小深田大翔

小深田 大翔
東北楽天ゴールデンイーグルス #0
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 兵庫県佐用郡佐用町
生年月日 (1995-09-28) 1995年9月28日(28歳)
身長
体重
168 cm
69 kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 遊撃手二塁手三塁手外野手
プロ入り 2019年 ドラフト1位
初出場 2020年6月19日
年俸 8500万円(2024年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

小深田 大翔(こぶかた ひろと、1995年9月28日 - )は、兵庫県佐用郡佐用町出身のプロ野球選手内野手外野手)。右投左打。東北楽天ゴールデンイーグルス所属。

経歴[編集]

プロ入り前[編集]

小学校1年からソフトボールを始める[2]。中学生時代はヤングリーグの佐用スターズに所属し遊撃手を務めていた[2]

神戸国際大学附属高等学校に進学するも、3年夏は県大会2回戦で敗退し甲子園出場経験はなかった[2]。高校の同級生に蔵本治孝がいる。

進学した近畿大学では1年春から試合に出場し、[関西学生野球連盟]での通算成績は107安打、2年春、4年春、4年秋とベストナインを3度受賞している[2][3]

大学卒業後は大阪ガスに入社し、1年目の都市対抗野球大会では遊撃のレギュラーとして全5試合に出場し初優勝に貢献。若獅子賞を受賞した[2][4]

2019年10月17日に行われたプロ野球ドラフト会議において、東北楽天ゴールデンイーグルスから1位指名を受け、11月10日に契約金1億円、年俸1500万円(推定)で仮契約を結んだ[5]背番号0

楽天時代[編集]

2020年は、開幕一軍入りを果たし、6月19日の開幕戦[注 1]・対オリックス・バファローズ戦(京セラドーム大阪)で9回裏に遊撃手の守備固めとして初出場[6]。開幕直後は代走や守備固めが多かったが、6月30日の対千葉ロッテマリーンズ戦(楽天生命パーク)では途中出場で東條大樹からプロ初安打を放ち[7]7月4日の対ロッテ戦では「1番・二塁手」でプロ初のスタメン出場[8]。7月15日の対埼玉西武ライオンズ戦(楽天生命パーク)では7回二死満塁という場面で浜屋将太から走者一掃となるタイムリーツーベースヒットを放ち、プロ初打点を記録した。その後は茂木栄五郎との兼ね合いで二塁と遊撃でスタメン出場が続いたが、茂木がコンディション不良で遊撃を守れない試合が増えていき小深田の遊撃でのスタメン出場が多くなっていき、最終的には「1番・遊撃手」として定着。9月27日の対西武戦(メットライフドーム)ではに松本航からプロ初ホームランも放ち[9]、最終戦まで離脱することなく試合出場を重ね、最終的に112試合に出場しルーキーイヤーながら規定打席に到達。打率.288とリーグ6位の好成績を残し、ベストナイン遊撃手部門で1位の源田壮亮の161票に次ぐ103票を獲得[10]新人王の投票では平良海馬の144票に次ぐ125票を獲得した[11]。オフにはスピードアップ賞を受賞し[12]、1800万円増となる推定年俸3300万円で契約を更改した[13]

2021年は開幕ゲームの対北海道日本ハムファイターズ戦(楽天生命パーク)を「2番・遊撃手」で先発出場。その後は昨年同様「1番・遊撃手」として試合に出場した。交流戦前まで打率.214と打撃が低調であったが、交流戦に入ると調子を上げ[14]、7月5日に監督推薦でオールスターゲームへの初出場が決まった[15]。しかし7月以降は再び打撃が低調となり、また前年と比べ失策が増加[16]。9月に入ると山﨑剛浅村栄斗の欠場により出場機会を得て評価を高め、浅村がスタメンに復帰すると山﨑が1番遊撃に抜擢され、小深田はベンチスタートとなる試合が増えていった[17]。10月はスタメン出場が無く、代走や代打での出場となったが、シーズン最終戦の対ロッテ戦(楽天生命パーク)では8回に代打として佐々木千隼から決勝タイムリーを放った[18]。最終的にレギュラーシーズンでは新人から2年連続で規定打席には到達したが、121試合の出場で打率.248・3本塁打・21打点という成績にとどまった。その後フェニックスリーグへ参加し、ポストシーズンを見据えて中堅手として実戦経験を積んだが[19]、チームはクライマックスシリーズファーストステージで敗退し、小深田自身も代打出場1試合のみに終わった。オフに400万円増となる推定年俸3700万円で契約を更改した[20]

