1970年のナショナルリーグチャンピオンシップシリーズ

1970年ナショナルリーグ
チャンピオンシップシリーズ
チーム 勝数
シンシナティ・レッズ 3
ピッツバーグ・パイレーツ 0
シリーズ情報
試合日程 10月3日–5日
観客動員 3試合合計:11万2943人
1試合平均:03万7648人
殿堂表彰者 スパーキー・アンダーソン(CIN監督)
ジョニー・ベンチ(CIN捕手)
トニー・ペレス(CIN内野手)
ロベルト・クレメンテ(PIT外野手)
ビル・マゼロスキー(PIT内野手)
ウィリー・スタージェル(PIT外野手)
ダグ・ハーヴェイ(審判員)
チーム情報
シンシナティ・レッズ(CIN)
シリーズ出場 シリーズ開始2年目で初
GM ボブ・ホーサム
監督 スパーキー・アンダーソン
シーズン成績 102勝60敗・勝率.630
西地区優勝

ピッツバーグ・パイレーツ(PIT)
シリーズ出場 シリーズ開始2年目で初
GM ジョー・L・ブラウン
監督 ダニー・マートー
シーズン成績 089勝73敗・勝率.549
東地区優勝

 < 1969
NLCS
1970

1971 > 

 < 1969
ALCS
1970

1971 > 
ワールドシリーズ

1970年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)ポストシーズンは10月3日に開幕した。ナショナルリーグの第2回リーグチャンピオンシップシリーズ(2nd National League Championship Series、以下「リーグ優勝決定戦」と表記)は、同日から5日にかけて計3試合が開催された。その結果、シンシナティ・レッズ西地区)がピッツバーグ・パイレーツ東地区)を3勝0敗で下し、9年ぶり5回目のリーグ優勝およびワールドシリーズ進出を果たした。

今シリーズを皮切りにこの両球団は、1970年代の10年間で4度、リーグ優勝決定戦で対戦することとなる[1]。この年のレギュラーシーズンでは両球団は12試合対戦し、レッズが8勝4敗と勝ち越していた[2]。また、両球団はいずれもこの年途中に、人工芝のフィールドを持つ新球場へ移転した[注 1]。そのため、今シリーズ初戦は人工芝の上で開催されたポストシーズン史上初の試合となり、シリーズそのものも全試合が人工芝の上で開催されたポストシーズン史上初のシリーズとなった[3]。レッズは3連勝でリーグ優勝決定戦を突破したが、ワールドシリーズではアメリカンリーグ王者ボルチモア・オリオールズに1勝4敗で敗れ、30年ぶり3度目の優勝を逃した。

今シリーズでは、MLB審判員労働組合がポストシーズン出場給の増額を求め、初戦限定のストライキを決行したため、その日だけは引退した元審判員やマイナーリーグの審判員らが出場した。第2戦以降は通常の審判員が業務に戻り、労使交渉は7日に妥結した[4]

試合結果[編集]

1970年のナショナルリーグ優勝決定戦は10月3日に開幕し、3日間で3試合が行われた。日程・結果は以下の通り。

日付 試合 ビジター球団(先攻) スコア ホーム球団(後攻) 開催球場
10月03日(土) 第1戦 シンシナティ・レッズ 3-0 ピッツバーグ・パイレーツ スリー・リバース・スタジアム
10月04日(日) 第2戦 シンシナティ・レッズ 3-1 ピッツバーグ・パイレーツ
10月05日(月) 第3戦 ピッツバーグ・パイレーツ 2-3 シンシナティ・レッズ リバーフロント・スタジアム
優勝:シンシナティ・レッズ(3勝0敗 / 9年ぶり5度目)

第1戦 10月3日[編集]

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 R H E
シンシナティ・レッズ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 3 3 9 0
ピッツバーグ・パイレーツ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 8 0
  1. ゲイリー・ノーラン(1勝)  ドック・エリス(1敗)  Sクレイ・キャロル(1S)  
  2. 審判
    [球審]ジョン・グリムズリー
    [塁審]一塁: フレッド・ブランドフォード、二塁: ハンク・モーゲンウェック、三塁: ジョージ・グリジール
  3. 昼間試合 試合時間: 2時間23分 観客: 3万3088人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
シンシナティ・レッズ ピッツバーグ・パイレーツ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 P・ローズ 1 M・アルー
2 B・トーラン 2 D・キャッシュ
3 T・ペレス 3 R・クレメンテ
4 J・ベンチ 4 W・スタージェル
5 L・メイ 5 A・オリバー
6 B・カーボ 6 M・サンギーエン
7 T・ヘルムズ 7 R・ヘブナー
8 W・ウッドウォード 8 G・アリー
9 G・ノーラン 9 D・エリス
先発投手 投球 先発投手 投球
G・ノーラン D・エリス

