欧勝馬出気

欧勝馬 出気
基礎情報
四股名 欧勝馬
本名 Пүрэвсүрэнгийн Дэлгэрбаяр
プレブスレン・デルゲルバヤル
愛称 デギー[1]
生年月日 (1997-04-09) 1997年4月9日(27歳)
出身 モンゴルの旗 モンゴルトゥブ県
身長 189.0cm
体重 159.0kg
BMI 44.5
所属部屋 鳴戸部屋
成績
現在の番付 西十両4枚目
最高位 西十両3枚目
生涯戦歴 105勝81敗7休(15場所)
優勝 十両優勝1回
幕下優勝1回
データ
初土俵 2021年11月場所
趣味 インターネット、ゲーム[2]
備考
2024年3月24日現在

欧勝馬 出気(おうしょうま でぎ、1997年4月9日 - )は、モンゴル国トゥブ県出身で、鳴戸部屋所属の現役大相撲力士。本名はプレブスレン・デルゲルバヤル。身長189.0cm、体重159.0kg、血液型はO型[3]。最高位は西十両3枚目(2023年1月場所、11月場所)。

来歴[編集]

14歳の時にブフ、16歳の時にレスリングを始め、ドルゴルスレン・ダグワドルジ(元横綱・朝青龍)の紹介で高校2年の4月から日本の日体大柏高校に留学した[3]。来日の際に搭乗した飛行機には豊昇龍朝白龍も乗っていた[4][5]。高校時代はレスリング部に所属し、2年次に高校選抜個人120kg級優勝、3年次に高校総体120kgで優勝の実績を残した[3]。高校卒業後は公益財団法人安田奨学財団の支援を受けて日本体育大学スポーツ文化学部武道教育学科に進学し、大学では相撲部に入部[6][3]。相撲転向1年目の大学1年次に全国学生選手権で3位になっている[3]。全国学生選手権は2年次にベスト8、3年次も3位に入賞して3年連続で大相撲の三段目最下位格付出の資格を取得し(有効期限は取得から1年)、最後の出場となった4年次には優勝して学生横綱のタイトルと幕下15枚目格付出の資格を獲得した[3]全日本選手権も大学在学中は毎年出場していた[3]。大学4年次に日体大相撲部の監督から「十両でやっても10勝します」と、その実力を評価されていた[6]

大学卒業後は大相撲に入門。日体大OBの15代鳴戸(元大関・琴欧洲)が師匠の鳴戸部屋2020年12月21日から研修を開始した[7]。当初から研修期間は半年以上になる予定だったが[7]2021年9月場所前に正式に入門し、同場所の新弟子検査で合格した[8]。「欧勝馬 出喜」という四股名は師匠の現役名「琴紀」と、デルゲルバヤルの実家で多くの馬を飼っていたことに由来しており、下の名は本人のあだ名の当て字である[9]。最初「モンゴル出身なのに四股名に『欧』の字が付くのは如何なものか」と違和感を覚える者もいた。新弟子検査に先立ち同年8月30日に行われた日本相撲協会の理事会で、幕下15枚目格付出での入門が承認されている[10]。初土俵は興行ビザの取得を待つため同年11月場所になった[9]。初土俵の場所は4勝3敗と勝ち越したが、勝った4番の決まり手が全て叩き込みだったことや、初土俵の場所で3敗を喫したことから、「叩きではなく、押す相撲を取っていきたい」と相撲内容の改善を今後の目標に掲げた[11]。2022年3月場所は3勝3敗で迎えた7番目の相撲で初めて十両の土俵に上がったが、島津海に敗れて入門以来初めて負け越した。翌5月場所は7戦全勝で幕下優勝[12]。場所後の番付編成会議で、翌7月場所での新十両昇進が決定した[13]。鳴戸部屋からは初めての関取誕生となった[13]。一気に十両を突破するかに見えたが、2023年1月場所は7勝8敗、3月場所は8勝7敗、5月場所は7勝8敗と成績が振るわなかった。2022年12月にトレーニング中に痛めた両肩の影響だった。ひどいときには手を伸ばすだけでも痛みが走り、筋トレで使う左右のダンベルも各30キロから3キロに変更。「この番付では休めない」と休場する選択肢はなく、痛みが走っても病院に通いながらトレーニングに専念した。7月場所前の体調は十両初優勝した2022年11月場所前に匹敵するという[14]

取り口[編集]

協会公式プロフィールによると、得意手は押し・いなし[2]。頭をつけて左前褌右筈でじっくり攻めるのも武器の1つ[15]

人物[編集]

  • 趣味はインターネット、ゲーム。好物は肉[2]
  • 好きなYouTube動画やテレビ番組は相撲関連のもの。好きな映画はアクション映画[2]

粗暴行為問題[編集]

所属する鳴戸部屋では、彼の粗暴な振る舞いと、それを咎められない親方のせいで、収拾がつかないほど荒れた事態に陥ってしまっており、2023年8月以降、幕下以下で引退する力士が相次いでいる。引退した力士の1人である元幕下・安齋がその内情を告発した[16]

主な成績[編集]

