Garamond

さまざまなGaramond

Garamond(ギャラモン、ガラモン、ガラモンド)は、ラテン文字活字書体セリフ体に属する。いわゆるオールドフェイス・セリフの代表格である。16世紀フランス人の活字鋳造業者、クロード・ギャラモン (Claude Garamond) が製造した活字がオールド・ローマンの代名詞のようにいわれたため、各地の活字鋳造所で Garamond と名付けられた活字が制作された。

Garamondは大まかに分けてクロード・ギャラモンの活字を基にしたものと、ジャン・ジャノン(Jean Jannon)の活字を基にしたものとがある。これはジャノンがギャラモンを模倣して作った活字を、19世紀前半にフランス国立印刷局がGaramondとして復刻したことに由来する[1]。Garamondからフォントを作る場合、イタリックはロベール・グランジョン(Robert Granjon)によるものが参照されることが多い。

現在でも多くの人に利用され、デジタルフォントにもさまざまなバリエーションのGaramondが存在する。かつてAppleはApple Garamondを、AdobeはAdobe Garamondをコーポレートフォントとして採用していた(両社ともMyriadへの変更を経て、現在AdobeはAdobe Clean、AppleはSan Franciscoを使用する)。

図の解説[編集]

Monotype Garamond
Monotypeが1922年に金属活字として発売した書体。ジャノン系。フランス国立印刷局の活字を基にしたデザイン。マイクロソフト製品にバンドルされる「Garamond」はこの書体。
Adobe Garamond Pro
Adobeから1989年にデジタルフォントとしてリリースされた書体。ロバート・スリムバックRobert Slimbach)らがギャラモンのローマン活字とグランジョンのイタリック活字を基にデザインした。
Granjon
George W. JonesがLinotype社で発表した書体。ギャラモン系。
Garamond 3
ATF(American Type Founders)でモリス・ベントンがデザインしたATF Garamondをライノタイプ自動鋳造植字機用に改刻したもの。ジャノン系。
Berthold Garamond
ドイツの書体制作会社ベルトールドが写真植字向けに発表したGaramond。
ITC Garamond
ITC(International Typeface Corporation)のGaramond。エックスハイト(x-height)が大きい。

その他のGaramond[編集]

Stempel Garamond
ギャラモン系[2]PostScript 3 Core Font Setに含まれている[3][4][5]
Garamond No. 8
(URW)++[6][7]の Garamond[8]フリーウェアのものをWWWから入手できる[9][10]
Sabon
ギャラモン系。1967年にLinotype、Monotype、Stempelの3社から共同でリリースされた。ヤン・チヒョルトによるデザイン。

脚注[編集]

外部リンク[編集]