若い太陽の塔

若い太陽の塔
2023年2月撮影
若い太陽の塔の位置(愛知県内)
若い太陽の塔
地図
情報
設計者 岡本太郎
高さ 26 m[1]
竣工 1969年[2]
開館開所 日本モンキーパーク
所在地 484-0081
日本の旗 日本
愛知県犬山市犬山官林26
座標 北緯35度23分25.5秒 東経136度57分11.4秒 / 北緯35.390417度 東経136.953167度 / 35.390417; 136.953167 (若い太陽の塔)座標: 北緯35度23分25.5秒 東経136度57分11.4秒 / 北緯35.390417度 東経136.953167度 / 35.390417; 136.953167 (若い太陽の塔)
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若い太陽の塔(わかいたいようのとう、: Tower of the ever young sun)は、芸術家岡本太郎が制作した芸術作品である。日本万国博覧会開催前年の1969年に造られ、太郎の代表作「太陽の塔」と兄弟に例えられる[2]日本モンキーパーク内にあるシンボルタワーで、岡本太郎の作品の中で三番目に大きい。

外観[編集]

高さ26メートルで、直径4メートルの顔と11本の炎で燃え立つ太陽を表している[1]。大阪の太陽の塔の4つの顔のうちの1つで、太郎が現在を象徴する顔としてデザインした「太陽の顔」と同じ顔が掲げられている[3][4]。地上7メートルのところに展望台があり、内部のらせん階段を使って登ることができる。展望台からは犬山の市街地だけでなく名古屋のビル群なども眺望することができる[2]

碑文[編集]

塔のそばには、岡本太郎による碑文がある。

ここで岡本は、金色の顔は「バイタリティ」、色鮮やかな体躯は「青春」、「若い太陽」全体として「生命」を象徴している、といった趣旨を記している。

歴史[編集]

若い太陽の塔から名古屋市方向を見た眺望

日本モンキーパークによると、「太陽の塔」より前に造られたが、計画自体はこちらの方が後[2]。万博熱の高まりを受けて、パークを運営する名古屋鉄道がイベント「万博と世界お国めぐり」を開くことになり、目玉として岡本に制作を依頼した[2]

大阪万博の前年にあたる1969年に完成し、万博のプレイベントでお披露目された[4]。ただし、太郎から贈られたのは塔ではなくオブジェで、プレイベントのために犬山の有志が資金を出し合い今の形になった[4]。プレイベント閉幕後、モンキーセンターの前身であった野猿公苑のヒヒの城に移築展示されることになったが、この異様な展示物のために睡眠不足に陥るヒヒが続出するという事態が発生した[4]。「人工造形物が動物園ゾーンにあるというのはいかがなものか」という議論が起こり、これに困った野猿公苑の職員は万博前に若い太陽の塔を撤去、大阪万博開催時に兄弟が同時公開されることはなかった[2]

1975年、動物園ゾーンではなく、遊園地に近い今の場所に移設された[2]。1980年、現在の日本モンキーパークの前身、ラインパークの移設が決定した際に展示を再開[4]。野猿公苑もモンキーセンターと呼称を変更し、パークに隣接される形になった[4]。しかしモンキーパーク内には他に沢山のアトラクションがあり、子供たちが寄り付かない若い太陽の塔はいつの間にかそこに立っているだけのオブジェとなっていった[4]。2003年、老朽化が激しくなったことを理由に若い太陽の塔周辺は閉鎖[1][5]

2010年に限定公開された際に好評を博したため、岡本太郎生誕100周年記念に合わせて施設の改修工事終了後の2011年10月より再び一般公開された[1][5]。修復にかかった費用は、道の整備を含めて総額約3000万円で、その内約400万円は各地から寄せられた約320人の寄付で賄われたという[3][5]

交通アクセス[編集]

関連作品[編集]

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c d 花井武人「若い太陽の塔:8年ぶり公開 修復完了、モンキーパークで--愛知・犬山」『毎日新聞 中部夕刊』、2011年10月1日、6面。
  2. ^ a b c d e f g 水越直哉「わが街ぶらり探訪 犬山の「若い太陽の塔」 キラキラ光る金色の顔」『中日新聞 朝刊近郊版』、2021年9月8日、12面。
  3. ^ a b 「「若い太陽の塔」鮮やかに復活 犬山・モンキーパーク 来月公開」『読売新聞 中部朝刊』、2011年9月28日、30面。
  4. ^ a b c d e f g Takeshi Iwata (2021年5月24日). “昭和芸術邂逅録「犬山・モンキーパーク若い太陽(の塔)」”. 2022年8月27日閲覧。
  5. ^ a b c 「日本モンキーパーク 「若い太陽の塔」常時公開を開始」『日本経済新聞 名古屋夕刊』、2011年11月1日、36面。
  6. ^ タローマン大ずかん” (PDF). NHK (2022年). 2022年8月25日閲覧。

関連項目[編集]