那覇新都心

那覇新都心
1930年頃の那覇市地図。地図右上の崖の上が那覇新都心にあたる。

那覇新都心(なはしんとしん)は、沖縄県那覇市の北部に位置する再開発地区のこと。1951年土地収用令によって強制接収され米軍の住宅街となっていた牧港住宅地区1987年5月に全面返還され、新たな那覇の新都心として造成、再開発された。大型ショッピングセンターや総合運動公園などが設置されている。

概要[編集]

沖縄県那覇市天久、おもろまち、銘苅、上之屋などに広がり、ほぼ全域が西流する安謝川の流域[1]である(安謝川は浦添市との境界となっている)。西側を国道58号、北側を安謝川とほぼ並走する沖縄県道82号那覇糸満線、東側を国道330号安里バイパスおよび沖縄都市モノレール線(ゆいレール)で概ね囲まれる。南側はになっていて、崖下にある那覇市中心部とは標高差がある。なお、崖下に沿って安里川が西流しているが、この辺りの那覇市街は中世以降に安里川の土砂により陸地化した地域である。

面積214ha(内、米軍基地牧港住宅地区192ha)の土地を、県と市の要請を受けて地域振興整備公団(旧産炭地域振興事業団[2]、現都市再生機構)が土地区画整理事業を施行し、総事業費約1,110億(土地区画整理事業費約508億円)をかけて造成した。2004年度(平成16年度)全建賞都市部門受賞[3]

那覇市中心部のほとんどが那覇空港制限表面区域内にあるため超高層ビルを建てられないのに対し、当地は同空港の制限表面の区域外となっており[4]、かつ、同市の中心業務地区から2km程度で沖縄都市モノレール線おもろまち駅および古島駅に近接していることもあっていくつか超高層ビルが計画された。2017年(平成29年)時点で沖縄県で最も高い高層ビル(高さ104.8m)も当地にある。

那覇新都心の町丁名[編集]

  • おもろまち1~4丁目
  • 銘苅(めかる)1~3丁目
  • 安謝(あじゃ)1・2丁目
  • 天久(あめく)1・2丁目
  • 上之屋(うえのや)1丁目

「おもろまち」という地名は公募により1999年(平成11年)から住居表示の実施による町名変更で設置され、元の字安里、真嘉比、上之屋、銘苅の一部にあたる。おもろとは歌の意で、沖縄方言の「思い」から来た語である(当該記事参照)。以下の地域は字名から取られた。

沿革[編集]

1955年頃の牧港住宅地区

沖縄戦と米軍基地[編集]

那覇新都心[編集]

主な施設[編集]

行政[編集]

経済[編集]

教育[編集]

マスコミ[編集]

ショッピング・レクリエーション施設[編集]

白紙化された計画[編集]

  • 郵便貯金会館 - 予定地にはヤマダ電機のテックランド那覇本店が完成し、1階には郵便局も入居。
  • ダイエー - 経営悪化で進出断念。代わりに同敷地にサンエー那覇メインプレイスが完成。
  • 那覇市役所新庁舎 - 予定地は現在、サッカー野球などができる運動場として使われている。2007年末に民間に売却、マンション建設予定地となった。その後、景観などの問題から一部の周辺住民による抗議により、会社側と住民側による話し合いが行われている。
  • 台湾・福華(Haward)大飯店系列のホテル(日本エアシステム日本航空に併合)や地元企業と共同運営) - 高さは150m、35階建ての案だったが、2000年台湾大地震で計画白紙。
  • 地球環境センタービル - 温室効果ガス削減目的で緑地を挟むユニークな構造が話題になったが、親会社の倒産後計画不明。
上記の2つのうちどちらか、またはそれぞれ半分ずつの敷地で現在のTギャラリア沖縄 by DFSがある土地に建設の予定だった。

交通[編集]

モノレール[編集]

路線バス[編集]

おもろまち駅前広場[編集]

1番のりば
  • 8番・首里城下町線 (那覇バス)
  • 200番・糸満おもろまち線 (沖縄バス)※平日のみ
  • 223番・具志川おもろまち線 (琉球バス交通
  • 228番・読谷おもろまち線 (琉球バス交通・沖縄バス)
  • 235番・志多伯おもろまち線 (沖縄バス)
2番のりば
  • 227番・屋慶名おもろまち線 (沖縄バス)※土日祝のみ
  • 263番・謝苅おもろまち線 (琉球バス交通)
3番のりば
  • 6番・那覇おもろまち線 (那覇バス
  • 10番・牧志新都心線 (那覇バス) ※経由地としてのみ停車。
  • 13番・石嶺おもろまち線 (那覇バス)

交通広場へは民間バス会社の琉球バス交通・沖縄バス・那覇バスが乗り入れを行っている。なお、バス停名は施設名である「おもろまち交通広場」ではなく「おもろまち駅前広場」となっている。路線数は市外線のほうが多いが、運行本数的には市内線のほうが多い。

新都心内バス停[編集]

新都心内を運行している路線。但し、新都心沿いの国道58号国道330号のみを運行する路線は除く。

  • 3番・松川新都心線 (那覇バス)
  • 6番・那覇おもろまち線 (那覇バス)
  • 7番・首里城下町(久茂地)線 (那覇バス)
  • 8番・首里城下町線 (那覇バス)
  • 10番・牧志新都心線 (那覇バス)
  • 11番・安岡宇栄原線 (那覇バス) ※新都心経由のみ記載。安岡経由は除く。
  • 13番・石嶺おもろまち線 (那覇バス)
  • 21番・新都心具志川線 (琉球バス交通)
  • 99番・天久新都心線 (琉球バス交通)
  • 200番・糸満おもろまち線 (沖縄バス)
  • 223番・具志川おもろまち線 (琉球バス交通)
  • 227番・屋慶名おもろまち線 (沖縄バス)
  • 228番・読谷おもろまち線 (琉球バス交通 沖縄バス)
  • 235番・志多伯おもろまち線 (沖縄バス)
  • 263番・謝苅おもろまち線 (琉球バス交通)
  • 888番・やんばる急行バス 空港線
バス停名 3番 6番・13番 7番 8番 10番 11番 21番 99番 200番・235番 223番・227番
228番・263番
888番
安謝
安謝一丁目
安謝小学校入口
安謝二丁目
安謝東原公園前
天久
天久一丁目
天久二丁目
上之屋
おもろまち一丁目
おもろまち駅前
おもろまち駅前広場
おもろまち三丁目
おもろまち四丁目
県立博物館前
合同庁舎前
楽市前
第一天久
タチカワブラインド前
てんとうむし公園前
那覇国際高校前
那覇市水道局前
那覇メインプレイス東口
のはら元氣クリニック前
銘苅一丁目
銘苅小学校前
なは市民協働プラザ前
メディカルセンター
  • バス停名は50音順。
  • ○は停車路線。空白は非停車路線。
  • △は下り(上り)のみ停車

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ 安謝川水系河川整備基本方針” (PDF). 沖縄県 (2003年7月). 2003年12月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2032年11月24日閲覧。
  2. ^ 地域振興整備公団の財務調査結果(総合評価)総務省
  3. ^ 平成16年度 全建賞社団法人全日本建設技術協会
  4. ^ 那覇空港事務所からのお知らせ” (PDF). 制限表面区域図. 大阪航空局 那覇空港事務所. 2010年1月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2032年11月24日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]