藤井寺 (吉野川市)

藤井寺

藤棚
所在地 徳島県吉野川市鴨島町飯尾1525
位置 北緯34度3分6秒 東経134度20分54.6秒 / 北緯34.05167度 東経134.348500度 / 34.05167; 134.348500 (藤井寺)座標: 北緯34度3分6秒 東経134度20分54.6秒 / 北緯34.05167度 東経134.348500度 / 34.05167; 134.348500 (藤井寺)
山号 金剛山
宗派 臨済宗妙心寺派
本尊 薬師如来
創建年 (伝)弘仁6年(815年
開基 (伝)空海(弘法大師)
中興年 延宝2年(1674年
中興 南山国師
正式名 金剛山藤井禪寺
別称 阿州金剛山藤井寺
札所等 四国八十八箇所11番
文化財 木造釈迦如来坐像(重要文化財)
法人番号 9480005002893 ウィキデータを編集
藤井寺の位置(徳島県内)
藤井寺
藤井寺
地図
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藤井寺(ふじいでら)は、徳島県吉野川市鴨島町飯尾にある臨済宗妙心寺派の寺院。金剛山(こんごうざん)と号す。本尊薬師如来四国八十八箇所第十一番札所。なお、四国八十八箇所のうち、寺号の「寺」を「じ」でなく「てら」と読むのは本寺だけである。また、御朱印として押される寺号の印は正式名の「藤井禪寺」である。

  • 本尊真言:おん ころころ せんだりまとうぎ そわか
  • ご詠歌:色も香(か)も無比中道(むひちゅうどう)の藤井寺 真如(しんにょ)の波のたたぬ日もなし
  • 納経印:当寺本尊、奥之院大日如来

歴史[編集]

弘仁6年(815年)に空海(弘法大師)がこの地で自らの厄祓いと衆生の安寧を願い、薬師如来像を刻んで堂宇を建立、山へ2町入ったところの八畳岩に金剛不壊といわれる護摩壇を築き一七日(7日間)の修法を行ったのが開創であると伝えられる。このとき空海が堂宇の前にを植えたことから藤井寺と号したという[1]。 以来、真言密教の道場として七堂伽藍を持つ寺に発展した。

天正年間(1573年 – 1592年)に長宗我部元親の兵火によって焼失した。澄禅の『四国辺路日記』(1653年巡拝)には「三間四面の草堂也、仏像は朽ちる堂の隅に山の如くに積置きたる……」と記される状態であったが、延宝2年(1674年)に臨済宗慈光寺の南山祖団禅師が再興し、それゆえ臨済宗に改められたが、天保3年(1832年)に再び火災によって本尊以外は全焼、その後万延元年(1860年)に再建されたのが現在の伽藍である。

境内[編集]

  • 山門仁王門
  • 本堂:本堂内中央に前立本尊が拝観できる。地元出身画家の作による雲龍の絵が天井いっぱいに描かれている。
  • 大師堂:大師像を拝観できる。
  • 不動堂
  • 白龍弁財天堂:八本の手を持つ白龍弁財天が祀られている。
  • 水掛地蔵
  • 鐘楼
  • 藤棚(弘法大師お手植えの藤)

山門を入ると右側に「弘法大師お手植え」と伝えられている藤の藤棚があり、その後に鐘楼がある。参道は先で右に折れ左側に手水場、水掛け地蔵、不動堂、白龍弁財天堂が並び、最奥に本堂が建つ。本堂手前右側に大師堂がある。納経所は手水場の向かいにある。

  • 宿坊:なし。
  • 駐車場:門前に民間有料駐車場あり(普通車・軽300円、二輪車100円、キャンピング車500円、マイクロバス1,000円、バス1,500円、料金は交渉にて車連泊可)

文化財[編集]

重要文化財
  • 木造釈迦如来坐像(寺伝薬師如来像) - 榧の一木造り、素地、像高86.7cm。本堂裏にある収蔵庫に収められている秘仏であり通常は公開されていない。薬師如来像として祀られているが、像内部の墨書銘に、「仏師経尋、尺迦仏、久安4年(1148年)」などが読み取れ、元来釈迦如来像として造立されたことがわかる。重要文化財指定名称も「木造釈迦如来坐像」である。また、膝裏の墨書から天文18年(1549年)に現在の形に改変されたことがわかる。平安時代末期の、制作年・作者が明らかな基準作として貴重である。明治44年8月9日指定[2][3]

交通案内[編集]

鉄道
バス
自動車

奥の院[編集]

大日如来祠
焼山寺への遍路道に入ると八十八箇所本尊を祀った祠が点在し、さらに、西国三十三所の祠がある。その先に、空海(弘法大師)が修行したといわれる八畳岩が渓流の上にあり、その岩の上には鎮守弁財天が祀られた祠がある。その祠は以前は木製であったが、今は着色されたステンレス製になっている。この先に虚空蔵菩薩石像が立ち、そして、奥の院の祠があって中に大日如来と弘法大師の石像が祀られている。
なお、納経は藤井寺納経所にて実施している。

前後の札所[編集]

四国八十八箇所
10 切幡寺 -- (9.3km) -- 11 藤井寺 -- (12.9km) -- 12 焼山寺

脚注[編集]

  1. ^ 四国八十八ヶ所霊場会 2006, p. 170- 以下の項目も
  2. ^ 吉野川市管内所在国および県指定文化財(令和5年2月22日時点)” (PDF). 吉野川市 (2023年2月22日). 2023年6月10日閲覧。
  3. ^ 木造釈迦如来坐像 - 国指定文化財等データベース(文化庁

参考文献[編集]

  • 四国八十八ヶ所霊場会 編『先達教典』四国八十八ヶ所霊場会、2006年。 
  • 宮崎建樹『四国遍路ひとり歩き同行二人』 地図編(第8版)、へんろみち保存協力会、2007年。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]