2022年は開幕ゲームの対ロッテ戦(楽天生命パーク)を「9番・中堅手」として先発出場したものの、遊撃手のポジションは昨年から山﨑剛が確保していたため、ベンチを温める試合が続いていたが、4月21日の対日本ハム戦(楽天生命パーク)で先発出場すると、5打数2安打3打点を記録しお立ち台に上がる活躍を見せ[21]、その後は「2番・遊撃手」としてショートのレギュラーを奪い返した。オールスターゲームにも代替選手としてではあるが2年連続の出場を果たした[22]。シーズンでは内野手だけではなく、外野手としても一定の試合に出場し、最終的には打率.267、2本塁打、29打点の成績を残し、盗塁ではキャリアハイとなる21盗塁を記録した。また新人から3年連続で規定打席にも到達した。オフには2020年以来2度目のスピードアップ賞を受賞して[23]、1300万円増となる推定年俸5000万円で契約を更改した[24]

2023年は開幕ゲームの対日本ハム戦(エスコンフィールドHOKKAIDO)を「2番・左翼手」として先発出場した。シーズンでは二塁手として守備に就く機会が最も多かったが、去年に引き続き外野手、そして三塁手としても一定数の試合で守備に就いた。しかし遊撃手としては途中変更の2試合のみで先発出場として遊撃手の守備に就くことはなかった。打順は主に2番を任されていたが、シーズン最終盤になると1番での出場機会が増加した。6月8日の対阪神タイガース戦(楽天モバイルパーク)ではリードした展開で試合を進めていたが小郷裕哉の失策もあり相手に逆転を許し迎えた1点ビハインドの9回裏二死一、二塁の場面で湯浅京己から逆転サヨナラとなるライトスタンドへの3点本塁打を放ち[25]、それまで最下位に沈んでいたチームがクライマックスシリーズ進出を争うまでに状態を復調させた起爆剤となった。自らの失策によりビハインドの展開となってしまったことに責任を感じていた小郷は小深田のサヨナラ3点本塁打の後には大粒の涙を流した。なお、その後は小郷自身も状態をあげレギュラーに定着しチームの復調に貢献している。その本塁打で小深田は6月度の月間サヨナラ賞を自身初めて受賞した[26]。最終的には134試合に出場し、打率.258、5本塁打、37打点、36盗塁を記録。本塁打、打点、盗塁でキャリアハイの成績を記録し、以前から目標に挙げていた盗塁王のタイトルを福岡ソフトバンクホークス周東佑京と分け合う形で自身初めて獲得した[27]

選手としての特徴・人物[編集]

50メートルは5秒9で、一塁までのタイムは3秒78と、走力については即戦力と評される[28]。広い守備範囲と内野であればどこでも守れる器用さが持ち味[28][2]。打撃については内角を苦にせず引っ張ることができ、シュアな打撃が評価されている[28][2]

愛称は「コブちゃん[29]

大阪ガス時代は近本光司と寮で同部屋だった[30]

近畿大学時代、プロ野球No.1決定戦!バトルスタジアムにデモンストレーション役として出演したことがある[31]

父親は理髪店を営んでいる[32]

詳細情報[編集]

年度別打撃成績[編集]

















