第2戦 10月4日[編集]

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
シンシナティ・レッズ 0 0 1 0 1 0 0 1 0 3 8 1
ピッツバーグ・パイレーツ 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1 5 2
  1. ジム・メリット(1勝)  ルーク・ウォーカー(1敗)  Sドン・ガレット(1S)  
  2. 本塁打
    CIN:ボビー・トーラン1号ソロ
  3. 審判
    [球審]スタン・ランズ
    [塁審]一塁: ポール・プライアー、二塁: ダグ・ハーヴェイ、三塁: ボブ・エンゲル
    [外審]左翼: ハリー・ウェンデルステット、右翼: ニック・コロシ
  4. 昼間試合 試合時間: 2時間10分 観客: 3万9317人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
シンシナティ・レッズ ピッツバーグ・パイレーツ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 P・ローズ 1 M・アルー
2 B・トーラン 2 D・キャッシュ
3 T・ペレス 3 R・クレメンテ
4 J・ベンチ 4 M・サンギーエン
5 L・メイ 5 B・ロバートソン
6 H・マクレー 6 W・スタージェル
7 T・ヘルムズ 7 J・パガン
8 W・ウッドウォード 8 G・アリー
9 J・メリット 9 L・ウォーカー
先発投手 投球 先発投手 投球
J・メリット L・ウォーカー

第3戦 10月5日[編集]

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
ピッツバーグ・パイレーツ 1 0 0 0 1 0 0 0 0 2 10 0
シンシナティ・レッズ 2 0 0 0 0 0 0 1 X 3 5 0
  1. ミルト・ウィルコックス(1勝)  ボブ・ムース(1敗)  Sドン・ガレット(2S)  
  2. 本塁打
    CIN:トニー・ペレス1号ソロ、ジョニー・ベンチ1号ソロ
  3. 審判
    [球審]ポール・プライアー
    [塁審]一塁: ダグ・ハーヴェイ、二塁: ボブ・エンゲル、三塁: ハリー・ウェンデルステット
    [外審]左翼: ニック・コロシ、右翼: スタン・ランズ
  4. 昼間試合 試合時間: 2時間38分 観客: 4万538人
    詳細: Baseball-Reference.com
両チームの先発ラインナップ
ピッツバーグ・パイレーツ シンシナティ・レッズ
打順 守備 選手 打席 打順 守備 選手 打席
1 F・パテック 1 P・ローズ
2 M・アルー 2 B・トーラン
3 R・クレメンテ 3 T・ペレス
4 W・スタージェル 4 J・ベンチ
5 A・オリバー 5 L・メイ
6 M・サンギーエン 6 B・カーボ
7 R・ヘブナー 7 T・ヘルムズ
8 B・マゼロスキー 8 W・ウッドウォード
9 B・ムース 9 T・クロニンガー
先発投手 投球 先発投手 投球
B・ムース T・クロニンガー

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ レッズは6月24日にクロスリー・フィールドで最後の試合を行い、同月30日からリバーフロント・スタジアムを新本拠地とした。パイレーツは同月28日のダブルヘッダーをもってフォーブス・フィールドの使用を終了し、7月16日にスリー・リバース・スタジアムで最初の試合に臨んだ。

出典[編集]

  1. ^ Pohla Smith, "Reds, Pirates ruled playoffs in '70s," UPI Archives, October 3, 1990. 2020年11月22日閲覧。
  2. ^ "1970 Cincinnati Reds Schedule," Baseball-Reference.com. 2020年11月22日閲覧。
  3. ^ Andrew Simon, "Artificial turf debuted in Majors 50 years ago / Grass substitute made first appearance at Astrodome, was popular in '70s and '80s," MLB.com, April 17, 2016. 2020年11月22日閲覧。
  4. ^ Larry Granillo, "Wezen-Ball: Replacement Umpires," Baseball Prospectus, October 5, 2011. 2020年11月22日閲覧。

外部リンク[編集]