ビアー(古希: Βία, Biā)は、ギリシア神話の女神である。力、勇敢、武勇、暴力が神格化されたもの。長母音を省略してビアとも表記される。
ティーターンのパラースとステュクスの娘で、兄弟にニーケー(勝利)、クラトス(力)、ゼーロス(熱意)がいる[1][2]。兄弟とともに、ゼウスの側近を務めている。
アイスキュロスは、ビアーはクラトスとヘーパイストスとともにプロメーテウスを縛ったと述べている[3]。パウサニアスは、コリントスにはビアーとアナンケー(必然)を合祀した神域があったが、この神域に人が立ち入ることは許されていないと報告している[4]。
参考文献[編集]
- アポロドーロス『ギリシア神話』高津春繁訳、岩波文庫(1953年)
- 『ギリシア悲劇I ―アイスキュロス』、ちくま文庫(1985年)
- パウサニアス『ギリシア記』飯尾都人訳、龍溪書舎(1991年)
- ヘシオドス『神統記』廣川洋一訳、岩波文庫(1984年)
- 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』岩波書店(1960年)