O
P
S
2020 楽天 112 437 378 61 109 16 5 3 144 31 17 9 11 2 42 0 4 59 5 .288 .364 .381 .745
2021 121 455 391 60 97 10 3 3 122 21 5 5 16 1 44 0 3 65 1 .248 .328 .312 .640
2022 118 479 424 54 113 16 5 2 145 29 21 7 12 3 37 0 3 65 6 .267 .328 .342 .670
2023 134 549 477 67 123 8 6 5 158 37 36 6 20 1 48 0 3 83 8 .258 .329 .331 .660
通算:4年 485 1920 1670 242 442 50 19 13 569 118 79 27 59 7 171 0 13 272 20 .265 .336 .341 .677
  • 2023年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最多

年度別守備成績[編集]



二塁 三塁 遊撃 外野
















































2020 楽天 21 44 40 1 7 .988 - 98 113 206 7 34 .979 -
2021 2 2 3 0 0 1.000 - 109 134 229 12 38 .968 -
2022 19 24 24 0 1 1.000 1 0 0 0 0 ---- 95 133 216 10 36 .972 10 11 1 0 0 1.000
2023 77 126 198 6 35 .982 46 23 49 7 2 .911 2 2 1 0 1 1.000 30 46 2 2 0 .960
通算 119 196 265 7 43 .985 47 23 49 7 2 .911 304 382 652 29 109 .973 40 57 3 2 0 .968
  • 2023年度シーズン終了時

タイトル[編集]

表彰[編集]

記録[編集]

初記録
その他の記録

背番号[編集]

  • 0(2020年 - )

登場曲[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ この年、新型コロナウイルス感染拡大の影響でプロ野球の開幕が遅れ開幕戦が6月19日となった

出典[編集]

