1995年の全日本F3選手権

1995年の全日本F3選手権
前年:	1994	翌年:	1996

1995年の全日本F3選手権（1995ねんのぜんにほんF3せんしゅけん）は、1995年（平成7年）3月18日 - 19日に鈴鹿サーキットで開幕し、同年10月7日 - 8日に仙台ハイランドで閉幕した全10戦による1995年シーズンの全日本F3選手権である。

シリーズチャンピオンはペドロ・デ・ラ・ロサ（スペイン）が獲得した。

概要[編集]

第2戦富士が決勝日当日の豪雨により中止となり、全9戦のシリーズとなった^[1]。これにより有効ポイントも10戦中7戦のポイントから9戦中6戦の有効ポイントに変更されての選手権となった。

前年のF1で複数発生した重大事故により、1995年、F1と同様に各国のF3選手権にもステップドボトム規定が導入された。そのため規定導入前の型遅れ中古マシンでの参戦はできなくなり、参戦台数の減少につながってしまった^[2]。日本における台数の減少は前年からの景気の冷え込みも大きく影響していたが、この対策として、旧型マシンでの参戦を促す方策が取られた。旧型マシンでの参戦も可能とする規定とし、その場合は旧型車のアンダーボディ後部をカットしスピードダウンさせる処置がとられ、クラスも分けられ「Jクラス」として混走することとなった。このJクラスのマシンではアンダーボディ加工によりダウンフォース量が少なかったが、富士では逆にコース適性からJクラスの旧マシンの方がストレートスピードが速い事象も発生し、新型ダラーラの中に割って入りシングル順位に食い込むケースも見られた^[3]。

新型のダラーラ・F395は新ステップドボトム規定で製作されたが、チャンピオン・チームのトムスは新たな規定でのオリジナルシャシー製作をいったん見送り、このダラーラを購入しそれにトヨタエンジンを載せて参戦した。トムスチームのダラーラ・トヨタをドライブしたペドロ・デ・ラ・ロサは、前年に参戦したイギリスF3での結果がそれほど良くなかったため、トムスチームに加入したとはいえ開幕前の注目度はそれほど高くなく、第1戦鈴鹿でポールポジションを獲得し決勝でも逃げ切り優勝を果たすと「ダークホースの優勝」と報じられた^[2]。デ・ラ・ロサはその後も勝ち続け、全9戦中8勝という圧倒的な存在として有効ポイント6戦のすべてが優勝のポイントとなる「完全勝利」で年間王座を獲得。翌年からはノバ・エンジニアリングと契約しフォーミュラ・ニッポンへの昇格が決まった。

デ・ラ・ロサ以外に勝利を挙げたのは、第3戦筑波で優勝した本山哲だけであり、ランキング2位となった本山は翌年から新規発足するFUNAIスーパーアグリのフォーミュラ・ニッポンシートを得た。

エントリーリスト[編集]

車番	ドライバー	車名（シャシー／エンジン）	エントラント
2	脇阪寿一	ASSO DALLARA 無限（ダラーラF395／無限MF204）	TODA RACING with ASSO MOTORSPORT FCS
3	フィリップ・ペーター	TOMEI SPORT OPEL （ダラーラF395／オペルC20）	TOMEI SPORT OPEL TEAM JAPAN
4	西宮圭一	TOMEI SPORT OPEL （ダラーラF395／オペルC20）	TOMEI SPORT OPEL TEAM JAPAN
6	本山哲	ANABUKI DALLARA 395 無限（ダラーラF395／無限MF204）	株式会社童夢
7	ペドロ・デ・ラ・ロサ	TOM'S DALLARA F395 （ダラーラF395／トヨタ・トムス3S-G）	TOM'S
8	早田岳史	TOM'S DALLARA F395 （ダラーラF395／トヨタ・トムス3S-G）	TOM'S
9	中嶋修	R.F.LeyJun （ダラーラF395／トヨタ・トムス3S-G）	R.F.LeyJun
21	勝間田健一	DALLARA F395 （ダラーラF395／トヨタ・トムス3S-G）	OASYS
21	島守広	CIBIE・ステラ F395 （ダラーラF395／トヨタ・トムス3S-G）	ステラインターナショナル
23	加藤寛規	THE・NEXT・ONE 無限（ダラーラF395／無限MF204）	THE・NEXT・ONE
26	立川祐路	MORISAWA RACING 395 （ダラーラF395／トヨタ・トムス3S-G）	モリサワレーシング
27	川本篤	ASAHI KIKO F395 （ダラーラF395／トヨタ・トムス3S-G）	ASAHI KIKO SPORTS
32	立川祐路	（ダラーラF395／トヨタ・トムス3S-G）
32	横林直樹	Daiichi F395 TOM'S （ダラーラF395／トヨタ・トムス3S-G）	NOW MOTOR SPORTS
33	道上龍	Daiichi F395 TOM'S （ダラーラF395／トヨタ・トムス3S-G）	NOW MOTOR SPORTS
72	戸田哲史	MORISAWA RACING 395 （ダラーラF395／トヨタ・トムス3S-G）	モリサワレーシング
87	大西太一郎	TOKYO NEWS ダラーラ（ダラーラF395／HKS三菱4G93）	TOKYO NEWS with HKS

