電波の周波数による分類

電波の周波数による分類(でんぱのしゅうはすうによるぶんるい)では、周波数帯ごとに慣用の名称や用途などを記す。

分類

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以下に分類表を示す[1][2][3][4][注 1]

周波数範囲 波長 電波法の表示 ITUによる分類 メートル表示による区分 慣用の名称 特徴 主な用途
日本国内)
名称 数値 記号 日本語 英語 日本語
0.03 - 0.3Hz 1 - 10Gm   ELF -1 B.Gm   ELF
(extremely low frequency)
極超長波  
0.3 - 3Hz 0.1 - 1Gm 0 B.hMm
3 - 30Hz 10Mm - 0.1Gm 1 B.daMm
30 - 300Hz 1 - 10Mm 2 B.Mm SLF
(super low frequency)
300Hz - 3kHz 0.1 - 1Mm ULF 3 B.hkm ULF
(ultra low frequency)
3 - 30kHz 10km - 0.1Mm VLF 4 B.Mam ミリアメートル波 VLF
(very low frequency)
超長波
(甚だ低い周波数)
水中へも到達する。
30 - 300kHz 1 - 10km LF 5 B.km キロメートル波 LF
(low frequency)
長波
(低い周波数)
地表波による安定した通信が可能。大電力送信機の製作が容易。
300kHz - 3MHz 0.1 - 1km MF 6 B.hm ヘクトメートル波 MF
(medium frequency)
中波
(中間の周波数)
昼間は地表波による安定した通信、夜間は電離層による反射で遠距離通信が可能。
  • 中波ラジオ放送(AMラジオ放送)
  • 船舶気象通報
  • 無線航法(NDB/ADF)
  • アマチュア無線(トップバンド)
  • 航空無線標識局
  • 海上無線標識局
  • ILS
  • コンパスロケータ
  • 標準電波
3 - 30MHz 10m - 0.1km HF 7 B.dam デカメートル波 HF
(high frequency)
短波
(高い周波数)
電離層による反射で遠距離通信が可能。季節や時間帯による伝送特性の変化が大きい。
30 - 300MHz 1 - 10m VHF 8 B.m メートル波 VHF
(very high frequency)
超短波
(甚だ高い周波数)
空間波による見通し範囲の通信が可能。スポラディックE層ラジオダクトによる異常伝搬が発生することもある。
300MHz - 3GHz 0.1 - 1m UHF 9 B.dm デシメートル波 UHF
(ultra high frequency)
マイクロ波 極超短波
(非常に高い周波数)
アンテナが小さくなるため移動体通信に適する。マイクロ波工学マイクロ波加熱
3 - 30GHz 10mm - 0.1m SHF 10 B.cm センチメートル波 SHF
(super high frequency)
センチメートル波
(特に高い周波数)
高速データ通信用として技術開発が行われている。
30 - 300GHz 1 - 10mm EHF 11 B.mm ミリメートル波 EHF
(extremely high frequency)
ミリ波
(極めて高い周波数)
直進性が非常に強い。
300GHz - 3THz 0.1 - 1mm   12 B.dmm デシミリメートル波 THz or THF
(terahertz or tremendously high frequency)
サブミリ波
テラヘルツ波
と電波の中間領域。日本の電波法での電波の定義は3THz以下の電磁波とされる。

マイクロ波の周波数帯

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マイクロ波は各種解釈がある。以下に欧米で一般的に用いられる分類を示す。

第二次世界大戦当時のマイクロ波の周波数による分類[5]
名称 帯域(GHz) 用途
Pバンド 0.2 - 0.5
Lバンド 0.5 - 1.5 "Long":対空捜索用レーダー
Sバンド 1.5 - 5.0 "Short":対水上捜索用レーダー
Xバンド 5 - 15 "eXotic"
Kバンド 15 - 40 クライストロンの送信上限
IEEEのマイクロ波の周波数による分類[6]
名称 帯域(GHz) 用途
Iバンド / HF - 0.2
Gバンド / VHF 0.2 - 0.25 軍用航空無線
Pバンド / UHF 0.25 - 0.5
Lバンド 0.5 - 2
Sバンド 2 - 4
Cバンド 4 - 8
Xバンド 8 - 12
Kuバンド 12 - 18
  • 衛星テレビ放送
  • 通信衛星
Kバンド英語版 18 - 26 通信衛星
Kaバンド 26 - 40 通信衛星
Vバンド 40 - 75
  • レーダー
  • 通信衛星
Wバンド 75 - 110 電波天文学
mmバンド英語版 110 - 300
EUNATOのマイクロ波の周波数による分類
名称 帯域(GHz) 用途
Aバンド - 0.25
Bバンド 0.25 - 0.5
Cバンド 0.5 - 1.0 800MHz帯
Dバンド 1 - 2
Eバンド 2 - 3
Fバンド 3 - 4
Gバンド 4 - 6
Hバンド 6 - 8
Iバンド 8 - 10
Jバンド 10 - 20
Kバンド 20 - 40
Lバンド 40 - 60
Mバンド 60 - 100

脚注

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注釈

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  1. ^ ELF部分は国際電波科学連合との対応による拡張区分

出典

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  1. ^ 我が国の電波の使用状況”. 総務省 (2013年10月). 2013年11月4日閲覧。
  2. ^ 周波数帯ごとの主な用途と電波の特徴”. 総務省. 2013年11月4日閲覧。
  3. ^ 電波法施行規則(昭和二十五年電波監理委員会規則第十四号)第四条の三”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2019年12月26日閲覧。
  4. ^ 国際電気通信連合(ITU) (2015年8月). “Nomenclature of the frequency and wavelengh bands used in telecommunications”. 2016年7月3日閲覧。
  5. ^ Norman Friedman (1981). Naval Radar. Naval Institute Press. p. 14. ISBN 9780870219672 
  6. ^ eEngineer - Radio Frequency Band Designations”. 2014年7月30日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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