝：内田　敗：田村

第4試合－7回コールド

	1	2	3	4	5	6	7	計
電電四国	0	0	5	0	5	3	0	13
ヨークベニマル	0	0	1	0	1	0	1	3

勝：滝下　敗：速石　本：金森、松岡2（以上四国）、小野亨（ヨーク）、藤本、楠瀬（以上四国）

第5試合

	1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
電電信越	0	0	0	2	0	0	2	0	0	4
九州産交	0	0	0	0	0	0	0	1	2	3

勝：鈴木　敗：西谷　本：竹沢（信越）、久本、上田（以上産交）

第6試合

	1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
日本鋼管	5	0	0	0	0	0	0	0	0	5
日本生命	0	0	2	0	0	0	0	0	0	2

勝：佐藤守　敗：村上

第7試合

	1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
日立製作所	1	1	0	0	2	0	0	0	0	4
新日鐵光	3	0	4	0	0	0	0	0	X	7

勝：児玉　敗：細淵　本：川中子（日立）、江藤（光）

第8試合

	1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
丸善石油	0	0	0	0	0	0	1	0	0	1
東京ガス	1	1	0	0	1	2	2	0	X	7

勝：工藤　敗：新　本：寺岡（丸善）

第9試合

	1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
新日鐵名古屋	2	2	0	0	0	0	0	1	0	5
札幌トヨペット	0	0	7	0	0	1	0	0	X	8

勝：樋口　敗：鈴木　本：島田、小坂（以上札幌）

第10試合

	1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
川崎重工	2	0	1	0	0	0	0	1	0	4
日本通運	0	1	0	0	0	0	0	1	0	2

勝：長田　敗：加藤　本：辻（日通）

第11試合

	1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
電電九州	1	0	4	0	0	0	0	0	0	5
東芝	0	0	0	0	1	0	0	0	0	1

勝：山内　敗：黒紙

第12試合

	1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
電電近畿	1	0	2	0	0	0	0	0	0	3
新日鐵釜石	1	0	0	0	4	0	2	0	X	7

勝：佐藤公　敗：高橋　本：早瀬（釜石）

第13試合

	1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
川崎製鉄千葉	0	2	0	2	0	0	2	2	3	11
本田技研鈴鹿	0	0	0	3	0	1	0	0	0	4

勝：中後　敗：前村　本：中島（千葉）、松田達（鈴鹿）

第14試合

	1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
日本新薬	0	0	0	3	0	0	0	0	0	3
三菱自動車川崎	0	1	0	0	0	1	0	0	0	2

勝：前田　敗：小笠原　本：垣野、杉山（以上川崎）

第15試合

	1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
プリンスホテル	0	0	0	0	1	0	0	0	0	1
神戸製鋼	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0

勝：住友　敗：西山

第16試合

	1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
トヨタ自動車	0	0	1	2	0	0	0	1	0	4
大昭和製紙	2	1	0	0	0	1	4	1	X	9

勝：久保　敗：保田　本：中本（大昭和）、泰江（トヨタ）、武居、内山（以上大昭和）

2回戦

第1試合

	1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
三菱重工広島	0	0	0	0	2	0	0	0	0	2
大昭和製紙北海道	0	1	0	8	0	1	0	0	X	10

勝：竹本　敗：一元　本：高岡（北海道）

第2試合

	1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
東芝府中	2	0	0	0	5	0	0	1	3	11
電電四国	0	0	2	0	1	0	0	0	0	3

勝：内田　敗：横松　本：門間2、渡辺雄2（以上府中）

第3試合

	1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
電電信越	0	2	0	0	0	0	0	0	0	2
日本鋼管	0	1	0	2	1	0	1	3	X	8

勝：堀江　敗：北川　本：藤森（信越）、高尾、樋野（以上鋼管）

第4試合

	1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
大昭和製紙	5	1	0	0	0	0	0	0	0	6
新日鐵光	0	0	0	0	1	0	0	0	2	3

勝：杉本　敗：児玉　本：井出、高林（以上大昭和）

第5試合

	1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
東京ガス	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0
札幌トヨペット	0	2	0	0	0	0	1	0	X	3

勝：樋口　敗：工藤　

第6試合

	1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
電電九州	1	0	0	0	1	1	0	0	0	3
川崎重工	0	1	0	4	1	0	0	0	X	6

