菊池直恵

菊池 直恵(きくち なおえ、1974年1月 - )は、千葉県出身の日本の漫画家

人物[編集]

星里もちるアシスタントを経て、1997年7月14日に販売された『ビッグコミックスピリッツ』1997年30号に第70回スピリッツ賞佳作受賞作となる『ポチ』が掲載されたことで漫画家デビュー。その後しばらく作品が途絶えていたが、2001年より2006年まで『スピリッツ増刊IKKI』(2003年に『月刊IKKI』にリニューアル)に実録漫画鉄子の旅』を連載(2006年「第48旅」にて連載終了)。

小説新潮2007年3月号で一緒に旅をした酒井順子は菊池を「荒川静香似の美人」と表現している。また鉄道関係の仕事を5年続けたため、鉄道関係の知識が多くなり、ついにはタブレット閉塞の説明ができるようになってしまった。現在では人に「鉄道に興味ない」という発言をしても説得力がなくなるほどになっている。ただ『鉄子の旅』の連載を始める前から、旅の際の「移動機関」には鉄道を最も使用していたという。その理由は、方向音痴でも乗っていれば目的地に着くからだとされる。また初期に発表した短編『行徳駅下車』は、タイトルの通り駅や電車がよく描かれる作品である。

2007年11月には、NRE(日本レストランエンタプライズ)の「鉄子の旅駅弁」をプロデュース。

経営危機に陥っている銚子電鉄の車両の塗色を提案し、2008年1月に新塗色車両が披露、2011年9月19日をもって「鉄子の旅」カラーでの運行は終了。最終日には犬吠駅にて「デハ1002 ありがとう「鉄子の旅」カラー車輌」のイベントが開催され、提案者の菊池本人も出席した。その際に銚子電鉄から感謝状が贈呈され、一方の菊池からも銚子電鉄へ運行開始時のヘッドマークとラストラン記念のヘッドマークのイラストが手渡された。

「体力の限界」を理由として、2006年に『鉄子の旅』を終了した後は、吹奏楽経験を生かして吹奏楽関連の漫画などを発表していたが、2017年の『あな』以降は作風が一変し、師の星里にも通じる、内向的で救いのない人間描写を前面に出すようになった。

作品[編集]

  • ポチ(読み切り、1997年、小学館『ビッグコミックスピリッツ』7月14日号/No.30)<第70回スピリッツ賞佳作受賞作>
  • 少年(読み切り、1998年、小学館『ビッグコミックスピリッツMANPUKU!』1月増刊号)
  • 行徳駅下車(全3話、第1話:東京コンプレックス/第2話:行徳ミステリースポット/第3話:新井薬師シンドローム、1998年、小学館『ビッグコミックスピリッツ』7月20日号/No.31-8月3日号/No.33)
  • 杏日和(読み切り、1998年、小学館『ビッグコミックスピリッツMANPUKU!』9月増刊号)
  • 手のひらの上(全5話、1st Stage:夏子さん…?/2nd Stage:俺のバカ/3rd Stage:ちょろいちょろい/4th Stage:忘れたくないの/Final Stage:素直じゃないなぁ、1998年、小学館『ビッグコミックスピリッツ』11月2日号/No.46-11月30日号/No.50)
  • 鉄子の旅/鉄子の旅プラス(旅の案内人:横見浩彦、2001年 - 2006年・2007年、小学館『ビッグコミックスピリッツ増刊号IKKI』、『月刊IKKI』)
  • 冬の一番寒い日(読み切り、2002年、小学館『別冊ヤングサンデー』1月20日号/No.13)
  • キモチノカセキ(読み切り、2002年、小学館『別冊ヤングサンデー』6月2日号/No.15)
  • 血液型4コママンガ(読み切り、2004年、小学館『DIME』9月16日号/No.18)
  • ピジョン(読み切り、2009年、小学館『月刊IKKI』7月1日号/No.76)
  • 自転車に乗って(読み切り、2010年、小学館『月刊サンデーGX』2月号)
  • その先の少年(全2話、2010年、小学館『月刊サンデーGX』3月号-4月号)
  • 熊の木本線(『筒井漫画涜本ふたたび』原作:筒井康隆、2010年、実業之日本社)
  • 吹奏楽部あるある(イラスト担当、編:吹奏楽部あるある研究会、2012年、白夜書房)
  • みんなのあるある吹奏楽部 ARUARU ACADEMY(漫画担当、編著:オザワ部長、2013年、新紀元社)
  • みんなのあるある吹奏楽部ゴールド (漫画担当、編著:オザワ部長、2014年、新紀元社)
  • 行徳駅下車〜菊池直恵初期作品集(『ポチ』『行徳駅下車』『杏日和』『冬の一番寒い日』を収録。2015年、小学館)
  • 吹部ノート 全日本吹奏楽コンクールへと綴られた想いひたむきな高校生の成長を追いかける(イラスト担当、著:オザワ部長、2015年、ベストセラーズ)
  • ある吹部での出来事 もしも楽器が吹奏楽部員だったら!? (監修・コラム執筆:オザワ部長、2016年、ベストセラーズ)
  • 鉄子の旅 菊池直恵セレクション (旅の案内人:横見浩彦、2017年、小学館)
  • あな(読み切り、2017年、小学館)
  • 堕ちる(全3巻、2018年、小学館『eビッグコミック』)
  • 足掻く(全16巻、2020年、小学館『eビッグコミック』)

関連項目[編集]