日本語訳仏典

日本語訳仏典(にほんごやくぶってん)では、日本語に翻訳された仏教聖典仏典)について述べる。

歴史[編集]

古典的な訓読・書き下しを経て、漢訳仏典の日本語訳が本格的に始まったのは近代以降である。そしてそれは、近代仏教学の発展、および大正新脩大蔵経の編纂活動と連動しつつ、それを底本としながら進んだ[1]

また、近代は上座部仏教パーリ仏典が輸入された時期でもあるので、伝統的な大乗漢訳仏典の日本語訳と同時に、パーリ語の仏典の日本語訳も進むことになった。

パーリ仏典系[編集]

全訳[編集]

叢書[編集]

中村元[編集]

中村元(監修)による叢書翻訳書。

片山一良[編集]

片山一良による叢書翻訳書。

正田大観[編集]

正田大観による叢書翻訳書。

  • 相応部経典 有偈篇〜』 既刊1巻、Evolving、2016年
  • 小部経典』 全10巻、Evolving、2015年
    • 『ブッダのまなざし(上下)』 全2巻、Evolving、2016年
    • 『ブッダのことば(上下)』 全2巻、Evolving、2015年
      (共に『スッタニパータ』第4章・第5章)
  • 清浄道論』 全3巻、Evolving、2016年

その他[編集]

単巻[編集]

中村元[編集]

中村元による単巻の訳書。

スマナサーラ[編集]

アルボムッレ・スマナサーラによる単巻翻訳書。

  • 沙門果経 - 仏道を歩む人は瞬時に幸福になる』 サンガ 2015年
  • 『初期仏教経典解説シリーズIII - 大念処経』 サンガ 2016年
  • 『怒りの無条件降伏: 中部経典『ノコギリのたとえ』を読む』 日本テーラワーダ仏教協会、2016年
  • 「日々是好日」経 - 悩みと縁のない生き方』 サンガ 2016年
  • 『初期仏教経典解説シリーズII - 瞑想経典編』 サンガ 2013年
    (1. 大四十経、2. 相応部-六処篇-受相応-有偈品(Sagāthā-vaggo)-疾病経(Gelañña-sutta)、3. スッタニパータ第1章11経-征勝経(Vijaya-sutta)、4. 増支部-五集57経-常習観察経(Abhiṇhapaccavekkhitabbaṭhāna-sutta)、5. 削減経
  • 『感覚について: ヴィパッサナー実践の道しるべ』 日本テーラワーダ仏教協会、2015年
    相応部-六処篇-受相応-独坐品(Rahogata-vaggo)-独坐経(Rahogata-sutta))
  • 『パーリ語日常読誦経典』 サンガ/日本テーラワーダ仏教協会 2005年
    パリッタ(Paritta) : 1. 礼拝(Buddha Vandanā)、2. 三帰依(Tisarana)、3. 五戒文(Pañca Sīla)、4. 懺悔誓願の文(Adhitthāna)、5. 仏陀の九徳(Buddha Guna)、6. 法の六徳(Dhamma Vandanā)、7. 僧伽の九徳(Samgha Vandanā)、8. 三宝に対する懺悔(Ratanattaya Khamāpanā)、9. 諸仏の教え(Buddhānusāsanā)、10. 因縁の教え(Paticca Samuppādo)、11. 歓喜の言葉(Pathama Udāna)、12. 宝経(Ratana Sutta)、13. 慈経(Mettā Sutta)、14. 勝利の経(Vijaya Sutta)、15. 偉大なる人の思考(Mahā Purisa Vitakka)、16. 28人の過去仏を念じる護経(Atta Vīsati Buddha Paritta)、17. 祝福の偈(Āsimsanā)、18. 慈悲の瞑想(Mettā Bhāvanā)、19. 回向の文(Anumodanā))
  • 『慈経―ブッダの「慈しみ」は愛を越える』 日本テーラワーダ仏教協会 2003年
    (慈経(Mettā-sutta): 小誦経第9章あるいはスッタニパータ第1章第8経)
  • 『原訳「法句経ダンマパダ)」一日一話』 佼成出版社 2003年
    • 『原訳「法句経」(ダンマパダ)一日一悟』 佼成出版社 2005年
  • 『原訳「スッタ・ニパータ」蛇の章 』 佼成出版社 2009年
  • 『スッタニパータ 第五章「彼岸道品」』 全4巻 サンガ 2018年-

その他[編集]

大乗仏典(サンスクリット・漢訳・チベット訳)系[編集]

一切経・大蔵経[編集]

叢書[編集]

単巻[編集]

中村元[編集]

その他[編集]

初期・中期大乗仏教経典
論書
密教経典

混合型[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

出典[編集]

  1. ^ 国訳一切経とは - 世界大百科事典/コトバンク
  2. ^ 第一部「大犍度」の第1章から第4章半ばまで
  3. ^ 「アッタガヴァッガ」とは、『スッタニパータ』の第4章のこと。

関連項目[編集]