勝：長田　敗：山内　本：水江、宮嶋（以上川崎重）、小林（九州）

第7試合

	1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
川崎製鉄千葉	2	0	2	2	0	0	0	0	0	6
日本新薬	0	0	0	0	3	0	0	0	0	3

勝：中後　敗：矢野　本：青木道2、鬼島（以上千葉）、岩崎（新薬）

第8試合－延長13回

	1	2	3	4	5	6	7	8	9	10	11	12	13	計
プリンスホテル	0	1	0	0	0	1	0	0	0	0	0	1	0	3
新日鐵釜石	0	1	0	0	0	0	1	0	0	0	0	1	1x	4

勝：佐藤公　敗：小林秀　本：若槻（釜石）、居郷（プリンス）

準々決勝

第1試合

	1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
日本鋼管	0	0	0	0	0	0	0	0	0	0
大昭和製紙	0	2	3	1	1	0	0	0	X	7

勝：杉本　敗：佐藤守　本：高林、武居2、杉本（以上大昭和）

第2試合

	1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
川崎重工	0	0	0	0	0	0	3	0	1	4
札幌トヨペット	0	2	0	3	3	0	0	0	X	8

勝：樋口　敗：長田　本：沢田（札幌）

第3試合

	1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
川崎製鉄千葉	0	0	0	0	0	3	0	0	0	3
新日鐵釜石	0	0	1	3	0	0	0	0	X	4

勝：斉藤　敗：青木彰

第4試合

	1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
東芝府中	0	0	0	0	0	1	0	1	0	2
大昭和製紙北海道	0	0	0	1	1	0	0	3	X	5

勝：浜師　敗：野嶋　本：高梨（北海道）

準決勝

第1試合

	1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
大昭和製紙	1	1	0	0	0	0	1	0	0	3
大昭和製紙北海道	1	0	0	1	0	0	0	0	0	2

勝：杉本　敗：竹本

第2試合

	1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
札幌トヨペット	1	0	0	0	0	4	0	1	0	6
新日鐵釜石	1	0	2	0	0	1	0	1	0	5

勝：樋口　敗：石崎　本：沢田、若槻（以上札幌）

決勝

決勝戦（11月12日）

	1	2	3	4	5	6	7	8	9	計
札幌トヨペット	0	0	0	0	0	0	0	3	0	3
大昭和製紙	0	6	0	0	1	0	1	0	X	8

勝：杉本　敗：山根勝　本：佐々木2、高林（以上大昭和）、辻野（札幌）
（大昭和製紙は10年ぶり3回目の優勝）

表彰選手等

橋戸賞杉本正投手（大昭和製紙）
久慈賞樋口博美投手（札幌トヨペット（王子製紙苫小牧））
小野賞札幌市・札幌トヨペットチーム
若獅子賞辻野聖一一塁手（札幌トヨペット）
10年連続出場表彰選手

内田正美投手（東芝府中（電電東京））

森二郎投手（プリンスホテル（電電東京））

長島顕彦内野手（大昭和製紙）

細川昌俊内野手（新日鐵名古屋（西濃運輸））

野村茂捕手（日本生命）

永野隆雄外野手（川崎重工（新日鐵広畑））

中山拓郎捕手（神戸製鋼（新日鐵広畑））

応援団コンクール
- 最優秀賞川崎製鉄千葉
- 優秀賞新日鐵釜石
- 敢闘賞大昭和製紙、札幌トヨペット
- 特別賞プリンスホテル

備考・脚注

^ 長らく唯一のケースであったが、この後2011年の第82回大会（10月22日開幕　元々は7月開催予定が東日本大震災のために時期を日本選手権が予定されていた10月にずらし、京セラドーム大阪に会場変更）、2020年の第91回大会（11月20日開幕）、2021年の第92回大会（11月28日開幕）（左記の2回は2020年東京オリンピック開催に伴う）の合計3回、10月以降の秋開催となった。

この年の大会は東京12チャンネル（現・テレビ東京）で夕方の枠を使って注目カードの生中継をした

この項目は、野球に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています（PJ野球/P野球）。

[1] 長らく唯一のケースであったが、この後2011年の第82回大会（10月22日開幕　元々は7月開催予定が東日本大震災のために時期を日本選手権が予定されていた10月にずらし、京セラドーム大阪に会場変更）、2020年の第91回大会（11月20日開幕）、2021年の第92回大会（11月28日開幕）（左記の2回は2020年東京オリンピック開催に伴う）の合計3回、10月以降の秋開催となった。

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