診療情報管理士

診療情報管理士(しんりょうじょうほうかんりし)とは、四病院団体協議会日本病院会全日本病院協会日本医療法人協会日本精神科病院協会)および医療研修推進財団が付与する民間資格(資格称号)のこと。受験資格は日本病院会が設ける診療情報管理通信教育を受講するか、診療情報管理士受験認定指定校にて必須科目を履修することで得ることができる。

当初、診療録管理士という名称だったが1996年4月から現在の名称に変更された。

主な業務内容として、診療録の物理的な管理や内容の精査を行う「物の管理」、診療情報をコーディングするなどしてデータベースを構築する「情報の管理」、構築されたデータベースから必要な情報を抽出・加工・分析する「情報の活用」がある。

診療録管理体制[編集]

2000年4月の診療報酬改定で、診療録管理体制加算が新たに設けられ、診療録管理体制に対する評価がなされた。診療報酬は入院患者1名につき入院初日に限り、診療録管理体制加算1は100点、診療録管理体制加算2は30点を加算できる。診療録管理体制加算は、必ずしも診療情報管理士の民間資格を有している必要はない。1名以上の専任の診療記録管理者が配置されていることが要件である。

  1.  診療録管理体制加算1に関する施設基準
    1. 診療記録(過去5年間の診療録並びに過去3年間の手術記録、看護記録等)の全てが保管・管理されていること。
    2. 中央病歴管理室が設置されており、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」(平成25年10月10日政社発1010第1号)に準拠した体制であること。
    3. 診療録管理部門又は診療記録管理委員会が設置されていること。
    4. 診療記録の保管・管理のための規定が明文化されていること。
    5. 年間の退院患者数2,000名ごとに1名以上の専任の常勤診療記録管理者が配置されており、うち1名以上が専従であること。なお、診療記録管理者は、診療情報の管理、入院患者についての疾病統計(ICD10による疾病分類等)を行うものであり、診療報酬の請求事務(DPCのコーディングに係る業務を除く。)、窓口の受付業務、医療機関の経営・運営のためのデータ収集業務、看護業務の補助及び物品運搬業務等については診療記録管理者の業務としない。なお、当該専従の診療記録管理者は医師事務作業補助体制加算に係る医師事務作業補助者を兼ねることはできない。
    6. 入院患者についての疾病統計には、ICD(国際疾病分類)上の規定に基づき、4桁又は5桁の細分類項目にそって疾病分類がなされていること。
    7. 以下に掲げる項目をすべて含む電子的な一覧表を有し、保管・管理された診療記録が、任意の条件及びコードに基づいて速やかに検索・抽出できること。なお、当該データベースについては、各退院患者の退院時要約が作成された後、速やかに更新されていること。また、当該一覧表及び診療記録に係る患者の個人情報の取扱いについては、「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン」(平成16年12月24日医政発第1224001号等)に基づく管理が実施されていること。
      1. 退院患者の氏名、生年月日、年齢、性別、住所(郵便番号を含む。)
      2. 入院日、退院日
      3. 担当医、担当診療科
      4. ICD(国際疾病分類)コードによって分類された疾患名
      5. 手術コード(医科点数表の区分番号)によって分類された当該入院中に実施された手術
    8. 全診療科において退院時要約が全患者について作成されていること。また、前月に退院した患者のうち、退院日の翌日から起算して14日以内に退院時要約が作成されて中央病歴管理室に提出された者の割合が毎月9割以上であること。なお、退院時要約については、全患者について退院後30日以内に作成されていることが望ましい。
    9. 患者に対し診療情報の提供が現に行われていること。なお、この場合、「診療情報提供に関する指針」(平成15年9月12日医政発第0912001号)を参考にすること。
  2.  診療録管理体制加算2に関する施設基準
    1. 1の1~4及び9を満たしていること。
    2. 1名以上の専任の診療記録管理者が配置されていること。
    3. 入院患者についての疾病統計には、ICD大分類程度以上の疾病分類がされていること。
    4. 保管・管理された診療記録が疾病別に検索・抽出できること。
    5. 全診療科において退院時要約が全患者について作成されていること。

認定指定校[編集]

(2021年4月1日現在)

大学[編集]

専門学校[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]