Jクラス[編集]

車番	ドライバー	車名（シャシー／エンジン）	エントラント
4	西宮圭一	TOMEI SPORT OPEL （ダラーラF393／オペルC20）	TOMEI SPORT OPEL TEAM JAPAN
5	浅井亮博	TOMEI SPORT OPEL （ダラーラF393／オペルC20）	TOMEI SPORT OPEL TEAM JAPAN
5	佐々木博	TOMEI SPORT OPEL （ダラーラF394／オペルC20）	TOMEI SPORT OPEL TEAM JAPAN
11	井出有治	boutique Z2 F393 （ダラーラF393／無限MF204）	アサダレーシング
12	歌川拓	三菱商事石油ダラーラ F393 & 東京MCオイルダラーラ F393 & 中部MCオイルダラーラ F393 （ダラーラF393／トヨタ・トムス3S-G）	歌川拓
15	小泉和寛	TOMEI SPORT OPEL （ダラーラF394／オペルC20）	TOMEI SPORT OPEL TEAM JAPAN
16	土屋武士	ENDLESS F394-J （ダラーラF394／トヨタ・トムス3S-G）	土屋武士
17	谷川達也	ALEXEL F394 （ダラーラF394／トヨタ・トムス3S-G）	NAVI CONNECTION RACING TEAM
	高橋秀行	ALEXEL F394 （ダラーラF394／トヨタ・トムス3S-G）	NAVI CONNECTION RACING TEAM
	高橋秀行	プロスペレーラダラーラ F393 （ダラーラF393／トヨタ・トムス3S-G）
22	佐々木博	トムス 033F レプリ（トムス033F／トヨタ・トムス3S-G）	佐々木博
24	ディランタ・マラガムワ	チームスリランカ F393 （ダラーラF393／無限MF204）	アサダレーシング
36	篠宮正	セントラルサービスダラーラ（ダラーラF393／無限MF204）	篠宮正
36	篠宮正	御園サービスアイチ製函ダラーラ（ダラーラF394／無限MF204）	ロックフィールドレーシングチーム
37	岩田英嗣	御園サービスセントラルダラーラ（ダラーラF393／無限MF204）	ロックフィールドレーシングチーム
37	田中勝嘉	アルファ ABS ダラーラ（ダラーラF393／無限MF204）	ロックフィールドレーシングチーム
38	浅見武	イエローハットダラーラ393 （ダラーラF393／無限MF204）	チームイエローハット
39	伊藤勝一	エアロビート 394 エンドレス（ダラーラF394／フィアット）	伊藤勝一
41	重富英和	協栄組・Y&A・033F トムス（トムス033F／トヨタ・トムス3S-G）	レーシングチームY&A

タイヤは全車ブリヂストン

スケジュールおよび勝者[編集]