2024年3月場所終了時点

通算成績[編集]

  • 通算成績:105勝81敗7休(15場所)

各段優勝[編集]

  • 十両優勝:1回(2022年11月場所)
  • 幕下優勝:1回(2022年5月場所)

場所別成績[編集]

欧勝馬 出気
一月場所
初場所(東京
三月場所
春場所(大阪
五月場所
夏場所(東京)
七月場所
名古屋場所(愛知
九月場所
秋場所(東京)
十一月場所
九州場所(福岡
2021年
(令和3年)
x x x x x 幕下付出15枚目
4–3 
2022年
(令和4年)
東幕下12枚目
5–2 
西幕下4枚目
3–4 
東幕下8枚目
優勝
7–0 
東十両13枚目
5–3–7[注 1] 
東十両13枚目
8–7 
西十両12枚目
優勝
11–4[注 2] 
2023年
(令和5年)
西十両3枚目
7–8 
西十両4枚目
8–7 
東十両4枚目
7–8 
東十両4枚目
7–8 
東十両4枚目
8–7 
西十両3枚目
6–9 
2024年
(令和6年)
西十両5枚目
8–7 
西十両4枚目
11–4 
x x x x
各欄の数字は、「勝ち-負け-休場」を示す。    優勝 引退 休場 十両 幕下
三賞=敢闘賞、=殊勲賞、=技能賞     その他:=金星
番付階級幕内 - 十両 - 幕下 - 三段目 - 序二段 - 序ノ口
幕内序列横綱 - 大関 - 関脇 - 小結 - 前頭(「#数字」は各位内の序列)

改名歴[編集]

  • 欧勝馬 出喜(おうしょうま でぎ)2021年11月場所 - 2023年7月場所
  • 欧勝馬 出気(- でぎ)2023年9月場所[17] -

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 2019新型コロナウイルス感染のため9日目より休場
  2. ^ 大奄美と優勝決定戦

出典[編集]

  1. ^ 「花の新十両データバンク①」『相撲』2022年7月号、ベースボール・マガジン社、19頁。 
  2. ^ a b c d 欧勝馬 出喜 - 力士プロフィール 日本相撲協会 (2022年7月13日閲覧)
  3. ^ a b c d e f g 「秋場所全新弟子名鑑」『相撲』2021年10月号、ベースボール・マガジン社、96頁。 
  4. ^ 欧勝馬が幕下15枚目格付け出しデビュー 黒星発進も「勉強して頑張ります」」『スポーツ報知』、2021年11月15日。2021年12月4日閲覧。
  5. ^ 「恩師が語る高校時代の豊昇龍」『相撲』2023年9月号、ベースボール・マガジン社、6頁。 
  6. ^ a b 学生横綱デルゲルバヤルが財団訪問、選手権Vを報告」『日刊スポーツ』、2020年11月20日。2021年12月4日閲覧。
  7. ^ a b 学生横綱デルゲルバヤル、鳴戸部屋で角界イロハ研修」『日刊スポーツ』、2020年12月23日。2021年12月4日閲覧。
  8. ^ デルゲルバヤルら5人合格 秋場所新弟子検査」『産経新聞』、2021年9月12日。2021年12月4日閲覧。
  9. ^ a b 日体大出身デルゲルバヤル、しこ名「欧勝馬」に決定 九州場所でデビューへ」『日刊スポーツ』、2021年9月7日。2021年12月4日閲覧。
  10. ^ 学生横綱デルゲルバヤルの幕下、イェルシンの三段目付け出しを承認」『日刊スポーツ』、2021年8月30日。2021年12月4日閲覧。
  11. ^ 「幕下付け出し、三段目付け出し力士」『相撲』2021年12月号、ベースボール・マガジン社、92頁。 
  12. ^ 幕下は欧勝馬が初V「昨日の夜から緊張」北播磨と全勝対決の激しい攻防、最後は掛け投げで制す”. 日刊スポーツ. 2022年5月20日閲覧。
  13. ^ a b 元琴欧洲の鳴戸親方 部屋創設5年、初の関取誕生 モンゴル出身・欧勝馬が新十両昇進」『日刊スポーツ』、2022年5月25日。2022年5月25日閲覧。
  14. ^ 十両の欧勝馬、新入幕を目指して若い衆と21番「2桁狙って幕内にいきたい」 日刊スポーツ 2023年6月30日14時53分 (2023年6月30日閲覧)
  15. ^ 豪ノ山「落ち着いて取れた」 欧勝馬「思い通りの相撲」新十両2人が白星発進 Sponichi Annex 2022年7月10日 16:05 (2022年7月13日閲覧)
  16. ^ 「飛び降りて死にたいくらい」元力士が琴欧洲・鳴戸部屋のパワハラを告発 「兄弟子にけがした腕を折られそうに」 デイリー新潮 2023年11月02日 (2023年11月30日閲覧)
  17. ^ 【秋場所新番付】元大関若嶋津の荒磯親方が退職、若隆景は十両陥落/番付降下など」『日刊スポーツ』、2023年8月28日。2023年8月28日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]