WHILL
種類 | 株式会社 |
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本社所在地 | 日本 〒140-0002 東京都品川区東品川2丁目1-11 ハーバープレミアムビル 2F |
設立 | 2012年5月 |
業種 | 製造業 |
法人番号 | 9010701026565 |
事業内容 | パーソナルモビリティの開発・販売、関連サービスの提供 |
代表者 | 杉江 理(代表取締役社長 CEO) |
従業員数 | 連結:約300人 (2023年3月現在) |
外部リンク | https://whill.inc/jp/ |
WHILL株式会社(ウィル)は、東京都品川区東品川に本社を置く企業。パーソナルモビリティ(電動車いす)であるWHILL(ウィル)の開発・販売、ならびにWHILLを用いた各種サービスの提供を行っている。
沿革[編集]
- 2009年秋 - エンジニア集団「Sunny Side Garage」が設立される。
- 2010年7月 - Team WHILLとして活動開始。
- 2011年 - コンセプトモデルを東京モーターショーに出展。
- 2012年5月 - WHILL株式会社を設立。
- 2013年4月 - アメリカ合衆国カリフォルニア州シリコンバレーに拠点を設立。
- 2014年 - 最初の製品モデル「WHILL Model A」を販売。
- 2017年 - 普及価格帯モデルとして「WHILL Model C」を販売。
概要[編集]
2009年秋、ソニーで車載カメラの開発部門に所属していた内藤淳平と、内藤の名古屋大学大学院時代の同級生であったオリンパスで医療機器の研究部門に所属していた福岡宗明が中心となり、エンジニア集団「Sunny Side Garage」を設立した。ここにデザイナーの杉江理(元日産自動車デザイナー)も加わり、アート作品などを開発していた[1]。
Sunny Side Garageとしての活動時、「100m先のコンビニに行くのをあきらめる」といった車椅子ユーザの声と出会ったことからWHILLの開発がスタートし、2011年の東京モーターショーでコンセプトモデルを出展した。その後、車椅子ユーザでもあるオーエックスエンジニアリング創業者の石井重行に協力を求めたところ、「コンセプトモデルだけ作り、製品化しないことは製品を待ち望む車椅子ユーザにとって残酷である。本気で作るつもりがないなら今すぐやめろ。」と強い叱責を受け、開発メンバーは実用化・製品化を強く決意した。内藤、福岡はそれぞれの勤務先を退社し、杉江と合流してWHILL株式会社を設立した[1]。
日本国内の電動車椅子マーケットは小さいことから、世界最大のマーケットであるアメリカ合衆国への進出を早い段階で行っている[1]。
「WHILL Model A」「WHILL Model C」などの製品発売後、WHILLをインフラとして走らせる「MaaS事業」を重視し、2019年頃からWHILLを用いた自動運転システムの開発・実証実験なども行っている[1]。
パーソナルモビリティ WHILL[編集]
WHILLは同社が開発・販売するパーソナルモビリティである。本来は福祉用具であった眼鏡がファッションアイテムとなり、視力に問題のない人も進んで利用するようになったことをモデルとして、WHILLは「車椅子」としての心理的なバリアを取り除くため、「パーソナルモビリティ」として再定義が試みられている[1]。
WHILL Model A[編集]
初の製品モデル。前輪には24個のタイヤからなるオムニ・ホイールを搭載し、最小回転半径を70cmとしている。また、四輪駆動である。iPhoneのアプリを使用した遠隔操作も可能[2]。重量は116kgで、価格は99万5000円[3]。
WHILL Model C[編集]
2017年に発売された改良モデル[3]。Model Aから価格が45万円に引き下げられたほか、重量が52kgに軽量化されている。軽量化のため、二輪駆動となっているほか、バッテリーも鉛蓄電池からリチウムイオン電池に変更された。分解も容易で、乗用車で持ち運ぶ事も可能とされている[3]。
2017年、グッドデザイン賞を受賞[4]。また、パナソニックによる自動追従ロボット型電動車いす「PiiMo」のベース車両としても使われている[5]。
WHILL Model C2[編集]
2020年に発売された改良モデル。リアサスペンションの採用や航続距離の増加など、仕様が変更されている[6]。
日本での最高速度は道路交通法の制限により時速6kmだが、アメリカ版ではそれ以上の速度が出せるようになっている[7]。
自動運転[編集]
羽田空港第1ターミナルや慶應義塾大学病院、国立成育医療研究センターなどにおいて、同社製のWHILLを用いた「WHILL自動運転システム」の実証実験が行われている[6][7][8]。
販売方式[編集]
従来は電動車いすとして介護保険制度に対応しているため、同社から卸業者、貸与事業者、ケアマネージャーなどを経て利用者に引き渡されていたが、2020年よりメーカーからの直販も開始された[6]。
自動車ディーラーでも販売されており、併せて免許返納の支援なども行われている[9]。
脚注[編集]
- ^ a b c d e “WHILL STORY”. 2021年9月26日閲覧。
- ^ a b “パーソナルモビリティ [WHILL Model A Good Design Award]”. 2021年10月6日閲覧。
- ^ a b c “スマートモビリティ「WHILL」に半額の新モデル--本体の分離で車載もスムーズに(CNET Japan)”. 2021年10月6日閲覧。
- ^ “パーソナルモビリティ [WHILL Model C Good Design Award]”. 2021年10月6日閲覧。
- ^ “パナソニック、追従走行機能を搭載するロボット型電動車いす「PiiMo(ピーモ)」説明会(Car Watch)”. 2021年10月6日閲覧。
- ^ a b c “新しい近距離モビリティ=電動車いす WHILL C2 が登場…クオリティ・オブ・ライフ向上に貢献(Response)”. 2021年10月6日閲覧。
- ^ a b “世界23カ国で展開、注目を集める日本発の次世代型電動車椅子「WHILL」が見据える“パーソナリティモビリティ”の時代(Abema Times)”. 2021年10月6日閲覧。
- ^ “パーソナルモビリティの「WHILL」が出産後の患者を病室まで自動運転で移動させる実証実験を産科病棟で開始(TechCrunch)”. 2021年10月6日閲覧。
- ^ “電動車椅子「WHILL」と全国430店舗の自動車ディーラーが連携--免許返納など支援(CNET Japan)”. 2021年10月6日閲覧。