	決勝日	開催イベント	勝者	優勝マシン	ポールポジション	ファステストラップ
第1戦	3月19日	ミリオンカードカップ Round1 鈴鹿	ペドロ・デ・ラ・ロサ	ダラーラ・トヨタ	P.デ・ラ・ロサ	道上龍
第2戦	4月9日	富士インターナショナルフォーミュラ	豪雨のため中止	－中止－	本山哲	－中止－
第3戦	4月23日	筑波チャレンヂカップ	本山哲	ダラーラ・無限	道上龍	道上龍
第4戦	5月7日	MINE ALL STAR	ペドロ・デ・ラ・ロサ	ダラーラ・トヨタ	P.デ・ラ・ロサ	道上龍
第5戦	5月21日	ミリオンカードカップレース鈴鹿	ペドロ・デ・ラ・ロサ	ダラーラ・トヨタ	P.デ・ラ・ロサ	P.ペーター
第6戦	6月18日	TIサーキット英田爆走400km耐久 F3	ペドロ・デ・ラ・ロサ	ダラーラ・トヨタ	P.デ・ラ・ロサ	P.デ・ラ・ロサ
第7戦	7月30日	SUGO INTER FORMULA	ペドロ・デ・ラ・ロサ	ダラーラ・トヨタ	P.デ・ラ・ロサ	P.デ・ラ・ロサ
第8戦	9月3日	FUJI INTER	ペドロ・デ・ラ・ロサ	ダラーラ・トヨタ	P.デ・ラ・ロサ	脇阪寿一
第9戦	9月24日	ミリオンカードN1-500鈴鹿	ペドロ・デ・ラ・ロサ	ダラーラ・トヨタ	P.デ・ラ・ロサ	P.デ・ラ・ロサ
第10戦	10月8日	仙台ハイランド選手権レース	ペドロ・デ・ラ・ロサ	ダラーラ・トヨタ	P.デ・ラ・ロサ	P.デ・ラ・ロサ

シリーズポイントランキング[編集]

ポイントシステム:
順位	1位	2位	3位	4位	5位	6位
ポイント	9	6	4	3	2	1

ベスト6戦の有効ポイント制
太字はポールポジション、斜字はファステストラップ。(key)

ランキング	No.	ドライバー	マシン	SUZ	FSW	TSU	MIN	SUZ	AID	SUG	FSW	SUZ	SEN	ポイント
1	7	ペドロ・デ・ラ・ロサ	ダラーラ・トヨタ	1	C	2	1	1	1	1	1	1	1	54 (78)
2	6	本山哲	ダラーラ・無限	2	C	1	3	2	2	5	8	2	3	37 (43)
3	23	加藤寛規	ダラーラ・無限		C	6	2	6	4	2	3	3	2	28 (30)
4	33	道上龍	ダラーラ・トヨタ	3	C	3	4	Ret	3	3	5	4	4	25 (27)
5	3	フィリップ・ペーター	ダラーラ・オペル	4	C	5	5	3	Ret	4	4			17
6	9/2	脇阪寿一	ダラーラ・無限	7	C	8	11	4	7	10	2	6	8	10
7	8	早田岳史	ダラーラ・トヨタ	8	C	4	7	5	Ret	6	7	5	5	10
8	26	立川祐路	ダラーラ・トヨタ			Ret	9	7	5	7	9		6	3
8	32	横林直樹	ダラーラ・トヨタ	5	C		6	Ret	Ret					3
10	27	川本篤	ダラーラ・トヨタ	6	C	7	8	8	6	8	6	7	7	3
-	87	大西太一郎	ダラーラ・HKS	10	C	9	10	9	8	9	11	8	Ret	0
-	72	戸田哲史	ダラーラ・トヨタ	9	C									0
-	4	西宮圭一	ダラーラ・オペル		C								9	0
-	21	島守広	ダラーラ・トヨタ								10		Ret	0
-	21	勝間田健一	ダラーラ・トヨタ	11										0
-	9	中嶋修	ダラーラ・トヨタ									Ret		0

C=中止、Ret=リタイア、DNS=スタートできず、DNQ=予選不通過、DQ=失格

脚注[編集]

^ 全日本F3000＆F3第2戦富士は悪天候のため中止に午後から降り出した雨でクラッシュ発生 Racing OnNo.190 122-123頁 1995年4月28日発行
^ ^a ^b 国内F3選手権の歴史 1995車両規定変更オートスポーツ No.709 12-16頁三栄書房 1996年9月1日発行
^ F3 Jクラスならではの活躍に期待 Racing On No.190 123頁 1995年4月28日発行

外部リンク[編集]

Japan Formula 3 Official Web Site

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[1] 全日本F3000＆F3第2戦富士は悪天候のため中止に午後から降り出した雨でクラッシュ発生 Racing OnNo.190 122-123頁 1995年4月28日発行

[AS_f3history-2] 国内F3選手権の歴史 1995車両規定変更オートスポーツ No.709 12-16頁三栄書房 1996年9月1日発行

[3] F3 Jクラスならではの活躍に期待 Racing On No.190 123頁 1995年4月28日発行

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表話編歴全日本F3選手権 / 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 / フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ
全日本F3選手権	1979 1980 1981 1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019
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