  1. ^ 楽天 - 契約更改 - プロ野球”. 日刊スポーツ. 2023年11月30日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g “関西社会人ナンバーワン野手の大阪ガス・小深田 快音響かずも決勝ホーム 遊撃の守備でも軽快な動き”. スポーツニッポン. (2019年9月28日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2019/09/28/kiji/20190928s00001003301000c.html 2020年4月12日閲覧。 
  3. ^ “関大から3人選出、秋季ベストナイン 関西学生野球”. 日刊スポーツ. (2017年10月26日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/201710260000585.html 2020年4月12日閲覧。 
  4. ^ 小深田大翔(大阪ガス) 攻守走で魅了する勝負の2年目/「黒獅子旗」奪取へのキーマン”. 週刊ベースボールONLINE (2019年7月12日). 2021年4月30日閲覧。
  5. ^ 楽天ドラ1小深田 契約金1億円、年俸1500万円で合意 武器はイチ流の“アシ””. スポーツニッポン (2019年11月11日). 2021年7月17日閲覧。
  6. ^ 楽天ドライチ・小深田の1年目、オコエ、辰己と比べてみると……”. 週刊ベースボールONLINE (2020年7月3日). 2021年7月17日閲覧。
  7. ^ 楽天のドラフト1位・小深田がプロ初安打「ホッとしました」”. Sponichi Annex (2020年6月30日). 2021年9月19日閲覧。
  8. ^ 楽天1位小深田プロ初スタメン「良かった」監督評価”. 日刊スポーツ (2020年7月4日). 2021年9月19日閲覧。
  9. ^ 楽天のドラ1・小深田が誕生日前日にプロ初本塁打「しっかり捉えられた」”. ベースボールキング (2020年9月27日). 2021年9月19日閲覧。
  10. ^ 2020年度 表彰選手 投票結果(ベストナイン)”. 日本野球機構. 2020年12月17日閲覧。
  11. ^ 2020年度 表彰選手 投票結果(最優秀新人)”. 日本野球機構. 2020年12月17日閲覧。
  12. ^ 楽天・小深田 スピードアップ賞を初受賞 「1年目からこのような賞を頂けてうれしい」”. Sponichi Annex (2020年12月16日). 2021年9月19日閲覧。
  13. ^ 楽天小深田1800万円増 藤田一也に弟子入り志願”. 日刊スポーツ (2020年11月26日). 2021年7月17日閲覧。
  14. ^ “内野の要”ショートは機能しているか? パ・リーグ6球団「遊撃手」事情”. 週刊ベースボールONLINE (2021年6月12日). 2021年9月19日閲覧。
  15. ^ 球宴の監督推薦は楽天から5人選出 パ・リーグ打点王の島内は守備でアピール?「僕のグラブさばき見て」”. Sponichi Annex (2021年7月5日). 2021年9月19日閲覧。
  16. ^ 「もっと強いボールが行く投げ方を」楽天の正遊撃手・小深田大翔の失策が増えた理由とは?”. 週刊ベースボールONLINE (2021年8月25日). 2021年9月19日閲覧。
  17. ^ 【楽天】山崎剛が先制V三塁打!ラストスパートへ“起爆剤””. スポーツ報知 (2021年9月16日). 2021年9月19日閲覧。
  18. ^ 楽天・小深田、代打で殊勲打「最後の最後で打つことができてめちゃくちゃうれしい」”. サンスポ (2021年10月27日). 2021年11月19日閲覧。
  19. ^ 【巨人】高橋優貴が先発 フェニックス・リーグ最終戦スタメン”. スポーツ報知 (2021年11月1日). 2021年11月19日閲覧。
  20. ^ 楽天・小深田が400万円アップで2年連続昇給も「成績に納得できない悔しいシーズン」”. Sponichi Annex (2021年11月25日). 2021年11月26日閲覧。
  21. ^ 【楽天】小深田大翔「絶対に打つ」走者一掃逆転打「後手に回らずしっかりスイング」石井監督分析 - プロ野球 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2023年2月21日閲覧。
  22. ^ 日本放送協会. “楽天 小深田選手が代替選出 プロ野球オールスターゲーム|NHK 東北のニュース”. NHK NEWS WEB. 2023年2月21日閲覧。
  23. ^ 【楽天】小深田大翔 2年ぶりスピードアップ賞「またいただくことが出来てうれしく思います」 - プロ野球 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2023年2月21日閲覧。
  24. ^ 【楽天】小深田大翔1300万円増、入団から3年連続規定打席評価 理容室営む父へバリカン贈る - プロ野球 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2023年2月21日閲覧。
  25. ^ 【楽天】小深田大翔、逆転サヨナラ3ラン!石井監督「こぶちゃんには昨日、焼き肉をおごったかいがありました」」『スポーツ報知』報知新聞社、2023年6月9日。2023年10月31日閲覧。
  26. ^ a b 【楽天】小深田大翔がスカパー!サヨナラ賞初受賞「すごくうれしい」小郷のミス救うサヨナラ弾」『日刊スポーツ』日刊スポーツ新聞社、2023年7月13日。2023年10月31日閲覧。
  27. ^ a b 【タイトル一覧】2リーグ制後、初の本塁打王3人 26本以下は63年ぶり パ日程終了」『日刊スポーツ』日刊スポーツ新聞社、2023年10月10日。2023年10月31日閲覧。
  28. ^ a b c “大阪ガス・小深田は楽天1位 抜群走塁センス”. 日刊スポーツ. (2019年10月16日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/201910160000849.html 2020年4月12日閲覧。 
  29. ^ 楽天・石井GM、新人に愛称指令!ドラ1小深田は「コブちゃん」ドラ2黒川「クロちゃん」 - スポニチ Sponichi Annex 野球”. スポニチ Sponichi Annex. 2022年11月26日閲覧。
  30. ^ “楽天ドラ1小深田「近本超え」で新人王獲る!憧れは西武・源田「遊撃レギュラー獲りたい」”. 日刊スポーツ. (2019年10月24日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2019/10/24/kiji/20191023s00001173502000c.html 2020年4月12日閲覧。 
  31. ^ bat_staのツイート(1343874409329696768)
  32. ^ “盗塁王の楽天・小深田が理髪店を営む父にハサミ、母には時計をプレゼントする意向 3500万増の8500万円で更改”. デイリースポーツ online (株式会社デイリースポーツ). (2023年11月29日). https://www.daily.co.jp/baseball/2023/11/29/0017079512.shtml 2023年11月29日閲覧。 
  33. ^ 選手登場曲|東北楽天ゴールデンイーグルス”. 楽天イーグルス オフィシャルサイト. 2020年11月8日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]