きょしちょう座DS星

きょしちょう座DS星
DS Tucanae
きょしちょう座DS星の画像。右がAで左がB。
きょしちょう座DS星の画像。右がAで左がB。
星座 きょしちょう座[1]
見かけの等級 (mv) 9[2]
分類 恒星
軌道要素と性質
惑星の数 A:1
B:0
位置
赤経 (RA, α)  23h 39m 39.48044s[3]
赤緯 (Dec, δ) −69° 11′ 44.7051″[3]
視線速度 (Rv) 8.30±0.2 km/s[3]
固有運動 (μ) 赤経: 79.30 ミリ秒/[3]
赤緯: -67.62 ミリ秒/年[3]
年周視差 (π) 21.89 ± 0.84ミリ秒[3]
(誤差3.8%)
距離 149 ± 6 光年[注 1]
(46 ± 2 パーセク[注 1]
物理的性質
半径 A:0.872±0.027 R[2]
B:0.769±0.033 R[4]
質量 A:0.959±0.031 M[2]
B:0.782±0.022 M[4]
スペクトル分類 A:G6V[3]
B:K3Ve[3]
表面温度 A:5597+28
−59
K[2]
B:4653±18 K[4]
金属量[Fe/H] A:-0.08±0.06[2]
年齢 A:4000万年[2]
他のカタログでの名称
HD 222259[3]
HIP 116748[3]
1SWASP J233939.48-691144.8[3]
Gaia DR1 6387058407186674560[3]TIC 410214986[5]
TOI-200[5]
Template (ノート 解説) ■Project

きょしちょう座DS星とは、地球からきょしちょう座の方向に約44.12パーセク離れた場所に位置する恒星である[2]

概要 [編集]

大きさの比較
太陽 きょしちょう座DS星A
太陽 Exoplanet
大きさの比較
太陽 きょしちょう座DS星B
太陽 Exoplanet

南半球の星座きょしちょう座の恒星である[1]きょしちょう座DS星はAとBからなる連星系であり、AはG型の太陽と類似した恒星である。BはK型で太陽より小さい[4]。この2つは240天文単位離れている。きょしちょう座DS星系は年齢が4000万年程度の恒星が集まっているきょしちょう座・とけい座アソシエーションに属していることが知られている。HD 222259TIC 410214986TOI-200等の別名を持つ[2][5]

惑星系 [編集]

概要 [編集]

きょしちょう座DS星Aの惑星[2]
名称
(恒星に近い順)
質量 軌道長半径
天文単位
公転周期
()
軌道離心率 軌道傾斜角 半径
b 0.088+0.11
−0.041
 MJ
0.0795±0.003 8.138268±1e-05 89.5+0.41
−0.34
°
0.5085±0.0152 RJ

2019年TESSによるトランジット法を用いた観測できょしちょう座DS星Aに1つの太陽系外惑星きょしちょう座DS星Abが発見された[2][4]。主星の年齢は4000万年とされており、1億年未満の年齢の恒星が主星である既知の10の惑星の1つである[6]。そのような惑星としてはケプラー宇宙望遠鏡によって発見されたK2-33bEPIC205117205.01等が知られている。他にはおうし座V830星bが知られており、この惑星の主星の年齢は200万年より若いとみられている。

この惑星はA星の周囲を約8.14日の公転周期公転しており、大きさは地球の約5.6倍である[4]。これは、海王星型惑星木星型惑星の中間に位置する。質量は地球の約20倍程度とされているが、惑星が膨張していれば質量はその値より小さいとみられる。ドップラー分光法による観測では、上限の質量が0.94木星質量であるという値を得られた。

大きさの比較
木星 きょしちょう座DS星Ab
木星 Exoplanet

特性 [編集]

恒星風の影響によって[7]大気が流出している可能性が示されている。主星が明るいことから、透過光分光法による大気観測が可能であるかもしれない。CHEOPSによる観測できょしちょう座DS星Abが特性評価のターゲットとなった[8]

きょしちょう座DS星Abは軸から約12°傾いて恒星の周囲を公転していることが知られている[6]太陽系に存在する惑星は僅かに傾いて公転しているが、連星系の恒星の周囲で形成される惑星の場合、このような惑星系は非常に珍しい存在である。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算

出典[編集]

  1. ^ a b ‘PRE-TEEN’ EXOPLANET OFFERS UNSW RESEARCHERS OPPORTUNITY TO TEST THEORIES”. Space Ustralia (2020年3月2日). 2020年10月17日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j Planet DS Tuc A b”. 太陽系外惑星エンサイクロペディア (2020年6月6日). 2020年10月17日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l DS Tuc”. Simbad. 2020年10月17日閲覧。
  4. ^ a b c d e f TESSが若い連星系に惑星を発見”. exop.info (2019年4月6日). 2020年10月17日閲覧。
  5. ^ a b c TESS Project Candidates”. NASA. 2020年10月17日閲覧。
  6. ^ a b Как открытие DS Tuc Ab изменит понимание процесса формирования планет” (2020年5月13日). 2020年10月17日閲覧。
  7. ^ DS Tuc Ab is a young gaseous exoplanet that can offer information on the evolution of that type of planets”. Tachyon Beam (2019年7月28日). 2020年10月17日閲覧。
  8. ^ APPROVED AO-1 PROGRAMMES”. ESA (2019年7月24日). 2020年10月17日閲覧。

関連項目 [編集]