フランシスコ・グテレス

フランシスコ・グテレス
Francisco Guterres


任期 2017年5月20日2022年5月20日

出生 (1954-09-07) 1954年9月7日(69歳)
ポルトガル領ティモール ヴィケケ県
政党 東ティモール独立革命戦線(フレティリン)
署名

フランシスコ・グテレス(Francisco Guterres、1954年9月7日[1] -)は、東ティモールの政治家。同国の第4代大統領を務めた[2]。「ル・オロ (Lu-Olo) 」の通称でも知られている[3]。1999年にインドネシアが東ティモールから撤退するまでの約24年間にわたり抵抗運動に参加して戦っていた[1]

経歴[編集]

1954年9月7日ヴィケケ県で男4人女4人の8人兄弟の6番目として生まれた[1]1973年に聖テレジーニャ大学の講師になったが[1]1975年のインドネシアによる侵攻以降は東ティモール独立革命戦線(フレティリン)によるゲリラ活動に加わった[2][注釈 1]。1970年代後半のインドネシア国軍による殲滅作戦の中を生き残り、フレティリンの中で昇進していった[1]1997年、前任のコニス・サンタナが病死したためフレティリン司令部の書記官に就任し、東ティモールにおいて最高齢のフレティリン幹部になった[1]

2001年、東ティモールの憲法草案の作成を主導した[4]2002年に東ティモールが独立すると、初代国会議長に就任した[5]

2007年東ティモール独立革命戦線(フレティリン)党首として[6]大統領選挙に初出馬したが落選した[5]4月9日の投票では得票率27.9パーセントを獲得し候補者6人の中で首位に立ったが過半数を獲得することはできず、得票率21.8パーセントで2位につけた無所属でノーベル平和賞受賞者のジョゼ・ラモス=ホルタと1カ月後に決選投票を行うことになった[6]。決選投票では落選した4人の支持を受けたホルタが得票率69.1パーセントを獲得し、グテレスは大差で敗北することになった[6]

2012年、フレティリン党首として大統領選挙に出馬した[7]3月17日の投票では現職大統領ジョゼ・ラモス=ホルタ含む12名の候補の中で[7]得票率28.8パーセントで首位になったものの過半数に届かず、得票率25.7パーセントで2位に入ったタウル・マタン・ルアク前国軍司令官と[8]4月16日に決選投票を行うことになった[7]。その結果、ルアク候補が他の党の支持を受けて得票率61.2パーセントで当選し、グテレスは再度落選した[8]

2017年3月20日大統領選挙英語版に出馬し得票率約58パーセントで初当選した[9]。グテレス自身が党首を務めるフレティリンはこのとき第2党だったが、シャナナ・グスマン率いる第1党東ティモール再建国民会議 (CNRT) からの支持も受けての当選だった[9]5月20日、第4代大統領に就任した[2]。同年9月14日、初代首相のマリ・アルカティリを次期首相として任命すると公表した[10]

再選をかけた2022年3月19日の大統領選挙英語版では第1目投票で22.16%の票を獲得して第2位となり、46.58%を獲得したホルタと共に4月19日の決選投票に進出[11]。決選投票では37.9%の得票にとどまり落選した[12]。5月20日に退任。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 公式ブログのプロフィールでは、1974年東ティモール独立革命戦線(フレティリン)が改名前のティモール社会民主協会(ASDT)だった時に加入したとされている[1]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g Biography of Francisco Guterres "Lu-Olo", (2007-03-17), https://luolobapresidente.blogspot.com/2007/03/biography-of-francisco-guterres-lu-olo.html 2017年11月26日閲覧。 
  2. ^ a b c “東ティモール新大統領就任 脱資源を模索”. 日本経済新聞. (2017年5月20日). https://www.nikkei.com/article/DGXLASGM19H8A_Q7A520C1NNE000/ 2017年11月26日閲覧。 
  3. ^ “Jose Ramos-Horta says new East Timorese president will push for new maritime boundary with Australia”. ABCニュース (オーストラリア). (2017年5月11日). http://www.abc.net.au/news/2017-05-11/east-timor-president-to-push-for-new-maritime-boundary/8514800 2017年11月26日閲覧。 
  4. ^ “East Timor country profile”. BBC news. (2017年9月4日). http://www.bbc.com/news/world-asia-pacific-14919009 2017年11月26日閲覧。 
  5. ^ a b “野党のルオロ氏が当選確実 東ティモール大統領選”. 日本経済新聞. (2017年3月21日). https://www.nikkei.com/article/DGXLASGM21H6P_R20C17A3000000/ 2017年11月26日閲覧。 
  6. ^ a b c 水野久美子 (2008). “グスマン新政権誕生治安の安定,貧困対策が最優先課題 : 2007年のティモール・レステ(東ティモール)”. アジア動向年報 (日本貿易振興機構アジア経済研究所): 405. https://hdl.handle.net/2344/00002617 2017年11月26日閲覧。. 
  7. ^ a b c 東ティモール大統領選挙決選投票への我が国選挙監視要員の参加, 日本国外務省, (2012-04-13), https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/24/4/0413_04.html 2017年11月26日閲覧。 
  8. ^ a b 水野久美子 (2013). “ルアク大統領誕生,グスマン首相続投へ : 2012年のティモール・レステ”. アジア動向年報 (日本貿易振興機構アジア経済研究所): 401. https://hdl.handle.net/2344/00002750 2017年11月26日閲覧。. 
  9. ^ a b “東ティモール大統領選、グテレス氏初当選 第2党の党首”. 朝日新聞. (2017年3月25日). http://www.asahi.com/articles/ASK3T76MHK3TUHBI02P.html 2017年11月26日閲覧。 
  10. ^ “東ティモール次期首相にアルカティリ氏”. 産経新聞. (2017年9月14日). http://www.sankei.com/world/news/170914/wor1709140033-n1.html 2017年11月26日閲覧。 
  11. ^ “平和賞受賞者と現職、決選投票へ”. 共同通信社. (2022年3月21日). https://web.archive.org/web/20220321145507/https://nordot.app/878644370669092864 2022年3月23日閲覧。 
  12. ^ “Ramos-Horta wins East Timor presidential election: officials”. France 24. (2022年4月20日). https://www.france24.com/en/live-news/20220420-ramos-horta-wins-east-timor-presidential-election-officials 2022年4月21日閲覧。 

外部リンク[編集]